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松浦シゲキ氏に聞く情報整理と業務効率化のコツ(全2記事)

仕事のメモはすべてGoogle Keepに集約→Notionで清書 メディアのプロが実践する、抜け漏れを防ぐ情報整理術 [1/2]

【3行要約】
・デジタルツールで情報を効率的に管理したいと思いつつ、「どう整理すべきか」という悩みを抱えるビジネスパーソンは少なくありません。
・フリーランスのメディアプランナー松浦シゲキ氏は、Google KeepとNotionを活用した「思考コストを下げる」情報整理術を20年以上実践。
・松浦氏は「作業のステップ数を減らす」効率化と「体系立てた記憶」の重要性を強調し、AI時代こそ専門性を磨くべきだと提言します。

メディアのプロはどのように情報を整理しているのか

——松浦さんはフリーランスのメディアプランナーとして複数のプロジェクトに参加されている以上、毎日たくさんの情報を扱っていると思います。情報の整理で意識しているポイントがあれば教えていただきたいです。

松浦シゲキ氏(以下、松浦):自分は自分の記憶に頼らないようにしているので、昔からメモ書きを残すようにしていました。今は何かを思いついたり、目にしたりした一次情報のプールとして、とにかく全部をGoogle Keepに入れるようにしています。

——まずはGoogle Keepに入れて、業務で必要になったらそこから取り出していく流れでしょうか?

松浦:そうですね。情報の整理整頓としては、最低限は週1回、できれば毎日、Google Keepに乱雑に詰め込まれたポストイットのようなメモ書きを整理して、Notionに書き写していくのが私の今のやり方です。

Google Keepには走り書きのような適当な日本語で書いているのですが、それらをNotionに移す時に、ある程度ちゃんとした文章に清書します。清書すると、情報だけでなく自分の考えも整理されるんですよね。その時、Notionに移すまでもないなと思ったらそのまま捨ててしまいます。

取捨選択は後回しにして思考コストを下げる

——情報を残すか捨てるかの判断は重要なポイントだと思います。判断基準はどのように考えていますか?

松浦:それで言うと、よほどのことがないと捨てません。何かしらメモっておいて、とりあえずNotionに清書して入れておけば、後で検索して引っかかる可能性があるならそれでかまわないかなと。

どんなに乱雑でもいいからメモ書きを残しておくことで、情報を残す・残さないの判断をしないようにしているんですよ。自分の判断に自信がないわけではなくて、そこで判断して捨ててしまって、後で「あれ、どうだったっけな?」と思い出すコストのほうがよっぽどつらいんですよね。

——取捨選択を考える時間がタスクになってしまうと。

松浦:そうそう。脳の余計なタスクを増やさないように、とにかく気づいたらメモる。デジタルデータとして保存できる容量はほぼ無限なので、入れられるなら入れてしまって、情報が重複しているとか、事実が変わってしまった時に捨てている感じですね。ツールは変わっているかもしれませんが、“メモ書き・整理・記録”というやりかたは20年以上続けています。

メモの量で自分のキャパを測る

——20年の実践の中で、情報整理や業務効率化がうまく機能しているなと手応えを得た経験はありましたか?

松浦:自分自身は、よほどのことがない限り、重要なタスクの漏れはありません。(仕事のタスクに)「ここまでは明日までにやる」といったかたちでスケジュールも書くようにしているんです。Notionでタスク化しておいて、できないなら潔く捨てるという視点があるので、仕事でスタックすることはそんなにないですね。

1個1個のタスクの粒度はある程度、肌感覚で決まっているので、今日やるタスクの一覧が積み重なってきたりすると「これ以上やったらタスクがあふれるな」とか「暇になるな」というのがわかるんです。そこで今抱えているタスク量を判断するようにしています。それはビジネスでもプライベートでも同様ですね。ずっとメモ書きの量で自分のタスク量が把握できているので、結果的に時間の管理もできているんだと思います。

体系立てることで記憶が取り出しやすくなる

——情報の記憶や整理という点では、松浦さんは高校生の頃から現在まで競技クイズを趣味にされているとお聞きしました。クイズが強くなるために、ふだんから意識的に情報収集や情報整理を行っているのでしょうか?

松浦:広く言えば競技クイズですが、今は楽しむほうにウェイトを置いています。大学時代ぐらいまでは“勝つためのクイズ競技”みたいなこともやっていましたけど、今は強くなるために何かをやっているわけではないんです。

ただ、昔からクイズとは関係なく情報収集欲が強かったので、その延長線上でやっていると言えるかなと思います。中学や高校の時も新聞をよく読みましたし、図書館にこもっていろんな本を読んだり、図鑑を眺めたりしていました。

——クイズが強くなるために、学生時代に意識的にやっていたことはありますか?

松浦:言葉の辞典や、辞典系の本を読むようにしていました。ただ、広辞苑を最初から最後まで全部読めるかというと、なかなか難しいと思います。そういう意味では、言葉事典とか星座事典とか神話事典とか、特定のジャンルの事典は読むようにしていました。

というのも、歴史や化学式、方程式などを受験勉強のように何でもかんでも記憶するのは、あまり好きではなかったんです。どちらかというと、体系立てて知りたいという気持ちがあるんですよ。それができるかできないかで、理解度もけっこう違ってくるかなという感じです。

ストーリー化が“忘れない記憶”をつくる

——当時覚えたことが、後々の競技クイズの場や仕事でぱっと出てきたりした経験はありますか?

松浦:それはもちろんありますよ。体系立てて覚えていれば忘れないものだと思っています。記憶はなくなってしまいますが、頭の中にちゃんとストーリーとして記録されていればなくならない。ちゃんと順序立てて頭の中に入ってくるかどうかが大事なんですよね。

——体系立てて記憶することで定着するという点は、仕事でのインプット術にもつながりそうですね。

松浦:そういう意味では、大河ドラマや歴史もののゲームで日本史を覚えてしまうことってありますよね。それは歴史を(独立した情報としてではなく)一連の流れとして記憶されるからなんですよね。だから私は世界史が苦手なんです。ストーリーで追えていないので(笑)。

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