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長澤里美氏インタビュー(全3記事)

部下の一言「私は長澤さんになれません」で突きつけられた現実 勝ち続けたプレイヤーが陥ったマネジメントの罠

【3行要約】
・営業として勝ち続けてきた長澤里美氏は、上司の勧めでマネジメントに挑戦しましたが、KPIを強く握る“鬼軍曹”型でチームを自分に依存させてしまいました。
・会議で「私が8割話す」状態になり、メンバーが黙ってメモだけ取る光景を前に、「成果は出ているのにチームではない」という違和感が膨らみました。
・転機は部下の「私は長澤さんになれません」という一言で、自分の型を押しつけていた事実に腹落ちし、マネジメントを見直す決意につながりました。

「私が8割話す会議」で見えた“鬼軍曹”の歪み

——過去のご経歴紹介などで、当時ご自身が鬼軍曹だったと語られていました。その「鬼軍曹だった」と自覚されたのは、どんな場面だったのか、おうかがいしてもいいですか?

長澤里美氏(以下、長澤):今お話ししているのは、私がUSENで課長になった2013年ごろの出来事で、かなり前のエピソードになります。実は私のキャリアの中で課長としての期間がいちばん長く、2018年に統括課長になるまでは、約5年間その役職を務めていました。当時の葛藤を振り返ったものですので、今が2025年とすると、もう10年ほど前の話になりますね。

古い話にはなるのですが、当時の私はセールスとして常に個人成績が良く、1番が続いていました。いわゆるフロントの営業として走り続けていた時期です。2012年ごろに今後のキャリアに関して悩んでいた際、当時の上司に相談をしたところ、「せっかくだし、マネジメントも一度やってみないか」と勧められました。それがきっかけとなり、2013年にマネジメント職に就くことになりました。

鬼軍曹と自覚した瞬間をどう表現するかは難しいのですが、会議で私が話している時間が8割を超えてしまい、誰も発言できず、質問もなくメモだけを取るような状況がありました。それを見て、これはチームではなく、成果は出ているけれども張り詰めた空気を作ってしまっているという違和感を覚えたのが、1つの自覚の始まりだったと思います。


マネジメント職を引き受けた時の迷いと決断

——キャリアについて悩んでいた時に上司の方から、「マネジメントをやってみない?」とお声掛けがあったというお話でしたが、そこでマネジメントに挑戦してみようと決断されたのはなぜですか?

長澤:プレイヤーとして勝てる状況が続いていたので、「もうこれ以上、このUSENで学ぶことはないな」と思っていました。違う会社でセールスとしての自分を試してみたいと思っていたんです。社会人3年目ぐらいの時なので、けっこう初期の頃ですね。ただ、マネジメントという立場に立ったことがなかったので、まずやってみようか、と思ったのがその時の率直な感想です。

——やったことがないことに対しての怖さはなかったですか?

長澤:それはなかったです。その後いろいろ失敗があるという感じですね。

——どんな失敗があったのでしょうか?

長澤:鬼軍曹時代の目標は、日々のKPIをとにかくここまでやってほしい、と強くグリップし続けることでした。そのため、私の指導で短期的なKPIはものすごく改善するのですが、離職が続いてしまったり、精神的に安全な状態ではなかったり、私が不在だと数字が落ちたりと、属人化してしまっていました。

チームではあるものの、実態としては私個人の数字に強く依存した組織になってしまっていたことは、やはり失敗だったと感じています。組織としての総合力というよりも、「みんなの矢印が私一人のほうを向いているチーム」を作ってしまったことが、私にとって最大の失敗だったと考えています。



——その当時、ご自身が信じていた理想の上司像は、どんな姿でしたか?

長澤:率先垂範みたいな感じで、誰よりも考えて誰よりも動いていくこと、そして誰よりも早く正解を知っている上司が理想だと思っていました。なので、部下が迷わないように自分が先に答えを出すことが正解だと思っていました。

転機は部下の一言「私は長澤さんになれません」

——考え方を大きく変えるきっかけになった出来事は何かありましたか? 心に刺さった一言や、誰かからの指摘、ご自身の気づきなどがあれば教えてください。

長澤:当時、女性だけのチームがあったのですが、その時に成果を出していた部下から言われた一言が一番刺さりました。「私は長澤さんになれません」と言われたのが、一番の気づきでした。

——長澤さんにとってなぜそれが気づきだったのでしょうか?

長澤:部下を育成するのではなく、部下に自分と同じような働き方や考え方を求め、あてはめていたのだと気づいたからです。それは良くないな、と完全に腹落ちしました。

私は営業としてかなりイレギュラーな動きもしていたので、同じことをみんなに求めるのは現実的ではないと、あらためて認識しました。ここで言うイレギュラーとは、お客さまと食事したり、社外での交流を通じて関係性を広げていったりというスタイルです。こうしたやり方は、そもそも誰もができることではないと気づき、そこで「自分と同じ型を求める」のではなく、マネジメントのやり方を変えようと思うようになりました。



——ご自身のやり方が、周囲には圧として伝わっていたと気づいた時に、どんな感情が最初に来ましたか?

長澤:このままだと、たぶん自分の固定観念を乗り越えることができないと思いました。会社のトップラインを作るということを考えた時に、自由軍にしないと、より成長することができないなと思いました。

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