吉岡氏流の「PMスキルモデル」

吉岡詩織氏(以下、吉岡):ここまでバーッと私の具体のエピソードをお話ししましたが、後半はこの話を一歩抽象化したいと思っています。

突然ですが、世の中にはPMのスキルマップとかモデルみたいなものっていっぱいあると感じていて。(スライドを示して)これは、私なりにそれらをかみ砕いて落とし込んだモデルになっています。

まず一番下のところにこれはないといけないと感じているのが、プロダクトの成功を願うマインドであったり、顧客、ユーザー、ターゲットを幸せにしたいという気持ち。そして学んで身につけていくものとして、ビジネス、ものづくりの両面に対してのKnowledge、知識の部分と、学んで身につけていくスキルということでTechnical Skillと記載しているもの。

そして一番上に経験によって磨かれていくスキルもあると思っていて、それが意思決定だったり、推進力だったり、課題定義だったり。ほかにもあると思っていますが、こういったモデルみたいなものがあると自分的には思っています。

一番上の部分が一番、得意・不得意が出やすかったり、経験者との差が出やすい部分、かつすごく評価されやすいのかなと私は感じていて。

PM初心者にとっては、経験者の人とすごく差があるとか、理想と乖離があるというところでつまずいてしまう部分はあるかなと思っています。

そこで今回、私がもう1軸提唱したいのが、このCharacterみたいな部分なんです。その人がその環境で、最もパフォーマンスを発揮できるあり方があるかと思っていて。この経験によって磨かれるスキルは、相互作用する側面があると感じています。

このスキルの部分って、いきなり完璧を目指すとか、いきなり理想に近づくことはすごく難しいと思っているので、どの領域から得意にしていけるかとか、逆に「どの領域が自分は弱いんだな」みたいなところを見つけていく上で、自分なりのあり方みたいなものはすごく参考になるかなと私は今回感じました。これが、私が今回“MyPM像”と呼んでいる部分になります。

“MyPM像”を考えるヒント

それを考えるヒントですが、先ほどお話したとおり、自分と組織と事業の特性を踏まえることもそうですし、あとは、私にとって第三者からのフィードバックはすごく大きかったなと感じていて。今回転機となった時にもらった言葉もそうだし、「アクションを起こす時に、こんなことをしてみたら?」みたいな言葉も、けっこう第三者からヒントをもらったなと感じています。

フィードバックをもらうためには、日々自己開示をしていくことが必要だと感じているので、いろいろな職種の人と対話機会を増やすこともそうですし、あと弊社には、“ポエム”という文化があって、Notionだったり、社内共有ツールに、自分の思いが整っていなくてもいいから、とにかく書いてみて発信してみる。そういったところに対して、「私から見て、あなたはこう見えているよ」みたいなフィードバックがもらえるのかなと感じているので、自己開示はおすすめめです。

それらを踏まえて、アクションを起こして、アクションを起こすことでまたフィードバックがもらえる。そういったサイクルを積み重ねていくといいのかなと感じています。

ここまでが、私が“MyPM像”というものを確立するまでのお話と、確立するための考え方のお話でした。

PMのベースは「信頼」

最後になります。突然ですが、PM初心者としての心得的なお話も少しさせてもらえればと思っています。

というのも、私が今回そういったアクションを通して得られたものって、ユーザーに対する理解だったり、開発に対する理解はもちろんありますが、すごく大きなものが得られたなと思っていて。それが、信頼と成果だと思っています。なので、ここでは信頼と成果のお話をします。

私は、PMのベースは信頼かなと感じていて。信頼してくれるメンバーがいるので、良いプロダクトを作ることができると感じています。

信頼をどう得ていくのかは、成果はもちろんですが成果だけではなくて、行動でも信頼は得られると感じていて。例えば私の場合だと、「なんかあいつ、最近すごいユーザーのことを理解しようとしているな」とか。そういった行動も大事だと思っています。

あとは、思考プロセスをできるだけ見える化したり、メンバーとの対話を増やしたり。あと、メンバーのちょっとしたSlackのつぶやきにも敏感になるように私はしています。そういった積み重ねで、信頼が築けていくのかなと思っています。

PMにとっての成果

次、PMにとっての成果のお話です。私は目標数字の達成だけが成果ではないと思っていて。もちろん目標へのコミットは大前提ですが、最初にお伝えしたように、PMは正解のない問いに向き合う職種なので、仮説を持って行動して学びが得られれば、それはすごく大きな成果だと私は思っています。

なので、その学びを活かしていくスタンスが大事かと思っていて、例えば私だったり弊社の場合は、仮説や得られた結果を施策ごとにちゃんとまとめて、それを自分だけに閉じずに、各所に展開していくところを大事にしています。

これが、“MyPM像”から少し脱線した部分もありますが、PM初心者の方たちに伝えたかったことです。

PM初心者の方・PM育成者の方へのメッセージ

最後にここまでのお話のまとめと、私からのメッセージというところで締めくくりたいと思います。

まずPM初心者の方に伝えたいことです。“MyPM像”という、私らしい自分なりのPM像を描いてみると、今後の成長のヒントが得られるかもしれません。

そのために、ぜひ自分と組織と事業の特性を踏まえてみたり、アクションをとにかく重ねてみたり、あと積極的に自己開示することを大事にしてみてください。

あと、PMは信頼がベースだと思っているので、行動と学びも含む成果でどんどん語っていけるといいのかなと思います。

それから、PM育成者の方へですが、ぜひ「あなたはこんなPMだよね」みたいなところを言語化してあげてほしいと思います。キャッチーなキーワードだとすごく心に刺さりやすいかなと。私の“愛されPM”はすごく大好きな言葉ですが、今の上長から授かった言葉です。

あとは、(PMに)積極的に自己開示をさせてみてほしいなと思うのと、学びも十分な成果だと思うので、目標へのコミットは大前提ですが、学びを得られたかどうかもぜひ評価してあげてほしいなと感じています。

私自身もまだまだ初心者PMみたいなところがあるので、今後もっともっと学びを深めていきたいなと思っているさなかではありますが、そんな私から最後に、仲間を募集していますというところで。コネヒトでは、PM、エンジニア、デザイナーも募集中です。子育て領域ももちろんそうですが、新しい領域にチャレンジするコネヒトに興味がある方は、ぜひご連絡をお待ちしております。

それでは、私からのセッションは以上になります。みなさん、今日はご清聴ありがとうございました。