LINEではフロントエンドを「UIT」と呼ぶ

福島英児氏:こんばんは。福島と申します。本日はフロントエンド開発センターの説明会にお越しいただき、誠にありがとうございます。

私はLINEの執行役員として主にフロントエンドの開発組織を担当しております。よろしくお願いいたします。まずは私から簡単に、フロントエンド開発センターとはどういった組織なのか、またどういったことをやっているのかをお話ししたいと思います。

私たちLINEでは、フロントエンドのことをUITという名称で呼んでいます。User Interface Technologyの略ですが、社内でUITといったらフロントエンドエンジニアやフロントエンドの組織のことを指すことが多いので、これ以降は、UITという名称を使ってお話しいたします。

私たちは、UITという名称を使って、社外も含めた技術コミュニティを運営していて、そこではミートアップイベントやPodcastといったコンテンツの配信もしています。

ちなみに、今日参加されている方々の中で、UITのミートアップに参加したり、またPodcastを聞いたことがあったり、もしくはUITって知っていたりする方ってどれくらいいますか?

ありがとうございます。なるほど。まったくいなかったらどうしようかと思いましたが、安心しました。ありがとうございます。

UITの拠点と日本のUIT組織

先ほども、冒頭のLINEの会社概要の説明でも開発拠点は海外で10拠点ほどという説明がありましたが、フロントエンドエンジニアという職能でUITと名乗っているエンジニアが所属している海外拠点は、(スライド参照)ここに載っている拠点になります。日本では東京、京都、福岡、海外では韓国と台湾とベトナムになります。

それ以外の拠点に関しては、どちらかと言うと、いわゆるフルスタックエンジニアと言うのでしょうか、フロントエンド専門というよりは、なんでもやるエンジニアがメインで所属しています。

ですので、例えば拠点を跨いで1つのプロジェクトのフロントエンド開発を一緒に協業する場合は、この拠点の中で発生していると思ってください。

日本のUITの組織としては、フロントエンド開発センターがあります。センターの下にUIT1室と2室と、その下にチームがぶら下がっています。

(スライド参照)ここに京都と福岡が見えるかと思いますが、厳密に言うと京都は京都開発室、福岡だとLINE Fukuokaという子会社の中にUIT室があって、そちらに本務で所属しています。

兼務としてフロントエンド開発センターの中に所属することで、1つのフロントエンド組織として情報の共有や、アサインのアロケーションなどもスムーズにできるようになっています。

LINEのフロントエンドエンジニアの業務の6、7割はWebアプリケーション開発

そんな私たちが所属するUITが、LINEの中でふだんどういった業務に関わっているのかというと。これは本当に面接や面談などでもいろいろな方と話しているとよく聞かれる質問なのですが、LINEはコミュニケーションアプリなので、その中でWebのフロントエンドの業務としてどういったものがあるのかは、なかなかイメージしづらいところがあるようです。

実際、私たちはさまざまなサービスを提供していますが、そのほとんどがWebアプリケーションで提供していることが多いです。(スライド参照)ここにあるのはLINEのホームタブに出るサービスの一覧ページです。ここに載っているものを我々はファミリーサービスと呼んでいますが、ほとんどがWebのシングルページアプリケーションとして開発しています。

中には、LINE LIVEやLINEマンガといった、いわゆるネイティブのアプリを主として提供しているサービスもあります。もちろんそれらのWeb版もありますし、それ以外は、だいたいほぼWebアプリケーションがメイン、ネイティブのアプリはなくてLINEの中から起動するWebアプリケーションとして提供しているものです。

私たちLINEのフロントエンドエンジニアの業務のだいたい6割から7割くらいは、こういったWebアプリケーションの開発に携わっています。

LINEならではの特徴は、対象となるユーザー層の豊富さ

LINEの中でのフロントエンドエンジニアが、そういったWebアプリケーションの開発をしているのはわかってもらえたと思います。では、ほかの会社と比べたときにどう違うのかというと、やはり対象としているユーザー層のバラエティさが特徴なのかなと思っています。もちろんLINEを使っている一般のユーザーだけではなくて、例えば企業向けのtoBだったり、また開発者がユーザーとなるようなデベロッパープロダクトにも関われます。

toC、To Consumer向けであれば、先ほど申し上げたような、いわゆるファミリ―サービスですね。みなさんがふだん一番目にしてわかりやすいのは、LINEのニュースタブにあるようなニュースですね。LINE NEWSは、すべてWebで作られています。

あとは、私たちLINEでは、企業や店舗さんにLINE公式アカウントを利用してもらっているのですが、その公式アカウントの担当者が使うような管理コンソールですね。分析のためのダッシュボードの開発など、企業や店舗さんからのさまざまなリクエストに応えて機能を追加していったりもしています。

また、開発者向けのプロダクトもあります。サイトやサービスに組み込めるようなLINEログインであったり、また最近ですとLIFF、LINE Front-end Frameworkの略ですけれども、こういったWebのプラットフォームであったり、それに付随するようなJavaScriptのSDKも私たちは開発などに関わっています。

このようにtoC、toB、toD……、3種類のバラエティある対象ユーザーに向けて我々は開発していますが、基本的に私たちLINEの組織はこのようなかたちになっています。

(スライド参照)開発組織がなにか1つの特定の事業に紐づいているわけではありません。なので、例えば新しいサービス、新しい事業が立ち上がるときには、エンジニア組織の中から人がアサインされてプロジェクトチームが作られます。

けっこう柔軟にエンジニアご自身がやりたい方向、やりたいサービスにアサインします。いろいろなことに関わりたいようであれば、適切にアサインをローテーションして、担当プロジェクトを変えていくことも可能です。もちろん、1つのサービスにじっくりと関わりたいという方であれば、継続してアサインすることになります。

このように事業に紐づかないセントラルの組織だからこそ、柔軟にメンバーがやりたいこと、やりたい領域に関わっていくことが可能となっています。

LINEの組織カルチャー

私たちLINEの開発組織としてどういった組織カルチャーなのか、そして求める人物像とはどういったものなのかについて簡単にお話ししたいと思います。この3つのキーワードは、LINEの開発組織の中でけっこう重要とされているキーワードになります。

1つ目のTake Ownershipですが、これはLINEのエンジニアとして最も求められていることになるかなと思います。自分が担当するサービスについて当事者意識を持って取り組むという姿勢が大事だとされています。

ただ決められた企画、スペックに沿って開発するではなくて、やはりユーザー側の視点も大事にしつつ、本当にこれが必要なんだろうか? 何が必要なんだろうか? というところを常に考えながら関係する部署、企画やデザイナーとコミュニケーションを取りながら、そのサービスを開発してリードしていくところがとても求められていると思います。

2つ目のTrust & Respectですが、チームとして開発していくうえでは、こういった信頼と尊重といったものも非常に重要だとされています。サービスの品質を高めるためのコードレビューなどにおいても、信頼と尊重をベースとして、時には厳しい指摘も必要となります。こういったポジティブなフィードバック、プレッシャーを与えながらチームとしても連携力を高めていくところが大事ですね。

最後のBe Openですが、Openという言葉にはいろいろな意味が含まれていると思います。もちろん、私たちLINEにはさまざまな国籍のエンジニアがいますので、オープンなコミュニケーションみたいなものは重要ですし、会社としても、例えばオープンソースソフトウェアへの貢献も積極的に推奨しています。

また私たちは、GitHub Enterpriseを使っていますけれども、担当しているサービスのリポジトリだけではなくて、自分の担当外のリポジトリも自由に検索して探せます。すべてオープンになっているところが、けっこう特徴なのかなと思っています。

こういったオープンな風土に共感していただける方は、LINEという会社では非常にフィットするんじゃないのかなと思います。

求める人物像

そういった3つのキーワードをベースとして、私たちUITがどういったエンジニアを求めているのかと言いますと、やはりユーザー視点を大事にした開発をしっかりと考えて取り組めるエンジニアや、また常にアンテナを立てて新しい技術のキャッチアップをしっかりと行える方。

またインプットした新しい技術をしっかりとアウトプットして、ナレッジのシェアと言うんでしょうか、チームにシェアしたり還元したりしてもらえる方は、私たちは歓迎していますのでぜひ来ていただきたいなと思っています。

そんな私たちUITが、今どういった技術に興味を持って取り組んでいるかは、冒頭にも申し上げたようにPodcastのコンテンツなども配信していますので、ぜひ聞いてみていただいて、一緒に働きたいなと思っていただけましたら、エントリーをお願いいたします。

以上が、私からフロントエンド開発組織についての説明でした。