自己紹介

澤井友恵氏:こんばんは。よろしくお願いします。スマートウィルの澤井と言います。今日は、「エンタープライズSaaSの初期成長戦略」ということで、ちょっと大げさなタイトルになっていますが。今回は「私たちのプロダクトを成長させるために、今こんな方法を採っていますよ」ということを紹介しようと思っています。よろしくお願いいたします。

最初に簡単な自己紹介をさせてください。ふだんはフリーランスエンジニアとして名乗ることが多いですが、今日に関しては、株式会社スマートウィルのプリンシパルエンジニアという立場で発表いたします。

簡単な経歴ですが、もともと大学卒業後はSIerに勤めていて、システムエンジニアとして、企画やマネジメントなど、わりと上流工程メインの仕事をしていました。

約6年ぐらい前の2016年に、東京から宮崎県の宮崎市に移住して、そのタイミングで、Web系のエンジニア、どちらかというと手を動かすほうが中心の職種に転職しました。その後フリーランスになり、今は4年ぐらいフリーランスとしてWebエンジニアをやっているというところです。

2021年の9月ぐらいに株式会社スマートウィルにも参加して、スマートウィルの1人目のエンジニアとして、デジタルソリューション企画開発部門という、新しい部門を立ち上げました。

さっきからエンジニア、エンジニアと言ってはいますが、実は私はプロダクトマネージャーやプロジェクトマネージャーではなくて、エンジニアとして、片足のつま先ぐらいをPM業務に突っ込んでいる状態です。

今日はサービスの専任のPMさんたちに混ざってお話しするのはちょっと緊張するというか、恐縮ですが。同じような立場の方や、今日の参加者でもエンジニアがけっこう多いということでしたし、「これから小さい組織を作っていくんだ」という方たちに寄り添ったり、お役に立てるようなお話ができたらと思っています。

では、今日お話しすることです。(スライドを指して)書いてあるとおりですが、最初に私たちの会社とサービスの説明をして、初期成長のフェーズで今どういった取り組みをしているかを、紹介できたらなと思っています。

株式会社スマートウィルについて

では最初に、スマートウィルと私たちの「AICO」というサービスの説明を簡単にします。まず会社概要で。スマートウィルという会社は、もともとSaaSの事業者とかSIerとか、そういうシステム開発をしている企業ではなく、CRMのコンサルティングサービスを提供している会社です。

具体的にはアパレルブランドだったり、ホテル、サービス系の大手企業に対してデータ分析をしたり、戦略立案や運用支援、CRMを軸としたコンサルティング業務を行っている会社です。

そのコンサルティングをする中で、他社のサービスやシステムを活用したソリューションを提供していましたが、2021年9月、10月頃から、この後説明をするAICOというプロダクトを自社のものとして取り扱い、成長発展させていくフェーズになっています。今回はそのAICOに関することを、紹介したいと思っています。

「AICO」のサービス概要

(スライドを示して)AICOの概要です。AICOは、CRMのダッシュボードと管理画面みたいなものや、フロントとしてのデジタル会員証やLINEみたいなものなどを連携したもので、接客DX&CRMプラットフォームを名乗っています。

もともとは2020年のコロナ禍が始まったばかりの頃に、来店が難しくなってしまったショップにデジタル接客ソリューションとか、それをユーザーの接点として活用したCRMのプラットフォームを提供しよう、ということで始まったサービスです。

ローンチ後、1年と少しが経過したところですが、現在はスマートウィルの既存のお取引先を中心に、十数社ぐらいに導入してもらっているところです。SaaSとしてはまだまだ駆け出しのフェーズではありますが、マーケットには受け入れられている状態です。

今回のイベントのテーマはSaaSのロードマップというところなんですが、システム的なお話をすると、今説明したものの全部がSaaSというわけではないんです。(スライドを指して)このCRMのダッシュボードの部分は、マルチテナントで1箇所にドンと載っているようなものを提供している作りになっています。

(スライドを指して)現状はこうですが、今後その未来の姿としてこういうふうにしていきたいというものが、このようなもので。

より顧客との接点を増やすために、今のLINEとかデジタル会員証だけではなく、ECと連携したり、メッセージ配信ができるようになったり、より顧客との接点を重視したCRMの機能だったり。それらで集めたデータを分析できるダッシュボードの部分の発展もやっていけたらなと考えている状態です。

「AICO」の開発体制

開発体制についても少し紹介します。簡単な経緯としては、先ほどもお伝えしたとおり、2020年のコロナ禍の中でサービスをローンチしました。

この時点でAICOというサービスは、実はスマートウィルの完全な持ち物ではなくて、このサービスを開発している会社が別にあり、そこと2社での共同事業というかたちで運営していました。

それが2021年のタイミングで、その1社から半分の部分について事業譲渡を受けて、100パーセント、スマートウィルの事業になりました。そのタイミングで、縁あって私のところに声をかけていただいて、デジタルソリューション企画開発部門というものを立ち上げました。現在は、他にも業務委託のメンバーを集めて、5人ほどエンジニアがいるチームが出来ています。

(スライドを指して)開発体制の部分を俯瞰すると、こんな感じになっていますよ。右側には今お話したようにエンジニアが5名います。他にこのプロダクトに関わる人間としては、プロダクトオーナーである社長、あとはコンサルティングを提供しているコンサルタントのメンバーがいます。

この中でプロダクトマネジメントとか、プロジェクトマネジメントの部分をどういうふうにやっているかというと、こういう感じです。社長とエンジニアが協力してプロダクトマネジメントをしたり、コンサルタントとエンジニアが協力してプロジェクトマネジメントをしたり。この場で私がしゃべっていることから察してもらえる、専任のPMはいない状態で、各メンバーが協力し合ってPMを行っている状況です。

「AICO」の初期成長戦略

ここからが本題というか、タイトルにもあるAICOの初期成長戦略ということで、私たちが今どういうやり方でAICOを発展させていこうとしているか紹介しようと思います。

ドンと。(スライドを指して)実はこのページのタイトルで、結論的なことを述べてしまっています。「顧客との共創でエンタープライズSaaSを成長させる」ということをやっています。先ほど説明したような、「AICOとして今後こういう姿になっていったらいいよね」ということに共感してくれるお客さんを見つけることを、まず優先して行っています。

我々の場合は幸いにもと言いますか、コンサルティングの企業なので、ふだんから顧客との接点が多いです。そもそものSaaSで実現したい姿に、少なからず目の前のお客さんの課題感が反映されていたりすることもあるので、共感してくれる企業を見つけやすい環境という側面があるかと思っています。

見つけたうえでさらに重要なのは、このSaaSで実現するSIを提供することの理解を得る部分かなと思っています。未来の姿に共感してくれて「じゃあ、よし。そのシステムを提供してください」と言ってくれたお客さんに、通常の受託開発と同様に「なんでもかんでもできますよ」ということにしてしまうと、必ずしもそれは我々の思い描く未来の姿とフィットしなかったりする。

もう少し具体的な話になると、「著作権はどうするの?」みたいなところもあるので、「そこはしっかり我々のSaaSのプロダクトの成長の部分に乗っかってくださいね」ということで、理解を得るのは大事かなと思っています。

とはいえ、「新たにシステムを導入したい」というお客さんは、少なからずこの個別の業務の中で必要な要求もあったりするので、必ずしも全部は無視できません。そういったものはしっかり個別でお金をいただいて開発をしたり、SaaSの機能とは別の機能として実装する方法を取る場合もあります。

そのため、ここは個別の機能だからSaaSの機能としては別で実装したり、これは私たちのSaaSの成長のためにも必要なものだからSaaSとして取り組んだり、みたいに都度判断して実装しているんですが、この判断がけっこう難しくて。

個別の機能が増えれば増えるほど、お客さん向けのシステムの保守や運用のような部分の領域が増えてしまいますし、かといって全部の機能を汎用的なものとして取り組むとなると、それはそれで開発コストがかさんでしまう。私たちも試行錯誤しながら判断している部分ではあります。

(スライドを指して)今お話ししたことのイメージとしてはこんな感じです。A社とかB社とか、個別に共感してくれて、お客さん向けのSIみたいな案件として進めながら、その中で作った機能をプロダクトとして落とし込んだり、必ずしもそうじゃないものがあったりするというかたち。あくまでイメージですが、こんな感じでやっていますという紹介です。

(スライドを指して)さらにこのロードマップに落とし込むに当たり、もっとやらなきゃいけないなと思っていて。例えば売上や導入社数の事業計画だったり、もうちょっと明確な時期みたいなところをちゃんと落とし込んでいきたいのですが、現状の進め方と体制だと、顧客向けの開発というところで、スケジュールに追われてしまっています。

現状だとPdM、プロダクトマネージャーみたいな方がいないということも相まって、なかなかまだ明確にできていないところがあります。

最後に宣伝になりますがAICOのさらなる飛躍のため、一緒に働いていただけるプロジェクトマネージャー、プロダクトマネージャーを募集しています。

最後はちゃっかり宣伝で締めましたが、ご清聴ありがとうございました。