SNSにおける「発信力」の鍛え方

村上昴平氏(以下、村上):ここからだんだん純粋な発信力の話になってきます。一番最初のゼロイチベースって、どうしても認知できない。たぶん自分の情報を求めている人っていっぱいいるんだけど、届かないから読みようがないみたいなことがあって。

そういうときにどうするかというと、Qiitaでいきなりやっても絶対に埋もれるじゃないですか。月間4,800万PVあるので、この中にポンと記事を置いても、渋谷の中で赤ちゃんが1人立っているようなもので、どこから見ようとしても見つけようがないというか。

でも例えば、無料のオンラインサロンってけっこうあるんですよ。200人規模くらいで。最初のリーチで200人だったら十分なんですね。その確実に人がいるところで発信をし始めてるんですよ。

あとはインフルエンサーのTwitterのリプライ……例えば、最初この人がサイト設計とかでめっちゃ困ってるとか、サイトデザインに困っているというのがあったら、それに対してコメントするんですね。「自分こういう記事を書きました」とか。そういう必ず人が見ているところで発信するというのが、まず1つ目のポイントです。

次にTwitterの人が確実にいるところでたくさんコメントして、インフルエンサーとかが一番興味を持っているリプやリツイートをしやすくなる切り口を探していって、能動的に認知を獲得していくというのが2つ目のポイントです。

インフルエンサーの投稿とか、さっき言ったオンラインサロンとか、バズってるツイートのリプ欄でどんどんコメントをしていく。僕もこのセオリー通りで、伸びた経緯がこんな感じです。3月16日では10人で、4月15日で744人。そこからだんだん自動でリーチできる人が増えていったので、ここからは基本さえ守っていれば、このぐらい増える感じで。

なぜ、こんなにガンっと伸びたのか。僕、1ヶ月で3,000ツイートしているので、1日100ツイートぐらいしているんですね。それをやっていて、確か15日目の4月1日とかで誰かがバズっていたんです。

プログラミングをしているんですけど、技術的に神様になりたいとかじゃなくて、例えば日々YouTubeでおすすめの音楽を引っぱってくるだとか、iTunesの歌詞の情報を自動でスクレイピングで拾ってくるとか、「そういうちょっとした楽しみで使いたいんだよな」っていうツイートが、1万いいねぐらいバズっていたんですよ。

そこに「僕もそうなんです!」って言って、Pythonのダウンローダーを貼ったら、それがバズって一気に増えた感じなんですね。ここから認知が増えていって、PythonのGitHubを見た機械学習のスクールをやっている方から、スクレイピングの案件をもらったりしたんですね。

インフルエンサーたちが反応しやすいコンテンツ作成の効果

村上:なので発信力を鍛えるためには、有名人やインフルエンサーが反応しやすい記事を書くという感じですね。

さっき言った発信力を鍛えるときに「人が集まる場所でやる」とか、あとは「能動的に認知を獲得していく」というのがあるけど、じゃあ実際に自分でできるかというと、やっぱり難しいイメージがありますよね。どこから始めたらいいのかとか、そもそもの情報のネタはどこ? とか。

発信するときは、どんな内容のものを発信するにせよ絶対に基本があって。Twitterだったら、キヨミさんなんかがめちゃくちゃTwitterをやってらっしゃると思うのですが……ここらへんってやっぱり考えたりしますか?

参加者7:そうですね。

村上:ターゲットがここで、内容が誰よりも一番の価値を持っているみたいな。

参加者7:そうですね。Twitterで話題になっている話を自分も上げようかなって。

村上:なるほど。そのほうが拡散されやすいですもんね。ありがとうございます。

最終的にはターゲットを決めるところから始めないといけないんですね。ターゲットは、僕の場合はエンジニアで、みなさんの場合はRPAとフリーランスだと思います。RPAとフリーランスの方にどういう発信をしようかと思ったときに、現役の人と、これからなろうと思っている人の割合って、どのぐらいあると思います? カケウチさん、どのぐらいの割合だと思います? どこの人口が一番多いと思います? 初心者か、現役か。RPAってまだまだ進行技術というか……。

参加者1:難しいですね。あまり詳しくないので。

村上:タケカワさんは、どっちがどのくらい多いと思いますか?

参加者8:これからの方のほうが8割ぐらいだと思うんですけど……。

村上:ですよね。僕もたぶん8割ぐらいいると思います。

発信にはプラスアルファの情報が必要

村上:実際に調べたわけではないんですけど、RPAをキーワードで検索すれば、月間検索でも「RPA入門」というのが2万ぐらいあって。実際にそのRPAの使い方を検索するのって、たぶん実際の現役の方だったりすると思うんですけど、さっきのよりもずっと少なかったりするんですね。

例えばRPAだとしたら、ここの「ペルソナ」というのは初心者になる。自分が発信するんだったら、今はRPAのエンジニアをやっているけれども、最初にどうやって現役になれたのかとか、そういった情報を発信する感じでテーマを決めるのが、1つのペルソナです。

仮にRPAエンジニアだったら、ここがちょっと変わってきます。「髪の毛の切り方」のキーワードのほうがわかりやすいので、これで説明させてもらいます。

例えば、髪の毛の切り方を調べるような人間は、どんな情報がほしいかというと……。キヨミさん、何回も申し訳ないです。ちょっとRPAから離れちゃうんですけど、これからたぶんいろんなキーワードを使っていくので、今は練習だと思って……。

例えば、Googleで「髪の毛の切り方」と検索する人って、まずどんな情報を知りたくて調べると思いますか?

参加者7:答えちゃっていいですか?

村上:はい、どうぞ! 

参加者7:質のいいものやオリジナリティとか、何が流行っているかのヒアリングが目的ですよね?

村上:今のトレンドが知りたいってことですね。なるほど。そうかもしれないですけど、それだとたぶん「髪の毛 トレンド」とか「流行」とかが多いと思うんですね。例えば、検索が「髪の毛の切り方」だったら、もっと簡単なフェーズで「自分でできる切り方を知りたい」というレベル。

これはTwitterでも同じです。床屋さんが新しいお客さんを獲得したいというときに、Twitterのアカウントを始めたんだったら、ここだけいろいろと発信していれば十分なんですよね。自分でできる切り方を知りたいとか。おすすめのハサミや、自分がいつも私用で使っているハサミを知りたいとか。あとは髪の毛を自分で切るときに、何に注意したらいいとか。

それくらいがいいんですけど、これだと100パーセント埋もれるんですよね。というのは、これぐらいの情報を発信している人ってすでに山ほどいるんですよ。頂点にいる人なんかも、これぐらいの情報を発信してるから……。頂点の人がいるから、この情報はいまさら必要ないんですよね。だから、発信にはプラスアルファの情報が必要です。

これは発信方法の話になってくるんですけど、潜在的ニーズ……実際に心では何を思っているのか。最初に拡散されやすい投稿というのは共感とか、「そうそうそれそれ」「そう、その通り」みたいなやつなんです。

自分は明確に疑問に思っていなくても、するどい答えをしてくれたとか、丁寧に解説をしてくれたとか。言ってくれる瞬間に自分が成長できた実感があって、その成長をシェアしたいから拡散していくんですね。

認識できない心の不安を取り除いてあげる

村上:だから、プラスアルファで、その人も認識できていない心の不安を取り除いてあげるのが、発信の基本なんですね。記事でもTwitterでもそうですし、ブログでも他のSNSでも同じ。髪の毛の切り方だったら、最終的に自分で切って失敗しないかという心配を解消したい。

「もうそんなに流行ってなくてもいいから、絶対に間違わない安全な方法で」みたいな。「ある程度かっこよくできる方法を知りたい」みたいな。あとこれを調べているのって、ペルソナの方からしたら、わりと初心者の方が多いんですね。

「これから自分で切れるようになれる方法を知りたい」というぐらいのニーズなんです。そしたらこれで終わりなのか。これだけだと「でもやっぱり怖いな」と言って終わる人がいる。

そこから共感や感動を呼ぶためには、このぐらいまで踏み込んであげないといけない。ここまで踏み込んだ人に、答を出してあげてほしい。自分のメソッドを全部教えてあげるんですね。「だけど、やっぱり心配ですよね」とか。「プラスアルファの回答が見つかった」「この記事楽しかった。すごくよかった」と思わせたら、最後にコンバージョンをさせたい。

企業さんとか、マーケットやコンサルをやられている方がさっきいらっしゃったけど、もしかしたらこの点が役に立つかと思います。例えば、ブログで収益化したい、企業の求人で新人をどんどん雇いたい、求人の応募を増やしたい、という方だったらこんな感じのコンバージョンができます。

髪の毛を切る床屋さんだったら、「もしあなたがここまで読んでも心配だったら、私の美容院に相談に来なよ。カットしてあげるよ」ぐらいのアプローチの感じなんですよ。これで毎月の新規客を増加できる。こんなうまい話はないんじゃないかと思いがちなんですけど、実際に今都内の床屋で少しコンサルをしていて、それで新規の客が毎月増えました。

その方はホットペッパーを利用しているんですけど、ホットペッパーに頼らないで、そのぐらいの客集めをした。これがペルソナについてもっとも効果的な発信の1つの基本ですね。

「読んで終わり」は無価値

村上:2つ目が、さっきも言ったプラスアルファのことですね。単純な発信だけではだめ。「読んで終わり」は無価値で、実際に行動につなげてあげる。行動につなげてあげるために「こう進化した」とか、自分でもできるって思わせられるような情報を発信することが必要なんですね。

最初に検索してくれた人とか、Twitterで僕をフォローしている人って、たぶん何か学びを得たいと思っている人が多いんですね。それはたぶんRPAのエンジニアでも同じで、初心者の人たちに役立つ発信をしていきたいと思うから、初心者の人が何を一番求めているのか考える。

その人は言語化できていないけど、漠然とした不安がたくさんあって。例えば、フリーランスのネタだとしたら、「フリーランスでそもそも大丈夫なのか?」とか。「フリーランスのなり方」って検索しても、心配だから安全にできる方法を教えてもらう。

そういうプラスアルファのものが必要。なので「成功体験への誘導」としたんです。というのも、もっとも拡散される瞬間というのは、さっきも言ったように、圧倒的な情報量があるかどうかじゃない。圧倒的な情報量があっても、ブクマサイトみたいなのを見て「あ、すごい」ってブックマークしたほうが上なんですね。拡散されにくいから。

会社とかだったら「これ役立つ」と言って、拡散されるかもしれないんですけど、SNSとか人ベースでのつながりやコミュニティでは拡散されづらい。そういうところでは、成功体験へつなげてあげる感じですね。それで「あ、これ自分でもできるじゃん」とか「実際にできた!」という瞬間にシェアされる。なので、成功体験が必要。

最初は漠然とした不安なんですね。さっきオオシロさんが「フリーランスになりたい。なる過程までがすごく気になる」とおっしゃっていました。その答って、もしかしたらネットのどこかにあるかもしれないんですけど、調べ方ってあまりイメージがつかないんですよね。

実際ここまで言っても、行動には移せない人っていると思うんですけど、そういう人でも行動に移したくなるぐらいの感動をしたら、シェアされるんです。だから、これが2つ目の発信の基本です。

3つ目は、ぶっちゃけ情報量で負けていたら、Twitterはわからないですけど、Googleでいえば確実に上がらない。絶対に情報量で負けてはいけない。

その方法なんですけど、情報量で負けるって、何をネタにしたらいいのかわからないし、何のツールを使って採用とかの情報を集めてくるのかわからないので、そのツールの話を次にしていきたいと思います。情報量で負けない方法としては、最初にテーマをヒアリングする。

Twitterで発信を始めるんだったら、トレンドを見つけて、そのニュースを10個ぐらい全部バーッと粗探しをして、その10ページを全部まとめて噛み砕いて発信する。これをまとめることで、「この結論ってこういうサイトから集めたものなのか」「最新ニュースを噛み砕いたものなのか」となって拡散されやすいんですね。