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長澤里美氏インタビュー(全3記事)

部下より先に答えを言わない “問いを投げて待つ”を成立させる条件

【3行要約】
・優秀なプレイヤーがマネージャーになると、つい正解を教えてしまい部下の成長を阻害する問題が多くのビジネスパーソンに起きています。
・WannaEatの長澤里美氏は、「鬼軍曹」から「問いを投げて待つ」マネジメントスタイルへの転換を実践。
・管理職は正解を教えるのではなく質問で相手の思考を引き出し、メンバーが自分で考え続けられる環境づくりに注力すべきです。

前回の記事はこちら

正解を教えるのをやめ、「問いを投げて待つ」マネジメントへ

——マネジメントに対する考え方が変わったタイミングで、最初にやめたことは何ですか?

長澤里美氏(以下、長澤):正解を先に言ってしまうことをやめました。「こうやって」とか、「それ、違う」とか言うのをやめて、代わりに「どうしてそう思った?」という質問をするようにしました。「どう思う?」とヒアリングをしていき、発言しやすいように心掛けたんです。部下より先に正解を言わないようにすることをまずは心がけました。

——長澤さんご自身は、すでに答えを持っている状態であえて待ち、相手の話を引き出していくわけですよね。かなり忍耐力が要ることだと思うのですが、そうしたスタイルに切り替えていく中で、「これは難しいな」「なかなかうまくいかないな」と感じた場面はありましたか?

長澤:そうですね。部下の答えを待つだけでは、成長するまでに時間がかかります。時間がかかると、求めている成果がすぐに出ないという葛藤はありました。

あとは、「どう思う?」と聞いても答えがでてこない、考えることが苦手な人も中にはいます。その人に対する寄り添いはけっこう難しいなと思いました。その場合は、もうちょっと咀嚼して教えてあげられる人を間に置くようにしました。



——その人選をする際には、どんなポイントを見て「この人を間に入れよう」と判断していたのでしょうか?

長澤:それはちょっと私、感覚派なので、なんとも説明が難しいのですが、もう17年このグループにいて、ずっとセールス畑なんです。お客さまに会う数も尋常ではなくて、今までで名刺交換は5,000枚以上しています。

そうすると、ちょっと話しただけで「この人はこういう人だ」というのがすごくわかってしまうんです。なので、この人とこの人は合うかもとか、この人の間にはこの人がいたほうがいいかも、みたいなのはなんとなく自分で気づけるという特技があります。

——優秀なプレイヤーの方が、自分とは違うタイプの方を理解するのは、かなり難しいことだなと思っていて。

長澤:とても難しかったですね。

——そこは、どうやって乗り越えていけばいいのでしょうか。

長澤:そうですね。できる人って、「なぜこの人はこれができないのか」が本当にわからないんですよね。私もずっとそうでした。でも途中から、「自分とは“違う人”なんだ」と理解するようにしたんです。「この人は私じゃないし、同じようなやり方が合っているとは限らない」と、まず自分の中で考え方を変えるようにした、という感じです。

——先ほどもおっしゃっていたように、「長澤さんみたいにはなれません」と言われて、「違う人だ」と思ったということですよね。

長澤:そうです。「この人は自分とは違う人なんだ」ときちんと認識した上で、押しつけないこと。そして、ある程度は理解してあげることですね。「ああ、この人はこういうふうに考えているんだな」と受け止めるようにしています。難しいテーマではありますが、そういう意識で向き合うようにしています。


「自分が前に出る」から「任せて活かす」へ

——マネジメントスタイルを転換してから、「変えてよかった」と実感できたうれしい変化は、どんなかたちで現れましたか?

長澤:うれしかったことで言うと、以前は全部の会議に私が入るような状況だったのが、私がいないところで部下同士が話し合って、それをちゃんと実行できるような組織体になっていたことです。私がいなくてもチームが回っていくという実感が持てたのがよかったですね。

——役割や目標、会議の設計などで、メンバーの多様性による衝突を「相乗効果」に変えるために、どんな工夫をしてきましたか?

長澤:各メンバーの役割を「勝ちパターンがつくれる形」に設計することですね。セールスだと、基本のKGIやKPIはすでに決まっています。KPIそのものは変えられなくても、KGIの一部にその人の得意領域を少し乗せるなど、1人ひとりの強みに合わせて役割や目標を微調整するようにしていました。

——その人の「ここが強みだ」と見極めるのは、やはり日々のコミュニケーションの積み重ねからでしょうか?

長澤:そうですね、日々のコミュニケーションの中で見極めていきます。同じ営業職のメンバーであっても、バリバリ新規開拓が得意な人もいれば、どちらかというとサポートや関係構築のほうが力を発揮できる人もいます。

なので、「お客さまのエンゲージメントを高める役割はこの人に多めに任せよう」「新規のお客さまへのアプローチはこの人に比重を置こう」というように、人ごとに役割の配分を調整していくイメージです。

——なるほど。では、同僚や部下とコミュニケーションを取る上で、長澤さんが大事にしていることは何でしょうか?

長澤:鬼軍曹だった頃の経験に根ざしている部分で言うと、やはりメンバーが自分で考え続けられる環境を守ることを大切にしています。勝ち筋の設計と意思決定、そして最終的な責任は私が取りますが、成果を出すまでのプロセスや具体的なアクションは、できるだけメンバーに任せるようにしています。

——では、マネジメントをする上で最も大事にしていることは何ですか?

長澤:マネジメントで最も大切にしていることというのはすごく難しいテーマですね。これはWannaEatのMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)のバリューにも書いているのですが、メンバーには「All win」の思想をちゃんと持ってほしいと思っています。

お店、お客さま、仲間、社会のすべてを勝たせるために活動していくことを大切にしてほしいなと思っているので、そのマインドは伝え続けたいと思っています。

お客さまや社会から感謝されず、また仲間同士でも感謝が生まれないサービスをやり続けることは健全な状況とは言えません。そこだけは軸としてぶらさないことが大事だと思っています。

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