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AIで描く次の時代の成長モデル ― ゲームチェンジの先にある未来(全3記事)

一生かかるような研究を、AIが1時間でやれる時代に 人とAIとの分業で進める、これからの成果の出し方 [2/2]

何でもできすぎると、何をやったらいいかわからなくなる

深津:そう。なので、これから先にそういう眼鏡あるいはイヤホン、ネックレスが出てきて、それに全データを入れるか・入れないかで、その人がAIからもらえるフィードバックの質や量が大きく変わる。そういったことが起きそうな気がしますね。

田中:なんか本当に、いい世界なのかどうかよくわからないですけど。長生きはできそうですね。

深津:長生きはできそうです。あとは結局、生き方を決めないと、なんかあれですね。何でもできるマルチプレイヤーゲームみたいなノリで、自分でゲームのゴールを決めないと、何でもできすぎて何をやったらいいかわからなくなりそうな気がしますね。

田中:オープンワールドゲームですね。

深津:そうですね。

田中:まぁでも人生ってそんなものなのかもしれないですけど。ちょっと解像度が上がりすぎる人生が本当にいいのかどうかはわからないですけど、そういう話ですよね。

深津:そうですね。

経済安全保障だけでなくテクノロジーの確保も重要

田中:ありがとうございます。(ここまではAIの)現在地ということだったんですけれども。あともう1つが、今の話の中で出てきたヘルスケアなどのパーソナルで重要なデータについて、結局それを「自分たちの国で、自分たちが守れる状態にしていなくていいのか?」という観点は一つありますよね。

さくらインターネットは、よく経済安全保障の銘柄として出されますけども。僕はことさらに経済安全保障ばかりを優先するよりは、やはりテクノロジーをしっかりと確保するのも重要だと思うんです。

ただその中で、そもそも国という単位が残るのかどうかもわからないですけども。テーマだと書かれていたので、ちょっとなぞらえて話をすると、「AI開発ができるか・できないか」って重要なんですかね?

深津:僕個人で言うなら「できるほうが望ましい」けど、世界の国連加盟国の多くは自力で作れない気がするので。究極、自力で作れない側がマジョリティと考えると、スーパートッププレイヤーの勝負やG7に入りたいかどうかとか。「そういうところの欲望次第なのかな?」という気はしますかね。

田中:要は、今のデータセンターへのこれからの投資でいうと、アメリカがもう何桁も多く投資をされていて。実は中国は輸入規制があるので、中国と日本って倍ぐらいしか差がないんですよね。でもそれ以外の国はかなり投資が少なくて。でも、ある意味、日本って中途半端じゃないですか。

深津:そうですね。僕はもっとアクセルを踏んでもいい立場だったので、踏んじゃってもいいんじゃないかなと思いますけどね。何だろう。どっちも選べる立場だったら、(アクセルを)踏むほうを選ぶほうが楽しいかなと思うっていう……。

日本のAI投資額はゼロが1個か2個少ない

田中:あぁ、なるほど。確かにそうですね。日本はアクセルを踏んでいるんですかね? 踏んでいないんですかね? どう思います?

深津:個人的には、資本の額のゼロが1個か2個少ないと思うので、もっと踏むか、もっと世界からお金を集めてもいいのかな? という気はしますね。

AIのゲームはやはり最終的には、資本のぶつけ合いゲームみたいになってくるので。やはり中長期で目指すんだったら、日本のお金をさくらインターネットさんに注入するというよりは、アジアのお金をさくらインターネットさんに注入するしかないので。

田中:まじですか(笑)。

深津:そのほうがかっこいいプレーみたいな感じで。

田中:ちなみに、一昨日ちょうどタイに行って、向こうのデジタル庁のCEOとMOU(基本合意書)を交わしたんですけども。おっしゃるように、実際に「開発できないかもしれないですけど、開発したい!」という人に対して、日本が取れる姿勢もあるのかもしれないですよね。

深津:これはわりと僕が無邪気に言っている話で。ODA(政府開発援助)とか、もっとAIでやればいいのにと思っています。ODAという国際支援事業みたいなものがあるんですけど、今はやはりビルやダム、鉄道を作ることが多いんです。

そこに日本がAIを作って提供するというかたちにすると、ODAなのに国内に資金が落ちるし。ODAで作ったものをコピペで無限に展開できるから、ODAの傘がめちゃくちゃ広くなるし。ODAをすることで国内の基礎開発と競争力が上がるみたいな感じですね。

田中:そうですよね。

深津:そういうことをしながら、なんかアジアAIネットワークみたいなものを作るのを見たいなとかは思ったりします。

AIを基礎から開発できる国はほとんど存在しない

田中:あとは情報処理技術者試験ってあるじゃないですか。あれ自体も、実は海外で受けても資格として日本と共通化できるようにしようという動きは、けっこう前から始まっていたりします。正直、建物を建てるとか、新幹線を作るということじゃなくなってますよね。

深津:コピペできないんですよね。

田中:そうですよね。

深津:IT側から見ると、価値はあるんだけれども、コピペが難しいからスケールしない。

田中:教育レベルも上がっているので、アジアの各国が日本より下ということはまったくなくて。そこはやはり日本の国力が下がっていると、今は認識しないといけないんだけれども。

やはりAIを本当にファウンデーションモデルからとか、実際にモデルの基礎の部分から作れる国は、ほとんど存在していないのも事実ですね。オープンソースをベースにやっているという例はあるんですけれども。そういう意味で、日本はAI開発ができる。経済安全保障というよりは、もう完全に海外でのビジネスを広げるためにも重要だというのは感じますよね。

AI自体で稼げる期間はそんなに長くない

深津:そうですね。このへんは逆に僕もまだちょっと見えていないので、田中さんにご意見をうかがいたいと思います。AIって究極的には、21世紀のエンジンとかモーターとか、蒸気機関のことですよね、たぶん。そういう意味でいうと、産業革命以降で蒸気機関やエンジンを最初に触って握ったところは超強いというのは、確かではあるんですけど。

100年経つと、蒸気機関やモーターそのものは単なるインフラになっている。そのモーターを使って、最終的な統合ソリューションを作っているのは自動車を作ることだし。自動車も自動運転化、クラウドネットワークのほうに価値が生まれるように、どんどん抽象化されていくので。

AIも最後はモーターみたいに、結局上に何を乗せるかという基盤の勝負になっていく気はするんですけれども。そういうところに到達するんですかね?

田中:たぶん、2030年から2035年とかにそうなると思いますよ。AI自体で稼げる期間はそんなに長くないと私は思っていて。

深津:そうですね。

田中:これはITとかインターネットとか、Webもそうだったじゃないですか。みなさんご存じですかね? 日本は2022年でITのピークを迎えて、どんどん下がっているんですよ。ITスタートアップと言われるネット系に関しても、2022年がピークじゃないですか。そこからスタートアップの調達額はどんどん減っているんですよね。

じゃあ、今スタートアップで調達しているのはどこかというと、ディープテックと言われるような研究開発を基にしたもの。あとはAIもAIコンサルも資金調達はできているけれども、本質的にはやはりAIを作っている人たちにお金が集中しています。それはアメリカもそうなんですよね。

深津:そうですね。

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