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管理職がいなくても成果を出せるチームのつくり方 「指示なし」でメンバーが自ら動く仕組み(全3記事)

「管理職を撤廃したら若手の成長が劇的に早まった」 メンバーが「経営者視点」を持てる組織のつくり方

【3行要約】
・「上司ガチャ」に左右される組織と、全員が経営者視点を持つ組織の違いについてお伝えします。
・柴田紳氏は、管理職をなくし役割を分散したことで「若手の成長が劇的に早まり、部署間の格差も消えた」と語ります。
・指示待ち人間を生まない環境作りや、権限を分散させつつ責任を果たす「カタリスト」の4条件など、自律型組織への転換ノウハウが明かされます。

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本連載では、過去に取材したビジネスパーソンを再び訪ね、その後のキャリアや働き方、職場観・人生観がどのようにアップデートされたのかをうかがいます。今回は、『管理職を全廃しました 社員全員が自走する「ティール型組織」』著者で、株式会社ネットプロテクションズ 代表の柴田紳氏にインタビューしました。

管理職次第でチームの色がガラッと変わってしまう

——ここからは管理職を全廃された後の変化についておうかがいしていきます。全廃された後、組織はどのような大きな変化がありましたか? 

柴田紳氏(以下、柴田):まず部署間の色合いの差が減りましたよね。これまでは結局ミドルマネージャー次第だったのですが、それはなくなった。以前は、サポーティブなリーダーシップを取ってうまくいっているチームもあれば、マネージャーが全部やって、メンバーは指示されたことをするだけ、みたいなチームもありました。もう本当に「違う会社かな?」というぐらい色が違ったんですけど、2013年以降は、そこの差がだいぶなくなりました。

——今、よく「上司ガチャ」とか言われるように、マネージャーによってチームでの働きやすさがぜんぜん違ったりすることもあると思いますが、御社ではそういった差はあまりないということなのでしょうか。

柴田:そうですね。まず一定のチームを支える役割になるための人事制度がすごくしっかりしていて、人格的な成熟だったり実力が伴わないと、そもそもそのバンドにいかないので。「支えるリーダーになってほしいよね」ということで、360度評価で、全員ですごく厳しく評価しています。

管理職を撤廃したら若手の成長が早まった

——ありがとうございます。それ以外に何か想定外だったことや、管理職をなくした時の副作用みたいなものってありましたか?

柴田:いや、ないんですよね。でもいいほうの副作用でいくと、ものすごく若手の成長が早まりました。結局、管理職を全廃したっていうところに加えて、それまでマネージャーが負っていた役割を全員で分散してやろうという感じになったので、1年目、2年目から経営的な考え方、経営的な動きがすごく増えるんですよね。

他の会社だったらマネージャーが人事評価をするから、そのポジションにいかないと人事評価をする側にはならないですよね。

うちは1年目から360度評価を全員受けるし、自分でも評価するので、これはめちゃくちゃいいトレーニングになります。最初から人を評価するという目線もスキルも学び続けられるし、あるいは新卒採用、中途採用とかで面接官もけっこう若い段階からやるので。

最初から「指示待ちな人」はあまりいない

——部下も上司を評価するっていうことですよね。

柴田:もちろん。もっと言うと、予算策定とかも、やりたい人たちで集まって一緒に考えていったりします。こういった普通マネージャーがやるようなことを、早い段階からチャレンジできる。

あとは事業戦略を考えるのも、うちはよく事業部ごとに合宿に行くんですよね。40〜50人で、3年後〜5年後までの戦略を考えたりしています。

——よく部下に対して経営者目線を持ってほしいって言いますが、難しいですよね。御社ではそうした取り組みによって、メンバーも自然に経営者目線を持てるようになりそうですね。

柴田:そうですね。あとは経営情報が可能な限り全面開示されているので、マネージャーとか経営層と同じような情報が常に入手できます。インプットとアウトプットの機会が豊富にあるので、みんな異常に成長が早いんです。

——今のお話を聞いていて、自分で経営課題を見つけられる方はすごく成長できる環境だと思いました。一方で自律的に動けないような方、例えば上司からの指示がないと自分から動けないような方には、どのように対応されているのでしょうか?

柴田:最初から「指示待ち」をしたい人って、実は社会にあんまりいないんじゃないかと思っています。もちろん新卒採用は、自走したがる人を好んで採っていますけど、ただそこをめちゃくちゃ狭く採っているわけでもないので、この環境にいたら自然と自走するんじゃないかと思います。

というのは、勝手に動いてめちゃくちゃ怒られたりした経験があると、みんな「指示をください」みたいになるんです。そういったことがない環境だと、自分から手を挙げて動いているのは当たり前だよね、と。

うちでは、異動とかキャリアも自分で決められますし、東京じゃなくて大阪で働きたいなと思ったら、大阪に移るのも自分で決められる。出社かリモートかも選んでいいし。その点でいくと個人事業主っぽいんですよね。

会社も従業員も互いに「依存しない」のが大事

——個々人が個人事業主のような働き方をされていると。会社としてそれが理想的な姿だというふうにされているんですか?

柴田:僕は昔から、会社と個人が対等の関係であるのが適切だと思っていたんですよ。どこで働くとか、部署とかも含めて、会社側が指示するって、ちょっと一方的すぎるというか、「何なんだろう、これ?」とけっこう疑問だったので。

なるべく個々人にいろんな権限を持ってもらって自分で選べるようにしてもらう。その代わり成果で返してね、と。当然成果に対して会社はお金を払うべきだし、どちらも依存していないというのが、適切な関係なんじゃないかなと思います。

責任はカタリスト、権限は分散させるマネジメント

——ありがとうございます。先ほどのお話にちょっと戻るんですけれども、管理職を撤廃した時に、責任の所在が曖昧になったりとか、誰も決断しないみたいな事態は発生しなかったんでしょうか?

柴田:一方で、カタリストに責任はあるんですよ。例えば僕からはカタリストに対して、「今その部署で起きているこの問題は、ちょっと何とかしてくださいよ」と言ったりします。介入してどうにかするかもしれないし、本当に緊急事態だったらぜんぜんトップダウンもあり得ます。

権限は分散させますが、とはいえカタリストは責任からは逃れられない。あともっと言うと、権限委譲しまくった上で、最終的に全部僕に来るので。うちは上場企業ですし、何かして投資家からめちゃくちゃ責められたりするのも僕ですし。そういう意味だと責任の委譲はしていないのかもしれないですね。

——なるほど。じゃあ、カタリストは責任は持ちつつ、権限はどんどん分散させていくみたいなかたちなんですね。

柴田:そうです。なので、そこってギャップもあるし、「なんで俺ばっかり?」みたいな気持ちにもなりやすいので、(カタリストになるには)人格的な成熟も欠かせないんじゃないかなと思いますね。

360度評価で決まる「カタリスト」の4つの条件

——360度評価をした上で、そういった人格的な成熟がされている人をカタリストに置かれていると思うんですが、そういうカタリストになるための具体的な条件みたいなものはありますか?

柴田:360度評価は4項目だけなんですよね。経営視点と、実務能力と、周囲とのコラボレーション、育成能力という、この4つで全員で評価し合います。それぞれに6バンド、6つのレベルがあるんですね。この4つの項目が全部、バンドが4以上になるとカタリストになれるんです。

それでいくと、経営者に近いような経営視点が持てていて、かつ自分の業務能力が高く、業務能力が高いチームを作ることもできると。それから他の部署も含め、あらゆるところとちゃんとコラボレーションもしていける。そういうチームが作れます。かつ、周囲の人の成長をいろんなかたちで手助けできます、と。

たぶんこの4つがバランス良くできていると、自動的に人格的な成熟度も高いということになるんじゃないかなと思います。人格的にうまくできていない人が、周囲とのコラボレーションも抜群にうまくできるし育成も抜群にうまくできるしって、なかなかできないんじゃないかなと思いますね。

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