9月の人気記事ランキングでは、「部下を育てる」「マネジメントの在り方」「自律型人材の育成」といったテーマが数多く読まれています。変化の激しい時代において、“統制”と“自律”のバランスの取り方にどう向き合うべきなのでしょうか。本記事では、リーダーシップに悩むマネージャーから自己成長を目指す若手まで、現代のビジネスパーソンが直面する課題と解決策のヒントを、注目の10記事とともにお届けします。
10位:「“指示待ち社員”から「自分で考え、動く社員」に育てる方法 セルフリーダーシップの発揮に重要な3つのアプローチ」
株式会社ビジネスリサーチラボの伊達洋駆氏は、予測不可能な変化が続く環境で求められる「セルフリーダーシップ」について解説しています。セルフリーダーシップは以下の3つの次元から構成されています。
1. 行動中心戦略:自己目標設定、自己観察、自己報酬などを通じて行動を管理し目標達成を高める
2. 自然報酬戦略:仕事そのものの楽しさや意義を見出し、内発的モチベーションを高める
3. 建設的思考パターン戦略:成功の視覚化や肯定的な自己対話など、思考の質を改善する
伊達氏は「セルフリーダーシップはセルフマネジメントを包含する概念」と位置づけ、「単なる自己管理を超えた能動的な自己導きの技術である」と説明しています。また、「セルフリーダーシップは生まれながらに決まっているものではなく、トレーニングや経験による学習で高められる」と強調しています。
元記事はこちら
9位:「“仕事が遅い人”が会議でやりがちなNG行動 北の達人・木下勝寿氏が教える効率的な打ち合わせ術」
株式会社北の達人コーポレーション代表取締役社長の木下勝寿氏は、効率的な仕事の進め方として「ピッパの法則」を提唱。「ピッと思ったらパッとやる」または「いつやるかをすぐに決める」ことで、思考と行動の比率を1:1に近づけることが重要だと説きます。
木下氏は仕事が遅い人の問題点として「後でじっくり考えよう」という思考パターンを挙げています。
「打ち合わせされている内容を『じゃあ、みんなで手分けしてやりましょう』という時に、わかっていない顔をしながら『はい』って言っちゃう人。この人は後でじっくり考えようと思っているんですね。なので『たぶん無理だな』と思うんです」。
木下氏は効率的な仕事の進め方として以下を提案し、「わからないことを『わからない』って言う人を一番信用します」と語っています。
・iPhoneメモなどを活用し、脳の容量を「覚えること」ではなく「考えること」に集中させる
・打ち合わせの場で全て解決し、「後はやるだけ」の状態にする
・わからない点は「後で考える」のではなく、その場で質問する
元記事はこちら 8位:「管理職の役割は“部下に任せて価値を生む”こと 指示出し型マネジメントから脱して生産性を上げるヒント」
コミュニケーションプランナー/メディアコンサルタントの松浦シゲキ氏は、「管理職は罰ゲーム」という風潮に対して、マネジメントの本質を解説しています。
松浦氏によれば、マネジメントは「偉くなるため」ではなく「より大きな価値を創造するための手段」であり、「スキルの一つ」として位置づけるべきものです。
マネジメント経験から得られた最も価値ある気づきとして、松浦氏は「やらないことを決める判断力」を挙げています。
「メンバーに主体性を持たせつつ、事故なき運用を実現するために、制約条件だけを設定して選択肢の幅を適切にコントロールする技術を身につけました。これは現在、プロジェクト設計や意思決定の場面で大いに活かされています」。
これからマネジメントに挑戦する方へのアドバイス
・「偉くなった」という勘違いを捨てる
・細かな指示出しではなく、業務の方向性を示すことに徹する
・勇気を持ってメンバーに任せ、その責任はマネージャーが負うという覚悟を持つ
元記事はこちら 7位:「もっとも大変な管理職は“プレイング課長” それでもマネジメントを「罰ゲーム」と考えるべきでない理由」
年間200回以上もセミナーなどに登壇する研修講師の伊庭正康氏は、管理職が「罰ゲーム」と揶揄される風潮に対して、その真の価値を解説しています。
伊庭氏は、管理職の価値を金融投資と比較しながら語りました。
「例えば年収500万円のプレイヤーの方が管理職になって100万円アップして600万円になりました。年100万円を得ようと思ったら、金融投資ではいくら必要か? 概ね2,000万円の投資が必要です。スキルもキャリアの選択肢も広がって、一方で金融資産が数千万円に変わるような投資ができるぐらいのインパクトがある。こんなにおいしい選択はないのかなと思います」。
伊庭氏は、最も負担の大きい管理職は「プレイング課長」だと指摘しています。
「課長が一番しんどいです。プレイングマネージャーが多いからですね。部長より上、多くの会社は『プレイング部長』じゃないですよね。使う筋肉がまったく違うんですよ。もちろんプレッシャーはありますよ。でもたぶん部長さん以上で『忙しすぎて大変だ』と顔が青ざめている人は、そんなにいないと思います」。
伊庭氏は「風潮と目の前の上司だけで判断しない」ことを勧め、上司が窮地に陥っているのは役職のせいではなく能力の問題であり、能力は身につけることができると説きます。
元記事はこちら 6位:「「納得しないと動かない」困った部下の対処法 メンバーの主体性を引き出す伝え方」
研修講師の伊庭正康氏は、上司と部下の間の「常識のズレ」が、職場での問題行動の根本原因になっていると指摘。部下の困った行動パターンとしてランキング形式で紹介しています。
第5位:完全に受け身すぎる部下
・言われないとやらない、言われたことしかやらない
・工夫を求めると「指示をしてほしい」と言う
第4位:できないのに「1人」でやろうとする
・1人でがんばるものの、結局はできない
・先輩に聞けば早いのに、聞くのが恥ずかしいと言って聞かない
第3位:「納得をしないと動きません」という部下
・自分の考えにこだわりすぎる相手の真意をつかもうとしない
第2位:ストレスに弱すぎる部下
・失敗をすると必要以上にネガティブに落ち込む
・無理をしすぎて体が悲鳴を上げる
第1位:段取りが悪すぎる
・時間に遅れる、いつもギリギリ
・当たり前のように残業をしている
対策として伊庭氏は、行動変容ステージモデルを活用し、部下の状況(無関心→関心→準備→実行→維持)に応じた適切なアプローチを取ることを勧めています。「社会人基礎力」を使って「Good/Poor」の行動例を部下と一緒に考え、「何をすればよいか」を明確にするワークが効果的だと説明しています。
元記事はこちら