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戸塚俊介氏インタビュー(全2記事)

辞めたいと言う社員にmoto氏がかけた意外な一言 部下の意識を変えた“市場価値”という納得感 [2/2]

キャリアアップに魔法はない

戸塚:そもそも目標に対して努力もしていない中で、「これはやりたくない」とか言うよりも、とりあえずやってみてから言いましょうっていう感じなんで。まずはその目の前のお仕事をがんばりましょうというのが、僕が一番伝えたいことですね。

——とりあえずやってみると、思ってもみなかった自分の得意分野がわかることってありますよね。

戸塚:そうそうそう。そういう経験が大事です。なんというか、テクニック論とか、魔法みたいなものはないと思っていて。

自分が得意なものが何なのかがわかれば、そこにフォーカスしていけばいいと思います。「とにかく成果を出すことにコミットメントしてみましょう」っていう感じですかね。

あとは、自分の仕事をちょっと引いた目で見てみる。自分のやっていることが売上にどう紐づいているのかを考えてみるだけでも、ぜんぜん景色は変わってくると思います。

——若手社員の目線ではなく、会社の視点。

戸塚:そうですね。会社として、今の自分に与えられている仕事ってどういうものなのかを知ることが第一歩です。

——よく経営視点を持てって言いますけど、若手社員の方だと意外と難しかったりするのかなと思います。例えば、どういった情報収集が必要でしょうか。

戸塚:すぐにできる方法としては、まずは部長とかに聞いたらいいんじゃないですかね。「自分の部署の売上って、今月はどれぐらいなんですか」とか。まずは自分に近いところから、数字をちゃんと把握するのがいいですね。

ジョブ型雇用で日本の転職観は変わるのか?

——海外では転職が当たり前で、日本でもジョブ型雇用が話題になっていますが、やはりまだまだ転職そのものがネガティブに捉えられてしまう風潮もあると思います。このトレンドは今後は変わっていくと思いますか。

戸塚:そんなに変わらないと思います。一定は存在し続けてしまうんでしょうね。

(一同笑)

やっぱり、転職自体がポジティブに捉えられないじゃないですか。会社で「今、転職活動しているんだ」って、おおっぴらに言えない時点でそうだと思うんですよ(笑)。

——いやあ、そうですね。そういう周りの目線を気にして、転職活動を躊躇してしまう方も多い印象です。

戸塚:「あ、あいつは抜けるんだ」みたいに思われてしまいますよね。やっぱりそれはどっちかっていうと、ネガティブに映るじゃないですか。ずっと昔から変わらないので、これからも変わらないと思いますね。

——転職って、年収が上がったり自分の成長につながるので、本来はポジティブなものになりえるのに、難しいですね。

戸塚:自分にとってはそうだと思いますけど、組織から見たら、今まで回っていたものが回らなくなる可能性があるんで、やだなっていう。それぞれの視点があるという話だと思います。

やっぱり大手企業とか、新卒からの生え抜き社員がたくさんいるようなところは、どうしても転職について話しにくい雰囲気が出てしまいます。でも、日本企業ではそういう雰囲気の組織のほうがマジョリティだと思うので、なかなか難しいですよね。

——人材がちゃんと流動したほうが、社会はうまく回るような気がしています。

戸塚:そうですよね、適材適所になっていくわけですし。

今の自分にはどんな選択肢があるのか

——最後に、キャリアを迷っている方にメッセージを贈るとしたら、どんな一言をかけますか。

戸塚:「悩んでいるんだったら転職活動してみましょう」ですね(笑)。もう、それに尽きます。

転職するかしないかで悩む人が多いんですよね。でも、そもそもあなたの今の状況で転職ができるのかっていう(笑)。「あなたにはどんな選択肢があるんだろう」ということを考える必要があるんです。

要は、選択肢を明確化することが重要です。悩んでいるんだったらまずは転職活動をしましょう。それで、いく先があるんだったら考えればいいし、ないんだったら今の環境でがんばる方法を考えようっていう感じですね。そうやって迷いをなくしていくことが大切です。

——なるほど。確かに小さくても行動を起こせば何かしらの結果がわかって、次にどうすればいいのかが明確になりますね。戸塚さん、本日はありがとうございました。

協力:HIRED株式会社

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