なぜ毎日の料理を楽しみにするのか

成田一生氏(以下、成田):みなさん、こんにちは。

会場:こんにちは。

成田:お! すごい。反応が返ってきた。うれしいです。

(会場笑)

じゃあ、せっかくだから、みなさん、こんにちは!

会場:こんにちは!

成田:はあ、うれしい。なんか、これがちゃんと返ってきたの、今年が初めてかもしれないですね。

みなさん、今日は長い間お付き合いいただき、どうもありがとうございました。私で最後の発表とさせていただきます。TechConf 2019の基調講演として、「なぜ毎日の料理を楽しみにするのか」というタイトルで発表させていただきます。

2018年にクックパッドが取り組んできたチャレンジ

まずはじめに、2018年クックパッドがいろいろ取り組んできたチャレンジについて、おさらいをさせてください。

3月にクッキングLIVEアプリ「cookpadTV」をリリースしました。これはプロの料理家や料理上手な有名人とかタレントさんによる、料理のLIVE配信を見ることができるアプリです。このアプリは料理を学んだり、直接料理家さんに、LIVEの演者さんにコメントをすることで、簡単に質問ができたり、料理について学ぶことができます。

普段あまり料理しない人でも、好きなタレントさんや好きな料理家さんの配信を楽しむことで、気軽に番組を楽しんでいただくことで、料理をしてみるきっかけというものを提供できます。だから、料理したことがない方でも「料理をしてみようか」という気になることが、このアプリをきっかけになったらいいなと思っています。

それから、6月に「Komerco」というアプリをリリースしました。これは、ものづくりをしているクリエイターさんと料理を楽しんでいる人をつなげる、C2C型のマルシェアプリです。リリース時は料理の器を買うというアプリから始めていて、昨年末に食品を扱うという機能をリリースしました。 「クックパッドマート」は、地域の生産者の食材を新鮮なうちに、例えばパン1品からでも送料無料で買うことができる、というアプリです。

世の中の生鮮を扱うECサービスは、多くはたくさんまとめ買いをすることで送料を安くするというのが一般的なビジネスモデルになってるんですが、「クックパッドマート」は直接そのユーザーさんのお家に届けるのではなく、ユーザーさんの近くの拠点に届けて、例えば会社帰りですとか、保育園の送り迎えの帰りにピックアップするという、生活動線上でピックアップできるようにすることで配送コストを下げるという、で、送料無料を実現するというチャレンジをしています。

Alexaスキルの開発や料理教室

それから、Alexaのスキルを、日本語版はおととしにリリースしたんですけども、これを、1つ目はEcho Showという、画面付きのEchoに去年対応しました。

それから、スペイン語版をリリースしました。なぜスペイン語版かというと、クックパッドの海外展開のなかで、スペイン語圏というのは非常に大きなユーザー圏になっています。で、このスペイン語版はAmazonのスキルのストアでもフィーチャーされていて、高い評価を得ています。

須藤の発表にもあった「たべドリ」です。これは料理のスキルを学ぶためのアプリで、この「たべドリ」にしたがって料理をしていくことで、基礎的なスキルというのを押さえる。で、基礎的なスキルを押さえることで、レパートリーを自分で増やしていくことができるというものですね。

レシピって究極的には見ないで作ったほうが絶対良くて、基礎的なスキルをしっかり身につけることで、いろんなアレンジが自分でできるようになるという、「本当の意味でちゃんと成長できるアプリというのはどういうものがあるのか?」というチャレンジをしています。

それから「Cookpad Do!」。これは聞き覚えがない方もいるかもしれないんですけども、いままでクックパッドは料理教室という事業をずっとやってきてて、この料理教室の事業のタイトルを「Cookpad Do!」という名前に改めて、リニューアルしました。「Cookpad Do!」という名前になって、料理教室というものだけじゃなくて、食や料理に関する幅広い体験イベントを扱うようにリニューアルしました。

料理教室レシピ数は全世界500万品を突破

それから、伊尾木の発表にもあった「OiCy」という新規事業をやっています。「OiCy」では、いままでクックパッドが取り組んできた課題って、Webとかアプリで、画面のなかからユーザーの行動を支援するということをやって来ましたが、スマートキッチンというかたちで、「実際の料理の現場を物理的にどうやったら直接支援できるか?」という物理的な取り組みを、去年から始めました。

「OiCy Platform」は、スマートキッチンの機器から読むためのレシピサービスですね。機械から読むために、Machine Readable Recipeという機械可読なレシピに、「自然言語で書かれたレシピを機械可読に変換するにはどうしたらいいか?」「そのためにはグラフ構造にして」といった、伊尾木の発表にもあった技術的チャレンジが行われています。

そして最後に、クックパッドの本体アプリでも大きな成長を遂げていて、世界でクックパッドの投稿されたレシピの合計が、世界全体で500万品を超えました。国内では300万品を超えていて、海外では200万品を超えています。とくに海外でいうと、ロシアとかインドネシアとかといった国で、飛躍的にレシピ数が伸びています。

2018年は、こういったさまざまなサービスや新しい試みを素早く立ち上げて、ユーザーさんからのフィードバックを得てサービスを改善していく。そのために、「どうしたら、どういう技術を使ったら、素早く開発サイクルが回せるか?」「どういう技術的チャレンジをすれば、もっと僕らのミッションに近づいていくことができるか?」ということを追及して、1年間スピード感を持って取り組むことができました。クックパッドらしいサービス開発が進められた1年だったと思います。

定款を変更した理由

クックパッドという会社は、「毎日の料理を楽しみにする」というミッションを掲げています。今日紹介したような取り組みはすべて、これを実現するためにやってきていることです。

どのくらいこれを本気でやっているかというと、2018年の株主総会で、定款に僕らのミッションを記載しました。定款というのは、耳慣れない方もいるかもしれないんですが、その会社が、その登記されている会社が「何をする会社なのか?」というのを定義する文章ですね。エンジニア向けにわかりやすく言うと、型定義ファイルみたいなものです。

(会場笑)

成田:……良かった、伝わった(笑)。

要はこれを、定款に「僕らが何をやるのか?」というのをいままで書いてなかったのを、追加しました。「どうやったら意味のあるかたちで追加できるのかな?」というのを考えて、最終的にこういうかたちになりました。

「当会社は、『毎日の料理を楽しみにする』ために存在し、これをミッションとする」。2、「世界中のすべての家庭において毎日の料理が楽しみになった時、当会社は解散する」と書きました。いまここで僕らは存在していてCookpad TechConfを開催しているので、つまり、毎日の料理はまだ楽しみになっていないというわけです。

普通はこういうこと書かないんですね。ミッションを記載するということはあるんですけど、こういう解散の条件として書くというのは、非常にめずらしいことです。ただ、「これぐらい意義のあるミッションに僕らは取り組んでいて、そのミッションに熱狂できる価値のある場所だ」ってことを僕らは言いたくて、そういう場所であることを僕は本当に誇りに思っています。

料理の意義を改めて考える

僕はクックパッドに入って、次の4月で10年目を迎えるんですね。あまりに自分にとって、「料理を楽しみにするぞ」というミッションがもう当然のことになりすぎちゃったので、あんまり意義について深く考える機会というのが少なかったんですが、定款の変更をきっかけに、いろいろ考えるようになりました。

今日私のこの話で問いたいのは、「料理って必要ですか?」ということです。「必要じゃなかったら、なんでこんなTechConfとかをわざわざやって、自分たちの話を聞いてるんだ」って思うかもしれないんですけど、……まあ、必要だと思うから僕は言ってるんですね。

「なんで僕らは毎日の料理を楽しみにしなくちゃいけないのかな?」というのをちゃんとわかったうえで、「どういう技術が必要なのか?」ということを会場にいるみなさんにもちゃんと理解して聞いてもらったほうがいいなと思って。

例えば、おいしいものって外で食べられるんですよね。今日お昼、みなさん何を食べましたか? このカンファレンスって昼からやってるんで、たぶん外で食べたりとか、買って食べたりとかしてる人が多いと思います。おいしいものを食べたいなら、お金を払えば外で食べられるんですよね。自分の好みのものを。

例えば、中食分野のビジネスが、いま日本ではとても伸びています。どういうものかというと、例えばコンビニ弁当とか、オリジン弁当とか、そういうお弁当を買ってきて家で食べる。あるいは、スーパーでいまお総菜コーナーってどんどん伸びていて、面積がどんどん広がってると思うんですけど、ああいうのってすごく市場が伸びてるんですね。つまり、調理済みのものを買ってきて、家で食べる。

あるいは、「Uber Eats」のように、アプリで注文をすると家にレストランの料理を届けてくれるというようなものが、非常に流行っています、世界的にも。外食や中食のように、おいしいものを手に入れる手段というのはいくらでもあるわけです。

妻の妊娠を経て学んだこと

ただ、1つ避けられない事実があって、私たちのからだは食べたものでできてるということですね。食べ物に含まれているたんぱく質とか、脂肪とか、炭水化物を分解して、吸収して、からだを機能させてるんですね。それはほとんどの人がそうだと思います。

からだを正常に保つためには、栄養をちゃんと摂らないといけない。しかもバランス良く摂らなくちゃいけないというのは、みんな、そんなことを知らない人って、たぶんこの会場にはいないと思います。

これって健康なうちは頭でわかってても、実感することは非常に難しいんですね。例えば、今日外食して不健康なものを食べたとしても、今日からだが痛くなったりとか、今日調子悪くなったりしないじゃないですか。「そういう毎日不摂生をしてるけど、別に平気だよ」という人は、この会場にもたくさんいると思います。みんな若いからね、けっこう。私もけっこうそっちのほうです。

ただ、僕は最近すごく「栄養がからだを作ってるんだ」というのを実感したきっかけがあって、それがこれですね。私の妻が妊娠していた時に、栄養素というものに対して非常にセンシティブになりました。なんでかというと、妊婦って不摂生がすぐ体調に影響するんですよね。体調とか、胎児のリスクなどに、すぐ影響するんですよ。

どんだけ健康な女性でも、妊娠をするとそういうからだになるんですね。うちの妻も妊娠をしたことによって、すごく健康だったんだけど、妊娠糖尿病というのがあって、高血圧をもともと抱えていた人じゃなくても、妊娠することで糖代謝のバランスが崩れて高血圧になりやすいんですよ。

これが本当に母体にも胎児にも悪影響があるというんで、塩を下げなきゃいけない、塩分をとにかく減らさなきゃいけない。塩分を減らそうとなると、外食無理なんですよね。外食中心の食生活で塩分をコントロールするというのは、すごい難しい。

例えば「肉を避けよう」とか、「野菜を避けよう」とかというのは、見えるからわかるじゃないですか。「アレルギーがあるから」とか、食材を避けるというのはできるんだけど、栄養素を避けるのは本当に難しい。塩って見た目でわかんないから、食べてみないとわかんないから。

これをきっかけに、塩分について僕はすごく気にするようになって、料理も変わったし、味噌汁も変わったし、本当に生活が変わりました。自分で料理すれば塩分減らし放題なんでね、入れなきゃいいという(笑)。

ところでみなさん、ラーメンって作ったことあります? 本格的なやつ、出汁取ってというやつですね。僕はそういうのけっこう好きで、たまにやるんですけど。レシピ見ないで、自分でやるんですよ。

鶏ガラ買ってきて、豚骨買ってきて、半日ぐつぐつ寸胴で入れて、みたいなことをやるんですけど、確かにおいしい出汁は出るんだけど、ちょっとラーメンっぽくないなという感じになるんですよ。

僕がいろいろと試してわかったのは、塩を入れることなんですね。「えっ?」というぐらいの塩を入れると、お店の味っぽくなるんですよ。「あ、そういうことだったんだ」と。塩をめっちゃ入れると、本当にお店の味になる。すごい入れないとならない。パスタ入れるときにジャバジャバ入れるじゃないですか。ああいうノリでガンガン入れると。

ラーメンだけじゃなくて、お菓子作りに入れる砂糖の量なんかも同じで、作ってみるとその量にビックリするという。この写真入れたんだけど、今日たまたま差し入れでシュガーグレーズドのドーナツが楽屋に置かれていて、僕はそれを3つ食べたんですけど(笑)。

(会場笑)

これ、僕はでも、まだ……、シュガーグレーズドを自分で作ったことはないんですが、たぶんおそろしい量のドロッとしたやつが、粉にするとどっさり入ってると思うんですね。それは料理をしてれば、自分で作ったことがあれば、「えっ?」ってなるんですね。「こんなに入れんの?」みたいな。

料理をすることがよりよい社会につながる

料理が何を世の中にもたらすのか? 家庭料理の優れてる点というのは、選ぶということなんですね。自分のからだや家族のからだに入れるものを選ぶ、ということです。

食べている料理に何が入っているのか、どういう栄養が入っているのか、糖分・油分・塩分といった栄養素がどれぐらい入ってるのかというのを、で、どれぐらい摂るのかというのを選ぶということなんですね。「奥さんが妊娠してるから塩分を減らそう」とか、そういった選ぶということが料理によってできるわけです。

料理を通して「何を食べるのか?」に向き合うということができたら、生活習慣病にかかるリスクをすごく減らすことができる。これが、料理がもたらすすごく大きな効果だと思います。

なので、普通に料理をしてるだけで、かなり健康になれるんですよね。外食ばっかりしてる人に比べれば。「そんなこと言われんでもわかるわ」って感じかもしれないですけど、そうなんですよ。

僕らが「毎日の料理を楽しみにする」というミッションをやってる、これを世界中でやろうとしてるのは、世界で料理によって健康になる人を増やしたい。

それだけじゃなくて、家庭で料理をする人が増えると、料理をすると食卓というものが発生するんですね。食卓があると、家族や友人と食卓を囲んで、豊かなコミュニケーションができる、楽しい時間を過ごす事ができるようになるし。

それだけじゃなくて、いろんな、環境問題にも料理は本当に良くて、食産業の工業化によってすごくたくさんのCO2が排出されています。料理をする人が増えることで、それを減らすことができるというのは明らかにあります。そして、なるべく地産地消をするという、おいしいものを食べようと思ったら、なるべく地産地消になっていって、そうすると輸送や長期保管にかかる燃料を減らすことができる。

僕らはそういった、料理をする人が増えることでより良い社会に向かっていけると考えます。

食と料理にまつわる課題を考える

これは去年のTechConfでも僕が出したんですけど、クックパッドで作っている「食と料理にまつわる社会課題マップ」です。

例えば、クックパッドというレシピのサービスで取り組んでるのは、「料理スキルの減少」です。例えば、スキルがないからレシピを見ないと料理ができない。なので、例えばレシピの提供をするし、「たべドリ」のような、スキルを身につけることで、そもそも料理の腕前を上げるとか。

あと、先ほど言った「食産業の工業化」。これは料理をする人が増えることによって、工業化に歯止めをかけることができる。

と「外食すると不健康になるよね」というのは、「別に健康な食べ物、外食にもあるじゃん」と思う(かもしれませんが)、それって、高いんですよね。安いものは不健康なものが多いんですよ。これは世界的に見てもそうです。なので、低所得者ほど不健康になりやすいという状況が世界的にあります。

「楽しみにする」のはなぜか

僕らは、毎日の料理を楽しみにするという、その「楽しみにする」というのをなんでやってるのか? これは、ここでやっと今日のタイトルを回収するんですけど、なぜ楽しみにするのか?

なんでかというと、楽しいことはやっちゃうんですよね。例えば今日、週末とか、みなさん、この週末に楽しみにしていることはありますか? 映画を観るとか、外に遊びに行く、旅行に行くとか、友人や家族と遊ぶとか、そういうのを楽しみにしてる、楽しみにしてることがなにかあると思うんですけど、楽しみにしてることは誰かに言われなくてもやっちゃうんですね、楽しいから。

料理をそういう位置付けにしてる人がもっと増えれば、僕らが一人ひとりに「料理やって」って言いにいかなくても、楽しいから勝手にみんなやり始めちゃう。というところに僕らは取り組まないといけないなと思ってやっています。

とくに「毎日の」というところが重要で、「週末に料理してます」という人は多いと思います。僕もそうです。ただ、週末に料理をやってる僕は、本当に料理の楽しい部分しかやってないので楽しいんですよね。こだわってラーメン作ったりとか、なんかしてるので。それ、楽しいんでね。

でも、それは毎日できないわけですよ。僕は仕事してるし、奥さんも仕事してるし。毎日料理をしてる人、せざるを得ない状況になってる人はたくさんいて。子供や家族のために毎日作んなきゃいけない、お弁当を作んなきゃいけない。「もう苦痛だ」と、「別に家族からのリアクションもないし、お金もあんまりないし、時間もあんまないし、何作っていいかわかんない。だから、いまある食材でパパッと作っちゃいたい」。そういう人たちがすごくたくさん世の中にはいます。

僕らはクックパッドというレシピ投稿のサービスを通して、そういう「今日何作ろう?」「今日何作ったらいいんだろう?」ということを考えてる人に対して向き合って、少しでも苦痛を取り除くという、マイナスであるものをゼロにするというところをやっています。

それだけだと、世界中の毎日の料理を楽しみにするというところには、まだすごくすごく遠い。何をしたら毎日の料理が楽しみになるのか? これは本当に難しい課題です。

例えば、少しわかってるのは、おいしい食材が手に入ることは、毎日の料理を楽しみにするだろうと。そこで僕らは、「Komerco」で食料品を扱うようにもなったし、「クックパッドマート」でおいしい旬の食材を地元から買えるようにしたり、送料0円で買えるようにしたり。

こういう「おいしい食材をどうやって調達するか?」といった課題に取り組むことで、少しでも楽しい気持ちで毎日の料理、毎日の生活のなかに楽しさを織り込んでいけるか、というところにチャレンジしています。

もう1つあるだろうなと思っているのは、スキルですね。スキルがないことによって料理が楽しくない、という人がたくさんいることがわかっていて。料理がレシピをいちいちガン見しないと作れないというのは、けっこうやっぱ苦痛な状態だと思うんですよね。

本来なら何も見ないでも、ススッとおいしいものが作れると、本当に「楽しい!」という領域まで行ける。なので、僕らは料理のスキルを上げたい人に、「どうやったらスキルを上げられるのか?」というソリューションにどういうものがあるのかというのを追求して、いろんなかたちでそれに取り組んでいます。

遠ざかるゴールに向かって

まだまだ「毎日の料理を楽しみにする」、このミッションは本当に遠いところにあります。なかなか解散できない。たぶん僕が生きてるうちに解散……というか、世界中の毎日の料理が楽しみになり終わりましたということって、生きてるうちには来ないんじゃないかなというぐらい、すごい巨大なミッションに取り組んでいます。

しかも、ゴールはずっと遠ざかってるんですよね。僕らが毎年0.1%ずつゴールに進んでるつもりでも、ゴールはすごい速度で遠ざかってる。世界は料理を楽しまない方向に行っちゃうので、僕らはそれになんとか歯止めをかけないといけない。それをスケールさせる方法が、楽しみに変えるということ。

それは僕らの、クックパッドの影響力を超えた、楽しさに変えていけるんじゃないか。クックパッドの影響力、「クックパッドのユーザーさんを世界中に70億人にしましょう」って言ってるんじゃなくて、楽しんでる人を増やすというのは周りの人も楽しませるはずで、インフルエンスしていって。僕らの影響力以上の影響力を発生させるための原動力が、楽しみにさせるということだと思っています。

それを、技術の力で料理を楽しんでる人を世界中に増やしていくというのをやるためには、すいません、ここでちょっとだけ告知させてほしくて。ドーン。

(会場笑)

はい。つまり、エンジニア、そしてデザイナーを募集しています。今日いろいろツイート見てたんですけど、「クックパッドってAndroidエンジニア少ないんじゃないの」というのを見て、……よくお気付きですね。

(会場笑)

この会場のなかにAndroidエンジニアの方いらしたら、後でお声がけください。

僕らはもっともっとやんなきゃいけないことがたくさんあって、本当にいろんなトライ&エラーを繰り返していかなきゃいけない。だから、エンジニア・デザイナー、今日のいろんな発表を見て少しでも心に響くところがあったら、ぜひクックパッドという会社にジョインして、このミッションに対して、ミッションに向かって1歩進めるというところに、ぜひ参加してほしい。

私の発表はここまでです。本日はご来場どうもありがとうございました。

(会場拍手)