【3行要約】・初対面の相手に好印象を残すには会う前のやりとりが重要だが、手土産のセンスも見逃せないポイントとなっています。
・長倉顕太氏はとくにファッションと金融の情報収集が今後の行動選択に役立つと指摘。
・良い上司との出会いが人生を変えるため、必要なら転職も視野に入れ、読書と移動を心がければ雑談のネタに困らなくなるでしょう。
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——初対面の相手に好印象を持ってもらい、心を開いてもらうためにはどうしたらいいですか?
長倉顕太氏:印象は会う前に決まると思っています。実際に会うまでの、やりとりが重要。即レス、お礼、文体を相手に合わせる。とにかく、会う前のやりとりで印象は大きく変わります。しかも、会う前は、誰でも好印象を残すことは可能です。正直、会ってしまえば「外見の印象がなんとなく嫌い」とかで判断されてしまいます。だから、会う前は大きなチャンスなのです。
もし、直接会うのが初めての場合は、まずは事前情報を集めます。検索して相手が出版していれば本を読んでいきますし、ネットで記事があれば読んでいくといいでしょう。今なら、SNSを徹底的に遡るのもありです。
また、私が力を入れているのものに手土産があります。手土産のセンスは本当に重要です。例えば、年配の方なら並ばなきゃ買えないような老舗の和菓子なんかを持っていきます。秘書がいる場合には秘書の分も買っていくことがあります。やはり、忙しい人であれば、秘書と仲良くできるかでアポイントを入れやすくなったりするからです。
会ってからは、とにかく印象を良くするように心がけますね。目上の人なら、「教えてください」という姿勢でいるようにしています。相手に話をさせるというのが、コミュニケーションでもポイントだと思っています。
情報収集は「ファッション」と「金融」がポイント
——商談などで、お客さんに信頼してもらうための話し方のコツはありますか?
情報は「情に報いる」と書くように、相手にとって有益な情報をふだんから提供するようにしています。そのために情報収集が重要だと思っています。ふだんのニュースはさらっと目を通すとして、私が重視しているのがファッションと金融です。
だから、私はファッション業界誌『WWD』やアメリカの経済紙『ウォール・ストリート・ジャーナル』の購読を勧めています。ファッションはトレンドを先取りしますし、経済は今起こっていることを数字で示してくれます。これから行く方向と現在地を知ることで、次の行動を選択する手掛かりになるからです。
仕事を肩代わりするのは「損」ではなく「チャンス」
——頼んだことをやらない、やる気が見られないような扱いづらい部下への対処法はありますか?
他人を動かすのは無理だと思っているので、自分が背中で見せるしかありません。「あの人があそこまでやっているから、やるしかない」って思わせるくらい。ただ、重要なのは、そういう人をそもそも採用しないということ。
とはいえ、あなたが代わりにやらなければいけないこともあるかもしれません。その時に「損した」と感じないほうがいい。むしろ、それはチャンスだからです。世の中というのは「見てる人は見ている」からです。黙って他人の分までやっていれば必ず報われる時がきます。
「良い上司」に出会えるまで転職するのも手
——職場で「合わないな」と思う人や、苦手なタイプとどう関わっていけばいいでしょうか?
仕事と感情は別と考える。今だったら、苦手なタイプを優秀じゃないAIくらいに思っていればいいでしょう。もちろん、仕事で関わるのは仕方ありませんが、それ以外は無視でいいです。ただ、これが上司の場合は、所属を変えるか転職を考えるべき。私は本にも書いているように、「誰と働くか」がもっとも重要だと考えるからです。その「誰」というのは、ずばり上司です。私自身、28歳の時に、良い上司に出会えたおかげで今があります。とくに、人手不足の現在においては、良い上司に出会うまで転職をしてもいいかもしれません。
雑談がうまくなるコツは「読書」と「移動」
——話下手な人でもできるような、雑談のコツはありますか?
私の著書の宣伝になってしまいますが、「読書」と「移動」をふだんから心がけるといいでしょう。この2つを心がけていれば、ネタには困りません。読んだ本、行った場所で共通することがあれば、そこから話は広がる可能性は高いです。拙著
『本を読む人はうまくいく』では、本を読む習慣を身につける方法や本の選び方にも触れています。
とくに「ちゃんと読まなくていい」ってメッセージは多くの人に受けているようです。また拙著
『移動する人はうまくいく』は、移動する意味、どういう移動を心がけるといいかを書きました。多くのインフルエンサーに紹介いただき、空港や駅の書店で1年以上にわたって売れています。