ログミーBusinessで2025年7月に公開した記事のうち、特に読まれた10記事をランキング形式でお届けします。今月は「職場の問題解決」に関する記事が多くの支持を集めました。組織の生産性を下げる有害社員への対応策や、ムダな仕事を削減する方法、マネジメント手法の変革など、ビジネス環境で直面する課題と解決策について幅広く取り上げています。その他、定例会議の活性化、ToDoリストの書き方、起業家の成功哲学など、すぐに実践できる具体的なヒントも満載です。
10位:「誰も見ない売上報告を3年間続けていた例も… 効率化の前に整理すべき"本当は必要ない業務"の判断ポイント」
「片付けパパ」こと大村信夫氏は、ドラッカーの「無駄なことを効率的にやるほど無駄なことはない」という言葉を引用し、業務効率化の前にそもそもその業務が必要かどうかを問うことの重要性を説きます。
大村氏は実際の例として、ある方が毎月10時間かけて行っていた売上データ集計作業が実は3年間も誰にも見られていなかったケースを紹介。上司の「いったんやめてみませんか?」という提案で作業を中止したところ、3ヶ月経っても何の問い合わせもなかったという事例を挙げました。
業務改善には「ECRSの4原則」が有効です。
・排除(Eliminate):業務をなくすことができないか?
・結合(Combine):業務を1つにまとめられないか?
・交換(Rearrange):業務の順序や場所などを入れ替えることで効率向上できないか?
・簡素(Simplify):業務をより単純にできないか?
大村氏は「この中で効果が最も大きいのは排除。日本人は器用なので手前の簡素化から始めがちですが、まず不要な業務を排除することから検討すべき」と強調しています。
元記事はこちら 9位:従業員を動かすために「危機感を煽る」 時代遅れのマネジメント 「ビジネスは戦争だ」軍事的な経営論から脱却すべき理由
『冒険する組織のつくりかた』著者の安斎勇樹氏は、「これまでのビジネスとか経営論の根底にある今一番の課題って何なんだろうなと考えた時、これまでの経営論とかマネジメント論があまりにも軍事的、戦争的な考え方に傾倒しすぎていたんじゃないか」と指摘します。
安斎氏によれば、現代のキャリア観は「会社中心」から「人生中心」へと大きく変化しています。
・従来:会社のために何をすべきか、会社に自分を合わせる
・現在:幸せな人生のためにどうありたいか、自己実現のための一要素として会社がある
こうした変化により、従来の組織変革手法が通用しなくなっています。例えば1980年頃の組織変革論では「ステップ1: 組織を変えたければ危機感を煽れ」が定石でしたが、今それをやると「明日、みんな辞めていく」結果になります。
安斎氏は80年続いた軍事的世界観に代わる「冒険的世界観」の必要性を提唱し、「この不確実な世界の中で好奇心を資源にしながら新しい価値を探究するような価値観」へのシフトを訴えています。
元記事はこちら 8位:形骸化しがちな「定例会議」がプロジェクト成功の鍵 「座っているだけ」から脱却、メンバーが自ら動き出すプロマネ術
長谷部可奈氏は、プロジェクト推進における定例会議の重要性と、それを活性化させる方法について解説します。形骸化しがちな定例会議ですが、これをうまく活用することがプロジェクト成功の鍵だと主張しています。
●定例会議を効果的に活用するためのポイント 1. 共通認識を作る:プロジェクトの状況を共有し、チームが捉える「プロジェクト」像をそろえる
2. 柔軟に対応する:刻々と変わる状況に合わせて、進め方や方針を見直し、チューニングする
3. リズムを生み出す:次回の定例会議をタスクや状況のチェックポイントにする
長谷部氏は「両利き」のプロジェクトマネジメントを提唱し、定例会議の中でも時間を使い分けることを推奨しています。
・「直線」のための時間:合理的・スピーディに進めることを重視する時間
・「曲線」のための時間:メンバーの感性、柔軟な変更を重視する時間
「対話を重視する関係性は、お互いに責任を果たせていなければ耳の痛いことでも伝え合うという厳しさを伴うものであり、楽しい雑談だけをするような関係性ではありません」と長谷部氏は強調します。
元記事はこちら 7位:明日のToDoリストは「トイレに行く」「歯を磨く」レベルで細かく書く 仕事の生産性が劇的に上がるノート術
黒田剛氏は、1日の行動をすべて書き出して消していくという効果的なToDoリストの書き方を紹介します。これは黒田氏が担当した本の著者から教わった方法で、「明日の自分の行動全部を書いて、翌日にそれを消していくのがいい」というものです。
●このノート術の特徴 ・朝起きてから「トイレに行く」「歯を磨く」など、細かいことも全部書く
・自分がコントロールできる行動だけを書く(「誰かから電話が来る」などは書かない)
・前日に書くことで、翌日の行動をシミュレーションできる
黒田氏はこの方法を実践した結果、「『まぁ、いいや』という先延ばしがなくなって、とんでもなく仕事の生産性が上がった」と語ります。
また、時間の有効活用についても言及し、「電車に乗ったら、まずメールの受信トレイやLINEの返信を全部チェックする」「新規PR10件やるまでは、電車に乗っている時にゲームをしたり漫画読んだりすることは、絶対しない」など具体的な工夫を紹介しています。
黒田氏は「みんなこれをやっていないので、自分だけ1日が2周目みたいな感じ」と表現し、日々の行動を細かく計画することで、目標達成率が高まると強調しています。
元記事はこちら 6位:今やマネージャーの9割はプレイングマネージャー マネージャーがマネジメントに専念できなくなった理由
株式会社ビジネスリサーチラボ 代表の伊達洋駆氏は、現代のマネジメントの変化について「プレイングマネージャーって日本だともう90パーセントを超えているという統計データもある」と指摘します。
これまでのマネジメントは「計画と実行の分離」によって機能していましたが、環境が複雑化し、何が正解かがわかりにくくなる中で、従来のマネジメント構造では対応しきれなくなっています。伊達氏によれば、現場のメンバーが顧客の反応や市場変化を感じ取っても、意思決定権限がないため「上に報告して、承認を取りにいく」というプロセスが発生し、対応が遅れる原因になっています。
NOKIOOの小田木朝子氏は「プレイングマネージャーという言葉が、どちらかというとネガティブに語られがち」という現状を指摘しつつ、「プレイングマネージャーはもはやスタンダードであって、むしろミドルマネージャーがパフォーマンスを発揮していくための"あるべきかたち"なのではないか」と新たな視点を提示しています。
伊達氏は「全員マネジメント」を提唱し、「プレイングマネージャーとマネージングプレイヤーの両方が存在して、うまく調和が取れている状態」を理想像として描いています。また、階層構造そのものを崩すのではなく、「階層がありながらも、横と縦がきちんとつながっている状態」を目指すべきだと述べています。
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