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坂口康司氏インタビュー(全2記事)

会社をクビになり独立…3年で月収4万円→100万円になれた方法 「手持ちのスキル」で食いっぱぐれない道を模索

【3行要約】
・独立・起業は自由な働き方を実現できる一方で、収入の不安定さや過重労働といった課題に直面する人が多くいます。
・発達障害を持つ坂口康司氏は27歳で独立後、時流を読んだ事業転換と特性を活かした戦略で、3年で月収100万円を達成しました。
・同氏は「発達障害には一人社長が向いている」と語り、悩みながらも前進し続けることの大切さを伝えています。

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会社をクビになり独立へ。手持ちのスキルで食いっぱぐれない道を選ぶ

——前回、発達障害の特性を持ちながら会社員として働かれる中での苦労や、工夫した点についてうかがいました。坂口さんは、27歳で完全に独立されたとうかがいましたが、どのような経緯がありましたか?

坂口康司氏(以下、坂口):これに関しては「独立しよう」というのじゃなくて、本当にクビみたいな感じだったんですよ。2社目の会社に(入社して2年目で)「辞めてくれませんか」と言われたんですが、その時僕は業務として写真撮影とか動画制作、Web制作をやっていたので、これを仕事にしようと思いました。

発達障害は「トリセツが6割できている」

——動画制作や撮影といったスキルがない場合は、どんな商材であれば独立できるでしょうか?

坂口:まずは、自分が好きなものですね。同じくらいの努力をしても、苦手なものは伸びないけど、得意なものなら伸びやすい。自分が好きなものという時点で、効率良くレベルアップする可能性があると思います。なのでまずは「自分が好きなものを商品やサービスにできないかな?」と考えるのがいいと思います。写真が好きだったら「カメラマンが向いているかもしれないな」と、副業というかたちでやってみる。

——坂口さんご自身がカメラマンとして独立しようと考えたのも、書籍の中で「ADHDやASDが向いている職業の中にカメラマンがあったから」と書かれていましたね。

坂口:はい。発達障害の人って、けっこう得しているなぁと思うことがあります。というのは、やっぱりみなさん、自分探しの旅をするくらい、自分についてわからないものなんですよね。

ただ発達障害の人って、「発達障害にはこういう特性があるよ」というのがまとめられていて、自分の取扱説明書の6割くらいはすでに出来上がっているわけです。そこで「発達障害 天職」とか「向いている職業」とかでネットを検索してみる。

「こういうのが向いていますよ」というのがたくさん出てくると思うので、「この中でも、これだったら自分に向いているかもしれないなぁ」と考えていくのもいいかもしれません。

月収4万円から100万円へ。3年で駆け抜けた独立後の道のり

——最初の事業を始めた27歳では月商4万円と書かれていますが、月収が上がっていったタイミングはどのあたりでしたか?

坂口:28歳くらいで、たぶん月に20万円いくかいかないかくらい。30歳くらいで20万円〜30万円を行ったり来たりって感じです。30歳を過ぎてから、月に100万円を稼げることも増えてきましたね。

危機感が原動力。時流を読んでビジネスを転換し続けた5年間

——28歳の頃からはレンタルスペースのカメラマンとして活動され、その後5年間くらいで、民泊撮影、民泊運営代行会社とどんどん事業を転換されていますね。それぞれの事業で成果が出ているのに、事業内容を変えていったのはなぜですか?

坂口:事業内容を変えていったのは、やっぱり時勢にあったビジネスをやる必要があったからです。レンタルスペース業界が下り坂になったタイミングで、上り調子になっていた民泊のビジネスに目をつけた。それで、民泊の撮影だけだときついなぁと思った時に、民泊の運営代行を初めて、またさらに業績を伸ばしていきました。

——ある程度成果が出ているからと、同じ事業で現状維持をしようとは考えなかったんですね。独立して3年で月収100万円を達成できた要因はこういったところにあるのでしょうか。

坂口:そうですね。自分は危機感が人一倍あるのかなと思います。やっぱり今の現状に満足していないのであれば、変わらないといけない。実際、当時は売上は上がるものの、移動費とかコストもかかるので、お金持ちになったという感覚があんまりなかったんですよ。まだ足りない、まだ足りない、もっともっとやらないといけないっていう思いもあった。

あとは(最初のレンタルスペースの撮影事業では)ビジネスモデル的に、撮影を依頼されたらやるので、今月何件依頼が来るかがわからないんですよ。なので常に動き続けないといけないっていう危機感はありましたね。

独立して3年で月収100万円を達成できたのも「今のままじゃだめだ」という危機感がめちゃくちゃ強いモチベーション、原動力になったと思います。

月28日労働の限界。「労働集約型」から抜け出すためのビジネスモデル転換

——独立してから3年ほどで月100万円くらいを稼げるようになったということですが、当時はどんな働き方をされていましたか?

坂口:本当に大変でしたね。売上はたくさんあるかもしれないですけど、やっぱり日々営業し続けないといけないので、きつかったです。というのも、1ヶ月に30日あるとしたら、28日は撮影しているんですよ。

ということは、すでに自分の上限いっぱいまで稼働してるから、もうこれ以上収入も増えないじゃないですか。「もうこの生活を2年後~3年後も続けるのは無理だな」と思ったんですよね。

撮影っていうのは本当に自分がその場にいないとできない。だから労働集約型(事業活動において、機械や設備よりも人間の労働力への依存度が高い産業のこと)じゃない、自分がそこにいなくても仕事が成り立つビジネスをやっていかないといけないなあと、めちゃくちゃ思っています。

——なるほど。33歳の頃にはもう営業しなくてもお客さんが増えてくる状態になったと書かれています。月収100万円をキープしつつ、ゆとりのある働き方ができるというのは本当に理想ですよね。

坂口:つまりビジネスモデルの転換が、大きなポイントなんです。例えば民泊であれば、来月どのくらいの予約があるかは、1ヶ月前にある程度わかります。労働集約型ではないので、常に営業し続けないといけない状態から脱却できる。それでだいぶ楽になりましたね。

なぜ発達障害には「一人社長」が向いているのか

——書籍の中では、「発達障害の方は一人社長が向いている」と書かれていました。どういった強みを活かすことができるのでしょうか?

坂口:はい。やはり発達障害の方って、コミュニケーションが苦手な方が多いのかなって思います。会社員だと社内政治とか社内のコミュニケーションとか、けっこう難しかったりすると思うので。1人でやったほうが、そういう自分が苦手なことは求められなくなると思います。

また、発達障害の方に多く見られる「過集中」という特性によって、自分がガッとそのモードに入ったら、とことん突き詰めてしまったりする。それは1人で事業をするうえで強みになりますよね。

あとはこだわりが強いところ。僕は写真やお客さんとのコミュニケーションに関してもすごく強いこだわりを持っています。なので撮影前のコミュニケーションだけで「すごくスムーズなやり取りだよね」とか「コミュニケーションからすごく誠実ってことが伝わりますよ」とか言ってもらえたりします。こだわりの強さは、独立してやっていくうえではやっぱり大事かなと思います。

「悩んでいるだけでも前進している」。もがき苦しんだ経験が今を創る

——ありがとうございます。坂口さんからお伝えしそびれたことや言っておきたいことはありますか?

坂口:この記事を読んでいる方の中にも、「今がんばりたいけど何も進んでいないんだよなぁ」とか、「ああいうふうにがんばりたいんだけど、なんでできないんだ!」「自分はぜんぜんだめだ」とか、つらい思いをしている方もいらっしゃると思います。

確かに前に進んでいないかもしれないけれど、進むための準備をめちゃくちゃしている状態だと思うので。「3年後には、思い悩んだ時期のおかげで今があるって思えるんだよ」ということを伝えたいですね。

僕自身も、「もっともっと上にいきたいけど、ぜんぜんだめじゃないか。自分はなんてだめな人間なんだ」とめちゃくちゃ思っていましたけど。そこでもがき苦しんだ経験が、やっぱり今、活きているんですよね。

——坂口さん、ありがとうございました。

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