ハートフルなサービスを支えるエンジニアたち
町野史宜氏(以下、町野):本日はご来場ありがとうございます。私、本日の司会を務めさせていただきます、ネットジンザイバンクの町野と申します。よろしくお願いします。
今日は「スタートアップエンジニアナイト~ハートフルなサービスを支えるシステムの裏側」ということで、delyの奥原様、コネヒトの高野様、ラブグラフの成澤様の3名に、それぞれライトニングトークをしていただきます。
さっそくイベントに移らせていただければと思いますが、奥原様にバトンタッチをしたいと思います。拍手でお迎えください。お願いします。
奥原拓也氏(以下、奥原):お疲れ様です。delyの奥原と申します、よろしくお願いします。今日は、ハートフルなサービスを作るというタイトルでやらせていただきます。
自己紹介です。Twitterは@okutaku0507ということでやっています。1993年生まれで、埼玉県出身です。delyではサーバーサイドエンジニアとして働いていて、本クォーターからマネージャーになりました。delyはRuby on Railsを主に使っているんですが、Railsは大学1年くらいからやっていて5年程度になります。
大学院に半年通っていたんですけど、中退してそのまま、2016年の9月1日にdelyにジョインしました。休日はカフェでパソコンをしたりしています。前職でオフィスに猫がいたので、delyでも飼えないかなと。
自分が作ったサービスでたくさんの笑顔が生まれる
奥原:僕がサービス開発を好きになった理由を言いたいと思います。学生時代に「ソーサル」というフットサルのコミュニティサービスを3、4名で立ち上げて、そこの唯一のエンジニアとしてサイトを作りました。これは今も運営していて、フットサルをしたい人と空いているコートをマッチングさせるWebサービスです。
このサービスを作って、僕がなぜWebサービスを作ることが好きになったかというと、「ソーサルカップ」というイベントがあります。これは1、2ヶ月に1回催されるもので、100人程度来てくれるイベントなんですが、これを見るとおりみんなすごい笑顔になっていると思います。
このイベントのすごいところは、みんな初めて会う人たちなんです。2人で来る人もいるんですが、ほぼみんな初めて。TwitterなりFacebookなりをきっかけに集まったみんなが、本当に初対面で「よろしくお願いします」と言って、フットサルをする。それで最後はこうやって笑顔になる、というサービスです。
やっぱり、自分が作ったサービスでたくさんの笑顔が生まれることが、エンジニアとして限りなくうれしかったというところで、僕はWebサービスを作ることがすごく好きになりました。
僕が働いているdelyという会社は、2014年4月に創業しました。コーポレートミッションが「BE THE SUN」、太陽になろうという、世の中を明るく照らす存在であろうというものをミッションとしています。先月また30億円を調達いたしまして、累計の調達額が70億円になっております。
レシピ動画サービスの「クラシル」を運営しています。これが、近くにある神社にみんなで初詣に行った時の写真です。僕が入ったときは6人くらいだったんですが、今は社員が60人を超えました。delyが運営するクラシルをご存知の方いますか?
(会場挙手)
ありがとうございます。クラシルはこういうレシピ動画を配信しているサービスなんですが、ミッションが「70億人に1日3回の幸せを届ける」。2016年5月にアプリをリリースしました。レシピ動画数が去年の段階で世界でナンバー1になり、今もたぶん抜かれていないです。
ハートフルなコメントがたくさんくるサービス
奥原:去年の5月くらいに、App storeとGoogle playでのランキングが1位となりました。去年のGoogleとAppleのストアの「ベストオブ2017」に選んでいただき、Google playの1つの見本というかたちで受賞しました。昨年の12月に1,000万ダウンロードを達成しました。
ここまできて、ハートフルなサービスとはどういうサービスなのかというところを言いたいと思います。これは、クラシルにきたコメントを転用させてもらっています。
(コメントを)読むと、「子どもたちがまた作ってと、キャベツの使い道がまた1つできてうれしい」とか「子どもと一緒に作りました。楽しい時間を過ごせてうれしかったです。とてもおいしかったです」
「ピーマン嫌いの子どもがおいしいと言って食べてくれました。クラシルさんはおいしい料理がたくさん載っています。これからもおいしい料理を教えてください」。こういった、すごくハートフルなコメントがたくさんくるサービスになっています。
もうちょっと紹介させてください。「超簡単にできたのでめちゃくちゃうれしいです。孫も一緒に作ってくれました」。おばあちゃんがお孫さんと作ったんですね。「母の誕生日に作ったら大喜びで、作った方もうれしくなります」
「3歳の孫がかぼちゃのケーキと言っておいしくいただきました。簡単に調理できるのがうれしく、楽しいです」「作りました。76歳の祖母もおいしいと言ってくれました」。おばあちゃんも一緒に作って食べたということですね、めちゃくちゃハートフルだなぁと。
まだ続きます。僕がすごくうれしかったのが、「料理が苦手な私ですが、簡単にできました」。「なんと言っても、口うるさい娘がおいしいと私の分まで食べてきました。うれしかった」。これを見た時、僕はすごくうれしくなりました。「娘も大好きでたくさん食べてくれました。また作ってねと言われ、うれしいです」。
クラシルはこうやって、動画というかたちで調理がとてもわかりやすく紹介されています。料理が苦手な人もクラシルを見れば、調味料とかもそのまま使えば、すごくおいしい料理がつくれるサービスです。上級者の方も作れるレシピもたくさんあるんですが、比較的料理が苦手な方が簡単においしく(料理が)できるサービスになっています。お手本レシピですね。
カスタマーサクセスとエンジニア
極めつけは、こういう手紙が届きました。例えば「クラシルの料理レシピを拝見しています。私は料理をすることが苦手で、苦痛でした。なんとか克服しようと料理本を買ってみたりしましたが、まず具材の切り方がわからない、火の通し方がわからないところで挫折しました」。
ちょっと飛ばします。「クラシルを使って、今ではずいぶん料理をするようになり、楽しいと感じられるようになりました。本当にありがとうございます。これからも素適なレシピを期待しています」。めちゃくちゃハートフルですよね。(スライドに『NARUTO』のキャラクターが映され)すみません、これ(桃地)再不斬です(笑)。
(会場笑)
こういうお手紙やコメント、App storeのレビューなどをいただくと、やっていてよかったなとエンジニアとしてすごく思います。
ハートフルを陰で支えているのは、僕らエンジニアだったり、編集の方だったりするんですが、今日紹介させていただきたいのはCSです。僕らの中ではカスタマーサクセスと呼んでいます。これは、ユーザーアンケートにコメントしてくれた方に言ったんですけど、やや満足も含めて94パーセントの方に満足と答えていただきました。
クラシルのコメントを見るとわかるんですが、とても丁寧に答えています。主な業務としては、メールで来る問い合わせやアプリ内のコメント、SNS対応などもCSの方がやってくれています。
これがエンジニアとどう結びつくのかなんですが、僕はサーバーサイドでフルスタックでフロントとかも書いています。delyでは、そういう管理サイト職人のことを「ISE(インハウスシステムエンジニア)」と呼んでいます。
これが管理サイトを引っ張ってきたんですが、こんなかたちでコメントが返せる状態になっていて、右のこのボタンをぽちっと押すと、Slackのポジティブボイスというところに飛んできます。
すごく「うれしいね」みたいな感じのことを日々、みんなで見られて。1つですけれども、そういうシステムを作ったりしています。これは返すところですけど、メモ機能やコメント機能を作って、日々こうやって社員やスタッフの方が使ってくれる管理サイトを作ったりしています。
ハートフルなサービスの裏にはハートフルな作り手がいる
奥原:こういうのを作るとやっぱり、これはカスタマーサポートの社員の方なんですけど、「コメントを共有できる機能を協力して作って、追加しました」という、エンジニアの人がめちゃくちゃうれしいコメントをSlackでいただいたりします。感無量ですね。
ハートフルなサービスの裏には、やっぱりハートフルな作り手がいたというところで終わりたいと思うんですが、今delyは全職種を募集しています。これは、「箱根裏駅伝」といって、みんなで東京から箱根まで走った時の写真です。ご清聴ありがとうございました。
(会場拍手)
町野:はい、ありがとうございます。質疑応答は3名の方が登壇された後にそれぞれ設けますので、そちらまでちょっとお待ちください。
では次ですね。コネヒト株式会社の高野様にお願いいたします。こちらも拍手でお迎えください。お願いします。
(会場拍手)
高野福晃氏(以下、高野):「ママ向けナンバーワンアプリのさらなる成長を支える仕組み」というタイトルで発表いたします。よろしくお願いします。
(会場拍手)
ありがとうございます。(雰囲気が)ちょっと硬めなので、軽く僕から質問してみたいのですが、今日来てくださっているみなさまで「エンジニアだよ」という方はどれくらいいますか?
(会場挙手)
だいたいエンジニアの方が多いですね。「エンジニアじゃなくて、企画とかディレクションをやっているよ」という方はどれぐらいいらっしゃいますか? ありがとうございます。それ以外、学生の方とか……(参加者を見て)学生の方ですか? ありがとうございます。
だいたい分布がわかりました。エンジニアさんが多かったのですが、今日はコードがいっさい出てきません。職種を問わず理解できるように、わりとエモい話をするので、「技術的なことが聞きたいよ」という方は、この後の交流会とかで機会があると思うので、その時に聞いてください。
ママ向けアプリナンバーワンの「ママリ」
高野:ではさっそく、まずは自己紹介を軽くさせてください。名前は高野福晃といいます。Githubとかツイッターは@fortkleというアカウントでやっています。ハートフルとイントネーションが似ているので(笑)、フォートクルで覚えてください。これ、掴みのネタでした(笑)。
簡単に経歴をお話しすると、2013年に新卒で「アットコスメ」を運営する、株式会社アイスタイルに入社しました。それから3年後に、今働いているコネヒト株式会社に転職して、現在まで「ママリ」の開発や運用をやっています。ちなみにコネヒトは、2016年にKDDIグループにM&Aされグループ入りをしています。
続いて、私たちが運営している「ママリ」について紹介します。まずサービス紹介と開発チームの紹介をした後に、今回のテーマである成長を支える仕組みについてお話ししたいと思います。
まずは「ママリ」について。実は今年の1月に、ありがたいことに「ママリ」は4周年を迎えることができたのですが、その時に公開したインフォグラフィックがこちらです。少し抜粋してお話しします。ちなみに、「ママリ」というサービスをご存知の方ってどれぐらいいらっしゃいますか?
「聞いたことあるよ」とか。ありがとうございます。ママ向けのサービスになっているので、やっぱり女性の方が多いのですが、今回は男性の方にも聞いていただけると思って発表します。
「ママリ」はその名の通りママ向けのサービスでWebとアプリを展開しており、主な機能としてはユーザー同士で悩みを相談しあえるQ&Aの機能と、毎日の生活に役立つ記事を配信しているメディアの機能を持っています。
そんな「ママリ」ですが、サービスの規模でいうとだいたい2016年に出産したママのうち、5人に1人が利用しています。けっこう多くの方に利用していただいているのかなと思っています。月間の閲覧数は約1億回で、ユーザー数は600万人を超える規模になっています。あと、おかげさまで、昨年の外部機関の調査で、「ママリ」がママ向けのアプリナンバーワンに選出されました。
技術が好きという前提とユーザーのためにサービスを作るという目的
高野:また、アプリ以外にSNSにも力を入れています。おそらくInstagramをやっている方だと、「#ママリ」というハッシュタグが付いた、かわいい赤ちゃんの写真とかが流れているのを1回くらい見たことがあるかもしれないのですが、それです。
例えばInstagramで言うと、「#ママ」よりも「#ママリ」の方が件数的には1.68倍も多く投稿されている。それぐらい、いろんな方に認知していただいているサービスになっております。
そして、つい先週プレスリリースを出させていただいたのですが、CMの放送が決定しました。
(会場拍手)
ありがとうございます。拍手をあおるスタイルなんですけど(笑)。
(会場笑)
ありがとうございます。今週末から関東地区で放送開始して、来月からは全国で放送いたします。かわいいCMになっているので、ぜひご覧ください。
では、そんな急成長中の「ママリ」を開発しているチームについて説明します。まず私が入社したのが2015年の12月頃で、5人目の開発者として入社しました。入社当時は5人だったメンバーも、今日現在では12名まで増えています。
チームも当時は1チームだったのですが、現在は2チームに分かれて開発を進めています。開発手法は、昔から変わらずスクラムを採用しています。
簡単にコネヒトにいるエンジニアをあえて言語化してみると、「ベースとしてはみんな技術が好きという前提がありつつ、ユーザーのためにサービスを作ることを目的に、エンジニアリングをあくまで手段としてとらえて、日々のサービスを開発している」という感じになるかと思います。
それで、ここが今日のスライドで一番技術を載せたつもりなんですけど(笑)、技術スタックはこんな感じになっていて。さらっと紹介すると、言語としてはサーバーサイドはPHPを使っています。
ネイティブはSwiftとKotlinを使っています。開発環境はローカルでDockerを使っていて、ECSでそのまま本番環境にデプロイするかたちになります。社内チャットはSlackで、情報共有ツールはDocBaseを利用しています。
ということで、ここまで「ママリ」というサービスとそれを作る開発チームについて紹介してきましたが、今日の本題である「ママリ」のさらなる成長を支える仕組みについてお話ししたいと思います。