つよつよデザイナー、青木氏の紹介

菅澤 英司(以下、菅澤):つよつよエンジニア社長の菅澤です。

池澤 あやか(以下、池澤):エンジニア兼タレントの池澤 あやかです。

菅澤:今日は特別編ということで。bravesoftの社内で今収録しているんですが、bravesoftのチーフデザインオフィサーを呼んでみて、デザインについていろいろ深く語ってみたいなと思うんですが。いけあや(池澤氏)にとって、デザイナーはどんな存在ですか?

池澤:私はキャリアのスタートがWebサイト制作だったので。Webデザイナーになるか、エンジニアになるかみたいな。

菅澤:ちょっと迷ったんですね。

池澤:ちょっと迷ったんですけど、デザインって答えがないじゃないですか。「なんとなくこれいいかも」みたいな。こうすればもっとかっこよくなるかもしれないけど、その道筋も立てづらくて、けっこう難しいなと思って挫折しました(笑)。

菅澤:そうですね(笑)。今日はそのデザイナーとしていろいろな結果を出したというか、つよつよデザイナーを呼んでいますので。

池澤:つよつよデザイナー⁉

菅澤:ちょっとお話を聞いてみましょう。

池澤:楽しみですね。

菅澤:ということで、今日もよろしくお願いします。

池澤:よろしくお願いします。本日のゲストは株式会社bravesoft チーフデザインオフィサーである青木 意芽滋さんです。どうぞよろしくお願いします。

菅澤:よろしくお願いします。

青木:よろしくお願いします。

池澤:意芽滋さん。すごい。デザイナーっぽい名前ですよね。

菅澤:実は本名なんですよ。

池澤:びっくり(笑)。

bravesoftに入社したきっかけ

菅澤:意芽滋さんの紹介をしてきたいんですけれど、いろいろ聞いてもらっていいですか?

池澤:bravesoftに入った経緯を教えてください。

青木:入社は2014年です。それまではグラフィックをやったり、Webサイトを作ったりとかいろいろやっていたんですが、所属してた会社の都合とかもいろいろあって、ちょうど転職しようかなと思っていたんです。

会社は実はここのすぐ近くにあって、もうぜんぜん来る気はなかったんですが、社長と実際に会って面接して、ちょっとずつ心が揺れ動いたというか。で、なんとなく来ちゃったみたいな(笑)。

池澤:なんとなく(笑)。

菅澤:当時、うちにはデザイナーが1人もいなかったんですよ。

池澤:そうなんですか。

菅澤:デザイナーが必要だと強烈に思って、いろいろなスカウトメールを送って、カフェでちょっと熱く語ったというのが最初の経緯ですね。

池澤:どうやって口説いたんですか?

菅澤:「デザインだよ!」って言って(笑)。「これからはデザインだ!」と言って、それで、入ってもらった感じですね。

青木:その時はもう少しデザイナーがたくさんいる組織に内定をもらったり、所属しようかなと思ってて。アプリじゃなくてWebの世界に行こうと思っていたんです。ただ、実際に社長に会ったり、当時の役員とかにも面接で会ったりして、今までやってなかった領域だったり、あとは、当時面接した社長ではない人に「身体性があるところがおもしろいと思うよ」と言われて。

ずっとアートとかをやっていた学生の時も、身体性をすごく気にしてたところがあったから、そういう領域にチャレンジしてみようかなというのは理由だったかもしれないですね。

池澤:たしかにアプリって触れられますもんね。画面に触れて操作できるから。GPSだと動きも取れるし、加速度センサーとかも付いてるから(笑)。たしかに体に近いデバイスかもしれないです。

グッドデザイン賞を受賞したアプリ

菅澤:とりあえず入社して、そのあとデザイナーが何人か入ってきて。なんと2019年に、初のグッドデザイン賞を取得すると。

池澤:おめでとうございます。

菅澤:今年、ベネッセさんと「AI StLike」っていうアプリを作って、それが「日本e-Learning大賞」「経済産業大臣賞」。デザイナーができる会社になっていったと。

池澤:すごい会社だったんですね。

菅澤:bravesoftが? 恐れ入ります(笑)。

池澤:グッドデザイン賞はどんなアプリで取ったんですか?

青木:農業のマッチングアプリです。それぞれ得意な農業のスキルが違ったりとかするので、自分が得意じゃない季節の時に他人の農業を手伝ってあげられる。そういうマッチングをしてあげるサービスです。

池澤:「農mers」というアプリですね。

菅澤:マイナビさんのプロジェクトで作ったやつです。彼は今、CDO(Chief Digital Officer)、デザインのチーフ兼事業部長みたいなこともしていて、6億円売り上げています(笑)。

池澤:すごい!6億円人材!

菅澤:6億円の人材(笑)。

エンジニアしかいない組織にいきなりデザイナーが入って大変だったこと

池澤:今はどんなことをやってらっしゃるんですか?

青木:今まさに話してもらったとおりです。僕が就任する前はずっとエンジニア上がりの人たちが受託のチームの責任者をやってきていましたが、僕自身はデザイナー出身なので、少し違う味というか価値をつけて、bravesoftの受託の価値を高めることが自分の役割かなと思っているので。

現場に入ることは減ってしまいましたが、価値を上げるような施策やビジョンをみんなに提案していきながら、新しい組織を作っている感じです。

池澤:エンジニアしかいない組織にいきなりデザイナーが入って大変だったこととか、びっくりしたことってあるんですか?

青木:まず、誰も話しかけてくれない(笑)。

菅澤:ブラック企業みたいな感じになっちゃう(笑)。

青木:そんなことないのかもしれませんが、最初は少しデザイナーとタイプが違うなとはちょっと思いましたが、そこはそんなに苦労しなかったかな。

活字のコミュニケーションがたまに冷たいなと思うというか、曖昧さがない会話が多いんですよね。もう慣れましたけど(笑)。デザインはちょっとふわっとした言い方をしてしまうんだと思うんですよ。

池澤:どういう言葉の使い方だと、優しいなと感じるんですか? たぶんこれ聞いてる方は、エンジニアになりたいとか、エンジニアの卵とか、エンジニアの方も多いと思うので。

青木:結論を求める感じですかね。

池澤:「で?」みたいな。

青木:「YESとNOで答えてください」みたいな。そんな言われ方はしないけど(笑)。

池澤:インプットに対してアウトプットがちょっとでも違うと、「そういう意図ではありません」みたいな。ちょっとそういう傾向はあるかもしれませんね。

菅澤:我々はエンジニアなので(その感覚が)わからない(笑)。

「気持ちいい」と感じるコミュニケーション

池澤:エンジニアの方と協業してみて、「こういうコミュニケーションだと気持ちいいな」みたいなのはあるんですか?

青木:エンジニアも、デザインとかを作る部分に興味を持ってもらえると、やっぱりおもしろいなと思っていて。お客さんもそうですが、意図とかを「自分、デザインわかんないんで、ありがとうございます」ってただ単に受け取られちゃうと、実はあんまりうれしくないというか、気持ちよくないというか。ちょっとやり取りをしたいぐらい。

お客さんのサービスをよくしてあげたいので、何回か打ち返しじゃないけど、「ちょっと違ったんだな」「じゃあこっちどうですか」みたいなやり取りをすると、正しかったんだなって気持ちになれるので。一発でスーッと行っちゃうと…。「よかったんかい!」みたいなほうが(いい)。

デザインも数字といえば数字である

池澤:最近だと、デザイナーの世界にも、感性だけではなくて数字とかも必要になってきているじゃないですか。ABテストもするんだろうし、ユーザーにとってより使いやすいデザインが指標になって、意思決定とかもされてると思いますが。そんな最近のデザイン事情はどうですか?

青木:よくやりますよ。実際のユーザーの調査とかもやるし。絵の具で絵を描くことから始まったので、なかなか数字で表現しづらい世界から、実際はピクセルとかでも数字で表現しなきゃいけない世界。色も全部数字で表現しなきゃいけなかったりするみたいな。

池澤:「FFFFFF」とか(笑)。

青木:デザインって、意外と数字っちゃ数字なんですよね。数字に黄金比があったりとか、iPhoneも全部8の倍数でできていたりとか、だいたい4の倍数になっていたりとか。

一応理屈では気持ちいい数字になっていたりとかするけれど、ただ、その「気持ちいい」は本当は感性の部分もあるだろうし、それを数字に置き換えたらそうなるという部分もきっとあると思うので。そういう会話は実際にデザイナーたちだけだったりするので、そういうことはけっこういろいろとみんなで積極的に考えているかなと思います。

入社当時は自分でデザインの仕事を作ることから始めた

菅澤:実際にデザイナーがいないところから入社して、今はけっこう人が増えてきて。デザインの面から、会社の変化はどうですか?

青木:どうなんだろ。ずっといるので逆にわかりづらいですよね(笑)。

菅澤:振り返ってどうですか? 6年経ったぐらいですか?

青木:そうですね、6年ぐらい。最初は大変だったかもしれないですよね。今はそれなりの売り上げも含めて結果を出せていますが、最初は1人だったので、利用規約のページを作ったり、ずっとそんなこともやっていて。デザインの仕事がまずないんですよ。

菅澤:法務部もやったという(笑)。

池澤:ほとんどデザインは要らない感じですもんね。

青木:要らない(笑)。そもそもデザインの仕事がなかったので、それこそ社内営業じゃないですが、仕事を作ることから始めなきゃいけなかった。

外注さんにもデザイナーがいたので、彼らに発注する人たちを自分に振り向かせないといけないし、そういう苦労は最初の頃のほうが多かったかなと思っています。なので、良くも悪くも、今入ってくる子たちは、当時から比べればだいぶよくなったんじゃないかなと。

(次回に続く)