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転職した理由・しなかった理由(全5記事)

転職理由は“会社の掲げた目標への違和感” キャリアの本音をログミーBusiness読者に聞く

ログミーBusinessでは「転職した理由・しなかった理由」をテーマに読者アンケートを行いました。
その特集の続編として、アンケートの回答者に追加インタビューを実施。転職を決めた背景やキャリア観についてさらに深掘りました。 あわせて、転職が当たり前になりつつある現代において、マネジメント層はどのように組織運営やキャリア支援を行うべきかについてもお話をうかがっています。

今回は、複数回の転職を経験されているカメ氏のインタビューをお届けします。「刺激がないと人間は腐る」という信念を持つカメ氏は、好奇心を原動力に小さな失敗を経験値として積み重ね、マネジメント層も保守性から脱却すべきだと提言します。大切にしている価値観とキャリアの両立を実現してきたカメ氏の経験には、自分らしいキャリアを築くためのヒントがありました。
今回インタビューしたログミーBusiness読者
カメ氏 (マーケティング・製品開発業 40代)

採用後1ヶ月で配置転換された経験も

——アンケートでは複数回の転職を経験されたと回答していただきました。それぞれの転職に共通していた、譲れない軸や価値観はありましたか?

カメ氏(以下、カメ):「自分だからこそできることがありそう! と思えること」「おもしろそう、飽きなさそうな仕事」の2点でしょうか。

学生時代のバイトも含めて、マニュアルがあって誰でも同じように働ける仕事は、自分には物足りなさそうで避けてきました。

オーダーメイドジュエリー、トイレタリー・化粧品のプライベートブランドの企画開発、日用消費財領域のマーケティングサポートなど、振り返ってみたら、「まだ世の中にないものを自由に、理想的に作り上げたい欲」が満たされる仕事ばかりしています。

事務で採用された1ヶ月後に配置転換で担当したパターンもあったので、(自分が)選んだ仕事ばかりではないですが(笑)。

製品を作ることが目的化したと感じ転職を決意

——同様に、アンケートでは転職した理由として「やれる仕事はすべてやり切った」と挙げていただきました。そう感じた理由について教えてください。

カメ:ドラッグストア向けのプライベートブランド製品を年間100SKU(在庫管理における最小の管理単位)作ったりしているうちに、自分が「あったらいいのに」と思えるものはどんどんなくなっていきました。

どんな製品もエンドユーザーを幸せにしてこそ存在意義があるもの、「作ることが目的」ではありません。

ですが、組織的な目標が「⚫︎⚫︎品開発すること」だったので、「ここでやれることはもうない」と悟りました。組織に貢献したいのではなく、一般生活者に喜んでもらえる仕事をすることが信条でしたので、留まる意味がなくなったんです。

自由に働けていると実感できる理由

——転職によって、ご自身にどのような変化や成長がありましたか?

カメ:前職は仕事の内容こそマニュアルもなく、クリエイティビティを求められる業務でしたが、毎月同じようなサイクルで働いていて、ルーティーン化している部分もありました。

また、広告費はゼロ、棚に置いてセルフで購入してもらう製品のみと、販路も限定されていて、インターネット販売の禁止など多くの制約がありました。

一方、今はほとんど制約がない環境で働けています。なんなら、求人票に書かれていた仕事はほぼやらずに今に至っているくらいです(笑)。今は自分が可能性を感じる仕事に、好き勝手に打ち込めていると思います。

以前と一番大きく違うのは、「枠の中で自由に働く」のか、「枠ごと自由に組みながら働く」のか、という点ですね。後者の方が物事の最初から最後までを自分でデザインできるので、どんな結果になっても後悔が少ない。すべてが(自分の)血肉になっている気がします。

先輩たちがぜんぜん楽しそうに見えなかった

——アンケートでは「刺激がないと人間は腐る」と書いていただいていました。そのような考えに至った経験やきっかけがあれば教えてください。

カメ:物心ついた時からそういう考えだったので、何か特別な経験があった訳ではないと思います。ただ、自分はとにかく飽きっぽいので「つまらない」と感じてしまったら続けられないんですよね(笑)。

覚えているのは、業界の「常識」「無難」「慣習通り」を是として働いていた先輩たちがぜんぜん楽しそうに見えなかったことです。ある程度は必要なことかもしれませんが、「仕事のための仕事として、仕方なくやっている」みたいな感じでした。

自分は根っからのオタク気質なので、自分の好奇心の赴くまま、満足できるまで調べ尽くし、体験し尽くすことで物事の解像度を上げています。この「三現主義」が自分には欠かせない刺激なのだと思います。

宝箱の中身は開けてみないとわからない

——最後に、転職が当たり前になった時代のマネジメント層に向けたアドバイスとして「保守性やルーティーンが増えないように」ということを挙げていただきました。具体的に、どのような取り組みや工夫が有効だと思いますか? 

カメ:月並みですが、「小さく失敗すること=経験値」として、組織の糧にするのが良いように思います。

RPGゲームでも「宝箱を開けたら擬態したモンスターに襲われる」ようなことがよくありますよね。あれも、一度は開けてみないとそれがモンスターなのか、本当のお宝なのか分からない。

ビビって宝箱を開けずにレアアイテムを取り損ねるのも、一度痛い目にあった教訓から二度と開けないことをルーティン化するのも、将来的には損です。宝箱を開ける前に薬草を準備する、セーブしてから開ける、中身がなんだったのか記録を残す、みたいなことをしていけば、自分たちの組織にとっての攻略本が作れて、冒険するのも悪くないと思えるようになるのではないでしょうか。

自分の経験を振り返っても100パーセントの失敗なんてなくて。だいたいの場合が「6割は上手くいったけど、4割は期待外れだった」程度です。6割の新たな知見を手に入れられた時点で素直に喜んだらいいと思います(笑)。

——失敗を糧にする視点は管理職へのアドバイスだけではなく、個人のキャリアについても同じことが言えますね。カメさん、貴重なお話をありがとうございました!


カメ氏のケースでは、組織の目標に違和感を覚えたときに次の一歩を考え始めました。やる気のある人材にパフォーマンスを発揮してもらうためにも、マネジメント層が「管理のための管理」に陥らず、社員の挑戦を歓迎する文化を育むことが求めらているのではないでしょうか。

このほかにもログミーBusinessでは、マネジメントキャリア形成に役立つ記事を多数ご用意しています。転職する人もしない人も、納得できるキャリアを設計するためのヒントとして、ぜひご活用ください。

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