チーム間で協業するネットワーク室の組織

白田篤志氏:サービスネットワークチームの仕事内容について説明します。まずサービスネットワークチームは、ネットワーク室という組織にあるのですが、採用ポジションの理解のために、領域や役割の違いを説明します。

(スライド参照)この図は各チームの協業する部分を重なり合うかたちで記載しています。各チームの簡単な説明をすると、まずはデータセンターチーム。データセンターの選定から、ラックやケーブルまでのデータセンターファシリティが領域です。

サービスネットワークチームは、文字どおりサービス用のネットワークが領域です。エンタープライズネットワークチームは、オフィスネットワークが領域になりますが、詳しくは吉川から説明があります。

ネットワークオペレーションチームは、サービスネットワークとオフィスネットワークの両方の運用業務となります。ただ、ネットワークの運用はすべてオペレーションチームで行うというわけではく、サービスネットワークチームやエンタープライズネットワークチームと協業して行っています。このチームの開発ポジションは、酒井から説明があります。

私からは、繰り返しになりますが、赤で囲っているサービスネットワークチームの説明をします。

LINEのサービスネットワークについて

(スライド参照)次にLINEのサービスネットワークの説明です。この中の右側で、緑になっている部分がサービスネットワークの担当領域です。ラックはデータセンターチームの領域ではありますが、関係する部分があるので黄緑にしています。

例えばコアネットワークの機器からToRのスイッチまでの配線のように、配線系はサービスネットワークチームでも多く関係します。そういったサーバールームの構築のような仕事は、データセンターチームと多く協業しています。

次にネットワークトラフィックについて少しお話しします。ピークのインターネットトラフィックは世界全体の合計で通常時のピークが500Gbpsくらいですが、トラフィックはイベント性があって、変動しています。これはLINEの特色だと思っていまして、生きているインターネットサービスを運用していると感じられて、おもしろいところかなぁと思っています。

例えば先日の緊急事態宣言中は、主にLINEグループ通話のトラフィックなどが増えて、ピークで約800Gbpsくらいになりました。あとわかりやすいところで言うと、大きな地震があったときとか、ほかには台湾の選挙とか、そういったときにトラフィックが多く出たりすることがあります。

大分簡略化していますが、左下はネットワークの構成を表した図です。当然ですが、データセンター内部のネットワーク、データセンター間のネットワーク、インターネット向けのネットワークがあります。東京の規模が大きいのですが、それに伴って東京のネットワークを対応する割合は多いです。

ちなみに基本的にリモートで作業を行っているので、データセンターに行くのは物理的な構築や検証のときぐらいです。あと東京以外に大阪やシンガポールの図が書いていますが、東京と大阪のデータセンターには業務委託している常駐者がいますし、シンガポールにもオンサイトが必要なときに駆けつけてもらえる業務委託会社があるので、普通の運用で行くことはありません。

サービスネットワークチームの仕事例

続いてサービスネットワークチームの仕事の例について説明します。ここに列挙したものは、今行われている具体的な案件や、最近行われたような案件を記載しています。サービスネットワークチームの中でも1つ目のポジションの業務がこちらにあたります。

まずはサーバーの増加に合わせてサーバールームを構築する業務があります。この構築の中でも、ネットワークの課題に対する改善やそれに伴う機器検討などを行ったりもしますし、コストも重要な要素なので、品質を確保しつつ安価にインフラを構築できるようにサードパーティの光トランシーバの選定を行ったりもします。

ほかにはトラフィック増加に合わせて回線増設を行ったり、状況に応じてトラフィックコントロールしたりする業務もあります。あとは日本のコンテンツプロバイダではあまり進んでいないと思っていますが、IPv6でのサービス提供にも今取り組んでいます。

Fintech系サービスだと、サービスごとにセキュリティ要件が異なったりするので、個別のネットワーク構築があったりもします。あとは10番11番のような、よくある運用系の対応ももちろんあります。自動化やツール化を行う人もいます。10番以降は運用系の業務になるので、ネットワークオペレーションチームと協業して行っています。

新銀行の設立は稀有なプロジェクト

次にLINEの銀行事業のネットワークを担当するポジションについて説明します。現状同じチーム内の所属になりますが、先ほど説明した役割とは別の役割として、ポジションを分けています。LINEでは銀行事業を開始することを公式的に発表しているのですが、そのネットワークに携わるポジションです。

銀行事業の魅力は、まずメガバンクであるみずほ銀行とのJVプロジェクトであることからも、大きいプロジェクトであることは想像いただけるのかなと思います。次に新銀行の設立は、過去10年で言うと2行のみらしいので、けっこう稀有なプロジェクトであることがわかると思います。

ここまでで重要度の高いビジネスであることは理解してもらえたと思うのですが、さらにネットワークの構築に最初から携われるのは、なかなか経験できないと思うので、やりがいはあるのかなと思っています。

業務とか役割とか、そのあたりについて簡潔に言いますと、ネットワーク構築部分のPMの役割を任せられる方、またはその方と一緒に構築や運用業務をメインで行ってもらうような方と考えています。この中にはネットワークの設計や実際の構築、対外接続の調整や開通なども含まれます。

システム開発側にインフラとの架け橋となるようなプロジェクトマネージャーがいるので、その方や、あとセキュリティなどの関係者と一緒にミーティングなどを行って、要件に合ったネットワークを構築していきます。

インフラとしては、通常稼働する本番環境のほかにDR環境もありますし、本番環境へ変更を実施する前にシステムやインフラのテストを行う準本番環境もあります。金融サービスなので、そのようなしっかりとした手順を踏んで変更を行うサービスになります。また専用サーバールームや独立したネットワークを作っていくので、全体的なネットワークに携われる仕事だと思っています。

大規模ならではの課題があり、チャレンジのしがいがある

次にネットワーク室で求める人材像です。だいたいよくある内容ですが、大事なこととしてピックアップしてみました。責任感のある人、責任感はクオリティに関係しますし、変な妥協がないことにも関係すると思います。

あとはどうあるべきかという観点で判断できる人。現状に満足せずに常に改善を求める人。最後にスピード感をもって仕事を進められる人。ここは、ほかの内容よりもLINEの特徴だと思っていて、中途採用で入ってきた方からも、LINEの仕事は比較的進み方が早いと言われることがあります。

この4つがマインド的なところで、あとは技術とかビジネス的なところはネットワーク技術、知識が十分で得意分野が1つあり、チームの中でも役割として任せられる人がいいのかなと思っています。ほかには、案件を早期にメインで進められるビジネススキルがあることです。

(スライド参照)次にLINEで働くうえでよいと思うことを仕事の内容や環境などの面で何点か書いてみました。時間が押してきたので軽く触れますが、まずは大規模ネットワークであることかと思っています。大規模ならではの課題があるところや、チャレンジのしがいがあることが第一かなと思っています。

社会インフラとなっているので、そのサービスを支える仕事という点では、例えば自分が社会の一部として何の意味をもっているのかと考えると、けっこう重要なのかなと個人的には思っています。あとは、世の中の動きを感じられるようなトラフィックの運用もおもしろいと思っています。先ほど話した内容です。

下のほうは環境面ですが、中途採用で入社した人に聞いてみた内容から、よいと感じている点について書いてみました。コミュニケーションツール、このあたりは当たり前のものがあるかもしれませんが、在宅勤務でも支障ないように揃っています。

私からの説明は以上です。ありがとうございました。