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「管理職は罰ゲーム」は本当か?(全5記事)

管理職の役割は“部下に任せて価値を生む”こと 指示出し型マネジメントから脱して生産性を上げるヒント

「管理職なんて罰ゲームだ」という声を耳にしたことはありませんか。責任ばかりが重くなり、やりがいのある仕事から遠ざかる立場だと捉えられてしまうことも少なくありません。 しかし実際には、マネジメントはチームの成長を後押しし、生産性を高めるための創造的な仕事です。昨今はマネジメントに対する誤解や先入観によって、その本質が見失われているのかもしれません。

今回は、コミュニケーションプランナー / メディアコンサルタントの松浦シゲキ氏にお話を伺いました。マネジメントをスキルの一つとして捉え、試行錯誤を重ねてきた経験から導き出された、実践的な学びとアドバイスをお届けします。
松浦シゲキ氏:デジタルメディアの専門家。ハフポスト日本版 創刊編集長、スマートニュース ディレクター、デジタルマーケティングカンパニーMOLTSを経て2023年に独立し、複数のデジタルメディアの支援を行う。

管理職は「偉い人」ではない

——「管理職は罰ゲーム」という風潮が生まれる背景には、どのような要因があると考えますか? また、この風潮をどう捉えていらっしゃいますか?

松浦シゲキ氏(以下、松浦):背景には、マネジメントに対する根本的な誤解があると考えています。多くの人が管理職を「偉い人」「指示出しをする人」として捉え、責任だけが増えて本来のやりがいあるプレイヤー的な業務から遠ざかってしまうと感じているのではないでしょうか。

また、組織側も適切なマネジメント教育を提供せず、「できる人を昇格させればうまくいく」という安易な発想で管理職を作ってしまっていることも要因の一つでしょう。

ただし、これは非常にもったいない風潮だと思います。マネジメントは本来、メンバーの成長を促し、組織の生産性を高める創造的な仕事です。問題はマネジメントそのものではなく、その本質が正しく理解されていないことにあります。

より大きな価値を創造するための手段

——ご自身のキャリア戦略において、マネジメント経験をどのように位置づけていますか?

松浦:マネジメントは「スキルの一つ」として位置づけています。技術スキルやコミュニケーションスキルと同様に、組織で価値を発揮するための重要な能力の一つだと考えています。

特に現代では、一人で完結する仕事よりも、チームで成果を出すことが求められる場面が多いため、マネジメントスキルの価値はますます高まっていると感じています。ただし、これは「偉くなるため」ではなく、「より大きな価値を創造するため」の手段として捉えています。

“やらないこと”が効率と創造性を生む

——マネジメント業務を通じて得られた、最も価値のあるスキルや気づきは何ですか? また、それは現在どのように活かされていますか?

松浦:最も価値があったのは「やらないことを決める」判断力です。メンバーに主体性を持たせつつ、事故なき運用を実現するために、制約条件だけを設定して選択肢の幅を適切にコントロールする技術を身につけました。

これは現在、プロジェクト設計や意思決定の場面で大いに活かされています。「何をするか」よりも「何をしないか」を明確にすることで、チーム全体の効率性と創造性の両立を図れるようになりました。

マネジメントの失敗から得た気づき

——管理職として直面した課題と、それをどのように乗り越えたか、具体的なエピソードを教えてください。

松浦:マネジメント職務についた初期の頃、「自分でやったほうが早い」という考えから、メンバーの業務を取り上げてしまい、チームのモチベーション低下を招いた経験があります。

この問題に気づいた時、マネジメントの本質は「業務の方向性を示すこと」であって「管理すること」ではないと再認識しました。その後は、ゴールだけを明確に示し、手段はメンバーに委ねるよう意識を変えました。結果として、メンバーの成長が促進され、チーム全体のパフォーマンスも向上しました。

勇気を持ってメンバーに任せることが重要

——これからマネジメントに挑戦する方、または現在悩んでいる管理職の方へのアドバイスをお願いします。

松浦:まず「偉くなった」という勘違いを捨ててください。マネジメントはあくまでスキルの一つです。

そして、細かな指示出しではなく、業務の方向性を示すことに徹してください。メンバーの判断の機会を奪わず、小さな多様性を残すことが、健全な組織運用につながります。勇気を持ってメンバーに任せ、その責任はマネージャーが負うという覚悟を持つことが重要です。

最後に、業務コミュニケーションはできる限りオープンにし、チーム内の信頼関係構築を意識してください。それがマネジメント成功の基盤となります。

管理職にまつわる誤解やマネジメントへの不安を乗り越えるには、特別な才能ではなく意識の切り替えと実践の積み重ねが欠かせません。
まずは「任せる勇気」や「方向性を示す姿勢」といった小さな実践から取り入れてみましょう。
その一歩が、あなた自身と組織の未来を大きく変えるはずです。

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