「野次馬根性」こそが学びの原動力 『邪神ちゃん』から始まった東大への道
藤井:いつも吉田さんの行動力には驚かされるんですけれど(笑)、「いろんなことをやっているな」ということで驚かされるうちの1つが、最近だと東京大学の大学院に行かれたところかなと思います。
そこで推し活とウェルビーイングの研究をされているということで、もう1年くらい前でしたか。
吉田:4月に入学したので、そろそろ1年ですね。
藤井:この歳でという言い方もあれですけど、学び直そうというか、大学院に入ろうと思ったきっかけというのは何だったんですか?
吉田:まず、「この歳で」って一度も思っていないんですね。
藤井:おぉ(笑)。
吉田:あと、大学院に行こうと思ったのは、さっきと似ていますね。30年オタクをやってきちゃったじゃないですか。だから何かやる時に、別にほっといても気質がオタクだから、いろいろとそっちのために動いちゃうわけですよ。
今までいろいろ動いてきて、随分アイドルも見てきたなと思った時に、「何か形にできたらおもしろいのかなぁ」ぐらいのことを思っていたんです。
その時に、ある人というか、もう具体的に言ってしまうと、『邪神ちゃんドロップキック』というアニメがあって、これがけっこう宣伝方法とかがいろいろクレイジーな作品なんですね。
そのクレイジーな作品のプロデューサーに、栁瀬一樹さんという方がいらっしゃるんですけど、その栁瀬さんと昔から友だちで。栁瀬さんはもともとドコモにいて、配信の「dアニメストア」ってあるじゃないですか。その「dアニメストア」を作った人なんですよ。
で、その「dアニメストア」を作る時にいろいろとつながりがあって仲良くなって、その後(栁瀬さんが)KADOKAWAに移って、KADOKAWAも辞めてみたいなことをしている人なんですけど。
その栁瀬さんと一緒に話している時に、僕は……それこそウェルビーイング的なことでもあるんですけど、「見田宗介さんという社会学者の本がめちゃくちゃおもしろいです」という話をしたことがあったんですよ。
それが5、6年前か、もうちょっと前かな。それぐらいの時にそんな話をして。でもこれ、社会学のまじめな本なんですけど、途中になぜか漫画家の真島ヒロさんとかが出てきているんですよ。
フランス人の学生の幸せなことを聞いたらそんなのが出てきたみたいな話もあって、「こういうことに興味があり、それがわかる人というのは僕と栁瀬さんしかいない」みたいな話をしていたんですね。
そうしたら栁瀬さんのほうが、僕より社会学にハマっちゃって。
藤井:そうなんですね。
吉田:栁瀬さんが自力で「東京大学の大学院に入ったらおもしろいんじゃないか」とそこで思い、まずは栁瀬さんが入っちゃったんですよ。
藤井:なるほど。
吉田:入ったというのを聞いて「おぉ!」と思って、しばらくしてから会った時に、「吉田さんも、絶対こういうの好きだから。来たらおもしろいと思うよ」と言われて、「そうなんですかね。でも、どうやってそもそも入るんです?」みたいなところから教えてもらって。
「じゃあこれは研究計画書というものを出す必要があって、研究計画書というものはなるべくこういうふうに書いたほうがよくて、TOEICはこの日に試験があるから」みたいな。
「なるほど。ちょっとおもしろそうだな」と思ってやってみて、今、栁瀬さんの後輩として同じゼミに通っているという状況です。
藤井:今、だいたい週何回ぐらい通われているんですか?
吉田:例えば、今日この後ゼミなんですよね。昨日も1つ授業を取りにいって、あさっても1つ取っている授業のためにまた行くんですけど。
リモートも多いんですが、平均すると週に2回か3回ぐらい行っていて、いるのはだいたい1コマずつぐらいだから、1時間半とか2時間ぐらいいるって感じですかね。
藤井:大学院に入るために、栁瀬さんからいろいろ入り方とかいろんなことを聞いたということなんですけど、一発でいけた感じですか?
吉田:そうですね。一発って言っても、という話ですけどね。研究計画書とか、小論文とか、自分の経歴書とか、いろいろ用意はしました。

(次回へつづく)