先週ログミーBusinessで公開した記事のうち、上位5記事をランキング形式でお届けします。
特に人気を集めたのは、組織運営と人材マネジメントに関する記事です。「マネージャーはスーパーマンである必要はない」という考え方や、PDCAサイクルを効果的に回す方法、優秀でも価値観が合わない人材のリスク、関わるべき人材の選び方まで、実践的なアドバイスをお届けします。
5位:「PDCAに代わるマネジメント手法とは? 変化が激しい時代の理想的な組織開発」
オーセンティックワークス(株)代表取締役の中土井僚氏は、権限委譲だけでは人が動かないという問題に焦点を当て、PDCAに代わる「SOUND」メソッドを提案しました。
このメソッドの基本となるのは、人がタスクをどう認知するかによるエンパワーメントの考え方です。中土井氏は、エンパワーメントの4つの要素を挙げています。
・自己効力感:自分の手のうちにそのことが入っているか
・影響:全体目標に対してその手段は合理的で意味があるか
・自己決定感:自分で決めたか
・有意味感:自分の価値観にとって大事か
PDCAサイクルやOODAループに代わるものとして、中土井氏が提案するのは「SOUND」プロセスです。これは「Should(問題認識を棚卸し)→Will(どうしたいかを自問)→Could be(今後どうなるかを見極め)→Should(すべきことを決定)→Can(解決に向けて行動)」という流れです。
READYFORの米良はるか氏は、このアプローチに共感を示し、自社では「こういう社会にしたい」というビジョンからバックキャストする長期的な思考で組織運営していることを語りました。さらにIT批評家の尾原和啓氏は、READYFORのようなプラットフォーム上に集まる人々の働き方こそ、理想的な組織開発が行われている例だと評価しています。
「短期的に早くIPOすべき」という常識が変わってきたことも議論され、米良氏は「長期思考で、本当に社会にとって必要なものをちゃんと作る」という考え方がスタートアップのエコシステムでも受け入れられるようになってきたと指摘しました。
元記事はこちら 4位:「管理職を疲弊させる"マネージャーはスーパーマン"幻想 マネージャーが助け合える組織に必要な要素」
「管理職の罰ゲーム化」が進む中、複数人でマネジメントを分担する「マネジメントシェアリング」に注目が集まっています。研究チームは、日本企業での導入に向けた可能性と提言を行いました。
研究会で明らかになった管理職の現状には以下の問題点があります。
・年代によって管理職の役割や期待値が変化している
・「マネージャーはスーパーマン、何でもできるだろう」という前提が根強く存在する
・業務量が合計10に対して、メンバーマネジメントとPDCAマネジメントが7:7と過負荷状態
・経営視点まで考える余裕がない
これらの問題を解決するため、研究チームは日本型のマネジメントシェアリングとして「ヒトマネ」と「コトマネ」の役割分担を提案しています。これにより、マネージャー同士が得意分野を活かして補完関係を築き、経営視点を早期に獲得できるようになります。
しかし、この考え方には抵抗も見られます。あるヒアリング対象者は「マネージャーはできて当然。できないなら管理職を辞めればいい」という反応を示しました。チームはこれを「スーパーマン幻想」と名付けました。一方で、「マネージャーはスーパーマンであるべき」という期待と現場の実態の乖離を指摘する声もあります。
実際に複数のマネージャーで役割分担している成功事例も紹介されました。「ヒトマネ」「コトマネ」という役割の分担により、管理職の休職などの事態にも対応できる柔軟性を持つようになります。
研究チームは「マネージャー自身が完璧であらねばならぬという幻想から抜け出し、できないことや不得意なことを自己開示できる組織こそがパフォーマンスを高める」と結論づけました。
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