今週の人気記事ランキングでは、変化する時代における人材・組織マネジメントの新しい視点が注目を集めました。ひろゆき氏がAI時代に価値を発揮する40代・50代エンジニアについて語った記事や、離職防止策、自律性を育てる仕事の任せ方など、ビジネスリーダーにとって示唆に富む内容となっています。人間関係の構築、オールラウンダー思考からの脱却、自律性の育成など、長期的な組織成長のための手がかりをお届けします。
5位:ひろゆき氏が語る"40代・50代エンジニア超優秀説" AI時代に活躍する条件
西村博之氏(ひろゆき氏)が、AI時代だからこそベテランエンジニアが評価される可能性について語りました。AI活用時代に真の価値を発揮できるエンジニアの条件とは何か、具体的な解説がされています。
ひろゆき氏は自身のプログラミング経験も交えながら、AIでコード生成が容易になる時代に、エンジニアの役割が変わりつつあると指摘します。
「最近、40代・50代のエンジニアがむしろ活躍している、という話をあちこちで聞くようになった」と語り、その理由をこう説明しています。
「今の40〜50代のエンジニアって、自分でサーバーを立ててOSを入れて、その上でアプリを書いて、という一連の流れを全部手でやってきた世代なんですよね。だから仕組みを丸ごと理解した状態で何年もやっている」。
一方で今の若手エンジニアには「イチから物を作る経験をやっていないケースが多い」と指摘し、AIをツールとして使うことは推奨しつつも、その判断の根底には技術の全体感が必要だと強調しています。
特に、AI時代のエンジニア価値について次の点を挙げています。
・仕様設計能力とコスト感覚のバランス
・予算と納期を見極める力
・システム全体を理解した上での意思決定
また、エンジニア志望の若者には「大企業でしか触れられないノウハウや意思決定の流れ」を経験することの価値も説き、キャリア形成について「新卒カードは大企業で使い、意思決定の構造を学ぶべき」と語っています。
元記事はこちら 4位:成果を出していれば「職場の人間関係」は不要なのか? 40代で気づいた「出世する人」の特徴
小玉歩氏は、かつての自分が「成果を出していれば人間関係構築は不要」と考えていた経験から、その考えを改め、むしろ非効率に見える人間関係への投資が長期的な成功につながると気づいた経緯を語っています。
成果主義から人間関係重視への転換について、小玉氏は次のように述べています。
「当時僕は、例えば9時出社だったら8時55分に会社に行っていましたし、(定時が)17時半までだったら17時半になった瞬間に帰っていました。1時間前に来ている先輩とか、全部の飲み会に参加している先輩とかは、『超無駄なことしてるな、この人』って思っていました」
しかし、このような「効率重視」の姿勢を変えた理由として、次の気づきを挙げています。
・「同じくらい仕事ができる人がいたら、最終的には『あいつ、良いやつだから』という理由で選ぶ」
・「世の中は合理的に動いていない」という現実
・「短期的には無駄に見えても、長期的に見れば意味がある関係構築」
小玉氏はAI時代だからこそ、「人間にしかできない非効率なことで差をつけるべき」と指摘し、特に困難な時期に支援してくれる人間関係構築の重要性を強調しています。
「自分が絶好調だった時は調子に乗っていたので、合う人とだけ付き合って、合わない人は連絡断って、『面倒くさい人間関係を切り捨てろ』とか言っていたんです。でもそれをやっているといざ自分が困った時にたぶん誰も助けてくれない」。
また、中年世代へのメッセージとして「あなたたちが大切にしてきたものが今、またすごく価値が出てきている」と述べ、AI時代こそ人間らしい関係構築力が輝くと結論づけています。
元記事はこちら 3位:中堅社員を流出させないための秘策 辞めない職場環境を作るための5要素
中堅社員の離職が企業にとって大きな課題となる中、離職防止のための具体的な方策を、株式会社PDCAの学校の宮地尚貴氏が解説しています。単に条件面の改善だけでは社員の定着につながらないという前提のもと、効果的なアプローチを提案しています。
中堅社員の離職を防ぐための主な対策として、以下の3つが挙げられています。
1. キャリアビジョン・スキルマップの整備
- 業務フローを整備し、必要なスキルを洗い出す
- スキルの習熟度の基準を設定し、評価制度を構築する
2. 管理職の関わり方の改善
- 日報制度や週報制度を導入し、上司が必ずコメントをつける
- 上司のコメントの質をさらに上の人間がチェックする仕組み
- 部下の意見に対して進捗や可否を明確にする
3. 職場環境の整備
- ハラスメント対策として窓口設置や匿名アンケート調査の実施
- 管理職が部下育成の責務・役割を認識できる仕組み作り
- 横のつながりを強化するナレッジ共有の機会設定
特に注目すべきは「辞めない職場環境を作る5要素」についての解説です。宮地氏は、辞めない職場環境というところで、主に『技能多様性』『タスク完結性』『タスク重要性』『自律性』『フィードバック』」の5要素が必要になってくると語っています。
また宮地氏は、ハーズバーグの動機づけ・衛生理論を引用し、条件面(給与、作業時間、ワークライフバランスなど)の改善だけでは社員のモチベーション向上につながらないと指摘。真に重要なのは、仕事の達成感、責任範囲の拡大、能力向上、自己成長といった「動機づけ要因」だと強調しています。
具体的な実践方法として「密なフィードバック」の重要性も述べられており、「先々こうなってほしいから、今はこれについて取り組んでいこう」といったキャリア展望を示すことや、「3ヶ月前と比べるとかなり上達している」と成長を実感させるコミュニケーションが推奨されています。
元記事はこちら 2位:"オールラウンダー幻想"が管理職育成を難しくしている 「あれも」「これも」と期待する前に考える、自社の管理職に必要な3つの問い
DaBaDee株式会社 代表取締役の髙桑由樹氏は、管理職に求められる役割が企業ごとに大きく異なるにもかかわらず、多くの企業が「万能の管理職」を求めようとする傾向があると指摘しています。管理職育成を効果的に行うために必要な考え方を整理しています。
髙桑氏は管理職の役割を7つに細分化できると説明しています。
1. まとめ役(計画立案、仕組み設計など)
2. 部下への指示・指導(人材育成、リソース管理)
3. 業績に対する責任(成果形成、説明責任)
そして、これを更に細分化した7つの要素から、自社に必要な3つほどを絞り込むことの重要性を述べています。
髙桑氏は教育業と製造業の事例を挙げ、将来の事業環境から逆算して管理職の役割を定義するためのプロセスを紹介しています。このプロセスでは以下の3つの問いが重要だと説明しています。
1. 「次の管理職が組織運営を担うのはいつか」
2. 「その頃、事業内容はどう変化しているか」
3. 「その時点で求められるスキルや経験は何か」
教育業のA社の例では、2030年以降に次世代の管理職が中心的役割を担い、人口減少による市場縮小に対応するため事業領域拡大が求められるとの見立てから、「人材育成」「調整業務」「オペレーション設計」の3つに役割を絞り込みました。
「このように、参加企業のみなさまに管理職の役割を具体的に考えていただくことで、『次に誰を管理職にするか』という人選の前に、そもそも『管理職とはどんな役割を担う人なのか』を明確にすることの重要性が見えてきます」。
髙桑氏は「管理職はオールラウンダーである必要はない」と強調し、役割を丁寧に分解することで、より現実的で再現性のある人材育成が可能になると結論づけています。
元記事はこちら 1位:任せても部下が伸びないのはなぜか 自律を育てる仕事の渡し方
株式会社エスノグラファー 代表取締役の神谷俊氏は、仕事における自律性の重要性と、それを育むための効果的なアプローチについて解説しています。特に部下の主体性を高める「ジョブ・クラフティング」と「ジョブ・デザイン」の違いに焦点を当てています。
神谷氏は「自律レベルを高めるには刺激や挑戦が必要だが、トップダウンで与えられた挑戦では自律は促進されない」と指摘しています。そして自律を育てる方法として次の2つを区別しています。
・ジョブ・クラフティング(自分で仕事を調整する)
・仕事内容を自分の能力レベルや興味に合わせて調整する
・一緒に働く人を調整する(リレーショナル・クラフティング)
・仕事の意味付けを変える
神谷氏は例として「採用プロモーション業務をしている人がマーケティング要素を強化したり、採用のバリューチェーン全体に関わるようにしたりする」といった具体例を挙げています。
一方、新人や若手には「ジョブ・デザイン」が必要だと述べています。
・ジョブ・デザイン(上司と一緒に仕事を設計する)
・仕事の基本的な枠組みを見える化する
・プロセスのイメージを共有する
・学習環境(失敗できる環境)を設計する
ただし、神谷氏は「上司が一方的に設計して渡すのではなく、対話を通じて一緒に設計することが重要」と強調しています。
「上司はサーバントになる、サポーターになる、黒子になる。部下を主人公にするためにいい脇役、いいプロデューサーになっていくことが必要です」。
また対話の質についても言及し、「表面だけでなく、感情や価値観にまでアクセスする深い対話」の重要性を説いています。
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