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CTO Talk『テクノロジー描く未来の話。』(全2記事)

企業イメージのトランスフォーメーションが2025年までの目標 アスクルが考える未来を実現するための4つのポイント

非テックカンパニーとして生まれた2社が、テックカンパニーへとどのように変貌を遂げ、目指す未来を実現していくのか。各社のCTOが会社の原点から、現在の取り組み、未来の物語について、事業のことから組織や技術のことまで幅広く語る「CTOが語る、テックカンパニーに向けた未来の話。【アスクル×リンクアンドモチベーション】」。ここでアスクル株式会社の内山氏と、株式会社リンクアンドモチベーションの柴戸氏が登壇。ここからは、アスクルの現状と未来への取り組みについて紹介します。前回の記事はこちらから。

自己紹介と会社紹介

司会者:ありがとうございました。続いてアスクルの内山さま、よろしくお願いします。

内山陽介氏:アスクルのCTOをやっている内山と言います。少しだけ自己紹介をさせてください。私の社歴ですが、2008年にヤフー株式会社に入社し、Yahoo!ショッピングの開発・運用などを担当していました。2015年からアスクルに出向して、2018年にそのまま入社というかたちになりました。

アスクルで「LOHACO」の開発責任者を担当したあと、ロジスティクスの配送やビッグデータのシステム責任者を経て、現在はCTOとしてシステム・組織の最適化や全社のテクノロジー化を推進することをやっています。

アスクルを取り巻く事業環境

では、今度はアスクルの未来について話せればと思います。アスクルを取り巻く事業環境しては、今この6個があります。例えば、少子高齢化・人手不足、EC化の加速、AI・テクノロジーの進化、新しい働き方・ボーダーレス化、気候変動・サステナブル経営、感染症との戦いみたいなものがあります。

そこに対しても、我々は着実な成長を支えるための競争優位性を保有していると考えています。お客さま基盤・ビッグデータをもっています。また、EC事業者が物流をもっているケースはわりと少ないですが、我々は物流ももっています。

また、オリジナル商品を作るというところで、商品を作ったりもしています。また、Zホールディングスグループと連携をしながら、いろいろなプロジェクトや勉強・支援などもしてもらいつつ、逆に提供しながらも進められていると思います。

我々が目指す2025年までの中期計画です。弊社にはオフィス通販というイメージがあると思いますが、そこからのトランスフォーメーションを考えています。すべての仕事場とくらしを支える、インフラ企業になりたいと考えています。

ではじゃあこの中期の計画に対して、どのように進めるかというところを、今日は前半で説明します。

中期計画を実現するための4つのポイント

まず、“中期の成長シナリオ=進化のポイント”としては4つ掲げています。BtoB最強ECサイトの構築、戦略業種と品揃えの拡大、Zホールディングスグループとのシナジー、プラットフォームの改革。この4つを基軸として、成長戦略につなげていきたいと考えています。

これを1個ずつ軽く説明します。“BtoB最強ECサイト”ということで、「ASKUL」という中小企業向けのサービスと「SOLOEL ARENA」を足し合わせて、両サイトの特徴を結集した「新アスクル」というWebサイトを、現在構築中です。こちらの構築のために、今たくさんのエンジニアが一緒に進化をやっています。

続いて、“品揃え拡大”の部分です。取り扱い商品を2倍、在庫商品を4倍、そしてオリジナル商品を1.4倍。このようなかたちで品揃えを拡大していきたいと考えています。

続いて、“LOHACO”の部分です。BtoCのeコマースになりますが、こちらについては“強みを伸ばしてさらなる成長へ”ということで、Z基盤をフル活用する部分と、商品や物流という強みにリソースを集中させて進化させる、2側面でやっていきたいと考えています。

最後に、バリューチェーンの部分です。バリューチェーンは、商品を仕入れたりそのまま販売したり出荷をする、一連の流れを言います。このバリューチェーンのDXで、お客さまの価値を向上していきたいと考えています。

商品登録、発注、入荷、保管、販売、出荷、配送の力を、データとAIで最適化・ロボット活用で省人化して、お客さまにとっていいサービスを作っていきたいと考えています。

その先、中期の成長シナリオとして先ほどの4つをしたあとに、さらに新たなサービスの構築を考えています。

BtoBの圧倒的なお客さま基盤を活かして、そのビッグデータを活かした新サービスを将来的には考えていきたいと思っています。

アスクルエンジニアの未来

では、アスクルエンジニアの未来について話します。私のビジョンとしては、アスクル自体をディスラプションし、世の中を「あっ」と言わせるようなサービスを、テクノロジーの力で作り上げることをやっていきたいと思っています。

3ステップで考えていて、まずは圧倒的な仮説検証速度を手に入れることを今やっています。その後、実際にサービスの高速進化をやって、いろいろなお客さまに価値提供していきたいと思います。サービス自体を進化するという意味です。そのあとに、ディスラプションによる圧倒的なサービスということで、今あるアスクルをさらにディスラプションして、今までにないサービスを作っていきたいと考えています。

まず今やっているところですが、圧倒的な仮説検証速度を手に入れるということで、CI・CDの部分や、ソフトウェアアーキテクチャをきれいに作ることによって、高回転な開発基盤を作ったり、クラウドネイティブ化することで開発に集中できたりする。システムにこういうものをどんどん導入していっているので、基盤作りをしていきたいと思っています。

これができた次のターンとしては、サービスの高速進化になります。サプライチェーン全体のシステムとデータを、高速で進化させていきたいと思っています。お客さまにサービスを高速で提供したり、サプライチェーンの横断的なビッグデータを用いたAIを使ったり、倉庫や配送と組み合わせたサービスの提供みたいなものを、ぐるぐる回して高速進化していきたいと考えています。

アスクルのテクノロジーの今と具体的な取り組み

アスクルのテクノロジーの今です。必要な技術をみんなで一緒に選定して、進化しています。今までは少し古めの技術を使っていましたが、今はもう着実に切り替えています。先ほど言ったBtoBの進化みたいなところに関しては、全部右の技術で作っています。こういうことで、将来的に開発のスピードを上げていきたいと考えています。

また、技術のモダン化も着実に実行しており、今は2021年のところをやっているところです。

最後に、3個だけ具体的な取り組みを説明します。アスクルとGoogleマーケティングプラットフォームによる自動化を実現や、AIを全体で作った「アスクル・シミュレータ」を作っています。こちらの構築を発表したり、配送パートナーに配送管理システムをオープン化することで、配送会社と一緒に配送できるようにしたりをやっています。私からは以上です。

司会者:内山さま、ありがとうございました。

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