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エンジニアからPdMへの転身に必要なナレッジとは?(全5記事)

調整役で、リーダーで、顧客の代弁者でもあるのがPdM 登壇者たちが「一人前になれた」と思えた瞬間とは

「[D2P]エンジニア出身PdM/PjM/BizDevが集まる勉強会」はエンジニアからPdM/PjM/BizDevにキャリアチェンジした方などをお招きし、エンジニア視点で良い製品開発をしていく為のナレッジを共有する勉強会です。今回のテーマは「エンジニアからPdMへの転身に必要なナレッジとは?」。エンジニア出身のPdMがそれぞれの経験や知見について話しました。全5回。5回目は、採用において重視している点と、「PdMになれた」と思えた瞬間について。

採用においてスキルセット・スキルフィットは現場のエンジニアに判断を任せている

横澤佑輔氏(以下、横澤):じゃあちょっと次のアジェンダにいきましょうか。前回もトピックにありましたが、結局、みなさんは採用に困っています。これについて、サクッと言ってもらっていいですか、永嶋さん?

永嶋章弘氏(以下、永嶋):そちらから。

明石衛氏(以下、明石):こちらから?

永嶋:考えさせて(笑)。

横澤:実際に明石さんは、プログラミングに関してぜんぜん知識がない中で採用をしなければいけないじゃないですか。

明石:はい。だから、完全に役割を分けています。スキルセットや面接はエンジニアに入ってもらいますし、僕は人柄やコミュニケーション能力しか見ない、と明確に分けてやっています。あとは、会う前にエンジニアに「何が気になりますか?」と気になるポイントを聞きます。できないものはできない、としたほうがいいと思っているので、僕は完全にエンジニアに任せています。

横澤:なるほど。書類を含めてテックの部分は現場のエンジニアに見てもらってやる感じですね。

明石:そうです。

横澤:そうなりますよね。友也さんのところもそういう運用ですか?

伊藤友也氏(以下、伊藤):まったく一緒です。エンジニアに限らず、僕らの見る観点は、カルチャーフィット、モチベーションフィット、スキルフィットなどです。スキルフィットはそれをプロフェッショナルでやっている人が判断をすると割り切っています。

横澤:僕はエンジニア出身なので、スキルフィットは当然把握できると思うのですが、カルチャーフィットとモチベーションフィットはエンジニアやビジネスに限らず、誰がやっても難しいです。すむたすの場合、良い・優しいエンジニアがいるという話ですが、たぶんチームがすてきなのだろうと思います。どういった感じでカルチャーフィットとモチベーションフィットを見ているのですか?

伊藤:まず、複数人で会うことは必ずしています。エンジニアだったとしても、例えばエンジニアと他のビジネスサイドの人というかたちで、複数人に会ってもらって多角的に評価し、判断しています。

先ほど、ユーザーについてみんなでワークショップするという話をしました。そういったかたちで、3ヶ月に1回、ワークショップをしています。その中で、「僕らの特徴はなんだろう」と、自分たちらしさやカルチャーなどを考えています。そういった機会は多いかもしれません。

横澤:なるほど。そこでカルチャーなどがある程度、言語化・明示化されているから、それにフィットしているかという観点でメンバーを見ることができるのですね。

伊藤:そうですね。

横澤:すばらしいですね。

事業に対する共感と、キャリアの方向性の一致を重視している

横澤:yappyさんは採用はしていますか?

鈴木康弘氏(以下、鈴木):メチャクチャ。

横澤:メチャクチャしているんですか!?

鈴木:メチャクチャ、スカウトして。

(一同笑)

鈴木:みなさんが言っていたとおりで、エンジニアもスキルだけを見れば良いというわけではないので、スキルはエンジニアにきちんと項目も作って見てもらう。私たちの言葉でいうところのバリューフィット。人柄が、会社の価値観に合うのかどうかを必ず見なければいけない。工程もありますね。面談の1次、2次、最終など。

横澤:yappyさんのところは、プロダクトがかなりテクニカルに寄っています。例えば、yappyさんの今の役割は、PdMというよりほぼ事業部長・事業CEOだと思います。なので、下にPdMやPMなどのメンバーをそろえていかないといけないと思うのですが、その時はやはり、エンジニア出身であるべきという判断はありますか?

鈴木:私たちのプロダクトは、エンジニア出身のPMでないとできないですね。

横澤:やはりあるんですね。

鈴木:ドメイン的に、そのようなプロダクトです。

横澤:やはりありますね。……永嶋さん、どうぞ。

永嶋:はい。

(一同笑)

永嶋:だいたいみなさんと一緒です。スキルは、うちはコーディングインタビューをやっていて、それでだいたいわかります。書いてもらう・やってもらうのが一番なので。

横澤:それはライブでやるんですか?

永嶋:ライブで。

横澤:おー。その場でいきなり「なにか書け」みたいな?

永嶋:「こういうのを出します」と一応言っておきますよ。

(一同笑)

永嶋:そういうのは言っておいた上で、僕がけっこう見ているのは、まずは事業共感です。例えばOHEYAGOだったら、「けっこうチャレンジングな事業でこういう世界観を作りたいんだけど、どう思う?」みたいな。そこが合っていること。

横澤:「どう思う?」とは、ちょっとおもしろいですね。

永嶋:「どう思う?」とは言わないですけど、事業の世界観をバーッと話してそれに対して共感してくれるかをけっこう僕は重視しています。あとは、キャリアの方向性を合わせることです。「うちに来たらこのような経験ができるけれど、それはあなたが求めているものと合っていますか?」と確認します。そこが合っていないと、win-winになれないですよね。うちはけっこう荒々しい会社じゃないですか。

(一同笑)

永嶋:荒々しい会社なんです。エンジニアにもプロダクト側に染み出てきてほしいという思いが強い会社なので、そういうことが好きだとすごく合うし、「僕みたいにエンジニアからプロダクトマネージャーを目指しているのであればメチャクチャ合うと思うけれど、そこらへんはどう考えている?」みたいな。逆に、「エンジニアとして突き詰めていきたいとなると、雑音が多いから合わないかもね」と。今までに出てこなかった話だと、キャリアの方向性を合わせることと事業共感についてよく見ている感じです。

横澤:すごくきちんと採用していますね。

永嶋:やっています(笑)。3年もやっていますので。

それぞれが考える、「PdMになれた」と思えた瞬間

横澤:オーバーしているので、最後にいきます。締めとしておもしろい質問が来ているので、これをみなさんに一言ずつお別れの挨拶とともに聞いて終わりたいと思います。「PdMになれたと思えたのはどんな状況の時ですか?」と。これは難しいと思いつつ、確かに「PdMって何?」と。

成果物や役割など、PdMと言っていいのかはたぶんこの瞬間みなさんバラバラだと思います。PdMとしての重要なファクター、要素はなんだろうということをちょっと聞いてみたいと思っていました。あまりここでがんばってもらわなくてもいいので、一言ぐらいで。

永嶋:機能をイチからリリースした時じゃないですかね。

横澤:あー。はいはい。

永嶋:新規の立ち上げだと調整もすごいあるし、小さいサービスでも大小の調整があります。プロダクトマネージャーは調整役です。いろいろなところからいろいろなことを言われながら、プロダクトを抱えて最後に「トライ!」と、出すわけです。それが出た時が、やはり「やったな」と。

横澤:いきなり、なかなか良い話をしてきたね。

永嶋:私は思いましたね(笑)。

鈴木:自分自身がPMとして一人前になれたと感じたのは、やはり自分が作ったプロダクトが、複数の企業を相手にきちんと販売実績が作れたタイミングです。

横澤:きちんとお客さん先で使われているということですね。

鈴木:そうですね。実際にお客さんが喜んでくれて、チャーンも少ない。

横澤:使って喜んでいる姿を見ていると、単純にうれしいですよね。

鈴木:そうですね。作って出すだけだと、マーケットに対してちゃんと価値を提供できているかどうかがわかりません。販売や売上がきちんと達するということはやはりPMとしてはすごく大切なのではないかと思います。

横澤:友也さんはありますか?

伊藤:あくまでも、僕が自分でPdMになれたと思った時でいうと、やはりプロダクトのことを思いを持って語れる時です。

横澤:その瞬間はありますね。

伊藤:私事ですが、リクルートの新人時代にSUUMOのネイティブアプリの担当をしていて、部長と朝ご飯を食べに行く機会がありました。そこで「どんな仕事をしているの?」と。すごく楽しい朝ご飯と聞いていたのですが、僕が「こういうものを作りたくて」と話したら、「君がやっていることはぜんぜんダメだね」となって。

(一同笑)

横澤:朝っぱらからそんなことを言われるんですか!?(笑)。リクルートさん怖いな。

永嶋:怖い(笑)。

伊藤:帝国ホテルの1階でパンケーキを食べながらそれを言われて。その時は、自分はこうしたほうがいいという視点で仕事をしてしまっていたのですが、それを機にかなりの数のユーザーインタビューを始めました。その時に70人ぐらいのユーザーにインタビューしたら、自然と「もっとこうしたら良くないか」と、思いを持って語れるようになったことがありました。スキルとかは違うかもしれないですけど、気持ちとしてはこれがPdMだと。

横澤:熱意を持って語れるのはすごい。役割だからこそですけど、大事ですよね。

鈴木:顧客の代弁者。

伊藤:本当にそうですよね。

鈴木:それができるというのは非常に重要です。

横澤:すごいですね。その役員さんは、たぶん肌で感じ取って「ダメだな」と言ったということですよね。

伊藤:そうですよね。

横澤:リクルートはさすがですね。

伊藤:でも、その時は本当にムカつきましたけどね。

(一同笑)

横澤:「朝っぱらからなんでこんなにダメ出しされるんだ」みたいな(笑)。

伊藤:僕以外の同期は「本当に楽しい朝ご飯の時間を過ごした」と言っていて、僕もそんな感じで行ったのですが、ものすごくて。悔しすぎてパンケーキを一口も食べませんでした。

横澤:それはそうなりますよ。

永嶋:期待の裏返しかもしれないですね。

伊藤:単にユーザーが見えていなかっただけかもしれませんが、それは本当に良い経験でした。

永嶋:メチャクチャ良い話。

横澤:明石さん、ありますか?

明石:このあとに締めるのは無理じゃないですか?

(一同笑)

横澤:もう一発芸でもいいですよ(笑)。

(一同笑)

明石:僕もみなさんと同じです。お客さまの声を聞いてきて、それはこういう機能だと判断してプロダクトを作り上げる。お客さまが「これはいいですね」と、そのプロダクトを喜んでくれた瞬間。厳密に言うと僕はPdMではないですが、やはりすごくうれしいし、その成果が出ないとなんの意味もないじゃないですか。

そこで成果が出なかったら、言語化に失敗したPdMの責任だと思うんですよ。だから、そうやって成果が出た時にようやく認められるというか、「あぁ、ちゃんと仕事したな」と言っていいのかなと思います。

横澤:そうですよね。確かに、PdMは調整役でありリーダーでもあって、顧客の代弁者でもあります。顧客に笑顔を作ってもらうための橋渡し役であることが一番重要なロールだと思います。それができなかった時は、やはりPdMの責任が問われるべきだと思います。PdMは、顧客の笑顔を作りにいく……。

明石:きれいに、良い感じに締めて。

横澤:というわけで、今日も居酒屋会談みたいな感じになりましたが、けっこう良い話ができたのではないかと思っています。本日もこの時間までご視聴いただきましてありがとうございました。

数ヶ月に1回ぐらいのペースでこれをやっていますので、connpassでグループ登録してください。資料と今日のライブ動画も公開するので、ぜひアンケートの登録をお願いします。本日は、株式会社リテイギの主催でお送りしました。みなさん、ありがとうございました。

一同:ありがとうございました。

(一同拍手)

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