ビジネスパーソンにとって、上司からどのように評価され、仕事を任されるかは、モチベーションを左右する大きな転機となります。特に責任ある立場へとステップアップしていく時期において、上司との適切な距離感や信頼関係は、その後のキャリアの原体験となることも少なくありません。
このような理想的な信頼関係をいかに築き、またリーダーとしていかに部下を導くべきなのか。今回は、ログミーBusiness読者に「心に残っている上司のマネジメント・指導」をテーマにインタビューを実施しました。
答えていただいたのは、若手主任時代に上司からの「任すわ」という一言をきっかけに、主体的な働き方を手に入れたくろむ氏。上下関係の壁を感じさせないフランクな距離感の重要性から、相手を望ましい成果へと導く「誘導」の考え方まで、上司・部下の双方がポジティブに働くためのマネジメントのヒントを探ります。
今回インタビューしたログミーBusiness読者
くろむ氏(出版・広告業界 30代)
“上司が信頼してくれた”という経験
——当時、どのような課題や悩みに直面していましたか。くろむ氏(以下、くろむ):当時は入社から5年程度経ち、肩書のある役職としては一番下の主任として、自身の業務や後進・後輩の育成を担っていました。主な業務は主幹事業の営業、営業企画の営業系業務と、運用系業務のどちらにも携わっていました。当然忙しくはあるものの、両方の仕事内容や役割、課題がわかるため苦ではない状況でした。
——その時、上司はどのような場面で、どのような言葉をかけてくれましたか。
くろむ:大きな転換やエピソードがあったというか、むしろ逆に何もないくらいでした。ですが、私の立ち位置や考えを理解していただき、「お前はそういうことをわかっているし、大丈夫だと思うから、任すわ。ヨロシク。」くらいの感じで信用して、いろいろと任せてくださったことは自分の中では大きい出来事でした。
フランクに接しながら、見るところはきちんと押さえる
——その上司の言葉や対応によって、あなたの行動や考え方はどのように変わりましたか。
くろむ:“丸投げ・やらされ感”というよりは“信用・信頼の下に託された”と捉えられたので、より幅広く積極的にいろいろなことをしたいと思う・するようになった気はします。ポジティブな気持ちで“きちんと見てもらえている・評価されている”と感じられることは、シンプルにモチベーションにつながる体験だと思います。
昨今のマネジメントでもよく見られる話ですが、それを原体験として持てたことは大きく、自分も実行するようにしています。
——その上司が意識していたと思われる、指導やマネジメントの工夫があれば教えてください。
くろむ:たぶん、その方が忙しかったこと、楽をしたいタイプだったこと、上下関係をある種“ラフ”に考える方だったので、必要以上に壁やハードルを作らないこと、多少のリスクやハードルがあっても任せられる(実際に任せてみる)ことは、ポイントだったように思います。
フレンドリーというよりは“フランク”。でも、見るところはきっちり見ているというのは、下に就く者としてはやりやすかったかも知れません。
強制ではなく誘導するマネジメント術を学んだ
——当時の上司から受けた指導が、今のあなたのマネジメントに影響を与えている部分はありますか。
くろむ:物事の伝え方、距離感(壁・ハードル)については、影響を受けていると自分でも認識しています。
“上司だから・部下だから”という距離感は、ある程度は明確である必要がありますが、特に責任問題において、円滑なビジネス・仕事を回す点ではそこまで重要でなくなっているのかなと思います。
ただ、それを実行・実現するには、やっぱりマネジメント側が上手く“そうなるように誘導”することが必要だなと。
——今まさに、部下のマネジメントや指導に悩んでいるマネージャーに向けて、あなたの経験から伝えたいことを一言お願いします。
くろむ:結局、多々ある手法やロジックも、自分・相手次第でハマる・ハマらないものだと個人的には思っています。
対象とする人数にもよりますが、マネジメントやコントロールというよりは“誘導で望ましい成果・結果に導く”みたいな考え方もアリかも知れません。
後はお互いがポジティブな気持ちになる・いられることは、やっぱり良い変化を促すのには必要だろうと思います。ネガティブ感情は反発・諦めに直結する印象です。
このほかにもログミーBusinessでは、
キャリア設計や
マネジメントに役立つ記事を多数掲載しています。上司との関係性に悩む方、納得できる働き方を追求したい方は、ぜひご活用ください。