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クリエイターが自立できる、新しい経済圏を創る(全3記事)

「早すぎると失敗する」 森川亮氏が語る日本市場の“京都化”と、強い敵に勝てない若手世代のための「坂道」マネジメント論 [1/2]

【3行要約】
・スタートアップではスピード重視が当たり前だが、元LINE CEOの森川亮氏は「早すぎて失敗した経験が多い」と独自の視点を示します。
・ 「日本はアジアの京都」と表現する森川氏は、高齢化や失敗を恐れる文化が日本市場の特性だと指摘。
・ 還暦を前に「リーダーは前に出る人を支援する役割」と価値観を変え、日本が生き残るには「ものづくり」から「人づくり」への転換が必要だと語ります。

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「日本はアジアの京都」早すぎると失敗する市場の特性

「早すぎて失敗した経験のほうが多い」——スピード重視が当たり前のスタートアップ界隈において、森川亮氏は意外な持論を展開します。日本を「アジアの京都」と表現し、市場に合わせた戦い方の重要性を説く森川氏。さらに還暦を前に、リーダーシップ観にも大きな変化が。「強いモンスターを出すとやめちゃう」今の世代に、どうリーダーを育てるのか。ものづくり大国・日本が生き残る道についても語ります。

藤井創(以下、藤井):ベンチャーと大企業の特に違いってスピードかなと思っているんですが、C Channelではスピードが重視されたのかなと思います。そこは気にされていましたか?

森川亮氏(以下、森川): ソニーはジョイントベンチャーだったのでスピードも速かったですし、いろんな権限もけっこう任されていたので、スピードは速かったんですよね。逆に言うと、今の会社はそんなにスピードは速くなくて。

これは難しいんですけど、早すぎてけっこう失敗した経験のほうが多いので、早くやらないほうが良い時代なのかなと、ちょっと思っているところもあるんですよ。なぜならば、日本の市場ってみんな遅いじゃないですか。我々だけ早くても、みんなついてこれないんですよね。早いとはタイミングが早いと、動く速度が速いと2種類ありますがタイミングが早いのがリスクが高いです。

なので、タイミングが早すぎて失敗するよりは、ちょっと遅いほうが受け入れられるというか。だいたい提案とかに行くと、「事例はあるんですか?」と聞かれます。「事例はない」と言うと「やりません」となっちゃうので。事例を作るまでは、ゆっくりやったほうが良いような気がしていますね。最近の日本においては。

藤井:日本のスピードが他の国に比べたら遅いというのは、何が原因と思われますか?

森川: 国の文化なんですかね。なぜなのかというと、やはり「失敗したくない」という部分が多いかなと思っていまして。失敗したくない人の大半は、やはり減点評価をされている人たちだと思うんですよね。うまくいってもそんなに評価されないけど、うまくいかないとめちゃくちゃ評価されなくて飛ばされるみたいな(笑)。

そういう社会構造があって、評価アルゴリズムがそうだから、しょうがないんだろうなと思いますし。日本社会全般が、たぶん島国で、何かやると島流しされていたような感じだから、そういう生き残った遺伝子的な部分で、「失敗しちゃいけない」みたいな人が多いような気はしていますけどね。

あとはやはり高齢化ですかね。年寄りが多い国って、会社もそうですけど、新しいことに対してネガティブじゃないですか。昔あったものを変えにくい社会なので、「新しいから良い」というよりも、「本当に良いというまで寝かせておく」みたいな社会なのかなと思いますけどね。

藤井:なるほど。

森川: 私は、日本は「アジアの京都」だと思っていまして。良いところはたくさんあるんだけど、ただちょっと古いよねという。

藤井:そこは無理に変えていくというよりは、今ある日本の文化に合わせて、ゆっくり合わせていったほうが良いんじゃないかということですね。

森川: そうですね。マーケットに合わせないと生き残れないですからね。

還暦を前に変わったリーダー像「強いモンスターはいらない」

藤井:森川さんはずっとリーダーをやってこられましたが、リーダーシップの本質についてどう思われますか?

森川: 最近ちょっと、価値観が変わりまして。昔のリーダー像というのは、自分が先頭に立って引っ張っていくみたいなものがリーダーだとずっと思っていたんですけど、もうすぐ還暦を迎える年齢になりまして。

リーダーのメインの役割というのは、前に出る人を支援する役割かなと。これは時代性もあるのかなと思いますけどね。「リーダーを作るのがリーダーなんじゃないかな」と今は思っています。

藤井:考えが変わった理由は何なんですか?

森川: 年齢的なものもありますし、会社のあり方ですかね。いわゆる新卒採用をして、教育して、管理をするみたいなやり方だと、これから生き残れないのかなというか。やりたい人が自由にやっていって、その人たちが活躍できる場を作るみたいなのが、次のリーダーシップというか、日本社会のマネジメントのあり方なのかなとちょっと思っていまして。

藤井:次のリーダーを育てるというのは、具体的にどういうふうにやっていけば良いとお考えですか?

森川: 世代的に、やはり自信がない人が多い時代かなと思っていまして。私は前職でゲームの設計をやったことがあるんですけど、昔のゲームって、強いモンスターを倒すために徹夜して、倒して達成感を得るみたいな時代だったんです。

でも今は、強いモンスターが出てくるとやめちゃうんですよね。どちらかと言うと、弱いモンスターを次々倒させて、自信ができたらようやく強いモンスターを出すみたいな。

階段で言うと、昔は急な階段だったのが、今は階段じゃなくてなだらかな坂道にしていかないといけない時代になったんですね。なので、今はリーダーになりたい人が少ない時代なので、「リーダーって楽しいんだ」とか、やりがいを感じるところまで持っていってあげないと、リーダーがいなくなっちゃうんですよね。

リーダーになると、特にSNSで叩かれるじゃないですか。

藤井:そうですね。

森川: 良いことがない。なので、リーダーになりたい人をつくるのが非常に重要になってきていますね。寂しいですけど、それを教えるのがやはり年長者の役割かなと思っていまして。

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