DMM.comプラットフォーム基盤の裏側
ユーザーの回遊・リテンションを支える仕組み

DMMを支えるプラットフォーム基盤の裏側

DMM x ZOZOを支える基盤技術
に開催

2019年5月23日、DMM.comとZOZOテクノロジーズによる合同勉強会「DMM x ZOZOを支える基盤技術」が開催されました。数多くのサービスを展開している2つの巨大プラットフォームは、どのようなインフラ基盤・運用によって支えられているのか? 2社で活躍するエンジニアたちが、その舞台裏を明かします。プレゼンテーション「DMMを支えるプラットフォーム基盤の裏側」に登壇したのは、DMM.comプラットフォーム事業本部の石垣雅人氏。講演資料はこちら

DMMを支えるプラットフォーム基盤の裏側

石垣雅人 氏(以下、石垣):DMM.comには、様々な領域で40以上のサービスがあります。そのため、それぞれのサービス開発に注目がいきがちですが、その裏側を支えているプラットフォーム基盤について説明させていただきます。

石垣と申します。2015年にDMMに入社しまして、今回紹介するプラットフォーム基盤を管轄しているプラットフォーム事業本部でプロダクトオーナーをしております。

今回のテーマは、先ほども言ったDMMにおけるプラットフォームの役割についてです。どういう役割を持っているのか、どんなプロダクトを提供しているのかを理解してもらうのが本セッションの目標です。

まずはDMMの開発体制をご紹介したあとに、プラットフォームの役割や、どういうユーザーストーリーの中でプラットフォーム基盤が役に立っているかについてご紹介します。

そのあとに、題名のところにもある「ユーザーの回遊・リテンションを最大化するサイクル」についてご紹介できればと思います。最後に、売り上げ貢献から見たプラットフォームについてお話します。

組織設計における3つのレイヤー

開発体制はざっくり3つのレイヤーになっています。

上にあるのがみなさんもよく知っているDMMのサービス群です。動画やGAMES、電子書籍など様々な分野のサービスがあります。そういったサービス群を支えてるのが下のレイヤーです。

イメージ的にはサービス郡が共通して使うもの、例えばアカウント基盤や購入決済基盤や検索、ビッグデータ基盤、データ分析基盤から乗っかってきます。

右のほうに書いてあるのが、サービスやプラットフォーム基盤とは別にR&Dの領域でブロックチェーン研究室やVR研究室があります。だいたい、この3つのレイヤーで表現されます。

今回は、この下のレイヤーにあるプラットフォーム基盤についてです。

DMMでプラットフォーム基盤がなかったらどうなるかという文脈のもと、プラットフォーム基盤の役割をご紹介できればなと思います。

上にあるのがサービス群です。だいたい40種類ぐらいサービスがプラットフォーム基盤に集約されているのですが、サービスごとにアカウントがあったり決済購入基盤があります。それぞれ動画サービスのアカウント、レンタルサービスのアカウント、通販サービスのアカウント、電子書籍サービスのアカウントがあったりします。

この問題点は、いわゆる1つの「DMM.com」というサイトに動画サービスも電子書籍サービスも集約されているにも関わらずアカウントが分かれている点です。動画サービスでアカウント登録をしたにも関わらず、電子書籍のサービスを使うときもアカウント登録をしなきゃいけなかったり、アカウントが分かれていると非常にユーザビリティが低いく、新規サービスが増えたときも、せっかく1つのサイトにいろいろなサービスが乗っかているにも関わらず、サービス間での相乗効果が低下します。

つまり、新しいサービスが増えたときに、既存のアカウントを持っているユーザが新サービスをスムーズに利用できない状態になってしまうので、回遊という意味でも相乗効果が薄いです。これはDMMのプラットフォームとしても良くありません。

サービス間の回遊が重要な理由

先ほどから1つの問題定義として、横の展開というか、いかにユーザーにDMMのサービス間を回遊させることが大事かという話をしていますが、実際のデータとして過去2年で一度でも課金したことのあるユーザの内、約40パーセントのユーザがDMMの複数のサービスを利用しているという分析結果が出ています。

やはり回遊は非常に大事にしなければいけないという根拠付けになるかなと思います。

現状は、こういった形の構造になっていて、それぞれのサービスが共通したアカウント基盤や、購入決済基盤、ログイン基盤を使っています。もちろんこれにもサービス郡から見てメリット、デメリットがあって、悪い点としては単一障害点になりやすいんですね。

例えばアカウントやログイン基盤が落ちてしまったら、DMMの多くのサービスへすべてログインや会員登録ができなくなってしまうので、集約しているのももちろん問題点はあります。

良い点としては、新しいサービスが増えたときには用意されている機能を使えばいいので、開発コストが削減できます。

あとはプラットフォーム基盤自身に新しい機能を追加したときにはサービスで使う事ができます。例えば購入決済基盤で、後払い決済がリリースされました。すると、プラットフォーム基盤の購入決済基盤を使っているサービス群は、よりユーザービリティーが良い決済手段を無条件で利用できる状態になります。そういったところが良い点だと思います。

プラットフォーム基盤の役割

ずっと抽象的な話をしてきましたが、プラットフォーム基盤には実際どんな役割があって、どういうプロダクトがあるかを説明します。

これはユーザがサイトに流入してきてから購入するまでのユーザーストーリーを書いた図です。1つずつ説明していきます。

理解ポイントとしては、40種類ぐらいあるサービスに注目しがちなんですが、全体のユーザーストーリーから見たときに、サービス単体では出せない相乗効果や、購入するまでに考慮すべき点がたくさんあります。そのためにプラットフォーム基盤が考えなければいけないことをキーワード別に紹介していきます。

まず、検索や広告など、何かしらの方法でDMMのトップにユーザーが流入してきます。まず一番にユーザが困ることは「サービスが多すぎて、どこに何があるのかわからない」。

たぶんこれが初めに行き詰まるところです。プラットフォーム基盤としては「送客」や「回遊」みたいな言い方をするんですが、送客は、いわゆるそのサイトへ訪問したユーザをいかに迷わせずにサービス、コンテンツに送り届けるか。この領域では検索やナビゲーションなどを強化しています。

回遊といった面では、いろんなサービスを使ってほしいので、サービス間の相乗効果を生み出すといったところに注力していきます。例えば同じ作品でもDMMだとストリーミングで見るパターンもあるし、DVDをレンタルする場合もあるし、DVDやCDを買う場合など、同じ作品でもサービスが違うので、それらの回遊を強めたりしています。これはレコメンドやパーソナライズ化などが重要になっています。

“使いやすさ”を考える

「DMMの中でほしいサービスが見つかった」となったときに次に会員登録やログインをしなければいけません。

ユーザの心境としては、会員登録やログインってすごく面倒くさいので早くやりたい、早くログインしたい、早く会員登録したいと思います。そういった会員登録や認証基盤も提供しなければいけません。

メールアドレスとパスワードの認証だと時間がかかるのでSNS認証を導入したりします。さらに不正ログインも多いので、セキュリティー周りも力を入れて行かなければいけません。 ほしい商品も見つかって会員登録もログインも済ませた後は、購入ですよね。購入で気をつけなければいけないのが、購入で離脱されてしまうと売り上げが上がらなくなってしまうので、ここは離脱率に注目しています。

最適化したUIや豊富な決済手段。クレカ決済は当たり前ですが、後払い決済などの豊富な決済手段の提供も必要です。

最後にリテンションというところで、「1度利用したら終わり」だけではLTVやARPPUが上がらないので、例えばDMMでしか使えないポイントを付与してまた来てもらう。リマインドメールを送ってまた来てもらうといったところが重要になってきます。

最初にも言いましたが、送客や回遊、会員基盤の使いやすさ、認証基盤の使いやすさ、決済基盤の使いやすさをプラットフォーム基盤として考えていかなければならないということがテーマになっています。

ユーザーの回遊、リテンションを最大化するサイクル

次に実際のユーザーの回遊・リテンションを最大化するサイクルをご紹介します。

このサイクルを回すことで、プラットフォーム基盤としてユーザーの購買サイクルを向上させていきます。

1個ずつ説明すると、先ほどの送客や回遊に関して言うと、ユーザが欲している情報を渡す、ということが最近のテーマです。

パーソナライズ化や、レコメンドアルゴリズム、検索エンジンの精度を良くしてユーザにおすすめできる商品やサービスのレコメンドを強化しています。

ここのフェーズで提供しているプロダクトとしては、「DMM TOP」やレコメンド検索など、いかに回遊させるか、送客させるかということに力を入れてます。

次は決済についてです。

これを先ほども言った「離脱率を下げる」というのと、快適な決済手段、リテンションを上げるとか、そういったところが重要になってきます。提供しているプロダクトとしては、購入決済基盤、不正購入対策や、DMMポイントです。

ここが一番大事なんですが、今言った送客や購買など、ユーザがこのページの末端までスクロールしてクリックして、といったことは全部ビッグデータ基盤に流し込んでます。すべてのユーザーの行動をログとして集約することでデータに基づく意思決定を促進させます。

もう1つ重要な観点があって、サービスがすごく増えてくると、例えばDMMだと最近スタートアップを多く買収をしている中で、どうしてもそのサービス独自のIDというものは必ず存在します。それをどうやってDMMのIDと連携していけるかがとても大事になってきます。同じIDでなければ最適なレコメンドも、パーソナライズも効果的なものができないので、やはりIDの連携を非常に大事になってきます。

そうすることでビッグデータ基盤を通じて、ユーザの欲している情報を提供できます。

1・2・3をうまく回すことで最大化を目指しています。

売上貢献から見たプラットフォーム機能

最後に「売上貢献から見たプラットフォーム機能」というところで、1番左にある「New User」新しいユーザを獲得するのは、プラットフォーム基盤というかマーケティングの領域だと思っているので、ここはあんまり関与しません。

重要な点として右の3つ。リテンション、送客回遊、購入の領域をを数パーセントずつ改善するだけでも、かなりの売上貢献が見込めるんじゃないかって思っています。こういった事業的な数値も大事にしています。

最後ですね。

DMMの利益を最大化するためには、サービス単体の開発ではなく、その裏を支えるプラットフォーム基盤の存在が必要不可欠になるために開発を日々続けています。

ご清聴ありがとうございました。

(会場拍手)

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