IT推進室の「企画チーム」と「推進3チーム」のマネージャーを兼任

遠藤喜央氏:私から「社員の活躍を支えるデータドリブンなHR Tech」というテーマで発表いたします。よろしくお願いいたします。

先日サッカーのワールドカップが始まりましたね。ドリブンがドリブルに見えるのは自分だけかなとは思いますけれども。今日も、イングランド戦がありますが、この時間は、私たちの話をご清聴いただければと思います。

本日の私のパートの全体の流れです。今回、私からはIT推進3、4チームの部署の案件の事例紹介をさせていただければと思っております。大きく2つですね。HR Techと、もう1つを紹介したいと思っております。

ではまず簡単に、自己紹介をいたします。あらためまして、遠藤喜央と申します。喜央(ヨシナカ)って、けっこう珍しい名前だと思います。苗字でヨシナカはありますけどね。戦国武将の木曾義仲をご存じの方もいるかと思いますが、それでちょっと覚えて帰ってもらえればなと思います。

私は、IT推進室の中のIT企画チームとIT推進3チームのマネージャーを兼任しています。簡単に今までの経歴をお話しすると、新卒でSIに入社し、その後金融系の事業会社に入社して、社内ITを担当していました。LINEでも社内ITを担当しているので、長く社内IT部門を見てきています。

趣味は、この写真にあるようにアウトドアです。雪山に登ったり、キャンプに行ったりします。あとはクラブでDJ活動と書いてありますが、コロナ禍以降はぜんぜんできていないので、そのうち復活したいなと思っています。よろしくお願いいたします。

業務部門と一緒に業務の本質を見極め、業務改善を目指す

ではまず、IT推進3、4チームの業務を簡単に説明いたします。IT推進3、4チームは、バックオフィスというところでも主にコーポレート部門って言ったらいいんですかね。人事、総務などの業務部門に対しての業務改善であったり、その改善に向けたシステム開発のプロジェクトマネジメントやシステム保守運用を行っています。

ここに書いてあるように、役割としてシステムの改善、要はシステムを導入することが目的ではなく、その業務部門と一緒に業務そのもの・本質を見極めた上で、業務改善を目指すことを目的としています。

各業務領域でいろいろ施策は行っていますが、今回はその中で、赤枠で囲んだ「HR Tech」と、各業務部門の領域にまたがって展開している、従業員向けのケアサポート改善の大きく2つを説明したいと思います。

なぜLINEではHR Techなのか?

ではさっそく、データドリブルじゃないですね、(データ)ドリブンなHR Techを説明いたします。まずなぜLINEでHR Tech? というところです。背景的なところの話をさせてください。

まず1点目。市場の変化や事業の成長に合わせて組織も柔軟に変わっていきますが、LINEアプリのローンチが2011年です。東日本大震災の直後で、その後急速に従業員が増えました。

HR部門も、現場ニーズに合わせて人事情報などを提供してきたのですが、毎月100人が入社する時期があったり、従業員が3,000人を超えるという現状もあるので、個別に(人事情報を)提供するのがやはり難しくなってきました。そういった人事情報的なところを一律に提供できる基盤が必要だよねというところで1点目を記載しています。

2点目。IT企業はどこも一緒なのですが、私たちは物理的なモノを持ってるわけではなく、資産はヒトです。エンジニアだったりデザイナーだったりが重要な資源で、その資源を有効活用していきましょうというところですね。そのためのHR Techです。

3つ目が、人事情報をテクノロジーを利活用して企業の成長に寄与していきましょうというところですね。これらが大きな背景です。

HR Techが目指している3つのこと

そのLINEのHR Techが目指しているところ。大きく3点スライドに書いてあります。まず1つ目、「人事施策の検証可能性を向上」とあります。例えば、サービスで上がった利益、その原資をボーナスとして従業員に支給したほうがいいのか? とか、もしくは福利厚生に上乗せしたほうがいいのかね? というところを検証するために情報の元として活用していきたいというのがあります。

2点目。「マネージャーの行動支援」とありますが、入社者が多いとか、組織変更がよくあるとか、そういったところで現場のマネージャーが各メンバーの経歴・スキル・過去の評価などを一元的に確認して行動しやすい状態に持っていきたいというのがあります。

3点目。「パーソナライズドHR」とありますが、やはり人事施策を「いっせいのせー」でワーッと一律の施策を打つ会社が多いと思います。ただその施策を、例えば職種、個人まで合わせて実施すると難しいと思いますが、そういった属性に合わせたかたちでパーソナライズドして提供するのを目指していきたいと思っています。

3つの機能の紹介

ここから事例ですね。実際にどんな機能があるのか、3つほど紹介できればと思います。まず1点目が、リファラル採用ダッシュボードです。採用チームのためにリファラル採用の状況を可視化しています。

ちょっとモザイクがかかっているので、「なんじゃこれ」って話なのですが、例えばどの職種でどのくらいの内定率があるとか、内定に至るまでにリードタイムはどの程度かかっているのかとか、どの部門の社員に紹介が多いのかを見せるダッシュボードになっています。

実際にこれを作ったことにより、高い職責の社員からのリファラルのほうが内定につながるケースが多いなど、データとして見えてくる部分がいろいろありました。

社内IT部門としてこういった施策を打つ上で、HRとタッグを組んで進めているのですが、実際これを採用システムと連携したり、そこのブリッジだったり、方向性だったりをPMとして旗を振っていきます。

次の事例をご紹介します。個人カルテというマネージャー支援につながる機能です。マネージャーがメンバーの勤怠・評価などを把握するために自組織のメンバーの勤怠状況、評価、過去の評価、あと今ここには書いていませんが、研修の受講履歴だったりを一元的に見ることを可能にしています。ここに必要な情報を、他システムからデータ連携し取り溜めているので、そこの施策は後ほど説明いたします。

最後に、3つ目です。出社率推移。先ほど、コロナ禍によるLINE Hybrid Working Styleの説明がありましたが、実際に(社員が)オフィスにどのぐらい出社しているのかを取り込んで可視化しています。

実際のオフィスの出社率によって、社内での福利厚生の適用範囲など、バランスのコントロールを実際しています。これらが機能的な事例の3つとなります。

データ集計における課題を解決する「HR Data Lake」

課題は、単純にそういったデータの集計がめちゃめちゃ大変ですよというところです。実際のデータ元になっている採用システムや勤怠システムは、外部システムで点在しています。

また、システムごとにデータの更新タイミングもそれぞれ違うので、そこのつなぎ込みだったり、ブラッシュアップだったりが大変です。

3つ目。「組織も柔軟に変わっていく」とありますが、毎月入社があったり、発令が月2回ある中で、組織が変わっていくであったり、その時点のスナップショットだけでは取りきれない部分があるので、履歴として持つ必要があります。ここが課題となっています。

というところで、IT部門としてHR Techを支えていくために、大きな「HR Data Lake」という箱を作りました。これは、左側にあるように採用システム、勤怠システム、評価、パルスサーベイなどを一元的に取り込んで、そのデータを加工したものをそれぞれの機能に対して流して、各マネージャーや人事部門の方々が参照できる状態を作り上げています。

その中身をもうちょっと詳しく説明します。地道なデータ蓄積と書いてありますが、やはりシステムがそれぞれあるというところと、データ更新タイミングが違うというところで、いかにシームレスにデータを連携してリアルタイムに反映させていくかが大きくチャレンジする部分かなと思っています。

というところで、今はこのような構成で作っているのですが、例えば、「APIがありません」というのがあったりするんですね。そういった場合にはRPAを用いて地道に取り入れたりしています。ただ、なるべくリアルタイムでデータ連携できるように受け側でAPIを設けたり、システム化したりと地道に進めています。

ざくっとしたHR Techの説明になりましたが、説明したとおり、データの環境が整ってきた状態です。そこで、最初に説明した検証可能性の話だったり、マネージャー支援、パーソナライズドHRに寄与できるように、今後も業務部門と一緒にプロジェクトを推進して、1人でも多くのLINER(LINEの従業員)が活躍できる環境を作っていくことを目的としています。

問い合わせ窓口のシステム化することで従業員向けケアサポートを改善

次に、事例2個目として、「従業員向けケアサポート改善」を簡単に説明いたします。

最初、岩見(岩見賢吾氏)から話がありましたが、Enterprise ITセンターとして働きやすさナンバーワンの企業を目指すというところですね。そこを掘り下げると、全従業員が気持ちよく業務に集中できる最適な環境を!!! というところを目指しています。その中での取り組みとして、従業員のケアサポート窓口をシステム化をしています。

具体例を言うと、これは全社的な問い合わせ窓口のシステム化です。(スライドを示して)ここに書いてあるように、メール、社内にある窓口カウンター、構築中ではありますがLINEの社内で標準的に使われているチャットツールなどからの問い合わせをServiceNow側で一元的に受け付けて、ナレッジの蓄積と問い合わせへの応答をシステム化しています。

従業員と問い合わせを受ける側の働きやすさを叶えるための施策を打っています。

もう少し掘り下げて、実際に問い合わせからの流れを簡単に説明できればと思います。左側、「PC故障しました」「社員証を忘れました」という状況が発生した場合、カウンター、Slack、メール、ServiceNowのポータル画面を用いて問い合わせをもらいます。そして、裏でオペレーターがServiceNowに対して回答して、従業員とやりとりする仕組みを設けました。これはServiceNowで言う、ITSMのIncident Managementという機能を使って構築しています。

今後の展望です。受ける側も、問い合わせする側もやはりスピーディに対応したいというところと、負荷を軽減したいというところで、Botでの自動回答ですね、取り溜めたナレッジをAIで解析して、Botで対応するということを今は検討しているところです。

IT推進室 3、4チームが求める人材

では最後に、推進3、4チームの募集要項を簡単に説明いたします。

大きくMUST、WANTとありますが、MUSTのところですね。ここらへんのご経験が当てはまる方にぜひご応募していただきたいと思っています。LINE社員として働いてみたい方。今日の説明会でおもしろそうだなと思った方は、面談からでも可能なので、ぜひご連絡いただければなと思っています。

2ポチ目、3ポチ目、4ポチ目、システム開発に関するところですが、システム開発、導入プロジェクトのマネジメント経験、それらに付随したところで開発に関する基礎知識や運用に関する基礎知識を必須としています。

あと、推進3、4に限るというところもありますが、なにかしらコーポレート部門、バックオフィス系の業務知識がある方を広く募集しています。

WANTですが、実際にそれを叶えるためのソリューションの知識があればというところですね。例えばOutsystems、ローコード開発の知識、またはITSM、ServiceNowの知識、Scratch開発(Javaでの開発など)、アプリケーションが載っているサーバーの運用経験など。ほかにも岩見からもありましたが、組織マネジメント経験者も広く募集しているので、興味がある方はぜひご応募いただければと思います。

ちょっと駆け足になってしまいましたが、IT推進3、4チームからの説明は以上といたします。ご清聴いただき、ありがとうございました。そしてこの後、ワールドカップを観る方は一緒に楽しみましょう。ありがとうございました。