5位:プレイングマネージャーが忙しさで潰されないために リーダー2人体制、業務15%削減…「管理職の罰ゲーム化」をなくすコツ
プレイングマネージャーの業務負担増大が「管理職の罰ゲーム化」を招いているなか、多くの管理職が疲弊しています。池田めぐみ氏は、困難から回復し成長するチーム能力の構築が解決策になると提言します。
池田氏によれば、プレイングマネージャーが直面する主な課題には以下があります。
・部下を初めて持つことになり、研修はあるがどう回していくかがわからない
・上司との板挟みになって大変
・自分の仕事をしながら部下のケアもしなければならない
・休日も仕事になってしまう
これらの課題を解決するため、池田氏は「チームレジリエンス」の3つのステップを提案します。
1. 困難な状況が起きた時に「何が問題なのか」を整理し解決する
2. 困難を振り返り、そこから学ぶ
3. 次に同じ困難に陥らないよう備えて被害を最小化する
管理職の罰ゲーム化を解消するための具体的な方法として、以下を提案しています。
1. マネージャーの仕事を15パーセント(1日1時間程度)減らす
- 発言していない会議には参加しない
- 部下に任せても問題ないタスクは渡す
2. 「事業リーダー」と「組織リーダー」の2人体制に
- 1人で全部回すのは「無理ゲー」
- 事業を回す人と育成を中心にする人を分ける
- 制度的に難しい場合は「インフォーマルリーダー」を活用する
3. チーム全体での感情ケア
- マネージャーだけが部下をケアするのではなく、みんなが相手を気遣い、ケアし合う文化を作る
- ミーティングの最初に「今日の気分」を天気で表すなど、気軽に共有する方法を取り入れる
池田氏は「マネージャーだけが部下をケアするのではなく、みんなが相手を気遣い、ケアし合う文化を作る」ことで、サステナブルな組織づくりが可能になると強調します。
元記事はこちら 4位:上司が"挑戦を渡す"と自律は下がる 善意のマネジメントが空回りする理由
自律レベルを高めたいが、上司からの指示では逆効果になってしまう──多くの管理職が抱える部下育成の課題です。神谷俊氏(エスノグラファー)は、子どもの遊びに注目し、「ちょうどいい刺激」が自律性向上の鍵だと指摘しています。
神谷氏は、子どもたちの遊びから自律レベルを高めるヒントが得られると説明します。例えば、ハイハイしている赤ちゃんが急に立とうとして膝がガクガクしながらも楽しんでいる様子や、小学生がキャッチボールの距離をどんどん広げて苦しそうでも楽しんでいる姿から、「刺激」の重要性を読み取れます。
自律レベルを高めるためには「ちょうどいい刺激」が必要です。
・刺激が大きすぎると緊張や疲労が高まる
・刺激が低すぎるとつまらなくなり集中力が続かない
・ちょうどいい刺激があると、おもしろさや楽しさを感じる
これはチクセントミハイのフロー理論とも一致します。自分の能力にちょうどいい挑戦レベルが目の前に現れると、人はポテンシャルを最も発揮しやすくなります。
しかし神谷氏は重要な注意点を指摘します。「他の人から指示された挑戦は単なるタスクでしかない」のです。上司がいくら挑戦と思っていても、部下がそれを挑戦と思っていなければ、「また上司が面倒くさい仕事を依頼してきた」と感じるだけで、むしろ自律レベルが低下してしまいます。
自律レベルを高めるための正しいアプローチは下記の通りです。
1. 最初は小さなアクションから始めさせる
2. 本人が学習し、自ら次のステップを考えられるようにする
3. 本人主体でちょうどいい挑戦、ちょうどいい刺激を作っていく
4. 本人にオーナーシップを持たせ、主人公にする
「上司が挑戦を指示するのはNG」であり、「トップダウンで挑戦を指示するのはやってはいけない」と神谷氏は強調します。真の自律とは、部下が自ら挑戦を作り出す状態なのです。
元記事はこちら 3位:リーダーがあれこれ手を出し「KPI地獄」に陥る職場 リーダーに向く人・向かない人の違いトップ5
「リーダーの資質は生まれつきではなく後天的に培われるもの」という思い込みにより、多くの管理職が自分のリーダーシップに自信が持てずにいます。研修トレーナーの伊庭正康氏は、リーダーに向く人と向かない人の違いを5つ挙げ、特に「遠慮」と「配慮」の差が重要だと指摘します。
伊庭氏によれば、リーダーは「持って生まれた資質」ではなく「役割」であり、その役割にふさわしい「顔」を持つことが大切です。リーダーに向く人と向かない人の違いは次の5つです。
1. 遠慮と配慮:向かない人は遠慮をしがち。向く人は遠慮せずに配慮してコミュニケーションを取る。「すべての職場の問題は、コミュニケーション不足が原因」であることに敏感であるべき。
2. エネルギーの与奪:ダメなリーダーはエネルギーを奪い、イケているリーダーはエネルギーを与える。挨拶は部下よりも元気に、感謝の言葉を普通に言える、声の表情に気をつける、聞く姿勢をピシッとするなど。
3. 仕事観:向かない人は仕事を「ワーク」(仕事は仕事)と考え、向く人は「プレイ」(仕事はおもしろいもの)と捉える。「プレイ」の発想がないリーダーの部下は「かわいそう」。
4. 立ち位置:向いていない人は上から眺め、向いている人は現場に降りて一緒に考える。「現地・現物」を見ることが大切で、会話の機会を持つための1on1ミーティングを実施すべき。
5. フォーカス:向いていないリーダーは不安のためにあれもこれもやってしまう。向いているリーダーはやることをビシッと絞る。「KPI地獄」を避け、最大でも3つまでに抑えるべき。
伊庭氏は「リバーシの角」という考え方も提案しています。「ここをやればいい」という重要なポイントを見極め、7割いけると思えば絞って次へ進むことが大切です。そのためには、数字に強くなる、現場に強くなる、他部門の成功事例に強くなることが求められます。
「リーダーというのは、誰も自信があるわけではありません」と伊庭氏は語ります。ユニクロの柳井正氏でさえ「今も、自分が自信があるかどうかわからない」と言っており、リーダーシップに終わりはないのです。
元記事はこちら 2位:残業ができる人に頼り続ける「ギリギリ職場」の末路 つらい働き方を脱するための"真のハードワーク"とは
SNSでも話題の「子持ちさま問題」などにより組織の対立が深刻化し、チームワークの悪化に悩む職場も増えています。つらい働き方ではなく、勝てる働き方こそが「ハードワーク」であると小室淑恵氏は指摘します。
小室氏は日本が直面している「人口オーナス期」の課題を説明します。若者が少なく高齢者が多い時代では、1人あたりの社会保障費負担が増加するため、「稼いでも稼いでも国に社会保障費が取られる」状況が生まれています。
この課題を克服するために必要なのは下記の通りです。
1. 現在の労働力をマックス確保する
- 女性や障がいを持つ方、親の介護をしている方など、多様な人材を労働力として活用
- そのために働き方を徹底的に変え、短時間で成果を出せる環境にする
2. 未来の労働力も確保する
- 育児をサポートし、男性の働き方も変える
- ワーキングペアレンツが2人以上の子どもを持てる支援策を整える
小室氏は「ハードワークの概念を『それは文化だ』とか言う人がいるが、実はほとんどの文化は、その時にやらざるを得ない、その国の労働に合わせて作られてきている」と指摘し、「ただつらい働き方だけがハードワークではなく、勝てる働き方こそがハードワーク」と強調します。
現在の多くの職場では「残業ができる一部の人」に頼る構造になっていますが、これは持続可能ではありません。若い人の割合が減少し、何らかの時間制約がある人が増えているからです。
より持続可能な働き方として、小室氏は多様な労働力を活用する方法を提案します。
・週4日勤務、在宅勤務、育児時短、介護時短、65歳以上のシニア再雇用など
・お互いが休むことを前提とした情報共有と「パス回しの美しさ」の洗練
一方で「子持ちさま問題」に見られるような対立構造は、業績向上の妨げになります。一部の人だけが配慮され、その分の仕事が他の人に乗るような職場では「憎しみ合う」状態になり、チームワークが阻害されるのです。
元記事はこちら 1位:「プライドは高いのに仕事ができない部下」を変える3つの方法 「自信の5階層モデル」に基づく効果的なマネジメント
プライドは高いのに仕事ができない部下の存在は、組織全体の雰囲気を悪化させる要因になっています。研修トレーナーの伊庭正康氏は、この問題を「自信の5階層モデル」で解説し、土台となる自己有能感などの不足が原因だと分析します。
伊庭氏によれば、プライドが高い部下には3つの特徴があります。
1. 指摘をされると防衛的になる
2. 上司からの助言を素直に受け取れない
3. 変化を極端に拒む
これらの行動は周囲にも悪影響を及ぼし、特に中堅・ベテランが「これってやる意味ないよね」「それっておかしいよね」などと言うことで周囲が萎縮してしまうことがあります。
こうした行動の根本原因を理解するために、伊庭氏は「自信の5階層モデル」を提案します。
1. 自己有能感:「できた!」の積み重ね(家作りでいうとレンガ)
2. 自己効力感:「自分はやればできる」という感覚(レンガを積み重ねた実感)
3. 自己肯定感:「うまくできなくても大丈夫」という感覚(土台)
4. 自尊感情:自分を大切に支えられる感覚(柱)
5. 自己信頼感:どんな選択でも「これが良かった」と思える感覚(家の完成)
プライドが高いのに仕事をしない部下に不足しているのは、主に以下の3つです。
1. 自己有能感:自分で決めたことをやってこなかった人は「できた!」が少ない
2. 自己効力感:ポジティブなフィードバックをもらってこなかった人は担保できない
3. 自己肯定感:結果主義の環境では「うまくできなくても大丈夫」と感じられない
これらを補うためのマネジメント方法として、伊庭氏は3つの関わり方を提案しています。
1. スモールステップで小さな成功体験を積ませる
- 特に新人には「この3ヶ月で全体を覚えよう」ではなく、2週間ごとなど短期の目標設定 - 達成感を味わわせる機会を意識的に作る
2. フィードバックをポジティブにする
- 「内的帰属要因」(その人の心構えや能力)を褒める
- 「努力できたことがすばらしい」「気づけたことがすばらしい」と伝える
3. 失敗を共有して感謝をする
- 「うまくできなくても大丈夫」「失敗を歓迎する」文化を作る
- 「失敗共有会」などで経験を皆の学びにつなげる
具体例として、マツダ株式会社の「失敗大賞」を挙げ、イノベーションを起こすためには失敗を奨励する文化が重要だと説明しています。「ウェルビーイング経営」においても、失敗共有会がウェルビーイング度の高い職場の特徴だという調査結果も紹介しています。
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