2024.12.10
“放置系”なのにサイバー攻撃を監視・検知、「統合ログ管理ツール」とは 最先端のログ管理体制を実現する方法
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斎藤幸士氏(以下、斎藤):いったん最初の質問に戻ります。先ほど小橋さんがお話されていた、「海外に拠点を作ろうかなと思って、コミュニケーション面に心配があるけれど、いろいろ試した上で決めた」というのは、どんなことを試したんですか?
小橋昭文氏(以下、小橋):もしかしたらVoicyさんみたいに「えい! やぁ!」と、一気に20人突っ込んでやったほうが、いろいろ早く洗い出せたのかもしれないです。ぜんぜん無理ですけど。私がもう少し慎重にした1つの理由としては、特にSun Asteriskさんは日本語対応ができるので、そこに甘えるかどうかの判断をすごく悩んだんです。
やってくれる会社さんも絶対にいますが、会社として、日本語ベースのエンジニアリングをしたいのかどうかを、今いる中の方々も含めて認識合わせ(をする)ということで、ちょっと時間をかけました。
私も英語のほうが日本語より得意だったりするんですけど、楽天がやったように、「明日から全部英語」みたいなことは、さすがに現実的にちょっとできないなと思いました。
そういうところの社内の認識合わせみたいなところはわりと慎重にやってきて、1つ実験で、Sun Asteriskさんに「日本語じゃなくて英語で仕事をさせてください」と言いました。(そうしたら)ちょっとはてなマークの顔をされたんですけれど。
(会場笑)
小橋:実際にそういうかたちで、自分たちが思っていることが本当に行動に合うのかどうかも含めて進めてきたというところはあります。でも、Voicyさんみたいにやったほうが、もしかしたらいろいろ早く進んだ可能性はあるかなとは思います。
(会場笑)
斎藤:ちなみに今は英語ベースでやっているんですか?
小橋:基本的に今は英語ベースでやっています。コメントとかは日本語で、コードの中だけは英語にしました。簡単なところから始めて、GitHubやプルリクエストは英語にしたらさすがにハードルが高いので、段階的にやっていきました。
あとは、サポートするための心理的安全性というところで、SlackのbotにDeepLを入れたりといろいろな施策を打って、みんなが「できるね」と。自分ごと化できる状態でアクセルを踏み始めたところはあります。
参加者3:質問を。
斎藤:どうぞ。
参加者3:その体制って、もともとスタートの時点ではブリッジSEみたいな人がいて、その翻訳みたいなことをしていたんですか? それとも、始めから関わる複数のメンバーは英語ですべてチャレンジしてみたいな(かたちですか)?
小橋:すべてほぼダイレクトで英語でやっています。それができた理由としては、英語ができる人が社内にいたからということがあります。
参加者3:ありがとうございます。
小橋:Sun Asteriskさんには「ブリッジSEを入れないなら、よほど覚悟しろよ」と言われて。
(会場笑)
斎藤:そうですね。ブリッジSEがいない開発チームはあまりないですね。それができたというのはすばらしいことかなと。
斎藤:中出さんは先ほどコミュニケーション面で、「プロダクトのことはよく知ってもらえるかというところはありますが、仲良くなるためにみんながチームビルディング的なところをがんばった」という話があったと思います。
あと、山元さんがお話されていた「チームビルディングをけっこうがんばった」という話がありましたが、僕も経験したんですけれど、ベトナムのチームビルディングといったら昭和の日本みたいな。
斎藤:盃を交わすみたいな感じだと思うのですが、それでチームビルディングがうまくいったみたいな話ですか。それとも、もう少し具体的に、他のメンバーも(含めて)チームビルディングをする上で何か行ったことはありましたか?
中出匠哉氏(以下、中出):ベトナムだと、盃を交わすみたいなことは必要だと思います。
(会場笑)
中出:同じやり方か違うやり方かわかりませんが、私たちはそもそも最初から英語でやると決めていました。ただ、ブリッジSEの方を入れていました。あとは日本から英語をしゃべれる人を送り込むことを決めていて、1度、プロダクトマネージャーの人とエンジニア1名にベトナムに行ってもらって、そこで一緒に開発をしてもらうことを最初から決めていて、そうしましたね。
日本で開発している、基本的にプロジェクトマネージャーがそばにいるとか、わからないことがあったらみんなすぐに聞ける環境で日本ではできると思いますが、それと同じ環境をベトナムで作ることが一番成功する秘訣なのではないかと思ったので。
プロジェクトマネージャーに行ってもらったことと、あとは間に通訳を入れると話すことが面倒くさくなったり情報が落ちたりするので、全部英語でやり取りしましょうという前提でやりました。
ただこれは日本語のプロダクトで、要所要所で日本語がどうしても必要になってしまう部分があるので、トランスレーターの方とブリッジSEは入れました。
斎藤:それはベトナム語に翻訳してもらったんですか? それとも英語に翻訳してもらったんですか?
中出:基本的に現地のメンバー同士はベトナム語を使っていたと思いますが、Slackの中とかは基本的には全部英語でした。とはいえ、Slackの中ではベトナム語のチャンネルとかもありました。それはそれでいいんじゃないかなと。
斎藤:ありがとうございます。山元さんはどうですか? チームビルディングという観点でいうと。
山元亮典氏(以下、山元):そうですね。先ほどあった、いわゆる飲み会でのコミュニケーションはもちろん必要でした(笑)。
(会場笑)
山元:(中出さんと)けっこう似てるかなと思っていて。英語を話せるエンジニアの方がベトナムに何ヶ月も常駐をしながら(やっていました)。弊社だと日本のプロダクトマネージャーの方が要件とかも進めつつ、ベトナムの方とコミュニケーションをとって。ベトナムのエンジニアの方は日本のエンジニアにそのまま質問をするフローになっていて、(その間は)英語でやり取りをしていきます。
どのように作られているかや、実装の経緯は、どうしてもエンジニア同士でないと伝わらないところはあるので、そういったところのコミュニケーションをスムーズにする施策を打って、英語をしゃべれる方を何人か常駐させたのはすごくよかったと思います。これがないと最初の立ち上がりはちょっと難しかったんじゃないかなと思っていますね。
斎藤:英語がしゃべれる方を現地に送り込んで、そこでチームビルディングをするというかたちですね。ありがとうございます。
ちなみに僕の時は、僕が英語に自信がなかったので、最初にチームを作る時に日本語が話せるエンジニアだけを集めました。その代わり、(開発の)レベルが新卒でも構わない。とにかく日本語が話せるエンジニアを集めてもらって、僕が現地で日本語でチームビルディングすることをやりました。
小橋:結果はどうだったんですか? ずっと日本語で続けたんですか?
斎藤:そこからは、結局彼らがエンジニアもやりながらブリッジSEもやってくれる感じになったので、ベトナムの中では基本的にベトナム語でコミュニケーションをとり、日本にいる開発部隊とは日本語でコミュニケーションをして、GitHub上では英語を使う感じでした。
スクラムのセレモニーの時には日本語が話せるエンジニアだけで参加してもらって、そこでは日本語でやり取りをする感じでやらせてもらいました。
小橋:逆ファシリ(ファシリテーター)がやりたいわけではないですけど(質問させていただきました)。
(会場笑)
斎藤:ありがとうございます。聞いていただけただけでも。
小橋:スクラムのセレモニーやレトロスペクティブなど、関わることに意義があるところに日本語を話せない方は入れないことで、マイナスな要素はありますか?
斎藤:今でもモヤモヤはあって。特に僕らは今クライアントワークでお仕事をさせてもらっているわけで、スクラムのセレモニーはクライアントがいるから日本語で行うのですが、そうすると、日本語が話せない海外のエンジニアはそこに入ることができません。
いてくれてもいいけれど、何を言っているかわからない感じになってしまうので基本的には入れない場合が多くて、そこはモヤモヤする部分ではありますね。
ただ、ブリッジSEとかコミュニケーターの人は絶対にスクラムのセレモニーには参加してもらうようにしていて、ベトナム(の方)でも、日本語でプランニングが終わったあとでベトナムでもう1回プランニングをやってもらうとか。毎週じゃなくても(必ず)レトロスペクティブをやってもらって、そこのフィードバックを日本語版とすり合わせたりはしています。チームにもよりますが、開発プロセスの改善は常にやっている感じです。
小橋:ありがとうございます。
(次回に続く)
海外に開発チームを作る時、どんなリスクが存在していたか? CTOとマネージャーが考えていた文化・言語・品質の不安
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