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なぜ“できる人”ほど、マネージャーになるとつまずくのか 失敗談から学ぶ「マネジメントの技術」(全3記事)

頼んだ仕事をやらない部下には「なぜ?」ではなく「何が原因?」と聞く メンバーを成長させる上司の伝え方

【3行要約】
・部下への指導で「なぜ?」と問いかけることは一般的ですが、実は言い訳を引き出し成長を妨げる問題があります。
『部下をもったらいちばん最初に読む伝え方の本』著者の橋本氏は、現在の管理職育成の課題に対し「何が原因?」という質問への転換を提唱。
・管理職は「なぜ?」ではなく「何が?」と問いかけ、部下自身に原因と改善点を考えさせることで成長を促すべきです。

前回の記事はこちら

フィードバックは「なぜ?」ではなく「何が原因?」と聞く

——前回は部下への任せ方のポイントをお話しいただきました。新刊『部下をもったらいちばん最初に読む伝え方の本』がこの度刊行されましたが、前作との違いや、本作の内容について教えていただけますか?

橋本拓也氏(以下、橋本):はい。『部下をもったらいちばん最初に読む本』というのが1冊目で、2冊目は、『部下をもったらいちばん最初に読む伝え方の本』なのですが、今回はまずメンバーのタイプの見極め方について書いています。

具体的に言うと委任の仕方と、フィードバックの仕方、定期面談、1on1の仕方という3つの領域においてどんなふうな言葉で伝えていったらよいのかという順番を、いろんな事例を載せていますので、多くの人に勉強していただきたいですね。

——なるほど、任せてうまくいったらそのまま放置するのではなく、フィードバックが大事ですよね。部下にフィードバックをする際のNGワードはありますか?

橋本:そうですね。例えば「なぜやらなかったのか?」という、この「なぜ?」を聞いてしまうと言い訳が引き出されます。そしてできなかった理由ばかりを本人は責められていると感じます。だから「なぜやらなかったの?」ではなくて、「何が原因だったの?」とか、「何が起きていたの?」っていうふうに「何が」って聞いたほうが原因を考えるようになりますね。

——なるほど。

橋本:例えば「1週間後までに資料を作っておいてね」って言ったのに、1週間後になっても、ぜんぜん資料を作っていない時。「なぜ作らなかったの?」って聞いたら「いや、他の仕事が忙しくて」とか「急な仕事も降ってきて」「体調を崩して」みたいな言い訳が出てきます。

なので、聞き方としてはまず「資料を作らなかったね」「今回、どういう指示をしたかって覚えている?」って本人に聞きます。「資料を作ってほしいって言われていました」と答えますよね。

「いつまでってお願いしていたか覚えている?」「今週中って言われていたと思います」「実際はできていないからそれはすごく悲しいことなんだけど、何が原因だったと思うの?」って聞く。すると自分自身の取り組みの中での原因、改善点を考えてくれます。

もう1つは、指示をする時にも振り返る時にも、「何が駄目だったの?」っていうふうには聞かないことです。例えば「資料を1週間後までに作ってください」と言ったのに、ぜんぜん作っていなかったとしたら。「何が駄目だったの?」ではなくて、「もしもう一度やり直すとしたらどうしますか? さかのぼって考えましょう」と言うんです。

——言い訳ではなく「どうしたらできたか」を部下に考えてもらうような言い方がポイントですね。ありがとうございます。

リーダーに求められるのは「完璧さ」ではなく努力する姿勢

——今、若手が管理職になりたがらず、次世代の管理職育成が難しいと言われていますが、どうしたらマネージャーの成り手を増やすことができるんでしょうか?

橋本:やはり現経営者とマネージャーが、マネジメントの魅力を伝え続けるということに尽きると思いますね。1人ではできないことを成し遂げるためにマネジメントがあるので。1人でしかできないことをやりたいんだったら、1人でやっていたらいいんですね。それが駄目なわけではなくて、そういう人生もすばらしいんです。

例えば瀬戸大橋とかレインボーブリッジを作るとかは、1人ではできないですね。なので、大きなことを成し遂げようと思ったら、絶対に組織の力とマネジメントが必要なんです。マネジメントができるようになると、それだけチームの力で多くのことができます。そして、人の上に立つ立場になればなるほど人間的に磨かれ成長できます。というような魅力を懇々と伝えながら、自分がそれを楽しみながら示すっていうことが必要だと思っています。

——なるほど。マネージャーを見て、「楽しそうに仕事をしていないな」と思っている部下が多いんですかね。

橋本:多いですよ。本当に大変ですしね。

——マネージャーもプレッシャーを抱えている部分が大きいですよね。「自分が一番できていなきゃいけない」とか「わからないことがあっちゃいけない」みたいな。

橋本:そんな完璧な人、すべてをわかっている人はいませんよ。でも私も、「自分が最もできる人になるぞ」という努力はしています。だから、大事なことは全部できていることではなくて、マネージャー自身がチャレンジし続けて成長しているという姿勢を見せていることだと思います。

——マネージャー自身が努力している姿を見せるということですね。

橋本:はい。チャレンジしている姿、大事です。

マネジメントを楽しむことで道は拓ける

——最後に、マネジメントに課題感を持っている読者に対して、管理職としていろいろな失敗を経験された橋本さんだからこそ伝えられるエールをいただけますか?

橋本:「エンジョイ・マネジメント」っていうのが私が伝えているスローガンなんですけど、マネジメントを楽しみましょうと。マネジメントは時に苦しいことや面倒くさいことや辞めたくなることもあるんですけれども。でも、マネジメントは、才能ではなく技術なので、トレーニングすれば必ず身に付けられるものです。

もしマネジメントが身に付いていったら、個人でやっている時とは比べものにならないぐらい、感動とか喜びがあります。メンバーが成長した時のうれしさとかですね。だから自分の未来を信じて、ぜひマネジメントを楽しんでいきましょう。完璧じゃなくてもいいので努力を続けてくださいねと、いつもお伝えしています。

——ありがとうございます。こうしたマネージャーの方に向けて、逆に「これはやめたほうがいい」ということを1つ挙げるとしたら、何がありますか?

橋本:やはり欠点ばかり見て指摘することですね。部下を育てようと思ったら、つい足りないところを伝えて直させようとするんですけど。逆にし続けたほうがいいことは、ポジティブフィードバック、つまり承認ですね。良いところ、すばらしいところを伝えていくということを、時間をかけてでもやり続けていく。そうすれば必ずそのメンバーと良い関係が築けたり、いつかメンバーの中で、「チャレンジします」というスイッチが入ります。

——なるほど。今はリモートで直接部下と関わりが持てないという会社も多いと思いますが、そうした場合のメンバーとのコミュニケーションのコツはありますか?

橋本:月に2回くらいは1on1の定期面談の時間を取って、その時にメンバーの今の現状とか悩みとか願望を聞いて、そこに対して勇気付けすることですね。この関わりを30分でも1時間でもとるだけで、メンバーからすると、自分のことを応援してくれている上司だなと感じられ、関係性が築けると思います。

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