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JOMYAKU CTO 野澤一貴さん公開インタビュー(全4記事)

他のエンジニアがいない状況で選んだ未経験の技術 流行り・廃りと今後の増員を考慮した、技術スタックの選び方

第一線で活躍するCTOに日々の業務や未来をインタビューする「Voicy公式 厳選!CTO百景」チャンネル。ここでJOMYAKU CTOの野澤氏が登壇。次に、JOMYAKUのプロダクトについて話します。前回はこちらから。

ユーザーの年齢層と業務環境

やまげん氏(以下、やまげん):実際にどんなユーザーさんが多いんですか? 勝手なイメージで、年齢層が少し高めなのかなとかを思っていたりするんですけれど。

野澤一貴氏(以下、野澤):そうですね。やっぱり産廃事業は3K(きつい、汚い、危険)と言われる感じなので、やはり若手が入りづらい。高齢化がすごく進んでいて、実際にトラックを配車して回収することをコントロールする人たちも、だいたい5、60代の方が多かったりします。

やまげん:そうなんですね。

野澤:はい。業務はホワイトボードと壁掛けカレンダー、あとはFAXと電話みたいな感じの人が多いですね。

やまげん:なるほど。確かにそうですよね。そういうところをシステム化するというのはある意味すごく価値があるというか、やるべきだというのはすごく納得感がありますね。

野澤:そうですね。

レガシーな業界だからこその苦労

やまげん:逆に、そういったレガシーな業界ではあると思いますが、そういったところで「ここは苦労した」みたいなところはあったりしますか?

野澤:今でも苦労していますが、誰も正解を持っていないんですよね。「このやり方だったらこのお客さんは納得するけれど、今度は違うお客さんのやり方があって、そこにはマッチしない機能になってしまう」とかがあるので、やはり汎用化させた機能として、どこまでのお客さんに納得してもらえるかの設計が難しいところです。

やまげん:なるほど。じゃあ今は契約してくれたお客さまごとにヒヤリングして機能実装して、みたいなイメージですか?

野澤:そうですね。個社別のカスタマイズはなるべくしたくないなと思っているんですよ。SaaSを本当に初期で始めた時は、顧客カスタマイズをしすぎたゆえに負債になるみたいなケースはけっこうあると思うので、そういうことは絶対にしたくないというところで、なるべく汎用化したかたちにできるように。ただ、各社のお客さんのフィードバックはなるべく汎用させるようにやっています。

やまげん:そこはけっこう難しそうですね。どう作るかみたいなところの意思決定で迷うことがたくさんありそうだなと。

野澤:なので、そこの意思決定に特に時間をかけているというところです。

やまげん:その部分とかで、ビジネス側の方との話とかをディスカッションしている時間が多いというかたちなんですね。

野澤:そうですね。

プロダクトの技術スタック

やまげん:すごくおもしろいですね。ただ、汎用的というところが出てきたり、やはりすごくいろいろな機能開発のスピードを上げないといけないところかなと思うんですけど。どういったシステムの作り方というか、技術スタック的なところだとどういったシステムで組んでいらっしゃるんですか?

野澤:技術スタックでいうと、今動いているアプリケーションに関してはAWSのAmplifyを使ってやっていました。AWSのAmplifyはGCPのFirebase的な立ち位置になると思いますが、0→1を始めるにあたって、人も時間も足りないところをうまく補うためにAmplifyを使ったという背景があります。

フロントエンドがReact、Next.jsです。言語はTypeScriptを使ってやっているのと、バックエンドはGraphQLでAPIを構築しており、言語はTypeScript、サーバーレスとApollo Serverを組み合わせてやっている感じになります。

やまげん:よりモダンな感じがしますね。

野澤:そうですね。実際にこの技術スタックを選びましたが、僕自身は未経験でした。

やまげん:おぉ。

野澤:今までRailsだったりモノリシックアプリケーションの開発が多かったので。本当はそれを使ったほうがプロダクトを速く作れるところではありましたが、やはりこれからエンジニアがチャレンジしたい技術スタックとかがあると思うんですよ。流行り・廃りではないけれど、イケていて長く使っていけそうな技術を使っていくというところでチャレンジした部分はありますね。

やまげん:すごいですね。0→1でゼロから作る時に、野澤さんが1人目のエンジニアということになるんですか?

野澤:そうですね。

やまげん:じゃあ意思決定をして、ゼロから学びながら作っていくような感じだったんですね。

野澤:そうですね。

やまげん:すごいですね。そこで気を付けたことや、意識したことってあったりしますか?

野澤:のちのちエンジニアは増えていくものだと思っていたので、みんなが魅力的に(思えるように)。採用という観点で魅力的な技術スタックにしたかったというのもあるし、でも自分たちも早く作れるものを選びたいという中で選んだ結果ではありました。

やまげん:なるほど。実際に新しい技術を触ってみて、「わりと実装できるかな」みたいな感じだったんですか?

野澤:そうですね。私も10年ぐらいのエンジニアのキャリアがあったので、よしなに組めるみたいなところまではやれていたかなというところですね。

やまげん:すごい。どうやったらそうなれるのかなみたいなところとかも気になったりします。どうやったら「いけるかな?」みたいな感じで、どんな技術を使ってもわりとやりたいことはできるかなと思うんですけど。どんなところを身に付けていったら、そんなエンジニアになれるんですかね?

野澤:僕自身、胸を張って「できるエンジニアです」と言えない部分ではあります。

やまげん:いやいや(笑)。

野澤:僕は、今のプロダクトを作る中で足りていない部分を埋めるアクションを取っていったかなと。なので、みんなができてないところを率先して取りに行くみたいなやり方で開発を進めていったら、いつの間にかそれとなく、恐れ多いですけどフルスタックになっていったという背景になります。

やまげん:なるほど。でも確かに、アドテクのエンジニアみたいなところだと、わりとエンジニアリングの花形でもあったりするのかなと。そういったところは、もともと「アドテクおもしろい」とお話されていたと思うので、エンジニアリング自体はおもしろくて、そこでいろいろとがんばった結果としてスキルとかも付いてきたようなイメージですか。

野澤:そうですね。

アドテク業界で取り組んでいたこと

やまげん:もともとのアドテクのキャリアもぜひお話聞けるとうれしいです。ミクシィ(株式会社ミクシィ)さんはモンストの広告配信とかもやっていたと思いますが、そういった時もフロントエンドとかバックエンドとかフルスタックで活躍されていたんですか?

野澤:その時はデータの処理がメインのシステムになっていたので、フロントはほぼ書いていませんでした。

やまげん:そうなんですね!

野澤:マーケター向けの管理画面を作ったりはやっていましたが、主にETL(Extract、Transform、Load)だったり、データのトランスフォームをメインに作り込んでいました。

やまげん:ETLとかだったんですね。

野澤:そうですね。なので、RedshiftとかBigQueryとかをよく使っていました。

やまげん:そうだったんですね。サーバーサイドでもフロントエンドでもなくて、どちらかというとデータ分析の基盤とかのスタックなんですね。

野澤:データ分析の基盤も作りつつ、各SNSの広告でFacebookだったりTwitterにターゲティングの情報を流し込むAPIを作ったり。あとはスマホアプリ『モンスターストライク』のユーザーの行動情報を成形して広告に識別して紐づけるとか、そういったところのシステムは作ったりしていました。

やまげん:なるほど。データみたいなをベースにしつつもAPI開発だったりとか。

野澤:そうですね。

やまげん:都度それに応じたサーバーをライトに立ち上げているイメージですか?

野澤:サーバー自体は多くはなかったですね。ただ『モンスターストライク』のユーザーデータもメチャクチャ莫大だったので。

やまげん:すごそうですよね(笑)。

野澤:そこから仮説を立てて、例えばログインしていない離脱を3日以上しているユーザーとかを絞り込んで、キャラを持っていない人に対して「こういうクリエイティブの広告を充てたいからよろしく」と言われて、それでユーザーデータをセグメントして、各SNSの広告情報と結合させるとかをメインにやっていました。

やまげん:そうだったんですね。僕もVoicyでデータ分析基盤とかを作っています。今もIn-Appメッセージといって、Voicyのホーム画面を開くと「おすすめの放送」みたいな感じで出したりしていて。

「この放送とこの放送とこの放送を聞いている人たちを出してデータを結合して、それでIn-Appメッセージを打つ」みたいなことをやっていたりとかするので。そのメチャクチャ大規模なやつというイメージですよね。

野澤:イメージはそういうところですかね。例えば、Voicyのアプリの中で「こういう番組を聞いている人に、こういう有名なビジネスパーソンの話が聞ける」というクリエイティブをFacebookに流す仕組みだったりを作るというところです。

やまげん:なるほど。アドテクの部分で一番おもしろかったのは技術的なところですか? けっこうビジネス的なところも(おもしろかったですか)。

野澤:僕の中で、「技術は手段」という認識が大きかったです。なので、課題や技術のペインを解決するためにどうしたらいいのかを考えるのが好きでした。

(次回に続く)

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