お知らせ
お知らせ
CLOSE

大川陽介氏インタビュー(全2記事)

部下に「やりたいこと」を聞いただけで「WLLハラスメント」に… 1on1が「しんどい」部下の本音 [2/2]

「WILL」は変わっていくもの

大川:前提として、WILLって変わるんですよ。新しい経験の積み重ねで今の自分がいるわけで、「過去にこういうことがあったから、今はこうしたい」と思っているわけじゃないですか。新しい経験をしたら価値観って変わりますよね。

なので、ブレない軸をひたすら探すという行為自体ももったいない。ブレない軸探しをして、自己啓発本だけずっと読んでいくと、いわゆる意識高い系と言われるような罠にハマっていくんですね。

ーーインプットはするけど、行動に移せない人ということですね。

大川:そう、正解を見つけてからじゃないと動けなくなってしまうんです。転職しようかどうか、二の足を踏みまくっている人も多いですよね。情報量が増えていろんな人がいろんなことを言っているから、何が正しいかわからなくなってしまう。

だったらもう、自分の体で感じるしかないわけです。「もしかしたら、自分はこれをやりたいかもしれない」みたいなところからアクションを始めて、やってみたら、だんだん解像度が上がっていく。「なんで楽しかったのかな?」というのもわかるし、「特にこういうことをもっとやりたい」というのは、やってみて気づくじゃないですか。

森の中に入らないと、どんな木が生えていて、どんな小動物がいるかわからない。外からじゃわからないわけです。入ってみて「違うな」と思ったら、また外に出ればいい。

「本当は何をしたいのかな?」という往復をしながら前に進んでいく。特に不確実な世の中では正解がないわけですから、自分の正解を探すしかない時に、これをやらないと見つからないんです。

だからこそ、「動くための羅針盤WILL」と思ってもらえるといいし、「いつまでもこれはベータ版なんだ」というぐらいの前提で、まずいろんな方向にチャレンジしてみて、足場を少しずつ動かしていく。そういう考え方をしてほしいなといつも思っています。

WILLは「意思決定」をラクにする道具

ーーWILLを持つことによって、ビジネスパーソンにとって具体的にどんな良いことがあるのでしょうか?

大川:WILLのイメージは羅針盤、コンパスなんです。どっちに行きたいかを判断する道具ですね。これは世界三大発明の1つとして名を馳せたものですけど、何がすごかったかというと、「意思決定」を民主化させたということです。

大昔から、占いとか、神様に決めてもらうとか、王様に決めてもらうとか、意思決定はずっと全人類の課題でした。そこで羅針盤が発明され、「北があっちだ」ということを基準にして、45度方向に行くか、逆方向に行くかを自分で決められるようになった。

船長が自分で行きたい方向を決めていろんな方向に行くからこそ、新しい航路や大陸が発見されたわけです。なので、WILLという羅針盤を持つと、今言ったように意思決定がしやすくなるわけです。

例えば転職のオファーが来た時に、すごく良い話のような気がするんだけど、「それ、本当に自分がやりたかったことかな?」って考え始めると、めちゃくちゃ時間がかかる。その間に機会を逃してしまうかもしれません。

でも、「自分がやりたいことはこれだ」と決めていれば、何かオファーが来た時に、例えば「サポートする仕事に興味があります。もう少し聞かせてください」とすぐ反応できる。

一方でぜんぜん違うこと、「給料は3倍にしますから、プロジェクトマネジメントをやってください。」と言われても、給料3倍に引っ張られず、「良い話だけど、今の自分には合わないからお断りします」と判断できますよね。

「やりたいこと」は上司に先に言っておく

ーーなるほど。転職のミスマッチをなくすことにも役立つんですね。

大川:新しいことが来るたびに毎回モヤモヤしちゃうと、ぼうっとしている間にチャンスが流れていってしまう。逆に、「私はこれをしたいんだ」と発信しておくことで、逆にチャンスが来るようになるということですね。

これはふだんの仕事の中でも同じで、自分の部署や上司がいる環境の中でも、やりたいことを先に言っておく。「こういうことをやりたいんだ」と言っておけば、上司はそこに優先してアサインしますよね。だって、そっちのほうが絶対パフォーマンスが出るじゃないですか。

本人が「やりたい」と言っているし、まだできなくてもできるようになる可能性すらある。「今から積極的にAIの勉強をします」「おお、がんばれ」みたいな。そうすると、「エンゲージメント」ってよく言いますけど、働きたい人と働かせたい人の関係性が強くなる。全社員にこれができたら、組織のパフォーマンスは上がるわけです。

部下から先に「何をしたいのか」を言わない限り、上司が部下のことを察して、「これをやってほしい」とはできないわけです。だから上司は「お前は何をしたいんだ?」と聞く。でも、用意していないと答えられないから、冒頭のように「ハラスメント」と捉えられてしまうということですね。

続きを読むには会員登録
(無料)が必要です。

会員登録していただくと、すべての記事が制限なく閲覧でき、
スピーカーフォローや記事のブックマークなど、便利な機能がご利用いただけます。

無料会員登録

すでに会員の方はこちらからログイン

または

名刺アプリ「Eightをご利用中の方は
こちらを読み込むだけで、すぐに記事が読めます!

スマホで読み込んで
ログインまたは登録作業をスキップ

名刺アプリ「Eight」をご利用中の方は

デジタル名刺で
ログインまたは会員登録

ボタンをタップするだけで

すぐに記事が読めます!

関連タグ:

この記事のスピーカー

同じログの記事

この記事をブックマークすると、同じログの新着記事をマイページでお知らせします

コミュニティ情報

Brand Topics

Brand Topics

人気の記事

    新着イベント

      ログミーBusinessに
      記事掲載しませんか?

      イベント・インタビュー・対談 etc.

      “編集しない編集”で、
      スピーカーの「意図をそのまま」お届け!