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株式会社ORENDA講演(佐久間一行氏・木嶋周作氏)(全1記事)

2022.03.31

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ゲームエンジンを自動運転の分野へ転用 「Unreal Engine」「Unity」を別分野で活用するORENDA社の取り組み

提供:株式会社デンソー

株式会社デンソー が主催するイベント「DENSO Tech Links Tokyo」。14回目の今回は、ゲーミング技術を活用した仮想環境上での試験評価の取り組みについて紹介します。 さらに今回は、パートナー企業である株式会社ORENDAのエンジニアの方にご登壇いただき、ゲーミング技術の進化や活用の拡がりについてご紹介いただきます。株式会社ORENDAからは、ソフト開発部の佐久間一行氏と木嶋周作氏が登壇。自社における、ゲームエンジンの活用と、ゲームエンジンを用いた実際の作業について紹介をしました。

CGの受託開発をメインに自社開発も手掛けるORENDA

佐久間一行氏(以下、佐久間):私からは、まずORENDAの会社説明をいたします。

株式会社ORENDAは、2015年に設立され、青山一丁目にオフィスを構えています。先ほど動画でありましたとおり、CGの受託開発を設立当初から行っています。昨今は、多くのビジネスソリューションを手がけています。

最先端グラフィックス技術を活用してCG・映像を制作

映像にあるように「ゲームに欠かせない最先端グラフィックス技術」を活かしており、CGの受託制作ではやはりゲーム制作が多く、多数の有名なタイトルに協力をしています。さまざまなタイトルにおいて、原作者の原画からCGを再現するという取り組みを行っていて、多くのご好評をいただいています。実績については弊社HPをぜひご覧ください。

最近では大型ゲーム開発のカットシーンやレベルデザインなどにおける、さまざまな部分で役割を担っています。2D制作においてもアニメの作品や映像制作など、幅広い取り組みを行っています。

先ほど動画の最後のほうにありましたが、ORENDAはオフィスの地下にモーションキャプチャスタジオを所有しています。こちらでは、光学式の「OptiTrack」というカメラを使用して、モーションキャプチャを録れるようになっています。ほかにも、ゲームエンジンを活用した、映像制作事業や配信事業にも取り組んでいます。

ゲーム開発で培った技術を仮想空間やAIの分野へ転用

また、自動運転シミュレータAIのための教師データを作るなど、仮想環境の中におけるさまざまな場所にゲーム開発で培った技術を転用しています。そのほかには音声合成などですね。CGで映像を作るだけではなく、音声合成と組み合わせていくという幅広い取り組みも行っています。

ORENDAは「Unreal Engine」や「Unity」をゲームエンジンとして使っています。スライドに記載しているとおり、ゲームエンジンの機能をゲーム制作に使うのではなく、AIや機械学習の分野へ転用していくことに注力しています。

先ほど小口さん(小口貴弘氏)の発表にあったように、画像やレアケースを大量に作る部分で、このようなゲームエンジンを活用しています。

クリエイター育成支援の取り組み

少し最近の取り組みですが、社会貢献の一環として、「地方と東京をつなぐ、クリエイターの架け橋」というものを行っています。動画でご紹介したいと思います。

Level Boost」というものを立ち上げています。ゲームのような音楽とともに映像がありましたが、「ゲームを作りたいけれども、どうやって作ったらいいんだろう?」と悩んでいたり、クリエイターになりたいと思っている方々の背中を押す取り組みを進めています。

ゲーミング技術を活用した事例の紹介

ここまでは、ORENDAの紹介をいたしました。ここからはゲーミング技術を活用した事例を少し紹介していきたいと思います。

まず、AIソリューションへの活用というかたちで取り組んでいます。下の写真は、2つの画像を組み合わせていますが、左側の映像が実写で、右側がCGです。

CG制作の受託をたくさんいただく中で、再現する技術を地道に高めています。ただCGを作るだけではなく、これらをゲームエンジンの中に取り込み、音声合成などと組み合わせることで、実際にそこに人がいて、コミュニケーションできる空間やアバターの開発に取り組んでいます。こういった分野において、ゲーミングの技術、ゲームエンジンを使用しています。

仮想空間を活用したソリューションとしては、スライドの左下にあるゲームで使うようなものや、右にある現実の住宅街など、さまざまな場所・場面を再現していく中で、少しのパラメーター変更で、さまざまな見え方に変えていく、ニーズに合わせて調整をしていくというところを、よりスムーズに、よりスピーディに提供するためにゲームエンジンを使用しています。

モーションキャプチャとの連携では、イベントの映像やYouTubeの映像配信などにおいて、配信する環境に合わせて、(スライドを示して)このようなアバターキャラクターをあらかじめエンジンに入れ込んだ状態でモーションキャプチャを行って、キャラクターがモーションキャプチャと連動してその場で動くようにしています。ゲームエンジンを使って、リアルタイムで反映して見ることで、拡張の幅を広げるという取り組みを行っています。

マップの作成の流れ

木嶋周作氏:ここからは私がお話しします。私はCGデザイナーなので、ゲームエンジンなどの実際の作業を簡単にご紹介できればと思います。

ゲームエンジンは、ゲーム制作のためのフレームワークで、ゲーム制作のベースとなる機能がすべて揃っています。

マップの制作は、CGデザイナーが「DCCツール」と呼ばれるツールを使ってモデルやテクスチャを作り、そのあとにゲームエンジン内で質感を決めるマテリアルを作成し、モデルと組み合わせて配置するという流れになっています。

道路と歩道を作るデモの紹介

ここで簡単な道路と歩道を作るデモを紹介します。

マップ制作は、ブラウザからモデルを配置するのが基本的な流れとなっています。1分足らずですが、ここまでリアルなマップが簡単にできます。

このように、ゲームエンジンを使うことでリアルタイムにプレビューができるので、デザイナーにとっては作業がとてもやりやすくなっています。イテレーションも高速になるので、結果として、すばやく高品質なCG制作が可能になります。

ゲームエンジンの活用でCG制作のスピード・柔軟性を格段に向上させる

ここからはデンソーさまとの取り組みで、実際に作ったものを簡単に紹介したいと思います。

これは濡れた地面の切り替えをしているところです。マテリアルのパラメーターを変更するだけで、すぐさま濡れた表現が反映されます。

こちらは白線やマーカーの劣化のバリエーションを動画にしたものです。こちらも、マテリアルのパラメーターで、自由に劣化具合・色などを変更できます。また、現実にはありえないようなアニメーションも簡単につけることができます。

以上のようにゲームエンジンを活用することで、CG制作のスピード・柔軟性が格段に向上します。それによってコストのかかるデータを簡単に大量に生成することが可能になりました。

簡単ではありますが、以上となります。ありがとうございました。

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