自己紹介と本セッションで伝えたいメッセージ

阿部信介氏(以下、阿部):ではCX事業本部内製化支援チームの阿部から、「クラスメソッドが考える内製化のステップについて」という話をしたいと思います。

あらためまして、CX事業本部内製化支援チームの阿部信介と言います。現在は、内製化支援チームの事業推進タイプのマネージャをしています。

エンジニアからキャリアをスタートして、開発マネージャとか、部門での横櫛の採用で評価プロセスの策定とか、メンテナンスの経験を積んで、今は内製化支援チームの事業推進を担当しています。

今日のメッセージですが、まず「丸投げのアウトソーシングから脱却して事業のハンドルを握り直そう」というメッセージです。覚えて帰ってもらえればいいかなと思います。

その内容として、今現在ビジネス環境の変化が、どういうふうに起こってるのかということ。それから、その環境下で丸投げをすることによって失われるもの。その環境を踏まえた上で、内製化を達成するためのステップについて、我々がどういうふうに考えてるかについて、少しお話しようと思います。

テクノロジーの進歩がビジネス環境の変化を速めている

まず、ビジネス環境の変化についてです。これから2つですね、当社でやっていることを少し見てもらおうかなと思います。

まずはモバイルオーダーペイ。当社の製品ではありませんが、大手の飲食チェーン店などでも事例があったりします。スマホで事前に注文してからお店で受け取るような感じのサービスになります。

当社ではDevelopersIO CAFEというカフェをやっていますが店舗に入って、品物を取って出ていけば、そのまま決済される、ウォークスルー店舗です。

これら2つに共通することは何かを考えてみると、パッと見たところ、テクノロジーがビジネスを変えているのか、というようなことを思いつくかと思います。しかし私は、ユーザー体験がビジネスを変えていると理解しています。

このユーザー体験とテクノロジーですが、いろいろな変化がユーザー体験の変化の起爆剤になっています。

例えば、“できないことができるようになったり”とか。あとは“つながる”とか、“いつでも”、“たくさん”というようなものです。それから、テクノロジーの進歩のスピードは、確実にビジネス環境の変化のスピードをアップさせていることが言えます。

その結果、マーケットのスピードにどういう変化が起きてるのかです。スライドのグレーで描かれているもともとの図は、キャズム理論のものです。

イノベータからアーリーアダプタ、アーリーマジョリティ、レイトマジョリティ、ラガードと流れていくような伝播ですが、これがどんどん早くなっている。基礎技術の進化によって一つひとつの完成度が高まった結果、爆発的にマジョリティが増え、淘汰も早くなっているようなビジネス環境の変化が起きています。

不透明度の高い環境で求められる戦略

VUCAと呼ばれるような非常に不透明性の高い環境下、特にまたアンコントローラブルな環境になってきますが、このような状況で求められる戦略性は、早く柔軟に市場投入して適応していくことです。これが、この環境で採られる戦略の重要なところです。

その戦略例の1つとしては、OODAループです。観察、適応を繰り返しながら、それぞれに対してフィードバックを得ながら意思決定してアクションしていく。それらのフェーズの変化の中でも、フィードバック、フィードフォワードをしていくかたちで意思決定をサイクルで少しずつ前進していくようなかたちで、戦略を組み立てていく。

それから、クラウドの積極活用です。特にハードの処理速度やストレージの容量、調達までの時間など、今までIT基盤で変化しづらかったパラメータ、調整しづらかったパラメータを、クラウドの積極活用によって調整できます。

これによって、基盤自体にスピードと柔軟性を持たせられる。これらのパラメータに調整が効くだけでも、基盤構築にクラウドに寄せていく戦略的な価値があるのかなと思います。

不透明な環境で丸投げをして失われる3つのこと

次に「丸投げで失われるもの」ということについて少しお話します。先ほど言った、不透明な環境下で丸投げをしていると失われるものについてお話したいことです。

よくある丸投げの光景です。要件定義・設計・実装・テスト・リリースで、ベンダーと話すのは、要件定義とほぼリリースだけです。これが、数ヶ月から年単位の経営プロジェクトになっています。システム開発の現場とか、企画の現場でよくある話かと思います。

このような状況下で丸投げをしていると何が起こるのかです。失われるものについて見ていきたいと思います。

まず1つ目は、テクノロジーに対する弾力性です。それから、市場の動きに対するスピード感。適応を通じて得られる学び、経験、ノウハウ。これらの3つが失われる。

その上で、ではなぜこの3つが必要になるのか。先ほどお見せしたスライドをもう1度見ていただきます。環境はかなり不透明になっています。そのため、早く柔軟に市場投入をしていくことが必要です。

つまり、不透明な環境下での戦略では、フィードバックが非常に重要になりますが、特に先行きが不透明な環境は正解が定義しづらくなります。

そのため、計画どおりというよりも、フィードバックを早く得て、それに対して目標を設定して適応していく。それをなるべく早く回していくことが必要になってきます。

現在地の把握と改善とか、改善サイクルを早くしていく。このようなフィードバックを得る仕組みを作っていくのが、非常に重要になってきます。

フィードバックを得るタイミングが遅いとどうなるか

ここでフィードバックを得るタイミングをちょっと考えてみましょう。先ほどの数ヶ月から年単位の、よくあるシステム開発の現場を見てみます。

仮説を作るタイミングは要件定義のタイミングです。その仮説に対して実際にフィードバック。この場合のフィードバックは、実際にそれをリリースして、クライアント、エンドユーザーから、エンドユーザーが使ってみてその結果を得るというものを考えています。

このフィードバックを得られるタイミングが、いつになるのかです。仮説を得るタイミングが要件定義となると、フィードバックを得られるタイミングは、リリースした後です。

プロジェクトの期間自体は数ヶ月から年単位で描いていますが、フィードバックを得られて、そこに対してネクストアクション取れるタイミングはどこかというと、それよりもっと後になるわけです。

ここで疑問になるのが、仮説と同じ前提のフィードバックが得られているかということなんですね。結果を得るのが遅くなってしまうと、前提が変わって意味がなくなることがある。それからの適応は、差が小さいほうが圧倒的に楽です。そのため、ユーザー体験を考えて適応していく積み重ねが差別化要因につながるということです。

具体的に「このようになってしまっていない保証はありますか」ということです。(スライドを指して)上が自社だとしましょう。数ヶ月から年単位でやってました。仮説を作ってリリースをして。ただ、他社が同じ課題に対してサービスして爆発的に伸びび、ブームが去るという事象が起きました。最終的にリリースしたタイミングでは、そこのフィードバックを他社がもう得てしまった後なので、ユーザーがいない。

これはすごく極端な例ではありますが、「こうなっていない保証がありますか」「では、そうならないために何をしましょうか」というところです。つまり、結果を得るスピードをどんどん早くしていきましょう、というのが重要なわけです。

結果を得るスピードがなぜ重要なのか

ではここで、結果を得るスピードの重要性を、ちょっと身近なケースで見ていきたいと思います。

コロナ禍による変化を考えてみましょう。今見ていただいてるのは、厚生労働省とか、内閣官房とか。コロナ感染者数などで検索した時の、検索結果の画面やホームページの画面になります。見てもわかるとおり、日々刻々と変化をしていると思います。

では、先ほどの数字とか発表だけではなく、他にどういう変化が起きたかです。社会での変化はどうだったかを考えると、飲食店への時短営業の要請とか、助成金を出してまで働き方改革を推進したり。その結果、人の動きや流れが非常に変わってきています。

例えば、飲み会を店でやるのではなくて、家で個々でやってリモート飲み会をする。これは特に身近な例だとも思いますが、そのようなかたちの変化が起きている。

ビジネスの変化も当然起きているわけです。しかも驚くべきことに、この変化が、1、2年程度で起きていることになります。

同様のことはビジネス環境でも起こり得るということです。例えば、“新サービス”とPR TIMESで検索すると、2週間ぐらい前に検索しただけですが、それでもこれだけ出てくる。

とにかく早く試してユーザーの動きを知るような動きは、どんどん出てきているわけです。このような環境下で戦っていかなければいけないことになります。

ビジネスで生き残るために必要な内製化

では丸投げで何が失われるのかです。まずはオーバーヘッドを避けるために、大規模な計画になります。数ヶ月から年単位の計画と先ほども言いました。ユーザーからのフィードバックはもっと先になるということです。あとは、丸投げの場合、主に一括請負契約を選択すると思いますが、それらに対する請け手の保守的な反応。それからテクノロジーに対する無関心といったようなことになります。

では数ヶ月から年単位でのリリースと、数週間単位でのリリース。どちらが今のビジネス環境で生き残れるかを考えて、できることを考えていくと、内製化というワードが出てくるわけです。

内製する自力を身に付けることによって、差別化要因になる事業を手の内化するとか、内製化に近づいていくために、テクノロジーの役割を定義すリテラシーを学ぶとかです。

そのために、基本は“知ること”、“想像すること”です。技術トレンドの変化や自社以外のサービストレンドの変化、ユーザー体験の変化。これらのことを知っていくことが必要になります。

これらの技術を知っていくことでできるようになることは、変化を把握するとか、ユーザー体験の実現方法を判断する基準を持ったり。それから、システム管理の自由を取り戻すことです。

これらの内製化へのステップの中で、クラウド活用は1つ重要なポイントがありますが、活用までの道標はすでに各クラウドベンダーでも出ているし、我々も支援できます。そのため、ここに至るまでのリソースは非常に豊富です。

例えば、公式ドキュメントやトレーニング、セミナーがもうすでに用意されています。なので、恐れる必要はないということです。

内製化を達成するためのステップ

その上で、内製化を達成するためのステップを、我々はどう考えてるのかについてお話をしたいと思います。

(スライドを指して)こちらが、内製化を達成してるのはどういうことかを我々が考え、要素ごとに分解した図になります。モード1からモード2に行って、手の内化できている。ITを理解して手の内化して、それを使ってちゃんと価値を創造しましょう、というところです。

それを文化とか、組織・プロダクトマネージメント・開発・運用・クラウドといったような各要素によって、ステップ・バイ・ステップで達成していけるようにモデル化したものになります。

我々の内製化支援は、このステップをどのようにお客さまが踏んで、理想の内製化の体制に持っていくかを一緒に伴走させていただくようなサービスを提供しています。

見てわかると思いますが、これは非常に長期で取り組むステップになります。

そのため、すぐにはできるようにはなりません。(スライドの)一番右まですぐにできるようになるかというと、それは非常に難しいと思います。ただし、なにがしかアクションを始めないと、できるようにはなっていきません。やらないとできるようにはならないということです。

それを支援するために、私たちは内製化支援サービスを始めました。内製化支援サービスの支援範囲ですが、組織作りやスキル開発の定着支援、ビジネス開発支援と、トップダウンからボトムまで、かなり広い支援をさせていただきます。お客さまの状況に合わせて支援させていただきますので、ぜひともご相談いただければと思います。

事業のハンドルを握り返すために

では今日のまとめです。「丸投げのアウトソーシングから脱却して事業のハンドルを握り直そう」ということ。これの背景にあるものをいくつか説明しました。

事業のハンドルを握り直すために、小さな検証を繰り返していきましょう。必要な基盤を作っていきましょう。そのためには、テクノロジーを手の内化する必要があります。不確かなビジネス環境を乗り切るのは非常に大変なことだと思いますが、ステップを踏んでいけば事業のハンドルを握り直せるかと思います。

私からは以上となります。ありがとうございました。