【3行要約】・成功やお金が幸福をもたらすと信じがちだが、達成後2〜3ヶ月で元に戻るという研究結果もあります。
・ 吉田尚記氏は、大学院でのウェルビーイング研究を通じ、現代は「挑戦」と「睡眠」こそが生き生きとした状態を生むと指摘します。
・ 目標や成果より「誰かのウェルビーイングに貢献する」を日々の軸に置き、まず行動することがビジネスパーソンに求められます。
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「大学院は幼稚園だ」 自分の興味の赴くままに学ぶことの価値
お金や成功は、実はウェルビーイングにそれほど影響しない――。そう語るのはニッポン放送アナウンサーの吉田尚記氏です。研究によれば、成功も失敗も2〜3ヶ月で気持ちは元に戻るといいます。では、本当に人を生き生きさせるものは何か。吉田氏がたどり着いた答えは「挑戦」と「睡眠」でした。
藤井創(以下、藤井):吉田さんの場合、「これはおもしろい」と思ったものが研究対象になっているわけですね。大学とかでも。
吉田尚記氏(以下、吉田):みんなそうじゃないですか。しかも、子どもたちなんてみんなそうじゃないですか。あれをカリキュラムで教えるから良くなくて、自分で興味のあることだけやらせていたら、子どもって延々詳しくなりません?
藤井:そうなんですよね。好きなものは本当にずーっと自分で調べちゃうし、例えばポケモンとかもそうですけど、大人よりもぜんぜん詳しいじゃないですか。
吉田:そういえばMITの先生が、どの先生で何の研究だったか忘れたんですけど、「この世で最大の発明は何だと思う?」というふうに聞かれた時に、「幼稚園だ」と言っていたんですよ。
藤井:へぇ。
吉田:「どういうこと?」と言ったら、小学校とかはカリキュラムがあって教えるじゃないですか。じゃなくて、幼稚園というのは子どもの興味の赴くままにいろんなことを学ばせて、それを手助けする人がいる場所が幼稚園であるという話をしていて。
これがいちばんの発明なんだということを言っていて、「あぁなるほど。人間ってそもそもそういうものだよな」という。最近大学院へ行って、「あ、ここ幼稚園だわ」と思ったんですよ。カリキュラムじゃないんですもの。
みんな「こういうことをやりたいです」と言うと、「じゃあ量的研究になるので、量的研究のためには、この本とこの本を読んでこうやって調べれば、あなたの研究に何かがプラスになるかもしれないよ」ということを教えてくれる場所が大学院なので。
当たり前ですけど、大学院生は研究テーマがない人が誰もいないわけですよ。なので、この状態って、「幼稚園だ」と思って。今、幼稚園として楽しく通っています。だって、いまさら学位を取る必要はないですもの。
藤井:そうですね。要するに幼稚園は自由にやって、小学校から大学まではカリキュラムどおりに学んでいて、大学院からまた戻るということですね。
吉田:大学院も行かなくていいですからね。昔、なんで小学校・中学校が生まれたかと考えると、あれはあくまで軍隊と工場労働者を作るために生まれているので、もう今の時代、そこはそんなに要らないでしょうという話ですよね。
そうしたらもっと、幼稚園児みたいな人が増えて当然なんじゃないのかな。
藤井:今の話を聞いていて、本当にそういう人が増えるのがいいのかな、という気がしましたけど。
吉田:僕はいいと思いますけどね。
藤井:今言ったアナウンサーをやりながら、大学も行きながら、またゴボウフェスもやりながら、配信もやりながらみたいな、うまくそれを回していく方法とかって、何か自分なりに考えていたりとかってあったりはしますか?
吉田:うまく回す方法?
藤井:うまくどうやって……?
吉田:できると思ったらできませんかね?
藤井:(笑)。でも今は、吉田さんは比重的にみんな同じぐらいでやられているじゃないですか。
吉田:比重は考えていないです。「今この瞬間は、これをやらないと間に合わない」といつも思ってやります。比重とかバランスとかを考えるみたいなことは、一切やったことはないです。やり方もわからないし。今に至るまで。
藤井:それでもうまくいっちゃうんですものね。
吉田:うまくいっているのかどうかはわからないです。結果がすごく良く、例えば本とか売れたみたいなのって、「え、そうなの?」というぐらいの感じなんですよ。
売ろうと思ったというよりは、「せっかく作ったんだから、ちゃんと店頭に置いてもらえるように、店頭にいっぱい行ってみよう」みたいな。「番組のネタにもなるし」といって。
100ヶ所ぐらい、初めに売れた本の販促に行ったら本当に売れて、「え、売れるんですか?」みたいな感じだったりとかするので。だから何か目標を立ててそれを追いかけるのに、向かない性格だと思います。
そういうタイプじゃないです。ぜんぜんそうじゃなくて、帳尻を合わせる能力だけが意外にあった可能性はあります。これからどんな破綻が待っているかわからないですけど(笑)、今のところ破綻はさせていない。