2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
クラウドがもたらす未来(全1記事)
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辻庸介氏(以下、辻):はい。それでは、私のほうから30分程「クラウドがもたらす未来」という題名でお話をさせていただければと思います。
本日、はじめの堀江さんの講演から始まって、クラウド業界のリーディングカンパニーの皆様方のセッションを僕もお聞きしながら、どういう方向に世の中がなっていくのかなというのを、僕自身すごく勉強させていただきました。なのでそのまとめというか、そういう形でお話しをさせていただければなと思っております。
1番はじめに簡単に、我々マネーフォワードの紹介をさせていただきます。
私自身、先ほどのセッションにありましたけれども、新卒のときにソニーに入りまして、その後マネックス証券で9年ほどやっておりました。2年ほどビジネススクールに行かせていただいて戻ってきて、金融とITが比較的得意な領域でして、その後マネーフォワードを起業したという経歴でございます。
今、まだ起業して3年ほどですけれども、いろんな各業界のセゾン様やソースネクスト様、業界の方々にご支援をいただきながらビジネスを展開しているところです。
主に2つのサービスをやっておりまして、これはもしお伺いできればと思うんですけれども、個人向けのマネーフォワードアプリを使っているよという方、よろしければ手を挙げていただいてもよろしいでしょうか? すごい、ありがとうございます。
そのうち有料課金、プレミアムユーザーだよという方いらっしゃいますか? ありがとうございます。
個人向けのサービスと、今日のテーマである中小企業向けであるとか、企業様向けのサービスをやっております。今、個人のほうが200万人ユーザーを突破しておりまして、個人のお金の見える化。お金が見えると未来が見えるということをキャッチフレーズにしてやらせていただいております。
MFシリーズですね。こちらは会計が今、会計・申告が20万のユーザーを突破してきておりまして、請求書のほうは5万ユーザーを突破しております。
こういう形で本当にその日本のバックオフィスであるとか、そういう業務がどのクラウド化に進んでいるというのを日々実感しておりまして。
堀江さんのセッションにいらっしゃった方は、堀江さんからまだまだだというふうに言っていただいたので、我々は機能としてはもっともっと改善していかないといけないんですけれども、クラウドですごい便利な世界になるというのは、少しずつ実現できるのかなと思っております。
この辺は、怪しい者ではございませんという程度なんですけれども、いろんな受賞もさせていただいておりまして、アメリカ大使館で去年ベスト起業家に選んでいただいたり、電通さんがやられているFinTech(フィンテック)の分野で大賞をいただいたりという形で評価をいただいている会社でございます。
本題のクラウド化する、BtoBサービスの世界ということで、この辺はご存知の方が多いかと思いますけれども、クラウドというのはもともとは雲のほうのCloudという内容でした。
もう1つ英語にすると発音違うんですけれども、日本語にすると一緒になるCrowd、群衆ですね。も同じように混在されて今、使われているのが現状かと思います。
クラウドの特徴というのはもうご存知の通り、今まで皆様から見ていただいて左ですね。ダウンロード型で、各PC、ローカルにしかデータがありませんでした。
これが完全にインターネット上、クラウド上でデータがやり取りできると。そこに格納され、ソフトウェアのアップデートとかもすべてインターネットさえつながっていれば、どんなデバイスでも、いつでもどこでも出してこられるというような世界にどんどんなっています。
なので大きいのがアップデートですよね。今までパッケージソフトですと、例えば1年に1回店頭に出していたものが、例えば我々ですと週に2回、機能がどんどんアップデートしていきますので、技術革新、サービス革新のスピードが全く違う世界になるというところが特徴でございます。
実際に起こっていることが、すべてのサービスがクラウドになっていくというふうに僕は思っていまして、こちらにありますメールであるとか文章、表計算、サーバー、データ保管といったような企業活動に非常に重要な部分が、GoogleさんのAppsであるとか、AWSさんのWebサービスとか、Dropboxさんであるとか、そういう形になっていくと。アメリカでは、金融機関もクラウドのデータサーバーを使っていると。
マネックス証券さんもこの前、Amazon Webサーバーを導入したというふうに発表が出ていましたけれども、まさにそういった形でどんどんクラウドに変わっていくという世界になってきております。
これは何がその背景にあるのかと申しますと、大きく3つかなと思っていまして、1つは、通信速度の飛躍的な改善。ご存知の通りインターネットのスピード。各国と比べても日本はかなりハイスピードな状況になっていまして、非常に恵まれた環境にあります。
サーバーの仮想化技術ですね。こちらがすごく進んでいて、昔とのコスト感でいうと10分の1とか20分の1ぐらいのコストでサーバーを使うことができています。最後はスマホ、タブレットなど、デバイスの進化。
これも皆さん実感されていて、多分スマートフォンに自分の時間を、どれぐらい使っているんだろうというと、結構恐ろしい時間スマートフォンを使われていると思うんですけども。このデバイスの圧倒的な進化というのが背景にございます。
特に、クラウドのサービスは3つに分類できまして、PaaS、SaaS、IaaSといわれるんですけれども。SaaSというのはSoftware as a Serviceということで、SaaSの分野ですと年率33パーセントで成長しています。
なかなか今、特に日本でこれぐらいのスピードで成長しているところというのは、まさに高齢化の分野であるとか、そういうマクロ経済的に大きく動いている分野だと思うんですけれども、こういう分野が、それがクラウドの世界では起きているという形になっております。
ただ、日本ではまだまだ普及していないところが現状です。堀江さんがおっしゃったセキュリティとか、なぜか導入しきれないというような組織の問題もあります。
日本だと今23パーセントぐらいですね。アメリカですと60パーセント近いユーザーが導入しているということで、これは今後、明らかに進んでいくので大きなビジネスチャンスかなというふうに考えられると思います。
ここは実際によく話に出るのが、冷蔵庫がインターネットにつながっていて、冷蔵庫の中に、例えば今野菜が足りないと。それを勝手に教えてくれて、それをeコマースに頼めて、着いたら全部揃っているというような世界。帰ったらお風呂が沸いているとかですね。
そういう世界はよく話に出るんですけども、実はその先って、もっともっといろいろあるんですが、その先はまだまだ皆さんの中で議論がわかれるところで。
IoTの可能性とかビジネスのところは、見えている人しか見えていないのかな、と思っていまして、1つここが大きな流れでしょう。
ちょっと話が変わるんですけれども、もう1つはロボットですよね。ロボットによる人工知能が30年後に人間の知能を超えるというふうに言われたりしていますけれども、人工知能の発達によってロボットがどんどん賢くなっていき、単純作業とかそういったものが全部ロボットに変わっていくと。
なので、ロボット産業というのは、日本の人口減とか高齢化というところに非常にマッチした産業になっていくかと思うんですけれども、IoTとロボットというのは間違いなく伸びていくでしょう。
というような外部環境があるかと思います。
当然そういう外部環境がありまして、何でクラウドサービスがいいんですか? ということですけれども、いくつか当然サービスによってメリットは違うんですが、例えば時間と場所を選ばないとか、リアルタイムに共有できます。低コストですと。こういったポイントがございまして。
例えば「クラウド×顧客管理」という軸ですと、今回出展いただいていますけど、セールスフォースさんというのは顧客とのリレーションを書いて会社の営業の効率を全く変えていくというようなサービスです。
別に来ていただくから言っているわけではなくて、我々も実際にセールスフォースさんを使わせていただいているんですけれども。
それまでエクセルでグチャグチャになってしまって、もうお客様がどういう状況にあって、誰がどういうふうにアプローチしていたかというのがわからなくなったんですけれども、セールスフォースさんを使うと飛躍的にそれが改善すると。
例えばその「クラウド×何か」という軸という軸で考えますと、「クラウド×働き方」があります。個人の働き方を変えると。今まで正社員という働き方から派遣社員という働き方になり、それがクラウドソーシング的な地方でも場所と時間を選ばないような、いつでもどこでも働けると。
働き方の自由さが増すと。なので当然お子さんがいらっしゃる主婦の方も、働ける時間が使えるということで今回Lancersさんに出ていただいておりますけれども、こういった形で変わってきています。
もう1つ、例えば「クラウド×サービス」という軸ですと、Airレジさんとかサービス業、飲食業とか理容とか、そういうものの形態がどんどん変わっていきます。iPadのレジを無料で使って、レジのデータを全部入ってきて、それが会計に流れたり。
そのデータは顧客にも、管理にもつながるので、それがマーケティングで例えば、あなたはここのこういう、例えばホットペッパーに出向したほうがいいよとかですね。そういうのを教えてくれると。ですから、これもどんどんクラウドで変わっていくと。
「クラウド×コミュニケーション」、先ほどの松本さんのセクションにもありましたけれども、コミュニケーション、本当に1番企業活動で大事なものの1つだと思うんですけれども。
その仕事におけるコミュニケーションというのは、ChatWorkさんとかV-CUBEさんで本当に簡単にスマートフォンで連絡ができたり、すぐにコミュニケーションがとれると。これChatWorkさん、僕らも使っていますけども圧倒的にコミュニケーションコストが下がるので、会社のPDCAサイクルがすごい速くなっています。
最後の「クラウド×印刷」。印刷業界の構造を変えるということでラクスルさん。今日僕はちょっと不勉強で、ラクスルさんの話を聞いていると、印刷業界だけではなくて、完全に全体のマーケティングを変えるというようなコンセプトでやられていることを知ったんですけれども。
こういう形で既存の業界の構造を、どんどん変えていくようなものがクラウドなのかなというふうに思います。
今回、いろんなBtoB領域でも優れたサービスに多数出ていただいております。こういった形で我々も「クラウド×バックオフィス」というところで、すごく物事を改善できる。圧倒的に人がやらなくても事業も全部自動化できるということができるかなと。
企業のバックオフィスを変革する「クラウドMFシリーズ」ということが言えるかなというふうに思います。
いきなり会計の話になってしまうんですけれども、2015年というのはクラウドの元年というふうに呼ばれていまして。今まで会計専用機があり、インストール型があって次はクラウドということで、クラウド型にどんどん移行しています。
この続きが、すべてのバックオフィスがクラウドになっていくので、会計だけではなく経費精算とか給与であるとか経営分析であるとか。ですから、皆さんが会社のエクセルでいろんな分析をしていたのも、ポンッとボタンを押すと必要なデータがさっと出てくるような世界がもうすぐ作れるというふうに思っています。
我々もバックオフィスという意味では先ほど申し上げた会計、請求書、給与はこの前出しまして、次は経費と消込という形で進んでいくんですけど。
結局、クラウドなので別に我々のサービスを使っていただかなくても、他にいいサービスがあればAPI連携とか、いいところだけ使えるというのがクラウドのいいところですので、いろんなサービスを組み合わせるというのがすごくいいポイントかなと思います。
もう1つ、「クラウド×政府の電子化推進」というのも大きな流れであると思うんですけれども。そのマイナンバーが非常にバズワードになっていますけれども。
マイナンバーの対応であるとかe-GovのAPIの連携。さらに電子帳簿の保存方法ということで、政府もどんどんコストを下げていくために、電子化を進めざるを得ない。
実際に我々国民としても、もっと行政のコストを下げるように働きかけたほうがいいと思うんですけど、いちいち僕も選挙に行く度に、「何で選挙、家でできないんだろう」とかすごく思うんですけども。
全体的な行政に関するコストって膨大ですので、この辺を進めていければなというふうに思っております。
ちょっと急遽、付け加えたんですけれども、堀江さんに当社のスマホがいけていないという話があったのでぜひスマホをもっと良くしていこうということで、やる予定でございます。
(映像開始)
(映像終了)
続いてインタビューのほうをご覧ください。
(映像開始)
男性1:ただ、もう時代の流れでこれがクラウドの形に置き換わるだろうというのは、私たちも薄々というか、かなり思っています。私ども自分でそんなことはできないと。
ただ、このMFクラウド会計さんを見たときに、これはいいなと思って。クラウドのいいところは、どんどん進化できるということですよね。バージョンでパッケージで進化するというよりかは日夜進化いただけると。
男性2:購入者数が800社ぐらいですかね。本当にお客様にすこぶる評判が良くて。本当にあらゆる業種に導入させていただいていますけど。医療から飲食、美容、介護、建設、不動産とか。どの業種においても非常に満足度が高いと思っています。
女性1:そうですね。私たちは、決済をほとんどネット銀行とクレジットカードで、経費も含めてやっているので、ほとんど手入力するものがなくて、とても便利です。
過去に、すでに似たような取引があったものというのは記憶してくれていて、この項目はこの仕訳だよねとサジェストしてくれるものの制度ですね。すごくいいんじゃないかなと思います。
男性3:1番使いやすさを重視しているなと。実際作業する人にとって、インターフェースがいいのかを1番考えているサービスなのかな、というのが最初の印象としてあったので。一般的に、端末を選ばないというかWindowsでもMacでも同じような環境で使えるというのもそうですし。
あともう1つ便利なのが、請求書を作って今まではPDFファイルにしてそれをメールで添付したり打ち出して郵送していたんですけど、それがサービス上でボタン1つでメールの送付もできるし、郵送のほうもお願いできるというのがすごい助かってます。
(映像終了)
辻:ちょっとこうすみません。我々の手前味噌なサービス紹介で恐縮なんですけども、使っていただいて、まだまだ我々の課題が多いサービスですけども、非常に使っていただいて好評いただいているのかなというふうに思っております。
こういう我々だけじゃなくて、いろんな本当にいいサービスが出てきているので、そういうサービスをぜひ知っていただこうということで、今回このようなイベントを開催させていただきました。
クラウドは先ほどのご紹介したサービスを見ておわかりのように、既存の構造を変革する大きな流れです。これは今までの、僕はもともとソニーにいてマネックスにいて、いろんな技術革新を見てきたんですけれども、その中でも僕はかなり大きな流れかなと思っていまして。
そのインフラですね。例えば道路であるとか水道であるとか電気、電車。ごめんなさい。そういうものがあったと思うんですけれども、クラウドもそのうちの完全に1つになるんじゃないかなというふうに思っています。
なので、クラウドが情報のインフラにどんどんなっていきますと。インフラの周りにはビジネスが必ずたくさん生まれます。道路の周りにはいろんな商店が建つように、クラウドの道路の中の場所をどうやって抑えるのか、早く抑えるのかというのが非常に重要なポイントかなと思います。
シェアリングエコノミーですね。皆さんご存じのとおりUberさんとかAirbnbさんとかですね。Uberさんだと今、5兆円ぐらいの時価総額があって、実は日本のパナソニックさんとかソニーさんよりも大きい時価総額になっています。Airbnbさんも1兆円ぐらい。
日本にどうやって適応してくるかって大きな課題なんですけれども。それだけ、今自分たちが所有していた文化から、クラウド上にあるから別にみんなで共有すればいいじゃないかというマインドが変わっていく。
簡単に言うと大型消費からソーシャルへという流れかと思うんですけども。そういった、シェアリングエコノミーがすごい伸びています。
もう1つは、これはハードウェアの回帰ということで、皆さんiPhoneとかに金額をいくら払っているかと考えると、結構な金額を払われていると思うんですけれども。そのハードウェア、インターネットの結局情報を持つ上のハードウェアが非常に重要になってきているということで、ハードウェアの会社が非常に儲かっていると。
これはまたコモディティ化してくるので、また揺れは当然発生するんですけども、以前よりまたハードに戻ってきているのは間違いないのかなというふうに思います。
インターネットってなんだか楽しいというのは、インタラクティブで自分がやったこと、一方通行ではなくて、自分がやったことに対して意見があるとか、何かやり取りがある。コミュニケーションでもやり取りがあったほうが楽しいと思うんですけども。そういう1つのポイントとオープンであると。
昔はいち企業で全部抱えようと。これ全部、例えばこの会社でやろうという、囲いこみ戦略があったかと思うんですけども、それはこれぐらい時代の流れが速いので、いち企業で全部やるのは無理だなと思っていまして、オープンにしてつながる価値が本質的な価値であるというところだと思います。
あとはいつでもどこでも、自分が見たい情報が今見れるとか、自分が話したい人と今すぐ連絡がとれるとか。そういうことの価値というのは、人間の本質的な欲求に満たしているなと思っていまして。
どんどん入ってきてこの周りにユーザーの方がいらっしゃると思うんですけども、今後さらに新しいエコシステムができてきて。
例えば金融というのはめちゃめちゃ相性がいいですね。インターネットと数字はもともと、数字ってものを移動するものがないので。
金融というのは、恐らく金融機関は今、FacebookとかGoogleとかApple Payとか出てきていますけれども、そういう会社との戦いになってくるでしょうし、エンタメ、音楽、映画の世界もどんどん変わってきていますし、サービス業のところも変わってきています。
さらにヘルスケアですね。これウォッチとか出てきていますけども、実は皆さんの健康状況が、今日はなんか体調がいいなとか、昨日は良くなかったなみたいのが、数字で今見れないと思うんですけども、簡単に数字で分析することができるようになると思います。
そうすると毎日比較的体調がいい状況を、どうやって作ったらいいのか? というのを作れるようになると思います。
あとは小売りですよね。これeコマースだけではなくて、実際にリアルな店舗でセブンイレブンさんとかのコンビニさんが、かなりネットとリアルに融合を進められておりますけれども。
こういった形で、新しいエコシステムがどんどん広がっていく。そして新しい産業が生まれていくという形になるので、インターネットとリアルの世界がどんどんクラウドというものによってくっついていく。
なので、皆様がやられているお仕事に関しても、どういうふうに変わっていくかというのはすごく先を打って考えていかれたほうが、ビジネスチャンスが多いんじゃないかなというふうに思います。
我々といたしましても、楽しい、新しいサービスを作って喜んでいただきたいと思っていますし、先ほど森川さんの話にもありましたけれども、新しい日本経済を活性化していくために、新しいビジネスを伸ばして雇用を生み、どんどんGDPを上げていかないといけないと思いますので。
ぜひ、ここにいらっしゃる皆様と一緒に、新しいエコシステムをどんどん作っていけるようなことをしていければな、というふうに思っております。ということで「クラウドがもたらす未来」ということで、簡単ですけれども私のお話とさせていただきます。本日はご清聴ありがとうございました。
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