入社1~2年目のエンジニアに聴く研修と配属後のリアル

平子裕喜氏(以下、平子):続いてのセッションは「入社1,2年目に聴く研修と配属後のリアルとは?」というテーマでパネルディスカッションします。よろしくお願いします。

一同:よろしくお願いします。

平子:今日は新卒1、2年目の方々に来てもらっています。ざっくばらんに話しましょう!

三嶋哲也氏(以下、三嶋):よろしくお願いします。

金澤清氏(以下、金澤):お願いします。

平子:ではさっそく自己紹介から入っていければと思います。私が今日MCを担当する、平子と申します。よろしくお願いします。新卒入社者の育成担当として、配属や研修を担当しています。もともとエンジニアなんですが、人事や組織開発を中心に仕事をしています。 入社前からの付き合いなので、2人とはもうツーカーの仲ですね。

三嶋:そうですね。もうずっと面倒をみてもらって。

金澤:そうだっけ?そうでもないという話が(笑)。

平子:そうでしょうよ!(笑)じゃあさっそく三嶋君行きましょうか。

三嶋:三嶋です。社内では「おでん」と言われているので、このディスカッションでも「おでん」でいこうと思います。

(一同笑)

僕は2021年の新卒なので、4月に入社してまだ1年目です。今はインフラの部署にいて、インフラエンジニアをやっています。自己紹介することといったら、僕は文系の院を出ていて、そこから来たので、最初は苦労した話がこの中でも出てきますが、そういうバックグラウンドがあります。よろしくお願いします。

平子:「麻雀」というところがね。光って見えますね。

三嶋:そうですね(笑)。麻雀が好きでこれを書いたんですけど、このあとの話でも出てくるので。

平子:振りなんですね。

三嶋:振りですね。

平子:期待しておきましょう。つづいて、きよしお願いします。

金澤:はい。きよしと呼ばれてしまったんですけど(笑)、フルネームは金澤清と言いまして、社内では「きよし」とずっと呼ばれています。なので、このセッションでも「きよし」と呼んでもらえればと思います。

平子:なんかさ、きよしって感じがするもんね。オーラが。

金澤:よく言われます。なぜかわからないですけど(笑)。2020年新卒なので新卒2年目になります。今はゲームのサーバーサイドエンジニアとして、1年ちょっと働いています。よろしくお願いします。

三嶋:「マイクラ」? マイクラって何ですか?

金澤:マイクラというのは『Minecraft』というパソコンゲームがありまして、それのサーバーを立てないと、みんなでマルチプレイができないんですね。なので、それを学生時代に作ったという経験が1個あって、ゲームのエンジニアになるきっかけにもなりました。

平子:じゃあマイクラのおかげで、今のエンジニアとしてのきよしがあるということなんですね。

(一同笑)

金澤:そうですね、過言ではないと思います。

平子:なるほど。ということで、この3人がお送りいたします。よろしくお願いします。さっそく今日の流れを説明しますが、今日はタイムラインに書いてあるとおり、最初に私から配属前のイベントを時系列順に紹介していきたいと思います。そのエピソードを踏まえながら、2人はこんな時にどういうことを感じていたのかを聞いていければなと思います。

後半は配属後ですね。どういったモチベーションの変化があったのかを、ポジティブエピソード・ネガティブエピソードを出すようなかたちで進めていきたいと思います。キーワードを事前に書いてきてもらっています。

入社から配属までの流れ

平子:さっそく入社から配属までの流れですが、4月に共通研修というかたちで全職種共通の研修が行われます。デザインスプリントだったり、そういったものが行われて、そのあとエンジニアだけが集められて研修を行います。

そこでは個の力を伸ばすというよりは、どう協働していくか、ともにモノを作っていくかを体験することがベースになっています。モブワークだったり、あるいはチーム開発をしながら、エンジニアとしての基礎を築くというものです。

その中で、たくさんのいろいろな同期とペアになったりチームになったりします。他者との協働を通じて自分を見つめ直して、自分の強みとは何だろうとか、弱みはなんだろうみたいなところを認識し合うような、そういった研修になっています。その期間に、各人の性質や特徴を捉えながら、配属を検討していきます。

ざっくりとしたタイムラインで言うと、全職種共通の研修が2週間あります。そのあとエンジニアが集まって、コンピューターサイエンス、AWSのようなクラウド、Go・Flutterを学んで、チーム開発。そのあと配属、みたいな感じですね。

同期にうちのめされた

平子:研修のタイムラインに則したようなエピソードを実際に書いてきてもらっていますが、さっそく光っている付箋がありますね。「同期にうちのめされた」というところが。

(一同笑)

金澤:そうですね。エンジニアとして働くのはDeNAが初めてだったので、研修で同じような職種の人たちと学ぶ機会を初めて得たんです。研修中にモブプロとかペアプロとかみんなでチーム開発しまして、その時にみんなメチャクチャ技術力が高くて、「これなんで入社できたんだろう」というのが。

(一同笑)

「これは入ってどうすれば活躍できるんだろう」みたいなことを、当時悩んでいたのが、研修の最初の印象でした。

平子:これはおでん君も?

三嶋:メチャクチャわかります。私もさっき話したのですが、コンピューターサイエンスとかぜんぜんやっていなかったので。今まで独学でWebの知識を付け焼き刃でやってきたみたいな状態で、本当に何もわからないところからだったので、きよしさんと同じような焦りを感じていたと思いますね。

平子:なるほど。そして「同期をランク付けし始めた」という、なかなかやばめなワードがありますね。

金澤:そうですね。同期があまり見ていないことを僕は祈っているんですけど。

平子:メチャクチャ見ていますね。

(一同笑)

金澤:優秀なエンジニアというのは、どういう人たちなんだろう、と。他の同期のエンジニアで誰が一番優れているんだろうというのを、自分の中でランク付けし始めたのが、次のタイミングですね。

その時にこの人はDBがすごく詳しいとか、この人は最近の技術をすごく敏感にキャッチしているとか。あとはチームを巻き込んで何かをやることにすごく熱意があるなとか、いろいろな強みというか長所というのを見たんですけど、結局そこに書いてありますが、一番はつけられなかったんですね。

平子:一番とは何かって感じですよね。

金澤:そうなんですよ。一番ってどれが最強のエンジニアなのかということに、弊社は多種多様のエンジニアが入ってくるので一本とか二本とかの単位で測れるものじゃないなと、いろいろな人を見ていてすごく強く感じた。そういった時に僕はどういうところが強くて、どういうところが良いかを見るのが大事なんじゃないかと、研修の時にすごく学びましたね。

平子:なるほど。チャートを見ると、ズンと落ち込んだあとに、そこから徐々に上がってますね。

金澤:そうですね。浮上しました。

三嶋:良い研修だな。

金澤:言わされてない?

(一同笑)

誰かより優秀であるために、ここに入ったんだっけ?

平子:一方でぜんぜんわからないというところから、おでん君はどういうふうに?

三嶋:そうですね。僕はきよしさんとはアプローチが違っていて。僕はランク付けをしていません。

(一同笑)

僕は同期や先輩などとけっこうコミュニケーションを取る中で、研修の目的として、やはり技術だけじゃないところをものすごく意識できたなと思っていて。自分の中で優秀でいなきゃとか、誰かよりも何かができなきゃというそういうコンプレックスがすごいあったんですけど。

同期や先輩などと話をしていく中で、純粋に敵じゃなくて、人というかこれから一緒に働いていって一緒にモノづくりをしていく人と認識できたので、そうなったら「誰かより優秀であるためにここに入ったんだっけ?」というのをものすごく考えるようになって、そんなことないよなということで、そこはかなり心の余裕が生まれましたね。

平子:なるほど。余裕が。

三嶋:そうですね。大人の余裕がここで。

金澤:誰かより優秀であるというのは必ずしもそうではないと思うんですが、何かやはり1個、ここは負けたくないなとか、ここだけは譲れないなみたいなものが思いとしてありましたか?

三嶋:僕のですか?

金澤:はい。

三嶋:僕はさっきも言ったんですけど、人と話すのが好きで。エンジニアはイメージとして「お堅い人が多い」「コミュニケーションは最低限でいい」「効率的にやりたい」とか、けっこうそういうイメージがあると思うんですけど、僕はいろいろなバックグラウンドのエンジニアや、エンジニアだけじゃなくて他の職種の方、歳が離れた上の方などと話すのも好きで。なので、そこでプレゼンスが出せればとは思っていますね。

平子:それが、「チームで1つのものを作るのが好き」というところにつながるんですね。

三嶋:そうですね。そこもそのコミュニケーションの話とつながるんですが、最後のチーム課題の開発は4人くらいのチームで作るのですが、何を作るかというゼロのところからコミュニケーションを取っていって、その中でDBが得意な人がいたり、今まで使ったフレームワーク、例えばRailsだったらこうやっていたよなどの、そういう知識をもらったり。

そういういろいろな知識やバックグラウンドを持って、エンジニアになりたいという熱意を持ってやってきた人たちと、何か1つのモノを作るためにこの会社に入ったんだな、ということを確認できて、良いチーム開発の体験でしたね。

平子・金澤:メチャクチャいい話をしますね。

(一同笑)

IT基盤部というインフラ専門部隊との出会い

平子:そういう二人が、研修を経て配属されたわけですが、その後もグンと下がって上がってまた下がって上がるみたいな、けっこう見事な曲線を描いていますね。配属の話を聞かせていただけますか?

三嶋:「IT基盤部というインフラ専門部隊との出会い」とありますが、チーム開発の中でいろいろな強みを持った人と開発できる喜びを感じたんですけど、そこで焦らなくなった一方、逆にちゃんとそのチームで自分がひっぱっていきたいだったり、自分が中心となって何かやっていく時に、エンジニアの組織にはやはり技術力が必要で、だったら純粋に技術と向き合いたいなと、改めて思えたんですよね。

焦りやコンプレックスを抜きにして向き合いたいと思ったのですが、そこでインフラ専門部隊として、いろいろな事業のインフラのことを面倒見ていくには、本当にいろいろな知見や経験が必要だとわかって。ベテランの方も多くて、なのでそういうところに身を置くことで自分を磨けるかなということで、「こんな部署があるのか、俺はここに行くべきだ」と、ビビッと来ました。

平子:なるほど。ビビッと来たんですね。僕も一緒に配属検討をしている中で、「これはビビッと来ているんだろうな」と、そう感じながらもやっていましたけど。

金澤:実は僕はおでん君のメンターをやっていて、 その時にとてもコミュニケーションを重視している子だなとは思ったんです。そうなった時に、インフラ基盤部の人たちは技術力やロジカルなコミュニケーションを重視する印象が強い部署だったので、おでんくんと合っているのかなと。もう少しワイワイしているような部署のほうが好みなのかな、と当時は思っていました。

三嶋:確かに。意外だったのかもしれないです。

「やらなきゃ」でどんどん焦っちゃった

平子:そのあたりは後ほど語られていると思うので、ちょっと先に進んでみましょう。そこからチャートはグーッと上がっていっていますね。

三嶋:そのあと下がっていくのは、本番権限を取ることが1つの目標にあって、それは無事に取れたんですけど、そこから「やらなきゃ」となったんですよね。できることが増えてきたので「やらなきゃ」でどんどん焦っちゃって。

焦るんですけど、本当にインフラの領域は小手先のテクニックだけだと通用しないので、ちょっと知った知識だけではなかなか対応できない障害だったり運用だったりというのがたくさんあったので、やはりそこでまた焦ってしまった。研修の時と同じですね。「できない、やばい!」「できない、やらなきゃ!」みたいなものがループしていったのが、その青く下がっているところですね。

平子:ここから浮上したきっかけは何ですか。

三嶋:ここはもう1回自問自答ですよね。自分に今できることと求められていることは何なのかをもう1回自分に問うた時に、技術でベテランのインフラエンジニアと対等に渡り合えるんだったら、たぶん新卒で入って、研修をそんなていねいにやらなくていいと思うんです。それはもう理解した上で、じゃあ今できることは、というので、自分の好きなコミュニケーションを重視しようと。

そこに書いてある1 on 1などをチームでやる文化があまりなかったのですが、リモートワークだと他のチームメンバーと話す機会はすごく限られるので、僕はよりコミュニケーションをとっていきたいなと思って、自分から1 on 1をセッティングしたり。さっきの麻雀の話だと、部長とオンライン麻雀を積極的にやっていて(笑)。

けっこう年代も上の方が多いですが、けっこうワイワイ仕事の話などをしながら仲良く麻雀をやったり。そういうので意外と顔が知れたり、どういう人間なのかを知ってもらえて、だんだん仕事もやりやすくなっていって、すごく良かったです。

平子:おでん君の、人とコミュニケーションをとるという性質。それが好きという性質が、良い意味でチームのほうにも影響を与えたということですね。

三嶋:そうですね。

配属先がすごく僕の中にマッチしていた

平子:そこから、ちょっといろいろあったというところですが。次にきよしさんのほうにも行ってみましょうか。これもまた、おでんくんと同じような曲線を描いていますね。詳しく聴かせてください。

金澤:配属したあたりから話をしていきたいなと思います。最初にグンッとグラフが上がっていると思いますが、これは配属先がすごく僕の中にマッチしていたことが一番大きかったです。大きく2つ理由があって、1つは使っている技術がかなりモダンな技術だったこと。Kubernetesや内部ツールでVueを使っていたり、データベースはSpannerを使っていたり。

そういったモダンな技術が僕には足りないなと思っていたので、扱っている技術と学びたい技術がマッチしていたのはよかったなというところ。もう1つは、シンプルにゲームという部分に僕は興味があるというか好きだったので、それと関われること自体に魅力を感じていました。配属がマッチしたところに入れて、平子さんには感謝してます。

平子:お、僕のおかげですね(笑)。

金澤:そうですね。平子さんのおかげです。ありがとうございます(笑)。

2週間で終わるものを2ヶ月間ずっと作り続けていた

平子:(笑)。そういうところから、またグンと下がっていくところがありますね。

金澤:そうですね。これは配属されて2、3ヶ月で仕事に慣れはじめて、ちょっと大きめのタスク。これはゲームのアイテム関連の機能を1個作ってくれというもの。

平子:まるっと?

金澤:まるっと。ただ最初のタスクなので、2週間ぐらいで終わる小さなものだったんです。僕も当時油断していたので、スルッと終わるだろうと思っていたんですね。そして蓋を開けてみたら、仕様を決める企画の人とクライアントエンジニアの人と連携しながらいろいろと作らないといけなくて、それがうまくできていなくて、二転三転、手戻りが発生してしまったんですね。

結果、2週間ぐらいで終わる見込みだったものだったのが、2ヶ月間ずっとそのものを作ることになって、それがメチャクチャつらかったです。

平子:これはここに書いてあるとおり、原因が調査不足ということなんですね。

金澤:これは次のところで。

平子:そうなんですね(笑)。

やらかしているのに、もっと大きい機能を任された

金澤:補足で話したいんですけど、すごくグンッと上がっていくところ。ここでけっこうやらかしているんですけど、やらかしているのに、もっと大きい機能を1ヶ月で作ってくれと言われるんですね。

(一同笑)

「1ヶ月で!?」みたいな。スケジュールも、もちろんもう押せないようなものなんですね。そうなった時にどうしようとなって、見積もり5倍の工数の反省がすごい活かせたのが、ここでグンッと上がっているものになります。

さっき言った企画の人とクライアントの人とそれぞれ連携が取れていなかったのが、1個のすごく大きなところだったので、そこをメチャクチャ密にやるようにしました。

三嶋:根回しというか。

金澤:根回し(笑)。そうですね。

三嶋:大事ですね。

金澤:そもそも仕様としてやりたいことは何なのかとか、クライアントのほうでできることはなんなのか。逆に仕組み上できないことは何なのかをあらかじめヒアリングした上で、他のサーバーエンジニアの先輩たちと「僕はこういう仕様でデータベースの設計やAPIの設計をしたいんですけど、どうしようか」という確認をもらって、レビューをもらって、という順序をきちんと踏んでやった結果、スケジュールどおりに無事に完成できました。

平子:すばらしい。

金澤:これは他の人も評価をしてくれて。その時はすごく良い経験をさせてもらったな、というのがあります。

平子:1回やらかしたあとに、なぜ任せてもらえたんですかね。

金澤:これはあとから聞いた話なんですけど、落ちるところはけっこうわかっていたらしいんですよ。

(一同笑)

失敗しても経験になるということで、失敗を加味してアサインしてくれたらしいんです。僕はすごく必死にやっていたんですけど。なので、失敗させてもらえたところが大きくて、それができる環境だったというのがとてもよかったです。これがもし失敗が許されない環境だったら、次を任せてもらえなかったので。

平子:そうですね。

金澤:なのでそこは、すごくメンターの方にも感謝をしているところです。

平子:なるほど。という感じで、2人の共通点も見えてきましたね。1回やはり落ちるんですよね。

三嶋:そうですね。

平子:何か乗り越えるものがあって、そこからグッと上っていくんでしょうね。

見守ってサポートしてくれる環境が、DeNAにはたくさんある

平子:ではそろそろ時間なので、ここからまとめというかたちで入っていきたいと思います。学生の方が多く見られていると思うので、2人からその学生の方に向けて言いたいところをお願いします。

三嶋:僕も学生の時にものすごく焦りと不安があって、「やらなきゃ、できるようにならなきゃ」みたいなことを思っていたのですが、焦らずにコツコツ積み重ねることを見守ってサポートしてくれる環境が、DeNAにはたくさんあると思うので、ぜひ少しでも興味がある方は、ちょっと勇気を出して応募してみてください。一緒に働けることを楽しみに待っています。よろしくお願いします。

平子:じゃあ、きよし。

金澤:けっこういろいろ就職活動などをしていく中で、いろいろな人を見ていると、すごい人はたくさんいると思うんですけど、やはり結局付き合っていくのは自分なので、自分の強み・弱みのをしっかり見つめた上で、何がしたくて自分は社会でどういうことに貢献していきたいのかを探すのが、これからのキャリアで大事になっていくんじゃないかなと思います。学生時代だからこそ、自分の長所と短所をしっかり見つめてほしいなと思います。

平子:きれいに決めましたね。

金澤:ありがとうございます。

(一同笑)

平子:ということで本セッションは以上となります。ご清聴ありがとうございました。

一同:ありがとうございました。