インターンシップを経験後、Appleからもらった正式オファー
赤川未來氏(以下、赤川):もう1つ質問をします。先ほどとは変わったスタイルです。「親友からクリスマスにキレイにラッピングされたプレゼントをもらいました。どう反応しますか?」。こちらについても考えて、チャットに意見をお願いします。
「おぉ! ありがとう!」、そうですね。「メチャクチャうれしくてその場で開けてしまう」、いいですね。「マジ!?」(笑)。「うれしくないものでも喜ぶ」「ありがとう。ビリビリ」、なるほど。「いきなり開けちゃう」「ありがとうと開封」「とりあえず喜ぶ」「キレイに開けられるようにがんばる」。
これについても後ほど話しますが、その前にAppleの話をします。インターンシップをした時のビックリ体験について話したいと思います。
大学3年生の夏にインターンシップのオファーをもらって、Appleの本社で12週間働きました。シリコンバレーのインターンシップは、1Dayや1Weekではなく、しっかり3ヶ月実務にあたってプロジェクトを遂行するので、本当にハンズオンです。結果的にそれが機能として追加されることもあるインターンシップです。
スライドの右側の写真が、先ほどお見せしたインフィニット・ループキャンパスの正面です。ある日、上司からいきなりオフィスに呼び出されました。わりと真剣なトーンで呼び出されたので「本当にしくじった! やばい」と思っていたら、「正式なオファーをあげる」と言われました。そんなトーンで言わないでと思ったし、挙句の果てに「大学を辞めて今すぐ来ないか」と言われてビックリしました。
実は、その上司も大学を中退していて、「お前もそういうことをやるべきだ」と言われそうになったんです。さすがにそれはいいと(断りました)。右側の写真は僕が働いていたオフィスで、名札があってかわいい感じです。
結果的に大学に戻って無事に卒業しました。これに関しては大人の事情というか、僕は留学生だったので大学を卒業しないと就労ビザが取れないという現実的な問題もありました。
新卒で入った現場に現れた救世主
大学に戻って、他社を受けたり、スタートアップなどのお手伝いをさせてもらったりという経験もできました。オファーに悩んだこともありましたが、自分がやりたいプロダクトをAppleはキレイに描いていると思ったので、Appleに(決めました)。また、インターンシップでお世話になったチームやマネージャーさんがいるところに行こうと思い、ソフトウェアエンジニアとして入社しました。
しかし現実はそんなに甘くなかったです。インターンシップに行ってから大学に戻って入社しているので、3ヶ月(のインターンシップ)とはいえ1年くらい空くので、1年後に入社した時には受け入れ先のマネージャーが代わっていて、僕がインターンシップをしていた時のチームとはだいぶ変わっていたんですね。
信頼していたメンターがいたのですが、その人も3ヶ月くらいでほかのチームに異動してしまって、僕が入社してからいきなり引き継ぎを始めたんですよ。僕も新卒でよくわからなくて、なんでいきなりこんなことをやらせるの? と思いました。「これもやってね」「これはこうやってやるんだよ」と、なんで教えてもらっているのかと思っていたら、「俺はもうやらないから、じゃあね」みたいな感じでいなくなっちゃったこともありました。
そんな中、救世主が現れました。ほかのチームメンバーがいなくなるなど、事情はありましたが、新しいマネージャーが入ってきました。最初は何とも思っていませんでしたが、結果的にその人の下で働いていくうちに残ったメンバーのモチベーションが徐々に上がりました。
しかも、僕みたいなジュニア層が残っていたこともあり、楽しくやっていました。その時にこうすればチームのモチベーションを上げられるんだ、自分もがんばろうと思い、信頼とリスペクトをアウトプットにつなげました。
部長ポジションにボコボコに言われてしまったトップエンジニア集団のアイデア
そんなこんながあって、少しずつ責任あることもやらせてもらって、4年目に突入すると「マネージャーをやってみないか?」と声がかかりました。皮肉にも、僕が勝手に救世主と呼んでいるベテランマネージャーのポジションを取ることになりました。その人も、違うキャリアに行く意向があったので、「お前もがんばってきたから、難しいとは思うけどやってみろ」「わかりました!」となりました。
当然ながら最初からうまくいくわけもなく、いろいろなミスを犯しました。その中でも痛恨のミスを1つ。まず、見よう見まねでチームビルディングを始めました。僕が経験したように採用していましたが、どうしても自分の理念というか考えに沿った人たちを贔屓してしまいました。
「この人いいじゃん」「僕と同じ考え方じゃん」と、チームに集めてしまったんです。とあるプロジェクトのVP(vice president)、部長のようなポジションの方にプレゼンの際に、いろいろ考慮漏れが発生してしまって、ボコボコに言われました。僕は、すごく優秀なトップエンジニア集団がアイデアを出したのに、なんでこんなことが起きるのかと考えました。
ここで、先ほどの質問を思い出してください。プレゼントの開け方はどうだったでしょうか? さまざまなコメントがありましたが、例えばその場で開けるとしてもラッピングをキレイに剥がすとか、丁寧にお礼を言って大事に持ち帰るとか。僕がほかで聞いたところ、このような答えがありましたが、欧米では豪快にラッピングを開けて「わー! うれしい!」という人もいます。チャットを見るとそういった方もいたので、それはいいなと思いました。
僕の偏見かもしれませんが、日本ではどちらかというと、せっかくもらったので大事にする。すぐさま開けずにお礼を言ったり、お返しをあげたりします。それに対して僕が経験したアメリカは、せっかくもらったので早く開けたいという人もたくさんいます。
僕はあまり思いませんが、「せっかくあげたのになんでそんなに雑に扱うんだ!」という人もいると聞きました。だけど別によくない? その人がそう思っているんだから。悪意があるわけじゃないし、その人なりのプレゼントの開け方ってある、どちらも正解だよねという話です。
人の考え方は偏見で埋め尽くされている
ここで「アウトプットの和vsアイデアの和集合」という話をします。
例えばエンジニアが3人が作業をしています。1つずつアウトプットしたら合計で3なのは至って普通です。エンジニアでスキルさえあれば、それが女性でも違う人種の人でも、結局アウトプットは3です。
しかし、これがアウトプットではなく、その人たちのアイデアだったらどうでしょうか。(スライドを指して)アイデアはイラストのような横並びではなく、いろいろな形で出てきますよね。このように円で囲むと、和集合になっています。こうやって見ると、いろいろな人の考え方が集まっている和集合はすごく多様です。
例えば、自分がグレーの人なら、オレンジや黄色のエリアは見えなかったり気づかなかったりするかもしれない。当然被ることもあります。アイデアは和集合で考えることによってさまざまなアイデアになる。それに気づけるかどうかが大事なんです。
先ほどの例では、同じような人が集まっても同じようなことしか考えないので和集合はそのまま、これしか残らない。先ほど見せた3つの円の図に比べたら、考慮されている量はかなり少ないですよね。これこそが和集合の考え方です。
先ほどの話に戻りますが、僕は同じような人を集めたので課題を1つの視点からしか見ていなかったんです。見えた課題は忠実に解決できていたのですが、当時の女性VPである部長には即座に、僕が見えていない課題が見えていたんですね。なぜなら考え方が違うから。そういえば、先ほど部長のプレゼンと言った時、みなさんは男性だと思いませんでしたか?
それも含めて、人の考え方は偏見で埋め尽くされているのです。僕はこのプレゼンをした時、いきなり「これはどう?」と言われて「なるほど」と思いました。これは集団のアウトプット能力の問題ではなく、考え方の多様性という問題だったんです。
作るものにもよりますが、ほとんどの場合、ユーザーは多様です。例えばiPhoneは世界中の人に使われていますが、世界中の人を集めて作らないとわかるわけがないですよね。menuは性別関わらずいろいろな人が使っているので、年齢や人種や世の中の文化などにも対応しないといけないと考えています。
先ほど女性VPと言いましたが、性別とかではなくて、本当に違う思想の人たちを集めることが大事だと、その時に痛感しました。残念ながらIT業界では思想が偏りがちです。男性が多いとか、アメリカでは白人男性が多いとか。なので、今ここにいる女性や、外国籍や、ほかの文化や考えをお持ちの方はがんばってください。僕はあなた方の意見を本当に尊重しています。
思い返すと、僕が渡米したのは大学生の時で、最初はビックリしました。家に上がっても靴を脱がない、半強制的なチップ制度。アメリカは15パーセントのチップを払うのが当たり前で、「なんで? 何もしてくれていないのに」と思いました。ほかにも、バス停にいたら陽気に話しかけられて、「これどこ?」「知らんわ」みたいなこともありました。
これらはどれも悪気はなくて、家に上がって靴を脱がない文化はすぐに逃げられるようにするためとか、チップは最低賃金が低い人たちが生活をするために必要だからとか、陽気に話すキャラという人もたくさんいます。こういう経験は自分の視野を広げるチャンスだったのに、それをうまく使えていなかった。その時に初めて、自分と違う人たちと向き合うことに意義を感じました。みなさんも違う考えを持つ人と接触して思考の交換をしてみてはいかがでしょう。
せっかく入社したAppleを辞めた理由
最後の質問は壮大です。「世界の土俵で戦うって、どういう意味?」。みなさん、考えてみてください。意見がある方はチャットでください。
「規模感」「視座を高める」、難しい質問ですもんね。「世界の人に伝わるように自分の意見を言えないといけない」「最初から世界を意識して何事にも取り組む」「世界レベルに対応する」。
「身の回りではなく社会全体を視野に入れて行動する」「著名になる」「資本力」、リアルですね(笑)。「価値観」。
これらに関してもあとで僕の意見を述べます。まず、menuに転職した話をします。よく言われるのが「せっかくAppleに入ったのに辞めるの?」です。一流企業だし、僕も目指していたところではあります。
ただ、Appleでも飽きるんです。安定企業であるからこそあまり革命的な変化がなく、大企業である分、自分のインパクトは小さい。特にエンジニアとしては、ソフトウェアやハードウェア、サービスを含めてエンジニア組織には3万人いたので、その中の自分は本当にちっぽけだと感じていました。
6年もいる中でさまざまなプロジェクトに携わりましたが、ある程度パターン化されて、「こういうことか」とわかってくることにも少し飽きてきていました。それらを全部合わせると、先ほど言った、自分の人生のやりがいにマッチしているのか考え始めてしまって、もちろん良い経験や勉強をさせてもらいましたが転職を決意しました。
スライドの右の写真はApple Park内の中庭です。虹がかかっていて、夢を見ましょうという。僕が言いたいのは、大きいキャンパスがあってすごいプロダクトを作っているけれど、Appleだって所詮は1つの会社だということです。
よく「せっかくアメリカに行って英語で仕事をしているのに日本に帰るの?」と言われました。「逆戻りしていない? Uターンじゃない?」とも。でも、僕はそうは思っていません。日本ではよく「アメリカではこう」とか「世界ではこう」とか「中国ではこう」などと言います。いつもどこかと比較して「日本は……」みたいに。でも僕には関係のないことで、大事なのは関わりたいプロダクトに関わっているかどうか。日本やアメリカということではないんです。
自分にチャレンジしてくれる会社に自分もチャレンジしたいと思った
もっと自分がインパクトを感じられるプロダクトに関わる、新しいチャレンジを模索し始めた時、偶然menuから声がかかりました。LinkedInというビジネス系のSNSツールで、珍しく日本企業からメッセージが来たので開いてみたところ「menuにジョインしないか?」というお誘いでした。
これも何かの縁だと思ったので、面接を進めて結果的に入社しました。なぜ選んだのか。ほかにもいくつかオファーをもらっていましたが、Appleでやっていたエンジニアマネージャーの延長線上の仕事だったし、外資系のAppleでやっていたこととあまり変わらなかったんですね。
一番の決め手は、menuが僕を雇うリスクです。なぜリスクなのか。menuからはマネージャーではなく、組織全部をどうにかしてくれと言われました。そんなに経験のない僕にチャレンジしてくれる会社には、僕もチャレンジで返したいと思いました。チャレンジをする会社なら僕もチャレンジしてみようと思い、menuを選びました。
個人的なチャレンジもいくつかあります。10年以上アメリカベースで働いていたので、日本での職務経験はゼロ。就活もほとんどしたことがないので、ビジネスの日本語やマナーも試行錯誤しています。日本人としての親近感はありますが、今は新しい文化に入ってきたような感覚に陥っています。
新しい働き方は、日本がどうというより新しい会社や環境が関係していますが、それもチャレンジとなっています。アメリカではさまざまな採用をしてきましたが、今は日本で、学生の就職や中途採用にも関わって「こういう性格の人がいるんだ」「こういうことが大事なんだ」「今の流行りはこうなんだ」と勉強している状況です。順応しながら日々葛藤しています。
menuで今挑戦していること
menuではどんな挑戦をしているのか。2年くらい前にスタートした、始まって間もないサービスです。今は小規模開発でサービスを立ち上げるところから大規模開発に移っていくフェーズにいます。
その中で、組織は大事で、どう改革して安定化させていくか。今まではできる人がやればいいじゃんという感じでしたが、40〜50人規模になると誰が何をやってどう責任を持っているかを明確にしなければならないので、今はそれを安定させていかなければいけません。
また、今まではサービスに貢献しようという意識が強かったのですが、当然ながら組織が大きくなればなるほど、それを伝えるのが難しくなるんですね。一番大事なのは幸福度だと思っているので、今は幸福度が高い組織を今は作っています。エンジニアの幸福度にもいろいろありますが、例えば自分が学びたい言語や技術を学べる環境を作ったり、Googleみたいにオフィス内に遊びの環境を作ったり、Googleの20%タイムのように、個人が自由にその時間を使っていいという制度を作ったりしています。
また、最初にお伝えしたとおり、一人ひとりのやりがいを実現させてあげるために、積極的に1on1をやって何を目指しているのか(を聞いています)。
当然、すべての夢は叶えられませんが、コミュニケーションを通して「この人はこういうことをしたいんだ」「そういえばこのプロジェクトにはこの人が言っていた技術が使える」など、つなげることによって、よりみんながやりたい仕事に携われるようにしていく。それらをすべて達成してこそ最高のプロダクト創造ができる環境になるのではないかと思っているので、すべて総合した環境構築を目指しています。
現状を打破し、今までにない最高のプロダクトを作りたい
先ほどの質問に戻ります。僕にとって世界の土俵で戦うとはどういう意味か。僕は海外の一流企業で働きましたが、世界の土俵で戦うことは海外で働くことでも超一流企業で働くことでもないと思っています。結局、どこまで行っても最高のプロダクトを作ることなのではないかなと思っています。
どこかに依存して「この会社が」とか「あそこがああやっている」とか、もしくは真似をして「あそこがこうやっているからこれもやろう」では達成できません。それは同じところまで行くことであって、現状の追い上げでもそれ以上でもない。現状を打破していません。
僕にとって世界の土俵と戦うということは、現状を打破していくことです。今までにないものを考えて、今までにないものを作っていくという意味だと思います。それでこそ(menuで働くことで、)本当に世界の土俵で戦えるのではないかと思っています。ここにいるみなさんにも未来があるので、一緒に現状打破に挑戦してみませんか?
最初に世の中はどうなるかと話しましたが、考えてみるといいことはたくさんありますよね。例えば僕は今28歳ですが、20年前、自分の小さい頃は電気自動車もAIロボットも、VRで何かをするとか、メタバースもほとんどなかったんですね。
世の中は本当に急成長しているので、今から20年後には何があるのか本当にわからないと思うんです。その“今から20年後”を支えるのが今日集まっている学生のみなさんだと思っています。ぜひ夢を持っていろいろなチャレンジをしてください。ご清聴ありがとうございました。
質疑応答
司会者:ありがとうございました。せっかくの機会ですので、質問のある方はチャットや挙手でお願いします。まず、「アメリカと日本で大きく違う採用基準のポイントはありますか?」。
赤川:日本でと言うと、僕が日本をわかっているように思われてしまうので(笑)。一概にというより僕が何を気にしているかにフォーカスすると、エンジニアの場合、最終的にアウトプットできるかだと思っています。何を勉強したとか、こういった言語ができるとかではなく、与えられた課題に対してきちんとソリューションを出せるか。
そういう意味では、例えばライブコーディングを取り入れたり、面接中にコーディングの課題を出したりと力を入れているので、今後menuでも取り入れていこうと思っています。
司会者:次は「アプリ開発においては海外のほうがエンジニアの数が多く、日本は少ないというイメージがあります。Appleにはメチャクチャいたと思いますが、チームには何人くらいいるんですか?」。
赤川:チームは小さく分かれていて、僕のチームは8人。僕がいた大きな組織は20人くらいでした。
司会者:menuはどうですか?
赤川:今は40〜50人なので、日本やアメリカというよりは会社の規模なのかな。そういう意味では、Appleがスタートした時は、スティーブ・ジョブズとスティーブ・ウォズニアックの2人でした。
大きくなればなるほど、当然メンテナンスやサポートをしなければいけないので、それを支えるために人数が増えていきます。なので、アメリカのほうが多いと感じるのは大きな規模の会社が多いからだと思います。
司会者:ビジネス的なところですが、「menuの海外進出」。これは僕も社内にいながらどうなるかわかりません(笑)。
赤川:個人的な答えとしては、どこかのタイミングでいけるといいなと思っています。
司会者:そうですね。僕らの目指すところは世界一の企業です。高校生からの質問もあります。「エンジニアになるためには海外大学に進学したほうがいいでしょうか? 海外進出するメリット・デメリットを教えてください」。
赤川:進学したほうがいい、というのはないと思います。高校生にやってほしいのは、僕がやったように自分のプロジェクトをやることです。その中でアメリカに限らず海外に行くメリットは、多様性の部分でいろいろなものを感じて刺激を受けられること。
今まで考えなかったことを考えられるようになったり、見ていなかった視点から物事を見ることができるようになることが一番のメリットだと思います。デメリットというデメリットはないかな。例えば家庭の事情などで、お金のやりくりはしないといけないと思いますが、最近は奨学金をまんま出してくれるところが多いので調べてみてください。
司会者:「Appleのインターンの時は、普通にインターンを受けるだけではなく、何か特別な動きをしていたんでしょうか?」。
赤川:強いて言えばいろいろな人と話をしていました。自分のチームだけでなく、ほかのチームに「どういうことをしているの? 教えてよ」と。Appleは秘密主義な会社だったので最初はうまくいかなかったんですけど、徐々に仲良くなっていくうちに、業務内容やアドバイスをくれるようになりました。
司会者:「赤川さんの学生時代の最大の失敗」は、僕も聞きたいです。
赤川:失敗かどうかはわかりませんが調子に乗っていたことがあって(笑)。3年生くらいの秋頃、インターンシップを探している時にFacebookから声がかかって、面接も受けていたんです。当時はコロナもなくて、シリコンバレーは積極的にインターン生を取っていたので、最終面接のためにFacebook本社のシリコンバレーのメンローパークに出張するかたちで連れて行ってもらいました。
そこで面接を受ける時に、「サンフランシスコだー! いえい!」と遊んでしまうミスをした経験があります。その時はメチャクチャ落ち込んだんですが、結果的に、Appleから話があった時に絶対にミスしないと決められたので良い学びだったと思います。
司会者:次は「menuはどうすれば最高のプロダクトになると思いますか?」。
赤川:さまざまなプレイヤーがいる業界の中で、サービスとしてできることにはどうしても限界がありますが、最終的に勝つのは良いプロダクトだと思っています。良いプロダクトとは何か。プロダクトというより良い経験かな? 例えば20年くらい前のコンビニは、高い版のスーパーという感じだったと思うんですね。
だけど、今は日本人にとってなくてはならないものだと思うんですよね。menuはそんな存在になっていきたいと思っています。それに必要なのは、最終的にはパーソナライゼーションです。欲しい時に欲しいものを届けられて、それをサービス自体が理解している。目指すのはそんなプロダクトです。
司会者:たくさん質問をもらっていますが、すべてに答えられず申し訳ありません。ぜひ赤川のTwitterにDMを送ってください。学生のみなさんよろしくお願いします。