ユーザーインタビューの手法

新田:ありがとうございました。では、もし質疑応答ある方いらっしゃれば、挙手していただければと思います。

大竹:なんでも。どの発表についてでも大丈夫です。

新田:そうですね。どの発表でも大丈夫です。

質問者1:お話ありがとうございました。株式会社PECOの清水と申します。大竹さんに質問なんですけれども。

今、僕自身もPMとしてやっていて、ユーザーインタビューをやるとけっこう時間がかかるんですよね。ユーザーを集めて調整すると時間がかかって、正直、毎回やれているかというとやれていない状況もある中ので、どのへんを工夫して速くやっているかということと。

あと、実際にバックログの中でなにを検証するか、選んでいるのか、ちゃんと全部やっているのかというのをお聞きしたいなと思いました。

大竹:まず、ユーザーインタビューなどのリクルーティングについてなんですが、何名ぐらいでやりたいと思っていますか?

質問者1:僕たちはだいたい5人から10人ぐらいやるかなと思います。

大竹:僕が個人的にやっているのは「bosyu」という坪田(朋)さんが作ったサービスがあるんですけど、あれで「募集してます!」って言うと、誰か来ます。

(会場笑)

質問者1:なるほど。そこからなにかフィルタリングして?

大竹:いや、もうフィルタリングは……してもいいと思うんですけど、普通にそこに行きます。ある程度使っている人という前提で、来た人にすぐ行くと。僕はこのあたりや渋谷に何回も来て、コーヒーおごって、1〜2時間を割いてもらって。時給にしたらめっちゃ安い(笑)。

質問者1:そうですね。やっぱり最初の声掛けをけっこうするのが大変で、そのあとのフィルタリングとスケジュール。面接時間を調整して、来てもらって、一筆書いてもらって、なにかお礼渡してとか、けっこう面倒くさいなと思っていて。

大竹:ああ。来ていただくパターンは、うちのユーザーにメーリングリストを送るとけっこう来ていただけます。なので、サービスのユーザーさんにメーリングリストで送るというのは速攻性あるかなと。あと、ターゲティングできるのでいいかなというのがありますね。

質問者1:そうですね。うちはメールアドレスを取っていなかったのでそれができなかったので、なるほどと思いました。

大竹:でも、ゲリラ作戦は一番早いと思います。

質問者1:そうですね。Twitterでがんばって。

大竹:bosyuを使って。

質問者1:わかりました。ありがとうございます。

大竹:坪田さんにお礼を言われたいので、bosyuを使ってください。あともう1個が、ええと……。

質問者1:バックログのところでどのへんを検証するということについて。

大竹:全部やっているわけではありません。うちはPMは別にいるんですが、彼がもう……。優先度は、戦略的な意思決定もあるので、そこに応じて戦略的に上位に来るものをピックアップして、その中から選んでいます。

なので、バックログからなにを選ぶかユーザーテストをもとに選んでいるわけではありません。バックログはけっこう戦略的に並べて、それを実際にやるかやらないか、実装フェーズに回すか回さないかをデザインフェーズで回す、計測する感じですね。

質問者1:ありがとうございます。

バックログに積む基準

新田:ありがとうございます。ほかにご質問ある方はいらっしゃいますでしょうか?

質問者2:お話ありがとうございました。今のご質問の最後にバックログには事前に積んでおくというお話があったと思うんですけど、そのバックログにはどういう基準でどういうものを積んでいっていらっしゃるのかをおうかがいしたかったです。

大竹:まず、この方も僕がbosyuでユーザーインタビューしたので、そのぐらい……。

質問者2:お久しぶりです(笑)。

大竹:お久しぶりです(笑)。

(会場笑)

大竹:バックログに積む基準か……。それは最終的にはPMの人が主観で選ぶんですが、その主観を、乏しい情報で判断するのではなく、いかに情報量をしっかり入れて、いっぱいの情報でやるかが重要かなと思います。

そのいろいろ情報を入れるにはなにが必要かというと、特定の機能を検証するという意味でのユーザーテストではなく、ユーザーさんに来てもらってペルソナを作るみたいな、とにかくユーザーを肌感を持って知るというプロセスを入れるのがいいんじゃないかと個人的には思っています。

これは先ほど言いましたが、1人あたり90分のユーザーインタビューを12人分やって。さらにそこにデザイナーが加わってくるんですが、KJ法とか共感マッピングとか、そういったものを使ってちゃんと分析して、本当にユーザーのペルソナとその典型的な行動例を入れます。

その中で今のクラシルのプロダクトが満たせていないポイントを受けての、それをデザイナー+PMが話してディスカッションするという流れでアイデアを出していくという感じですね。

質問者2:ありがとうございます。

新田:ありがとうございます。ほかになにかご質問ある方はいらっしゃいますでしょうか?

サイトのセキュリティと保険

質問者3:どうもお話ありがとうございました。少し話が逸れるかもしれないんですけど、今、僕自身もアプリとサーバの両方開発をやっているんですが、サービス自体がだいぶ大きくなってきて、社長の目に触れるようになってから「攻撃とか来たらどうするの?」みたいなことをけっこう言われだして。

「DOS攻撃とか来るよ」みたいなことを言われて、ほかのサービスのエンジニアに聞いてみると、「保険とかに入っている」みたいなことを言っていて、その値段がけっこう高かったんですね。そんなの入る必要があるのかちょっとわからなくて。そういったセキュリティの部分をどうされていらっしゃるのかをちょっと聞きたいです。

(深尾氏にマイクを渡そうとする)

深尾:えっ!

(会場笑)

深尾:保険ですか。SREを雇われたらいいんじゃないですか?

(会場笑)

質問者3:人を?

深尾:人を。

大竹:それはでもどうなんだろう? DOS攻撃に対する対策というと、どうだろうな。それはCDNとかは入れていますか?

質問者3:いや、入れていないです。

大竹:じゃあCDNを入れたほうがいいと思います。とりあえずそこでなんとかなると思います。

質問者3:それなら高い保険に入る必要はなさそうですか?

大竹:高い保険というか……。

深尾:それは考えたことないですね。あとはWAF。

質問者3:WAF。言ってました。そんな感じの。

(会場笑)

深尾:ファイアウォール。

大竹:そうですね、攻撃が来るんですね。でも、僕らクラシルをやる前に会社でぜんぜん別のプロダクトやったことがあるんですが、その時にWordPressで作ったサイトにめっちゃDOS攻撃来て、WordPressが落とされましたね。

(会場笑)

DOS攻撃を手動でリダイレクトさせる

質問者3:そうした違うサービスでDOS攻撃が来て、もうにっちもさっちもいかなくなって、それを逸らすみたいなサービスに加入したら助かったみたいな話があるらしくて。

それが一番いい方法だと、なんか正しいのかよくわからない古の伝説みたいなやつがあって、「それにお前も入るべきだろう」みたいなことを言われるんですが、とても嫌で入りたくないんですけど。

(会場笑)

だから「クラシルさんがこうやってたから、僕らもこうやれば大丈夫です」って言い切りたいんですけど……。

大竹:なるほど。それでいうと、ちょっと助けにならない。

質問者3:えっ(笑)。

大竹:ただ、リダイレクトで……botで来るじゃないですか、DOS攻撃。それリダイレクトで逃がすというのは僕は手動でやってましたね。昔。

深尾:手動?(笑)。

(会場笑)

大竹:このIPから来るから逃してとか、やってましたよ。だから、僕らにはちょっと残念ながらアドバイスできない。

深尾:でも、あんまり保険は聞いたことないですね。ファイアウォールとか、そういうものでなんとかなるんじゃないかなと思います。

大竹:普通に考えるとそうですね。

質問者3:「来たら考えればいい」ぐらいの感じでいいんですか?

深尾:そう、それで大丈夫だと思う。

(会場笑)

質問者3:「いや、来ないでしょ」って単純に思っちゃってるんですけど。

大竹:たまに来ますね。

質問者3:あっ、たまに来るんですね。

大竹:WordPressは同じシステムなので、とりあえずほとんどのWebサイトにバーっとWordPressの特定のやばいエンドポイントに投げれば当たるってときは来るんですけど、独自にサービス作ってたらあんまり来ないと思いますけど。まぁ、これ超無責任な発言なので。すいません(笑)。

質問者3:じゃあ「クラシルさんがそうやって言ってた」って言って説き伏せます。ありがとうございます。

(会場笑)

大竹:ありがとうございます。

エンジニアと非エンジニアのコミュニケーションについて

新田:ありがとうございます。ほかにご質問ある方いらっしゃいますでしょうか?

大竹:けっこう技術的な深いところでも。

質問者4:ありがとうございました。大竹さんにお聞きしたいんですけど。今、デザイナーさんやエンジニアや営業など、エンジニアとエンジニア以外が会話するときに、どうしても共通言語で会話できないなとか、お互いの体感する時間がけっこう違うなとか思うことが多くて。

エンジニアとそれ以外とか、例えばデザイナーさんとか、職種が違うところに会話するときやサービス作るときに意識していることや、なにかdelyさんでやっていることがあればお聞きしたいんですは、お願いできますか?

大竹:そうですね、ドキュメントはすごい書くようにしています。だいたい話のなにかが噛み合わないってときは、おそらく前提が違うということがあると思うので。それは会社全体ではあるんですけど、ちゃんと議事録は残しましょうということをやっています。

ただ、一般的に、僕はそんなにいろんな会社を見たことがあるわけではないのでわからないですが、比較的うちの会社はそのへんはあんまり悩んでいないというのが正直なところあります。もっとがんばってやっているところもあると思うんですが、幸運なことにそんなに悩んでいないという感じです。

質問者4:ドキュメントは、例えばどんなかたちで残したら伝わりやすいですか?

大竹:やっぱり「前提」と「背景」と「やりたいこと」と「お願いしたいこと」みたいなことを明確に書くという感じですね。ぜんぜん普通のこと(笑)。普通のことをちゃんとやるのが重要だと思います。

質問者4:ありがとうございます。

大竹:すいません(笑)。

新田:ありがとうございます。では、お時間になりましたので、いったんこちらで締めさせていただければと思います。あらためて、みなさまに拍手のほうお願いいたします。ありがとうございました。

(会場拍手)