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【笹田裕嗣氏インタビュー】相手の「本音」を引き出すコツ(全1記事)

初対面で好印象を残すには「会う前」のやりとりが肝心 営業のプロが教える、相手の心をつかむテクニック

【3行要約】
・初対面の相手に好印象を持ってもらうことは重要だが、第一印象を覆すのは難しい――そこで注目したいのが「第零印象」という会う前の印象づくりです。
・営業のプロである笹田裕嗣氏が語るには、初対面での心理的ハードルを下げるには自分から心を開き、相手に質問してもらえる状態を作ることが効果的です。
・職場での円滑な人間関係構築には、指示の際に「なぜ」を伝えることや雑談では相手に話してもらう姿勢が大切です。

初対面では第一印象より前の「第零印象」がカギ

——初対面の相手に好印象を持ってもらい、心を開いてもらうにはどうしたらいいですか?

笹田裕嗣氏:まず大前提として、初対面の人に初めてのコミュニケーションで好印象を持ってもらって、自分のことを話してもらう、つまり心を開いてもらうというのは、そもそもかなり難しい。いわば“無理ゲー”と捉えておいたほうがいいと思います。

もちろん、できる人がいないわけではありませんが、それができる人は超コミュニケーション力が高い人。この記事を読んでくださっているような、コミュニケーションに課題や悩みを感じている方からすると、かなりハードルが高い話だと思います。

だからこそ、第一印象を良くする努力の前に、“第零印象”をいかにちゃんと作っておくかということにフォーカスを当てたほうが、できることの選択肢が広がると思います。

第一印象を覆すのは難しい、というのは心理学でも証明されている定説です。ただ、第一印象をコントロールしようと思っても、見た目、服装、声などあらゆる要素を通じてポジティブかネガティブかを判断されてしまいます。限られた数分の中でそれらすべてを整えて、相手に好印象を持ってもらい、それを持続させるのはかなり難しいことです。

特に、初対面の相手が何を考え、何を求めているかが分からない中で、自分の良さを一発で伝えて受け入れてもらうのは、現実的に難易度が高いです。だからこそ、会う前のコミュニケーション、たとえば丁寧さやまめさ、親切さなど、相手が「この人感じが良さそうだな」と思ってくれるような振る舞いを、事前のやり取りで仕込んでおくことが大事だと思います。

そして、心を開いてもらうために一番大事なのは、自分自身が先に心を開くこと。心を開くのは難しいことですが、まずは自分のことを開示して、伝えて、知ってもらうことから始めるべきです。

また、相手が心を開いてくれる状態というのは、こちら側に対して質問をしてくれる状態だと思っています。矛盾しているように聞こえるかもしれませんが、まずは相手にこちらに興味を持ってもらい、質問をしてもらう。そのやり取りを通じて返報性が働き、相手も心を開いてくれるようになる。この流れを意識してみてください。

商談で相手に信頼される話し方

—— 商談で信頼してもらうための話し方のコツはありますか?


話し方のコツはシンプルで、「嘘をつかない」ことに尽きます。ここで言う「嘘をつかない」というのは、話す内容だけでなく、態度と一致していることも含まれます。「自信あります」と言いながら声が小さく、もごもごしていると、相手は違和感を感じてしまいます。

「どうすれば信頼してもらえるか?」の前に、「違和感や猜疑心を与えないコミュニケーション」を心がけることがとても大切です。これは小さな積み重ねによって築かれていくものです。

また、話し方という観点でいえば、「ちゃんと受け取ってもらうこと」がポイントになります。つまり、聞かれたことにはしっかり答える。具体的には、結論をまず伝えて、その理由を説明し、必要に応じて背景やイメージしやすい補足を伝える。「なので、私はこう考えています」という構成です。いわゆるPREP法ですね。これを意識してもらえると良いと思います。

多くのマネージャーは「何を・いつまでに」だけしか伝えていない

—— 指示したことをやらない、やる気がないような扱いづらい部下に対しては、どうやってコミュニケーションをとればいいですか?

まず、「やらない」「やる気がない」「扱いづらい」といった捉え方自体が、その依頼を完遂するうえで邪魔になることがあります。

大前提として、ちゃんとやってほしいという観点でいえば、頼んだことが相手にちゃんと伝わっていて、受け入れられているかどうかを明確にする必要があります。

ただし、受け取る側が「めんどくさそうに受け取った」とか「いやいや受け取った」といった感情を気にしすぎると、こちらから何も頼めなくなってしまいます。仕事の関係性でいえば、「誰が・いつまでに・何を・どこまでやるか」という基本をまず押さえて伝えることが大事です。

そのうえで、やる気が見られない、扱いづらいと感じる場合には、「なぜそれが必要なのか」という背景や理由も伝えることが有効です。

多くの上司やマネジメント層は、「何を・いつまでに」だけしか伝えておらず、そこが抜けていることで、「報連相が足りない」といった事態に陥ってしまう。実際には、進捗のマイルストーンが曖昧なまま依頼されているケースが多く、それが「ハードルが高そう」「難しそう」「めんどくさそう」といった印象につながり、やる気の低下にもつながっているのです。この点を意識して依頼してみてください。

「職場の苦手な人」への対処法

——職場の「合わない人」「苦手な人」とどう関わっていけばいいですか?

まず、「その人と関わらなければいけないのか?」ということから考えるのも大事です。つまり、苦手な相手とも仲良くすべきなのか、あるいは一定の距離を保ちながら最低限のコミュニケーションだけで仕事を進めていけばいいのか、というところです。

また、「合わない」「苦手だ」と感じている時、その判断にはバイアスがかかっていることが多いです。たとえば、「会議の発言がいけすかない」といった一場面だけで、「あの人は無理」と思ってしまっていないか?ということです。

人は一部を見て全体を判断しがちです。第一印象の話とも通じますが、たった一場面の印象が全体評価につながっていることがあるのです。だからこそ、関わる場面を変えてみるのも一つの対処法になると思います。

相手が話しやすいように、「自分の考え」を先に伝えてあげる

——話し下手でもできる、雑談で心を開いてもらう方法はありますか?

これはシンプルで、「雑談の考え方を変えましょう」ということです。雑談というと、「こちらがおもしろい話をして、会話を盛り上げなければいけない」と思われがちですが、相手が何をおもしろいと感じるかはわかりません。だから難しいんです。

そうではなく、私が意識しているのは、「相手に相手のことを話してもらう」ことです。そのためには、自分自身の類似する事例や、自分の考えを先に伝えてあげる。そうすると、相手も「こんな感じで話せばいいんだな」とイメージしやすくなります。

このように、自分が話すよりも相手に話してもらうことを意識した雑談が、心を開いてもらうためには効果的だと思います。

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