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「困った上司」の対処法(全3記事)

電話中にキレる、いちいち細かいことを指摘する… 「困った上司」の実例に学ぶボスマネジメントのヒント


ビジネスパーソンにとって、上司との関係性は仕事のモチベーションや成果に大きく影響します。時に「困った上司」との出会いは、キャリアを左右するほどの悩みの種となることも少なくありません。

このような課題に対し、ビジネスシーンの第一線で働いている方々はどのように対処しているのか。今回は、ログミーBusiness読者に「ボスマネジメント」をテーマにインタビューを実施しました。

答えていただいたのは、「ガキ大将タイプ上司」と「ロジック志向タイプ上司」という、まったく異なるタイプの上司に翻弄された経験を持つ、くろむ氏。上司を「人であり、役職であり、ツール」と捉える視点から、上司を上手に利用して成果を出すためのテクニックに迫ります。

まったく異なるタイプの「困った上司」

——今までに経験した「こんな困った上司がいた」というエピソードについて、どのような場面や言動があったのかを教えてください。 

くろむ氏(以下、くろむ):新社会人である1年目~2年目と、30代半ばで初めて転職した時の企業で、困った上司の下で働いていました。

前者は典型的な「上層部の圧力に屈しない! 部下は俺が守る!」という正義感で大暴れするガキ大将タイプ。自慢のように昔話として「椅子を投げてやった」だとか、電話中にキレて携帯電話を床に投げつけるだとか………。直接的な被害は多くなかったですが、とにかくヨイショして、キレたらお通夜状態を乗り切るような日々でした。

後者はとにかく論理や原理原則志向の方で、言葉ひとつとっても「その言葉はこういう意味だろ」とチクチク刺してくるタイプ。言っていることは正しいし理解できるものの、「今の現状でそんなことを言ってどうする?」みたいな時も。基本的には「イエスマンになって従うのが楽」と逃げてやりすごすことが多かったですね。

上司をうまく転がす「隠しミッション」を実行

——具体的な対処として、どのようなことを行いましたか? 

くろむ:ガキ大将タイプの上司はもう基本的にはヨイショなわけで。「こう考えてみたけど、やっぱり○○さんの考えを聞きたい」という感じで、やることもやりつつ、相手に頼られている感を与えてあげるのが良い対処法でした。

誤った方向であっても正義感を持っている人なので、波風を立てないことを優先しつつ、「上司をいかに気分よくしつつ、自分の思うほうに転んでもらうか」という隠しミッションを遂行していました。

ロジックタイプの上司は、論理では勝てないことは明確。(なので)「一般・論理的にはこうだが、実情としてはこう」というように、原理原則じゃない、もっとフォーカスすべきところを示すとか、その人よりも優れている・長けている分野の仕事をすること。そうすると、上司も最低限のグリップだけして任せてくれるので、やりやすかったです。

個人で解決できない時は会社に頼る

——その対処を行った結果、状況はどう変わりましたか? あるいは変わらなかった場合、何が足りなかったと思いますか?

くろむ:ガキ大将タイプ上司の下で働いていた時は、状況改善というよりは「いかに災害が起こらないようにするか」という綱渡りだったので、仕事は多少しやすかったものの、状況としては変わらないですよね。

後日談としては、さすがに役員と喧嘩していた方なので、会社にも問題視されていて、その方よりさらに上の方々への報告の結果、最終的は自主退職になって終わりました。個人には組織であたる。鉄板ですね。 

逆にロジックタイプ上司は、間違ったことを言ってるわけではないので、変えがたいですよね。そういう思考って経営・運営・管理には必要だったりしますし。

私の場合では、任せてもらうところはやりやすかったものの、他はかなり“正しく”仕事をしないといけなかったので、次のアクションが曖昧な時には「具体的にはこれをすれば良いか」とハッキリさせることが必要だったと思います。聞きすぎると「考えろ」と怒られることはあるんですが、誤った解釈で進んだ際が最悪なので、そこは我慢でした。

上司の発言でダメージを受けないためにすべきこと

——今振り返って、「これが有効だった」または「これをしていれば早く楽になれた」と思う、当時の自分に教えたい具体的なアドバイスを挙げてください。

くろむ:上司も人間で、思考も性格も、仕事への向き合い方も全部が人次第というのは覚えておくといいと思います。その上で、2つの意味で「言葉をそのまま受け止めなくていい」ということも大事だと思います。

1つ目は単に「本心なのか冗談か」です。本当に何気ない言葉に見えても、受け手としては混乱したり傷つくこともあると思います。

あらかじめ「この人はこういうタイプだし」と自分で前置きしておくことで、ダメージが減ったり、より冷静に受け止められたり、頭に血が上ってもいったん落ち着けたりします。

2つ目は、発した言葉はそのままのことを言いたいのか、裏に本質があるのか。「この人、本当は何が言いたいの?」とか「どういうつもりの発言?」と考えながら受け取ると、意外と真意が見抜けるようになったり、そもそも受けるダメージもちょっと減るんじゃないかなと。これは役に立つ視点だと思うので、早めに身に付けておきたかったです。

客観的な視点を持ち、上手に利用していく

——「ボスマネジメントに困っている」というビジネスパーソンに向けて、アドバイスをお願いします。

くろむ:こちらも相手も人間ですから、結局は相手がどういうタイプの人で、どうするとやりやすい・やりにくいかを客観的に分析して、こちらがどう立ち回るかなんじゃないでしょうか。

その上で「上司にどう動いてほしいか、動いてもらうためにはどうするべきか」を考えて動きたいですね。成果主義が注目されてきていますが、成果を評価するのは自分ではありません。上司をそのまま顧客に当てはめられる考え方は、無駄じゃないのかなと思います。上司も人であり、役職であり、ツールであると認識し、“どう使うか”を考えてみてはどうでしょうか。
今回インタビューしたログミーBusiness読者
くろむ氏(出版・広告業界 30代)


このほかにもログミーBusinessでは、キャリア設計マネジメントに役立つ記事を多数掲載しています。上司との関係性に悩む方、納得できる働き方を追求したい方は、ぜひご活用ください。

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