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仕事で知ったことを子育てに(全1記事)

「仕事で得たことは子育てに使っちゃおう」から生まれたTips エンジニアの経験を子どもの宿題・課題に活かせた3つの事例

幅広い年齢の子どもがいるエンジニアが登壇し、仕事や自己学習とどう両立しているのか、子育てをしながらどんなキャリアを形成をしてきたのかなどを話す「子育てエンジニアのLT大会!子育てと仕事・キャリア形成の両立について語ります」。ここで株式会社コドモンの三戸氏が登壇。仕事で得たことを子育てに活かした3つの例を紹介します。

三戸氏の自己紹介

三戸奈津子氏(以下、三戸):コーポレートエンジニア三戸から、「仕事で知ったことを子育てに」というお題で始めていこうと思います。

まず自己紹介です。2000年から社会人をしています。最近の好きな家事は布団の洗濯で、「季節が変わるな」という時にコインランドリーに持って行くのが大好きです。高3の娘と中3の息子がいます。

自己紹介なので、私の経歴でポイントになる点を2点お伝えします。転職して1年ちょっとで出産しました。育児に関する社会保障制度が整いきっていない時期に出産しています。

まず1つ目、転職して1年ちょっとでの出産です。

もともと高校生の頃から働きながら子どもを育てたいと考えていました。なので、社会人1年目から育児に関する社会保障制度はかなり調べていた感じです。例えば「社会保障制度で育児休業制度があるよ」だったり、「育児を理由にした退職勧告は禁止されているよ」とか、そういうことはもともと調べていた感じです。

転職にあたっても「子どもを産んで働くよ」ということをきちんと伝えて面接を受けていました。それもあって、入社直後の産育休でしたが、快く「行ってきな」みたいな感じで送り出してもらえました。自分からちゃんと意思表示をするのは大事かなと思っているところです。

次が、社会保障が整っていない中での出産に関してです。特に育児休業給付金に関してお伝えしたいなと思いました。私は2004年に第1子、2007年に第2子を出産していますが、2001年に1回目の育児休業給付の改正がありました。

改正があった後なので多少生きていけそうだと思ったんですけれど、もともとの育児休業給付金は、賃金の25パーセントしか出ない制度でした。

とはいえ改正があったので、私の第1子の育児休業給付金は、休業中は休業前賃金の30パーセント支給で、復帰して6ヶ月後に10パーセントの支給がありました。この時は社会保険料の免除がありません。毎月の給与明細にマイナスの数字が積み重なりますが、これがとってもキツかったです。

現在、休業中の社会保険料は全額免除になっていると思います。手当も休業中に全額支給されているかなと思っています。それがあったので、夫婦で収入が多い側であっても、すごく取得しやすくなっているんじゃないかなと思います。

余談ですが、私のいるチームでは男性社員が2人育休を取っています。1人は1年間取っていて、1人は7ヶ月取っています。こういう世界になってきたことがすごくうれしいと思っているのと、しっかり子育てにコミットして、戻って来てまた一緒に働けることを楽しみにしています。

Tips1「思考系フレームワークの活用」

ここからは本日のお題の前置きですが、子育て期間中はほぼフル勤務です。主婦のママに敵わないことはすごくいっぱいあります。特に私たちの世代は前例がそんなに無い中で目指していたのは、自営業のママでした。

働く背中を見せながら子育てをして、「この人が母だから経験できたなぁ」と(いうことが)子どもたちに積み重なって、「この人が母で良かった」になったらいいなと思っています。そう考えていたので、「仕事で得たことは子育てに使っちゃおう」と考えました。

今日はいくつか特徴的なTipsを挙げていますが、こういった考えから生んだTipsです。たぶんみなさんそれぞれ違う経歴を持っていて、それぞれみんなTipsがあるはずなので、どこかで聞けたらおもしろいなと思っています。

それでは仕事で得たことを子育てに使うTipsその1、「思考系フレームワークの活用」です。娘が小学校2年生の夏休みのことでした。宿題で読書感想文が出ていましたが、何を書いていいかわからないので発狂していたんですね。

発狂している娘にインタビューして、「それ、誰が出てくるお話だったの?」「で、何があったの?」「そんなことがあったの? それゆぅゆだったらどうする?」みたいなことをしていたんですね。

「なんかこれどっかでやったぞ。あ、これ機能を作る時のブレストでやっているな」と思ったので、聞くだけだと言葉が流れていっちゃうから、マインドマップを使おうと思って。真ん中に本のタイトルを書いて、どんなことを思ったとか、どんなことを感じたとか、粗筋を書いてみたりとかして、マインドマップを書かせてみました。

これを書いちゃえば、あとはつながりとかを整理すればもう字で書いてあるので、読書感想文をクリアすることができました。「よし! クリア」という1個目です。

思考系フレームワークは案外転用しやすいなと思っていて。パーセプションマップだったり、ロジックツリーだったりいろいろありますが、すごく子育てに転用しやすいものじゃないかなと思っています。

これまた余談ですが、数年後に娘の授業参観で、「将来の夢を伝えよう」という授業がありました。その授業で先生がマインドマップを使って「やってみよう!」みたいなことをやっていて、今は教育現場にも浸透していっているんだろうなと思っています。

Tips2「SaaSの活用」

Tipsその2、「SaaSの活用」です。息子が小学校3年生の夏休み。ポスターを描くという宿題です。防災というテーマを選びましたが、防災を選んだ理由は「俺、ドローンで点検しているところを描きたい」とか言うんです。でも「ドローンってどういうのだっけ、ママ」みたいな。「それはママも知らんよ」ってなって。

とりあえずお絵描きソフトを活用しようということになりました。素材を一緒に検索して、お絵描きソフトにとりあえず気に入った素材だけぺっぺっと置いていってあげました。

(スライドを示して)当時のやつはフリー素材じゃなかったのでアレですが、これはフリー素材で作り直したものです。

「これがいい」って言った素材をばーって置いてあげて、「画用紙の枠ってこれぐらいだよ」と言って、「じゃあこのへん切り出そっか」なんて言って、そこに勝手に自分で大きくしたり小さくしたり配置したりして、構成は息子がやっていました。

で、「これでいいや」ってなってから画用紙大にプリントアウトしてあげて、横に置いて描くと。「はい、これでポスターもクリア」という状態です。

Tips3「人脈活用」

Tipsその3、「人脈活用」です。娘が中学1年生の時、社会人にインタビューしてくるという宿題が出ました。お仕事インタビューですね。「両親でOK」と言われましたが、娘は13歳で、私とは27歳差で。

(社内に)新卒2年目の子がいたんですけれど、「この子は娘と11歳差だな」と思って。「どう考えても彼女にインタビューしたほうがリアルじゃないか」と思ったので、お決まりの質問も含めて彼女にインタビューをお願いしました。

インタビューは一応きちんとしましたが、その後で大学受験の話とかもしてくれて。「こういうふうに選ぶといいよ」とか「こんな高校があるよ」とか、そういう話をいっぱいしてくれました。なので、すごく有意義なインタビューになりました。

エンジニアはすごく若手が多い業種なので、私なんかより(娘にとって)身近な存在がたくさんいてくれるのがありがたいなと思っています。特にうちのパパはアウトドアができなくて、(若手がいることで)アウトドアをするというか、バーベキューを一緒にしてもらったり、火をつけることとかを体験できたり。

娘は「イベントに行きたいんだけど、どうかな?」って。「コミケとかなんですけど」という相談をして、「ちょっとまだ中2のうちはやめとこっかー」「1人で行くのは駄目だよー」みたいなことを言われたりして、相談に乗ってもらっていました。

親以外に育ててもらえる環境を大事にしていきたいと思っていたので、すごくありがたい環境です。

番外編「母がエンジニアでよかったね」

これで最後です。番外編で、「母がエンジニアでマジでよかったね」というやつなんですけれど。娘が高校2年生の時の課題。Pythonを用いたデータ分析演習で、いきなりGoogle Colaboratoryを使って演習してこいという宿題が出ました。

娘にニコニコされながら、「母、宿題一緒にしようね」と横に座られた時に、「まじ、母、エンジニアで良かったね」って思った感じでした。

私の発表は以上で終わりにします。ご清聴ありがとうございました。

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