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年末年始に読みたいアンバダサー関連書籍(全3記事)

“マジメに働いているのに報われない”の正体を知る 仲山進也氏が年末年始におすすめする、組織で働くモヤモヤをひもとく一冊

年末年始は、日々の喧騒から離れ、自分自身と向き合うためのまとまった時間を作ることができる絶好の機会です。しかし、「何を読めばいいのか」と迷う方も多いのではないでしょうか。

本特集では、ログミーBusinessのアンバサダーのみなさまに、ご自身が執筆・翻訳・監修などで関わった書籍の中から、年末年始の読書にふさわしい一冊を推薦していただきました。

今回は、楽天グループの「楽天大学」学長として、長年多くの組織や個人の成長を支援してきた仲山進也氏です。組織の常識にモヤモヤを感じている方が、自分らしく成果を出すためのヒントを紹介していただきます。
仲山進也氏:仲山考材株式会社 代表取締役/楽天グループ株式会社 楽天大学学長。
・おすすめしてもらった書籍
『組織で自分らしく成果を上げる25のトレーニング ネコトレ』
(ワン・パブリッシング)

──年末年始に読みたい、ご自身が関わった書籍を一冊ご紹介ください。書名と、ご自身が関わった内容(執筆、翻訳など)を教えてください。

仲山進也氏(以下、仲山):ちょうど11月末に発売された新刊があります! 

『組織で自分らしく成果を上げる25のトレーニング ネコトレ』です。サブタイトルは『マジメなのに報われない「組織のイヌ」が自由な「組織のネコ」視点を学んだら』という、ストーリー形式の本になっています。

組織で働く人には2タイプいて、社命第一で組織に忠実なのが「組織のイヌ」、価値が第一で自分に忠実なのが「組織のネコ」です。

この本では、創業100年の会社に勤める「イヌタイプ」の主人公・ポチ川が、会社の指示通りにやっているのにうまく結果が出なくなってきていて、評価されていません。

それに対して、従来の常識と違う、遊んでいるみたいな動きをしている「ネコタイプ」の同僚や後輩たちがなぜか成果を出すのを見て、ポチ川は「こっちはマジメに働いてるのに、なんであいつらだけ評価されるんだ」とモヤモヤします。そんな時に友人から紹介された「ニャンザップ」へ行ってみると、出てきたニャカ山トレーナーから「ネコトレ(ネコ的思考・行動トレーニング)」を処方される、というストーリーです。

──今、この本を世に出そうと思ったきっかけは何ですか?

仲山:今って、「正解のない時代」になり、「昭和100年型組織」では「賞味期限切れのルール」や「過度な分業化による分断(組織の無能化)」が生産性を著しく低下させていたり、「仕事の価値や働く意義」がぼんやりして「世代間ギャップ」も激しくなったりしていますよね。

それを何とかするために、働き方についていろんなキーワードや施策が出てきています。ワークライフバランス、多様性(DEI)、副業解禁、1on1、越境学習(レンタル移籍・社内留学)、リスキリング、転職・出戻り(アルムナイ)採用、人材育成(メンタリング)、コミュニティ運営などなど。

でも、制度をつくっても、なんかあまりうまくいかずにギクシャクしちゃいがちです。その点、ぼくは「イヌとネコの視点や価値基準の違い」を切り口に考えてみると、得られるヒントが多いと思っているんです。そして、「イヌとネコの相互理解」が進むと、本質的でない対立が減って、いろんなことがスムーズになると考えています。

ではイヌとネコの相互理解のためにどうしたらよいか。そう思っていたところへ、GetNavi webさんから連載オファーをいただきました。そこで、「ネコのことが理解できないイヌ」を主人公にした物語を書きたいなと。連載は25話で3年かかったのですが、そこへ新たに「エピローグ」などの書き下ろしパートを追加して書籍化されたのが、今回の「ネコトレ本」です。

──執筆・制作過程で最も苦労した点や、裏話があれば教えてください。

仲山:制作の裏話としては、ストーリーを考える打ち合わせがとっても楽しかったです。編集者さんと構成をお手伝いしてくれるスタッフの方と3人で、テーマや展開のアイデア出しをしながら進めていきました。

ぼく「今回はワークライフバランスをテーマにしたいのですが、周囲ではどんなことが起こってますか?」

A氏「そうですね、ノー残業デーができたけど仕事があふれていて、定時退社したあとに近所のカフェでサービス残業してる話とかは聞きますね」

ぼく「ノー残業デーって、だいたい週1回ですけど、週3回だったら働き方を変えざるを得ない感じが出やすくなりそうな気が」

B氏「週3回って聞いたことないけど、確かに『今までのやり方だとムリ!』ってなりやすそうですね!」

みたいな。しかも、その打ち合わせに編集者さんの上司にあたる役員の方が、けっこうな頻度で参加してくれました。いつも、「この打ち合わせは、モヤモヤが言語化されることが多いから楽しいわ〜」と言ってくださるという。

もう一つ、この本のストーリーにおいて、ポチ川の趣味が「推し活」であることがカギになっていくのですが、「趣味:推し活」は構成スタッフさんが独自のアイデアで設定してくれたものなんです。ぼくは「推し活」についてあまり解像度が高くないのですが、「まぁいいか」と思って連載を進めていくうちに、「推し活」の存在がどんどん重要なものになっていったのが印象深いです。

──発売直後ですが、現在の反響はいかがですか?

仲山:大手企業に勤務していた方から「思い当たることが多すぎる」と言っていただいて、一緒にイベントをやることになったり、「ポップなデザインや随所に挟まる四コマ漫画、イヌ・ネコ診断というキャッチーな入り口からは想像できないほど、組織で働く人間の“業(ごう)”と“生存戦略”を鋭く突いた一冊」という書評をいただいたりしています。

あと、出版社さんと一緒に読書会イベントもやってみました。「推しキャラ」とか「好きなネコトレ」を挙げてもらったらかなり幅広くて、「人によって響いたところが違っていておもしろいね」という話になりました。

──この本を通じて、読者にどんな学びや気づきを得てほしいと考えていますか?

仲山:読んでいただいて、「ああ、自分はイヌで、あの人はネコだから話が合わなかったのか!」などと気づくだけで、モヤモヤが減るかと思います。そこからさらに、一緒に働く人たちと読み合わせをしてみてほしいです。きっと「あんなふうに言ってたのは、そういうふうに考えてたからだったのか〜!」みたいに相互理解が進んで、お互いすこやかに働きやすくなると思います!

あと、本の中では、すこやかなキャラクターを暖色、こじらせたキャラクターを寒色にしているので、色に注目しながら読んでもらうのも一興です。

──「ネコトレ本」と併せて読むことで、マネジメントや組織作りの学びを深められる、特におすすめの既刊書籍を一冊ご紹介いただけますか?

仲山:「ネコトレ19話」のテーマが人材育成で、「新人に答えを教え込むイヌ、お題を渡すだけのネコ」という話が出てきます。

多くの人は、教え方を教わらないままマネージャになって、熱心に教えすぎてうまくいかず、「ほかに方法はないか」と探してコーチング系の本などを見つけ、急に「キミはどう思う?」と“教えなさすぎ”になって、またうまくいかない、となりがちです。

この「教えすぎ問題と教えなさすぎ問題」を解消するヒントが「よいお題をつくって渡すこと」。この点を深掘りしたのが、『アオアシに学ぶ「答えを教えない」教え方──自律的に学ぶ個と組織を育む「お題設計アプローチ」とは』(小学館/2025年)です。



この本を読んでいただくと、「答えを教えないタイプの教え上手」であるニャンザップのニャカ山トレーナーが何をしていて、何をしないようにしているのか、かなりわかるようになるはずです!


——仲山さん、今回は貴重なお話をありがとうございました!



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