医療ヘルスケア分野の課題を解決する会社「メドレー」

小山敬介氏(以下、小山):では私の自己紹介と、なぜメドレーに勤めているのか、バックグラウンドと自己紹介のお話をさせていただきます。

私、小山敬介と申します。株式会社メドレーで医療介護保育分野の従事者に対して、求人メディアを展開しているチームに勤めております。そこの求人メディアのデザイン全般を担当しております。

メドレーという会社、ご存知ない方も多いかと思いますので、ご説明をさせていただきます。メドレーは、医療ヘルスケア分野の課題を解決することをミッションとした会社です。例えば医療業界の慢性的な人材不足や、専門的な裏付けがされていないインターネット上の医療情報の氾濫など、たくさんある医療課題の解決に取り組んでいます。

現在展開しているサービスは、自宅やオフィスなど、病院と離れた場所からスマートフォンやPCで診察を受けれるオンライン診療アプリ「CLINICS(クリニクス)」、住んでみないとわからない介護施設について、利用者などによる口コミで探せる介護施設の検索サイト「介護のほんね」。医師600人が共同編集し、正しく分かりやすい医療情報を提供するオンライン医療事典「MEDLEY(メドレー)」。そして、僕が今担当させてもらっている医療介護の求人サイト「ジョブメドレー」、この4つのサービスです。

僕がここで主に何をやっているかというと、グロースを中心にしたデザイン業務を担当しています。グロースだけだとデザインもけっこう崩れていったりするので、そういったところをフォローしていく立場で業務を進めています。

昨年末、そのグロースの負債を解決するためにデザインのリニューアルを行いました。メドレーのDeveoper Blogで詳しく書います、ご興味ある方は見ていただければ幸いです。

母子手帳のアプリがメドレーとのきっかけに

小山:本題に入ります。「なぜ僕がメドレーに入ったのか?」を紹介させていただきます。

僕、もともとはインターネットの会社には勤めてなくて、キャリアのスタートは空間デザイナーです。「空間デザイナー」ってたぶんよくわからないかと思いますけど、会場のインテリアなどを設計していました。2Dの世界ではなく3Dの世界で4年半働きました。

そこの会社のWebサイトを製作したことがきっかけで、UIデザインに鞍替えをして、今の職種につながるようなキャリアチェンジをしました。

鞍替えのあとに勤めたWEBの受託会社では様々なデザインを提案していきます。キャリアを積む中で、ユーザーの課題を解決していることをもっと深く感じていたいと思うようになって、また感じるためには突き詰めて1つのデザインに向き合える環境に身を置きたいなと思うようになりました。

医療ヘルスケア分野の課題解決のプライオリティを第一に考える

小山:では、なぜメドレーなのかというと、その覚悟に惹かれました。事業として成立させるのが会社としてあるべき姿だと思います。メドレーもそこは変わらないですが、優先度ではさらに上があり、最初にお話した医療の課題を解決できているかという点。そして、それを至るところで伝えている。難しい課題だけにハッキリ明言するのも相当な勇気が必要です。そこを声を大にして伝えている覚悟に私は惹かれました。

もう1つの理由は、一筋縄では対応しきれない複雑な課題に取り組むための強い体制にあります。具体的には、実際の医療現場を経験してきた医師と、理想のプロダクトを形作るためのエンジニアやデザイナーなど、各分野のプロが集まりチームを組んでいるということです。課題を解決し納得のいく医療を提供するために医師が正しい医療情報の作成に携わり、医師会や行政にも働きかける。

またそれと同期して開発部隊は技術で支え、事業部はそれを事業で支える。しかもそれが同じ空間で机をつきあわせて取り組んでいます。それぞれの立場で一丸となってプロフェッショナルを発揮している現場体制に本気度を感じました。

そういった環境や覚悟のなかで受託のときに感じた課題解決を突き詰めたい思いみたいなこととが実現できるかもしれないと思い、メドレーを転職先に選びました。以上がメドレーに転職先を決めた理由もかねた自己紹介となります。

拙い説明ですみません。本日はよろしくお願いいたします。

(会場拍手)

デザインを通じて、事業成長に貢献することをミッションとする「root」

司会者:続いて、rootの古里さん、お願いします。みなさん、いい話が出ると一生懸命PCや手元の手書きでメモを取っていると思うんですけど、視線が来ないと登壇者は話しづらいと思いますので、チラチラと見てあげたら話しやすいかと思います。

(会場笑)

司会者:それでは、古里さんお願いします。

古里祐哉氏(以下、古里):はい。

(会場拍手)

では、よろしくお願いします。僕は、株式会社rootのチーフUIデザイナーを担当している古里祐哉です。

rootは今回のイベントの主催でもあるんですけど、UI/UXの領域に特化したデザイン会社をやっています。アプリ、Webのサービス開発に特化したデザイン会社ですね。「デザインを通じて、事業成長に貢献する。」をミッションに掲げておりまして、UI/UXの専門家として、クライアント企業さまの事業推進をサポートしています。

(スライドを指して)こちらの図は僕たちが大切にしている3つの要素です。「3 Elements of Service Design」って言ってるんですけど、「プロダクト戦略」「(UI/UX)デザイン」「組織デザイン」です。これが1つでも欠けるといいサービスがつくれない、という考え方です。

僕たちのデザイン会社の特徴は、納品で終わるプロジェクトがほとんどないところが、他の会社さんとすこし違うところなのかなと思います。

ちょっと急ぎ足になっちゃいましたけど、本題に入ります。今日は「キャリアと働き方の話」をするんですけど、それにあたってのバックグラウンドを話していきます。

社内でくすぶっていたときの相談と転職が大きな転機となった

古里:僕がデザイナーとしてキャリアを始めたのはBASE株式会社です。「オンラインショップを無料で立ち上げられます」という会社なんですけど、そこでアシスタントデザイナーとして始めたのがキャリアのきっかけになっています。その後は現職で、UIデザイナーとして2年前、3年前かな、入ったという感じです。

キャリアについて「どういう話をしようかな?」って思った時に、「転職した時の話をしようかな」と。そこがデザイナーをやるうえで大きなターニングポイントになっているので、その話をしたいです。

悩みが2つあったんです。1つ目の悩みが、BASEに入って1年半ぐらい働いていたんですけど、スキル不足で機能開発にアサインされず、小さいUIの修正ばっかりやっていたんですね。

「ボタンの色変えましょう」「テキスト変えましょう」そういう仕事しかなかったんです。僕は大学をある事情で辞めちゃって、そこからBASEに入ったんですけど、バックグラウンドではデザインをやっていなかったので、なかなか伸び悩んでいました。

そのUI修正タスクも、社長の鶴岡さんって方いらっしゃるんですけど、その方にプレゼンをして通ったらそれを実装する流れなんです。そのプレゼンがぜんぜん言語化できていなかったのでまったく通らない。それでタスクが山積みで、すごく苦しい思いをしてました。

これ以降、どういうふうに解決していったかですが、今日登壇される三古さんは当時僕の同僚だったんですね、僕が先に入って、後から三古さんがジョインされたんですけど、三古さんに相談したんです。そうしたら「デザイン会社でもっと修業したほうがいいよ」と言われたんですね。僕の心の中では、「え、そんなことを言うんだ」「もっと励ましてくれるのかな」と……。

(会場笑)

古里:「上司にちょっと言っとくからね」みたいな感じで言ってくれるのかなと思ったんですけど、「あ、僕、辞めろってことか」って思ったんですよ。

(会場笑)

古里:ちょっとショックだったんですけど、これがきっかけで今のrootに転職することになったんです。

失敗から学んで改善しつづけて、最後まで諦めないことが重要

古里:ここから学んだのは、「言われてちょっと痛いこと」ってありますよね。自分ががんばっていて、つっこまれたら痛いじゃないですか。でも、そこで「絶対これやりたいんだ」っていうものがあったら、たぶん成長するきっかけになるんじゃないかなと思います。

今のrootにいる時もデザインをがんばってやるんだけど、クライアントからいろいろ言われて、でも「絶対自分がやりたい」って思ったことは成長するきっかけになっているなと思うことがありました。これが学びです。

次の悩みは、このBASEを辞めて転職活動することになるんですけど、そこでいっぱい受けたんです。10社面接して、全部落ちたんですね。面接したのはデザイン会社もあれば、スタートアップもあるし、もう少し大きい事業会社もあるんですけど、全部落ちたんです。「11社目で入れなかったら、実家帰ろう」って思っていたんですよ。

「どうしようかな」「最後にもう1回受けてみるか」「11社目受けてみるか」ってなって、そこに応募したんですね。その会社がスタートアップで、オンラインでオーダースーツをつくれるサービス、「LaFabric(ラファブリック)」っていうサービス、今「FABRIC TOKYO(ファブリックトウキョウ)」に変わっちゃったんですけど、そこを受けました。

その企業で(rootの)代表の西村さんに出会いました。どういう経緯かっていうと、西村さんは「LaFabric」でデザインコンサルをやっていたんです。面接に行ったら、社長と西村さんがいらっしゃって、そこが出会いのきっかけです。結局落選しちゃったんですけど、そこで「もしよかったら」っていうことで、rootに誘ってもらいました。それでUIデザイナーとして入社した、という経緯です。

ここからの学びは、最後まで諦めないことが重要ということです。当たり前なんですけど、やってみて本当にこれが重要だなと思いましたね。失敗から学んで、改善し続ける。これをやり続ければ、いずれチャンスがめぐってくるんじゃないかということを実感しました。

家計簿アプリから室内コントローラーアプリまで幅広く担当

古里:rootに入って今2年半ぐらい経ってますけど、今はチーフUIデザイナーとして複数のプロジェクトを担当させてもらってます。今日はいくつか実績お見せできるものがあるので、ちょっとお見せします。

株式会社オプトさんのADPLANっていうプロダクトになりまして、オプトさんの中ではすごい古いプロダクト、一番最初に出したサービスなんですけど、それのフルリニューアルをさせていただきました。これはリードデザイナーとしても参加しましたし、ロゴの制作から、広範囲のデザインをやらせていただきました。

次がちょっと変わったプロジェクトだったんですけど、「The Millennials」っていうカプセルホテルがこの前渋谷にオープンしまして、その室内コントローラーアプリ。例えば照明、室内ファンですね。あとプロジェクターもあるんですけど、それをアプリで動かせるっていうプロダクトです。これのデザインを担当しました。

こちらは1週間前にリリースされたばっかりなんですけど、「mirai talk(ミライトーク)」っていうサービスです。マネーフォワードが親会社になりまして、その子会社のサービスになってます。こちらのUIデザインを担当させていただきました。

転職してから2年半経って、いろんなプロジェクトやれるのですごいうれしいなと思ってます。

5分間の話なのであまり掘れた話ができなかったんですけど、次のパネルディスカッションのほうでいろいろお話できればと思ってます。ありがとうございました。

(会場拍手)

司会者:古里さん、ありがとうございます。