2024.12.10
“放置系”なのにサイバー攻撃を監視・検知、「統合ログ管理ツール」とは 最先端のログ管理体制を実現する方法
提供:LINE株式会社
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桃木耕太氏(以下、桃木):簡単に自己紹介します。本日司会進行を担当します、Developer Successチームの桃木です。2013年なので、8年ぐらい前に LINE に入って、そのときは広報だったのですが、入社後3年ぐらいで今のDevSuc(Developer Success)に近い技術領域の情報発信をやり始めて、しばらくはPRをやっていました。
今だと、エンジニア関連の情報発信や技術イベントであるLINE DEVELOPER DAYの企画や、あと兼務で全社的な採用マーケティングなどもやっていて、採用に関する情報作りみたいなこともやっています。今日はよろしくお願いします。
ではここから、藤原さんに5分ぴったりで僕らのチームをすべてお話しいただこうと思います。よろしくお願いします。
藤原聖氏(以下、藤原):はい。すべてではないですが……。ではまず簡単に自己紹介します。藤原聖といいます。LINEは2018年に入って、そこからずっとDeveloper Relationsとして働いています。現在は、そのDeveloper Relationsの室長と画面には書いてありますが、室長、兼、今回のDeveloper Successチームのマネージャーをやっています。
桃木さんと同様、人事側も兼務していまして、エンジニア採用チームのマネージャー、責任者もしています。採用チームは、新卒と中途の両方のエンジニア採用を担当している、そんなチームです。今日はよろしくお願いします。
ではちょっと、桃木さんからチームの情報を、と振られましたが、私からはどちらかというと、LINEの私たちがサポートしているエンジニア組織がどういった環境なのかをシェアして、このあとのパネルトークの理解に役立ててもらえればいいかなと思っています。
まず、ここに「海外開発拠点」と記載していますが、LINEは東アジアを中心に10個の開発拠点を持っていて、それぞれのチームが協業して開発をしています。
こちらが先ほどの海外拠点も含めた全体の従業員数、そして「技術職」と書いているのがエンジニアなんですが、それらの人数を記載しています。全体で8,700人の従業員がいて、うち2,900人がエンジニアです。
下に「LINE株式会社」とありますが、これは国内、日本の東京と京都のオフィスの合算値で、2,800人の従業員がいて、800人強のエンジニアがいます。
下にあるデータは、そのエンジニアがどういった属性かを簡単に書いたものです。国内の開発拠点ですが、外国籍の社員が3分の1ぐらいいて、日本を含めて、30ヶ国からエンジニアが集まっている環境になっています。
これが私たちがサポートしているエンジニア組織なんですが、ここからは、私たちのチームがどういった感じで活動しているかを簡単に説明させてください。
まず前提知識として、Developer Relationsというと、略して「DevRel」と呼んでいますが、ここの一番下のほうに書いているように、Developer Productのエバンジェリズム活動みたいなものを想定される方が多いかもしれませんが、弊社のDeveloper Relationsは主にDeveloper Successと呼んでいるような領域を担当しています。
今日のチームがまさしくそれで、簡単に言うと、MarketingだったりTech Brandingみたいなところであったり、Internal Supportと私たちは呼んでいますけど、社内の開発組織がより良い環境になるような取り組みだったりとか、そういったものをサポートしたり、ちょっと抽象度高い表現ですけれども、LINEのEngineering Cultureを広く推進していくのをミッションとしたチームという感じになっています。
先ほど海外の開発拠点が10拠点あるみたいな話をしましたが、下にあるように、Developer Relationsは各拠点にいまして、チームの規模は大小さまざまありますが、5拠点、5チームあると。そして、私たち日本のチームは主に韓国のチームと連携してさまざまな取り組みを、グローバル、もしくは日本に向けて実施しているというような感じの動き方をしています。
次に、採用チームとの連携もすごく重要なテーマになっていまして。右の図にあるようにエンジニア組織と私たちDeveloper Successチームと、あとここも私がマネージャーしているところではあるのですが、リクルーターと呼ばれる採用の担当者がいるエンジニア採用チームと協業して、部門ごとの採用課題などをシェアしながら、Developer Successチームが主となって、技術的なアウトプットだったりとかイベントの企画・運用みたいなものをやっている感じです。
今日参加しているメンバーそれぞれが、例えばセキュリティやインフラみたいなかたちで担当の部署を決めて、この動き方をしている感じです。
次が最後のスライドになりますが、私たちのチーム名にも表れているように、Developer Success、すなわち、エンジニアが自慢したくなるようなエンジニア組織を作っていこうというミッションに向けて、私たちは活動している感じです。
このあと、パネルートークで具体的な活動に触れると思うので、私からは以上です。よろしくお願いします。
桃木:ありがとうございます。この先なのですが、メンバー3名にざっくり領域を分けて、1人ずつ活動領域について説明をしてもらおうかなと思っていて。さっきから映っていると思いますが、お三方に出てきていただいて自己紹介してもらおうと思います。まずは手を振った祥子さん。
佐藤祥子氏(以下、佐藤):LINE Developer Successチームの佐藤祥子です。フロントエンドエンジニアをしていて、マーケターを経て、技術分野の広報、マーケティング、イベント運営などを担当しています。プライベートでは技術コミュニティのオーガナイザーやコミュニティマネージャーなどに携わっています。趣味はバイクと、最近はよく昼寝をしています。よろしくお願いします。
桃木:よろしくお願いします。祥子さんは今回唯一スクリプトをがっつり作ってきたので、きれいなプレゼンが聞けると思います。
佐藤:(笑)。
桃木:次、櫛井さんですかね。
櫛井優介氏(以下、櫛井):よろしくお願いします。LINEのDeveloper Successチーム……Developer Successチームって何でこの名前になったんですかね。まぁ、あとで聞きましょう。
私は2004年にライブドアという会社に入って、今17年目ですかね。なんかもうすごく古い人なんですけど。技術イベントをいろいろやっていまして、ちっちゃい飲み会から2,000~3,000人集まるような大きいイベントまで、企画や運営をやっています。あと、趣味でカメラやブログ、動画を撮ったりなどしていて、Twitterは「@941」というハンドルでやっています。今日はよろしくお願いします。
桃木:よろしくお願いします。次は三木さん。写真にこだわりがある三木さんです。
三木鉄平氏(以下、三木):いや、こだわりはありませんが、組織名を盛大に間違えているのに今気づきました。正しくは「Developer Successチーム」ですね。そんなおっちょこちょいですが、組織愛が低いわけではありません。
三木鉄平と申します。いろいろインターネット系の会社で、Developer Success、Developer Relationsみたいなことをやってきました。LINEには2016年からなので、今5年目ですね。今日はよろしくお願いいたします。
桃木:僕たちが簡単にやっていることを、がっつり説明していただこうと思いますが、Marketing / Tech Brandingの領域は祥子さんですか。お願いします。
佐藤:はい。LINEのさまざまな技術領域・組織のアウトプットを増加させて、LINEの開発組織や働く人々の認知だったり理解度を高めるために、さまざまな取り組みをしています。
私からは主に、情報発信の中でも、技術や情報のアウトプットについて説明したいと思います。大きく分けて、外部メディアとオウンドメディア、SNSの活用について紹介します。
まず外部メディアとの連携についですが、外部メディアには、さまざまな技術領域や開発組織の取り組み、インタビューの記事を掲載しています。特に「Gihyo」さんや「はてなニュース」さんを活用していますが、エンジニアがよく見るメディアに、組織の取り組みを紹介することで、エンジニアへの認知拡大を目的としています。
あとオウンドメディアでは普段見てくれない層にもリーチできるので、発信する場所を広げることは、とても有効的な施策だと考えています。
これらのインタビュー記事の作成は、何をどう露出すべきかをDevSucと開発組織の部門側のみなさんと一緒に考えて施策しています。
次にオウンドメディアについてですね。私たちは、エンジニア自身が執筆してアウトプットすることに価値を持ってもらえるようにしていきたいと思っています。そのために、エンジニアや技術組織がアウトプットをしたくなるような、しやすくなる仕組み自体を作っていくことに力を入れています。
例えばブログサイトの整備だったり、ガイドの整備だったり。発信のネタになりそうなものを開発組織と一緒にヒアリングしながらいろいろなチャンネルで「こういうことをやろうか、ああいうことをやろうか」と企画したり作成したりして、それを発信して運用することをやっています。
ここにはまだ課題があって、エンジニアのみなさんが執筆するハードルが高いと感じたりしているところがあるので、アウトプットすること自体に価値があるんだよ、ということを理解してもらうようにやっていきたいと思っているところです。
気軽に、ただ単純にアウトプットしてもらうだけではなくて、技術的な知見が得られる内容になっているか、質のいいアウトプットになっているかというところも開発組織と一緒に取り組んでいければいいなと、工夫しながらやっているところです。
ブログはLINEの「Engineering Blog」。みなさん見たことあるかもしれませんが、さまざまな言語を取り扱っています。特に私たちは韓国のチームと連携しながらブログの面づくりや英語コンテンツの作成もしています。
次にSNSの活用ですね。Twitter・YouTubeなど、より多くのメディアを通じて多くの方々に認知されるように運用しています。LINE社内は英語話者も多いので、その方がリツイートしたり自分たちの会社がやっている取り組みをもっと共有できるように、Twitterの英語アカウントは2020年から運用を始めました。
今、LINEのTwitterは、日本のアカウントがフォロワー数1万人を超えていて、私が入社した時は、たぶんもう9,000人ぐらいはいたと思います。どうやってフォロワー増やしたんだろうなというのは、実は気になっているので、この後にそのノウハウも聞いていきたいなと思っています。
というところで、簡単にですけれども、LINEのさまざまな技術領域の組織のアウトプットを増加させるために、どういうことをやっているかを紹介しました。外部メディアとオウンドメディアを双方に活用することで、技術発信の機会を広げて、認知拡大していきたいと思って取り組んでいます。以上です。
桃木:ありがとうございます。ちょっと話したほうがいいなと思っているのが、外部メディアを使うのかオウンドメディアでコンテンツ化するのかについては、どういう感じで決めていますか? たぶんそこらへんの使い分けが気になる人がけっこういるんじゃないかと思っていて。基本的にはオウンドメディア優先?
佐藤:オウンドメディアは基本的に自分たちの開発組織がやっていることだったり、インタビューとかもシリーズもやっていたりするので、基本的にはオウンドメディアを優先的にコンテンツを作っていってはいます。けれども、やっぱりそれだけでは見てくれる層とかも限られたりするので、より幅広い層に見てもらうために、外部メディアを利用したりして、コンテンツに合わせて利用していますね。
桃木:いくつか理由があって、1つは、今祥子さんが言ってくれたように、オウンドまで来ない人にリーチするために、よく人が見てくれるようなところに情報を置いておくみたいなこともあれば、正直言うと僕らの工数が取れないので、外部に作ってもらう間に、ほかのプロジェクトを進めましょうみたいな側面もあるかなと思いますね。
あとこれは、はてなの人にぜひ言ってと言われたのですが、「はてなブックマーク」で広告枠を買って、そこからオウンドメディアへの誘導をしてたりもします。いつか見られるじゃなくて、見られるための工夫やそのためのプロモーションも合わせてやることで、書き手のモチベーションにつなげたり。そうやってリーチさせるための取り組みも少しずつやっているかなとは思いますね。
他に、なにかSNSとかで、やっている中で気をつけていることあります?
佐藤:そうですね、みんなが同じように運用できるように、言葉遣いだったり人格をそこに乗せないだったり、そういったところはあるような気がしていて。絵文字は使わないとか。そういうことは決めていると思いますね。
桃木:そうですね。Twitterの「LINE_DEV」のアカウントは、基本的にここにいる4人がメインで日々投稿を「自分たちの案件は自分たちでやる」みたいなかたちでツイートをしていて。原文を作ったら、それを確認用のチャットに投げて、誰が「OK」って言ったらOKみたいな感じで投稿してたりするので、「ここらへん日本語変だよ」とか「テンションおかしくない?」みたいなレビューを日々ライトにし合っているみたいな感じですかね。
こういったかたちで情報発信をしているよ、というところを祥子さんから説明していただきました。祥子さん、いったんありがとうございました。
佐藤:はい。ありがとうございます。
桃木:次ですかね。これはイベント企画の運営なので、櫛井さん、お話ください。
櫛井:私のほうからは、イベント企画運営をこんな感じでやっているよというのを説明します。
大きく分けて、自社開催のイベントと、あとは技術イベントって世の中たくさんありますが、それをどうスポンサーしているのかといった話と、あとは大きめの自社主催の「LINE DEVELOPER DAY」というイベント、そして「ISUCON」というイベントについて、簡単に説明しようかなと思っています。
自社開催のイベントで言うと、「LINE Developer Meetup」、今日の取り組みもそうなんでが、「LINE Developer Meetup」というコミュニティをconnpass上に作っていまして、その中でいろいろなシリーズをやっています。
ものとしては、サーバーサイドだったりセキュリティだったり、テクニカルライティングもそうですし、こういうDeveloper Successみたいな、あんまり聞き慣れないかもしれないものもやったりしています。
あとは、今までそういう活動をしてきて、「これはもう単体でわりといけるね」「別のブランドとしてやりましょう」みたいなもの。例えば「Becks」はセキュリティのやつですね。「Tokyo BISH Bash」は音声系。「UIT」はフロントエンド。このように、LINEが主催はしていますが「LINE Developer Meetup」の枠を超えて別ブランドとしてやっているものもけっこうあります。あとは、採用イベントなどもやっていますね。
目的としては、やっぱり知ってもらうところ、認知度、理解度を高めてもらいたいというのと、そもそも場所を作っておくことで、エンジニアや技術組織自体がアウトプットしたくなる・しやすくなるところを大事にしています。
イベントの企画運営って、ほかのみなさんもよくやっていると思いますが、私たちは海外ブランチもありまして、韓国や台湾などほかのDeveloper Relationsのチームもあるので、そこと一緒に協業しながら、例えば「Becks」は台湾と韓国でやったりすることもあります。海外ブランチと一緒に協力しながらやるところが特徴的かなと思います。
桃木:ちょっと段取りは違うのですが、気になったことが2つあって。1つ目は、この手のイベントって僕らからやりたいって持ちかけるものと、エンジニアなどの、ほかから「やりたい」みたいなものと、どちらが多いのかで言うと、感覚的にどれぐらいのバランス感ですか。
櫛井:体感では、やりたいって言われることはそんなに多くないですね。これちょっと部門ごとに違うと思いますが。「やりたいとは言わないけど採用はしたい」みたいなニーズがあるので、「じゃあこういうイベントやりませんか?」とこっちから働きかけることのほうが多いですね。7割ぐらいは、こっちから誘っているような気がします。
桃木:イベントをやりたいというニーズはないけど、何か情報発信したい。じゃあこういうネタはどうですかとか、そういう状況だったらイベントどうですかって言って、イベントの告知から運営までわりとフルサポートでやるようなところが多い感じですかね。
櫛井:そうです。なので、「運営自体はこっちでやるし集客もやるから、じゃあ話す人を出してください」とか「こういうことはできますか?」みたいなのを一緒に話しながら、エンジニアと一緒に作り上げていくイメージですね。
桃木:あともう1つ、海外ブランチの話で言うと、うちって社内に通訳がいるので、同じイベントを海外ブランチと分け合えるみたいなところもありますよね。
櫛井:そうですね。あとはSlackとかLINEとかでもかなり精度の高い通訳Botが入っているので、ふだんのコミュニケーション、僕は英語も韓国語もまったくなんですけど、ぜんぜん苦なくコミュニケーションはとれるので、イベントの企画運営ってけっこう難しいというか、微妙なニュアンスが必要な時もあるんですけど、そこも齟齬なくやれているかなという感じですね。
桃木:なので、「こういうイベントやるんだけど、そっちのブランチもどうだい?」みたいなかたちで共有して参加者を募るみたいなこともけっこうやっているかなとは思います。
櫛井:そうですね。「LINE Developer Meetup」は、日本だけじゃなくて、台湾は台湾で「LINE Developer Meetup」をやっていたりもするので、こちらのノウハウを違うブランチでもそのまま活用するようなことも、よくやっている感じですね。
桃木:了解です。櫛井さん、次のページいきます。
櫛井:次は技術イベントのスポンサーというところで、最近だとコロナの影響もあって、イベント自体少なくなってはいるのですが、こういったかたちでいろいろなジャンルのスポンサーをしています。
やっていることとしては「私たちが何をしているのか」ということをそのジャンルの方々に知っていただくことをやってはいるのですが、最近だとオンラインになって、けっこう「費用対効果合わないよね」みたいな話は出てきていまして。ただ、私たちはあまりそこは即時的な効果は求めていないと思っていて、わりと業界貢献であったり、そういったところを意識しながら長い目でスポンサーしているところはあります。ちょっとここは、聞きたいこともいろいろあると思うので、ぜひ質問していただければと思っています。
桃木:でも、ざっくり言うと、これって上限というか予算が決まっているのか、(あるいは決まっていなくて)やりたいことは基本やれるのかというと、僕は後者だと思っているんですが、どうなんですか?
櫛井:はい。一応、年間の予算は藤原さんを中心に立てられてはいますが、かなり大きな枠で予算が取られているので、実は使い切れたことがないぐらい、予算はもらっているという認識でいます。なので、僕らがその中でやりくりするというよりは、「このイベントはすごく大事なので、ぜひ大きく張りたい」というのを出して、必要に応じてかなり大きな予算も使えるのは、特徴的かなと思いますね。
桃木:そうですね。公の場で言うとそれが事実になるので、ぜひ言っておきましょう。
櫛井:(笑)。
桃木:あとは、逆にエンジニアから「こういうイベントがあってスポンサードしたらいいと思うよ」みたいな要望も、ほとんど応えられたりしているので。そういう意味で言うと、手段に対してコストがかかる時、選択肢をいろいろ持てるのは特徴的というか、LINEのいいところだと、僕らはやっていて思うところですね。
櫛井:そうですね。エンジニアから「こういうイベントがあって、ぜひこういう効果があるからやってほしい」という問い合わせはけっこうもらっていたりして、そこから始めて何年も続くこともよくあるので、LINEのエンジニアのみなさんは、ぜひ活用してください。何の宣伝だ、これは(笑)。
桃木:でも、基本、前向きに受けられるのはすごくいいところだなと思っています。次行きましょうか。
櫛井:次は「LINE DEVELOPER DAY」ということで。2015年から始まって、最近は桃木さんがリードしていますが、2020年で言うと、えっと……これはそもそも桃木さんに説明してもらったほうがいいと思うので、説明してもらっていいですか(笑)。
桃木:そのパスは聞いていないけど(笑)。開催目的は機会を作ることで、見に来ていただく・聞きに来ていただくみたいなことです。2020年は完全にオンラインでやったので、全編英語対応して、海外のブランチのオフィスがあるところでも、マーケティングして集客をしたりしました。
役割としては、基本全部やる。もちろん運営の会社さんとか配信をサポートしてもらうことはありますが、どういうイベントにするかであったり、どういう配信にするかであったり、今出ているWebのUIどうしたいみたいなところだったりも、基本はチームで決めたりするのと、通訳を手配したり、その企画であったり、ノベルティどうしようであったりなどもやるので、信じられないぐらい少人数で大きなことをいろいろやります。2021年のテーマのひとつとして、「このイベントに集中しすぎずに、ほかの案件ももっとちゃんと回しましょう」と言っているぐらい、工数がでかくなってしまうイベントです。
工数のかけ方という点でも、イチからこれをやりたいとか考えて、やるべきことや、やりたいことは割と実現できているかなという部分と、ずっと毎回試行錯誤していますといった部分がある感じですね。そろそろ2021年の企画が始まるので、もし興味ある方はここらへんも質問してほしいと思いますが、櫛井さん、何か漏れていますか?
櫛井:いや、完璧だと思います。
桃木:はい。では次いきましょう。
櫛井:次は「ISUCON」というやつをやってまして。これは2021年で11回目を迎えるのですが、私が1回目からずっと担当しています。ライブドアのころからやっていて。
何のためにやっているかというと、最近だと「LINEっていい取り組みしているよね」というところで、直接的にこれで採用したりは実はしていなくて。パフォーマンスチューニングみたいなWebをやっていると必ずぶち当たる問題があって、それを業界全体で良くしていこうと、業界貢献のためにやっています。
告知を最近したのですが、2021年もやる予定でして8月に予選があります。特徴的なのは、けっこう学生が参加するのが多いというところ、あとはたくさんのエンジニアが参加してくれるところです。2020年で言うと、1,200人ぐらいオンラインの予選に参加したので、けっこう盛り上がりました。インフラに興味ある方が楽しく参加できるコンテストとしては、日本有数のイベントになっているので、けっこう力を入れてやっています。DevSucの中でも、私を含めて3人ぐらいでわりと力を入れてやっているので、参加したい方はぜひ参加してください。
桃木:「ISUCON」は、僕は関わっていない側なんですけど、これって今運営的に言うと、LINEのチーム以外にもいろいろ入っていただいていますよね?
櫛井:そうですね。メインのイベント企画は私たちがやりますが、出題や環境をつくるようなところは毎年違う会社や団体に協力してもらっているんですね。2021年でいうと、2社+学生団体に協力していただいているので、毎年その運営がガラッと変わるのもけっこう特徴的ですね。
桃木:なるほど。さきほど採用イベント的なものでも話がありましたが、けっこう、他社と一緒にやるようなことも、フットワーク軽くやったりしますよね。
櫛井:そうですね。特にこの「ISUCON」は毎年関わる会社がまったく変わるので、他社と一緒に協力しながらやることは、わりと得意にしてはいます。
桃木:そうですね。「協力して旨味が双方あるんだったらいいじゃん?」みたいな感じで、自分たちでやりきらないところがけっこうあるかなと思います。もしそういう面でも、LINEと何かやりたいよという方もご連絡いただけると、とてもありがたいです。
櫛井:そうですね。
桃木:ありがとうございます。ここから三木さんですかね。組織づくりと人材開発についてお願いします。
三木:はい。ここまでお聞きいただいた内容は、PRやブランディング、イベント運営など、外向きの活動のお話でしたが、このページでは内向きの活動の話をします。私たちのサービス提供となる相手は、基本的に社内のLINEエンジニアだと思っていて、そういうエンジニア組織が活性化するための組織づくり・人材開発という取り組みを、主だったものだけですが、ここに挙げてみました。
1つは、エンジニア組織の課題解決とありますが、私たちが昨今直面している課題としては、今日最初に藤原さんが述べられたように、グローバルで2,900人、日本で800人エンジニアがいるのですが、組織が拡大して経営層と現場のエンジニアの声が十分通わなかったり、Zホールディングスと経営統合したり、コロナの影響でリモートワークを導入したりなど、いろいろな課題に直面されています。そうしたことを解決するための土壌づくりとして、縦横両方向で、情報をちゃんと行き届かせるところを心がけて、いろいろ施策を考えています。
その施策として代表的なものが2つあります。1つは最近新しく始めた、エンジニア組織共通のオールハンズや定例会議のようなものではなくて、欧米のIT企業でよくあるような、タウンホールミーティングをイメージしてもらえるとわかりやすいかなと思います。自分のチーム以外で何が起きているのか、会社や経営陣は何を目指しているのか、エンジニア組織のリーダーは何を考えているのかなど、そうした内容を発信して、エンジニアが聞きたい質問を受け付けて答えるということを行う場として、設計しています。
もう1つは「Dev JP News」。これも最近開始した取り組みなのですが、エンジニア向けのニュースレターです。こういった社内報・メールマガジンみたいなものを行っているいる会社は多いと思いますが、これはエンジニア領域に特化した内容となっています。エンジニア組織の新任マネージャーに組織を紹介してもらったり、最近外部に登壇したり、書籍や記事を執筆して対外的に露出したエンジニアを取り上げたり、主催イベントのアーカイブ情報を届けたりしています。
さらにエンジニア間の技術交流の促進を目的として、オンラインで「Tech Talk」という技術ミートアップをだいたい月に2回ぐらいのペースで開催しています。最近はZホールディングスと経営統合したということもあって、ヤフーとも一緒にやっていきましょうと、技術ドメインを少しずつ増やしながら交流を促進している状況ですね。なので、開催頻度で言うと、けっこう技術イベントは多い会社じゃないかなと思っています。
続いて、右側のセクションの人材開発・教育というところなのですが、技術組織と対面でやっている部署がエンジニアマネージャーやテックリードと話しながら設計していったほうが、より確度の高いものができるだろうということで、コーポレートで全社的に教育を設計している部署はあるのですが、技術研修は私たちが担当しています。
技術研修のコンテンツの企画から、それをオンラインで視聴できるようにしていまして、コロナ以降はその動きを加速させて、社内の教育プラットフォームにコンテンツを実装して、新卒だろうが中途だろうがいつでもオンライン視聴できるような環境を、今粛々と整えているというところです。
桃木:ありがとうございます。やっぱりコロナということもあって内向きのコミュニケーション、2020年の年末ぐらいから「どうしようかな」みたいな議論が始まって、ようやくちょっとずつ動けているかな、という感じですかね。
三木:そうですね。コロナ前は外部向けのPRやマーケティング活動をやっていく中で、オフラインだとやっぱり人的リソースや、お金も時間もかかるアクションが多かったと思うんですよね。それができない状態にみなさんなっちゃったと思うのですが、社内にも目を向けて、オンラインでやれることは何があるか、私たちとしてもチームでいろいろ知恵を絞ってやってきた1年かなと思っています。
桃木:あと、入社してほとんどオフィスに来たことがない社員、もちろんエンジニアに限らずいたりとかするので、横の組織の雰囲気とかわからないみたいな声ってけっこう聞いたりします。どうにかしなきゃというのは、僕たちも課題感ありますよね。
三木:そうですね。私たちの組織、LINEという会社は、成り立ちから複雑な会社というか、その事業体や社員の国籍、法人の国家や所在地がけっこうバラバラだったりするので、バックグラウンドが違うエンジニアのプロトコルをどうつなげていくかって、わりと私たちの仕事のキーポイントだと思うんです。そうしたところが、コロナ以降はオンラインになって、より考えなきゃいけなくなったかなという課題感はありますよね。
桃木:いろいろやっていかないといけないよなっと思っていて。今途中ぐらいのところですかね。逆に言うと、「Tech Talk」などはけっこう歴史というか長くやっていたりするものだと思うのですが。
三木:そうですね。「Tech Talk」のような社内の技術共有会はエンジニア組織を抱えている企業だったら必ずやるべきことのアクションの1つかなと私は思っていまして、一つひとつのイベントで劇的に100人、200人集まるわけではなくても、実際にそういう場があるんだって認識してもらうことが重要で。
「手を挙げたら誰でも登壇できるんだ」「あの部署の人はああいった知識を持っているんだ」といったことを少しでも気づいていただくような、そういう場としてやっています。かつ、イベントごとなので、やっぱりそういうのが好きな人は集まってくれますし、社内のイベントで登壇する人が今度社外でも登壇してみようと思う1つのステップにもなりますし、非常に良い文化形成の場にはなっているかなと思います。
桃木:今って月1、2ぐらいでやっているんでしたっけ?
三木:月2ですね。多い時は月3ぐらいの時もあります。
桃木:基本それぐらいはやれるように目指しながら、多い分にはぜんぜん捌いている感じですかね。
三木:それもこっちから営業して、「こういうテーマでお話しいただけませんか」「最近どういった技術トピックがありますか」という「ネタ拾い」はがんばっている感じです。
桃木:最近よく三木さんが「きしだなおきさんに、Javaの話を」って言っているのを見ますけど、そういう営業もかけたりですね。
三木:そうですね、はい(笑)。
桃木:最後に、三木さんがカバーしている範囲で、こういった領域もやっていますというところをご説明ください。
三木:私たちのような仕事をやっている人たちが所属しているのは、いわゆるWebエンジニアリングのフィールドだと思うんですね。今日このトークを視聴いただいている方も、そういう人たちがけっこう多いかなと思っていて。ただ、R&Dに取り組んでいる企業は、技術者を採用していったり組織運営していく中で、リサーチャーを採用したり、R&D活動を対外的に発信することが、けっこう重要になってくると思います。
私たちの技術領域が、AI領域やデータサイエンス、データエンジニアリングというところに跨っている以上は、やはりそういった領域の情報を届けていって、そういう方たちの関心を惹く、興味を持ってもらうことは、けっこう重要な活動の1つです。
その1つとして、さっき櫛井さんの説明にもあった協賛活動があるのですが、Webカンファレンス以外にも、主要な国内・国際学会への協賛活動はかなり力を入れています。
国際学会はロケーションが日本から離れていますし、国内学会に比べると協賛金も高かったりするんですが。私たちのR&D活動が始まったのが3年ぐらい前で、組織を立ち上げた当初は3名ぐらいのリサーチャーの規模感だったのですが、少しずつ人数が増えてきて、トップカンファレンスでの採択論文もかなり増えてきました。
なので、こういったINTERSPEECHやVLDB、CHIなど、採択されることを目指している国際学会に対しては、徐々にですけれども、LINEの名前を露出して、それぞれの専門分野の方たちから認知していただけるようにがんばっています。
次に、LINEに所属しているリサーチャーは、国際会議に論文採択されることが唯一といってもいいぐらいのKPIなのですが、そういう研究成果を対外的に発信することもサポートしています。
今日参加していただいている方で、「LINE Engineering」というサイトをご覧になった方いるかもしれませんが、そこの一角に、論文のリストを並べて載せています。例えばヤフージャパンさんとか楽天さんのリサーチ関連サイトに比べると、まだまだコンテンツが揃っていませんが、徐々にそういった情報発信をしていきたいなと計画しています。
国際学会に多数採択された場合はプレスリリースを発信したり、リサーチャーにもブログの執筆に協力してもらって、採択された論文をよりわかりやすく詳細に話してもらったり、書いてもらったり。
あとは、国際学会のレポートはけっこうなニーズがあるのでリサーチャーが海外の学会に参加した時はレポート記事を書いてもらっています。オフの時間、例えば「バルセロナでこんなおいしいごはん食べました」や「こういった社外のリサーチャーとも交流がありました」みたいな情報でもいいので、少しでも対外的な情報発信に親しんでもらうということをやっています。
最後にコミュニティ運営もやっています。いろいろアプローチを私たちも考えているんですが、学会の協賛とか論文の発表はわりと常道的な手段だと思うんです。
ただ、リサーチャーの課題感として、企業にいる開発者やリサーチ畑出身のエンジニア、大学などの教育機関に所属しているポスドクの方や教授、大学・大学院でいろいろ専門的な知識を身につけようとしている、将来的には就職したいと思っている学生の方など、それぞれ独立して自分たちの研究をやっていて、なかなか情報共有する場がないんじゃないかというところから、ひとつコミュニティを立ち上げました。
それが2020年、ちょうどもう1年以上になるのかな。「Tokyo BISH Bash」というコミュニティをやっています。これは音声系のコミュニティなのですが、音声・音響・信号処理の分野で、カジュアルにみなさんが集まって情報共有するということに使ってください、という感じで緩くサロンみたいな感じで、でもそこではクオリティの高いトークが聞けるよ、というようなことをやっています。
桃木:ありがとうございます。このへんはけっこうていねいに説明していただいたから、補足は大丈夫かなと思います。最後、藤原さんですかね。思ったよりみんな熱量が強くて、だいぶ押しているので、できるだけスッといきたいです。
藤原:最後、LINEのDeveloper Relations、Developer Successチームがカバーしている範囲として、OSSの領域があります。OSSの文化と書いてありますが、OSSの文化というものはテック企業にとってすごく重要です。
OSSの関わり方って3つあると思っていて、OSSを使う、OSSにcontributeする……プルリク送ったりですね。あとはdistributionと言って、私たちがOSSを作って発信すると。それぞれにおいて、例えばライセンスの面だったり困ったりするポイントがあったりするので、そういったところをエンジニアが迷わないようにガイドを作ったりすることを最初にやっていました。
それをベースに、LINEのエンジニアそれぞれが、先ほどの3つのようなOSS活動をしやすくなるようにしてから、社内のOSSコミュニティのサポートをやったり、LINEで出しているオープンソースのコミュニティイベントを外部と一緒にやったり、もしくはLINEで利用している外部のOSSに協賛、スポンサードしたり、そういったかたちで、LINEとOSSがうまく付き合えるような活動をDeveloper Successチームでサポートしています。
桃木:ありがとうございます。
(後半へつづく)
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