2024.10.10
将来は卵1パックの価格が2倍に? 多くの日本人が知らない世界の新潮流、「動物福祉」とは
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斎藤幸士氏(以下、斎藤):ではちょっと話題を変えまして、変えましてというか関連した話ではあるんですけれど(笑)。これはみなさん興味のあることだと思っていて。ベトナムというか、海外の拠点で開発をしている上での失敗談。「こんな失敗があった」ということはたぶんみなさん興味あることかなと思いまして、そのあたりも共有したいなと思います。小橋さんはどうですか?
小橋昭文氏(以下、小橋):考えさせてください。
(会場笑)
斎藤:じゃあ山元さんに。
山元亮典氏(以下、山元):先ほどもお話しましたが、弊社は最初にチームを大きくしすぎたということがあって。海外拠点でも柔軟なリソースとしての人員を確保できるという良い失敗談だと思いますが、広げすぎた結果、2、3人でマネジメントはしていましたが、2、30人ぐらいで、かつ英語での初めてのコミュニケーションで、(その量が)非常に多かったりとかしました。
当時はネイティブアプリとバックエンド、あとはWebのエンジニアの方でチームを作ったんですけれど、それを縮小して、次はネイティブだけにしようと。あとはバックエンドのエンジニアも少し安定してきたので、そういう選択をしました。やはり勢いでやりすぎると失敗はするというところです。
小橋:改善策としては適性なサイズに(おさえる)。
山元:適性なサイズに。弊社は小橋さんがお話されていたように、試してみるところもやはり大事だというのはあります。
斎藤:ありがとうございます。ベトナムの人数と日本の人数でバランスは(どのような感じでしたか)。
山元:当時は日本のエンジニアは10人もいませんでした。
斎藤:なるほど。
山元:その中でも2、3人で(ベトナムに行きました)。
(会場笑)
斎藤:なるほど(笑)。中出さんは失敗談はどうですか?
中出匠哉氏(以下、中出):そんなに大きい失敗はありませんが、私たちも最初はSun Asteriskさんにお世話になっていて、(その後に)自分たちでやり出したのですが、ちょっと失敗したなと思っているのは、現地のマネージャー人材を取るのが少し遅かった印象があります。
先ほど言ったとおり、経験の年数が長い人材がそんなに多くない印象ですが、日本だとサラリーマンがこのぐらい、ベトナムだとこのぐらいという感覚で、「ベトナムのマネージャーもこのぐらい(のレベルの人)はハノイで採用できるだろう」と言ってやっていましたが、それがあまりよくなかったと思っています。
結果的にベトナムのマネージャー人材に関しては、日本と同じぐらいの給料を払うと決めて採用をしていましたが、そこまでやると普通に採用できる感じで。別にマネージャーは組織の中でもたくさん必要になるわけではないので、そこは日本と同じぐらい払っていいと決めて、さっさと採用すべきだったなと(思っています)。
斎藤:現地に拠点を持っているからこそ出てくる悩みですね。
中出:そうですね。Sun Asteriskさんがそういうヒューマンマネジメントは全部やってくれていたので、そこは心配していなかったんですけれど。
参加者5:すみません、お聞きしていいですか? その時に使った採用のチャネルは?
中出:実際に私自身がやっていたわけではないんです。
参加者5:なるほど。ありがとうございます。
参加者6:投資をされて開発組織ができて育成が図れていて、組織をご自身で運営していく上で、評価基準で日本と違いはあるんですか? ベトナムならではの評価基準を入れたのであれば、そこを教えていただきたいです。
中出:最初は意図せずにベトナムはベトナムで評価基準を作っていたのですが、途中で混乱したので日本に揃えました。日本で私たちはグレードを1、2、3、4とかで決めているのですが、それがベトナムとちょっとズレがあって。
例えば「グレード3のエンジニアがハノイにたくさんいます」としても、ちょっと物足りなかったりするんですよ。「それはちゃんと揃えましょうね」となって。そのほうがコスト感も「日本と比べてこのぐらい」とわかりやすくなるので、(ベトナムならではの)グレードの定義は途中で揃えました。
参加者6:グレードの基準とか、フィードバックとかは……。ハレーションや文化の違いなどで気を付けていることはありますか? 要は、すごく遠回しに言うのかとかストレートに言うのか、それとも数字ドリブンでみたいな。
中出:私自身がフィードバックをしたりはしませんが、聞いている話だと、やはり日本とは少し様子が違うみたいで。(ベトナムは)自分はもっとできることをすごく主張してきたりとか。ベトナムだけの問題というよりかは、日本以外はみんなそうなのかなと。
(会場笑)
斎藤:そうですよね(笑)。
中出:すごく主張してくるし、ベトナムに関して言えば「あなたはここは〇〇だからこうですよ」ということをちゃんと説明するのは必要なのかなと思います。
斎藤:弊社も1,000人以上のエンジニアがベトナム側にいます。日本のエンジニアはフルスタックをやったりとか、開発もやりたいしマーケ(マーケティング)もやりたいしみたいな感じでけっこう幅広くやりたがると思います。
ベトナムのエンジニアは、私の印象だとわりとスペシャリストになりたがる傾向にあるかなと思っていて。弊社に関しては、キャリアパスがベトナムと日本では明確に違っていて、むしろ日本のほうがあまりキャリアパスを作っていなくて、ベトナムのほうがしっかりとしたキャリアパスがあって、その中でグレードの基準がけっこう細かく定義されています。
だからこそ評価の時に主張してくるわけですけれど、そこに対してちゃんと「こうだよね」と数字で示すことができるので、できる限り定量的に示すことができるかたちでコミュニケーションを取ることは必要かなと思います。
ただ、性質的に日本のエンジニアとベトナムのエンジニアとは違うというか、たぶん日本のエンジニアがわりとハイコンテクストなコミュニケーションでお互い納得できてしまうからあまりそこに対して意識が向かないけれど、たぶん海外拠点だとちゃんと明確にしておいたほうがいいのかなという感じがします。
参加者6:ジュニアとかミドルとかシニアとか、そういうタイトルにこだわるんですか。
(会場笑)
斎藤:ちなみに、小橋さんが先ほど考えていただいているという話でしたが、失敗談はありましたか?
小橋:どちらかというと、現在進行中という。(そんな)感じなんですけど。法人を立ち上げると、やはり社員として、チームの一員として受け入れる責任があると思うんですけれど、日本は「ああだ、こうだ」というかたちになりやすいんですよね。
資料も全部日本語だったりとか、会社の事業戦略をせめて最初の数名はしっかり理解してもらうことを目指しました。でもこの資料の量が膨大すぎて。私は一応CTOを名乗っていますが、これが「Chief Translation Officer」になっているんですよ。
(会場笑)
小橋:同時通訳もやっているし、全社改善は私が日本語で聞いたものを全部英語にしてチャットに流し続けるんですよね。そういうことをやっていますが、それでもやっぱり入る情報量が少なくて。会話の中で「ちょっと合わないな」という意見が出てきて、どうやって改善をしていこうかが私の悩みごとです(笑)。すみません、失敗談というか今挑戦中です。そこはどうしても難しいですね。
斎藤:やはりコミュニケーションの部分なんですね。最初の立ち上げの時は、どういう思いでそのプロダクトを作っているのかがすごく重要ですよね。
小橋:そうですね。いったんは現地でわかっている人から伝播してもらえるんですけど、最初にちゃんと入れていくのはすごく重要ですね。
斎藤:そうですね。
斎藤:それでいうと、マネーフォワードさんも現地で新卒のエンジニアを弊社経由で採用してもらっていますが、すでにプロダクトのことを熟知しているベトナムのメンバーがいる中に新卒で採用した子を放り込めるので、そういう意味で、そこはすごくうまく回るんじゃないのかなとイメージをしているんですけれど。
中出:私たちは先にホーチミンでやってしまったので、それは実はこれからです。新卒のメンバーはハノイを中心に採用をしていて、卒業したあと、日本に来るまでの間にホーチミンでインターンをやっていたりしたんですけれど、ハノイはしばらく拠点がなかったのでできなかったんですよね。2022年3月にハノイに拠点を作ったので、全部入れようとしています。
斎藤:でもホーチミンでは採用された学生たちのインターンをしていたんですよね?
中出:ハノイからホーチミンに行ってもらってそこでやります。学校が休みの時でないと行けないので、やはり少しやりづらかったですね。
斎藤:先ほど小橋さんもお話されていましたが、何名かはすでにプロダクトを熟知していたり、トランスレーションをできるだけの知識量を持っているメンバーがいると、そこから先はうまく回りやすいイメージがある気がしています。
斎藤:(ベトナムは)圧倒的に日本よりも採用がしやすいんですよね。トランスレーションをできる人はいるけれど、そもそもエンジニアが入って来ないからトランスレーションをする人がいないような状態が今の日本だと思います。
海外というか、ベトナムでは採用のシーンでいうと日本よりはるかにしやすいので、そういった意味では、最初にチームを作ることができたらそこから先、うまく拡大させていくのは比較的やりやすいんじゃないかなとは思います。
(次回に続く)
海外に開発チームを作る時、どんなリスクが存在していたか? CTOとマネージャーが考えていた文化・言語・品質の不安
ブリッジSEを入れ、英語ができる人を現地に常駐させる “日本と同じ環境を作る”を目指した、ベトナムのチームビルディング
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