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ドラえもん好きな AI研究者たちによる未来トーク(大澤先生×牛久先生)〜22世紀につながる研究とは?〜(全6記事)

「ChatGPTに依存していい?」 答えは「大変けっこう」 ただし“程度問題”

【3行要約】
・AIへの依存は自己対話の新ツールとして有効である一方、人とAIの関係性をどう捉えるかで見え方が大きく変わります。
・専門家たちは、AIを「ドラえもん」のように捉える人と「道具」として見る人の認識の差が広がっており、両者の役割分担が必要だと説明します。
・これからのAI開発には「自発性」という要素が重要であり、みんなで一緒にAIロボットの使い方を考え、理想的な「ドラえもん」を作り上げていくことが求められています。

前回の記事はこちら

「ChatGPTに心理的に依存する人」への見立て

司会者:ありがとうございます。ちょっといろいろと質問が来ているところもありつつ、まあまあ時間も迫ってきています。今一応あと質問が2つ来ています。お二人にはちょっと緩い感じで、お二人がもしピックして話したい質問があればピックしてください。

牛久祥孝氏(以下、牛久):じゃあ、私が最初の質問を拾って、大澤先生が後半の質問を拾う、みたいな感じにしましょうか?

大澤正彦氏(以下、大澤):はい。

司会者:そうですね。たぶん現地の方の質問が(オンラインの方には)見えていないので、一応1つ目の質問を僕が読み上げさせていただきます。1つ目の質問が「ChatGPTに心理的に依存する人はかなりいるようですが、どう思いますか?」ですね。

牛久:私の答えは「大変けっこうだと思います」でございます。僕自身も、何とは言いませんが、「ぐぬぬ、こいつ……」とか「この野郎!」みたいなシチュエーションになった時に、壁打ち相手としてChatGPTにいろいろと話しかけて、そこでカウンセリングをセルフでやったことがありました。けっこう効果があるなと思っています。

なので「大変けっこうだと思います」っていうことなんです(笑)。結局、「自分自身でどう振り返るか?」というので、いろいろ紙に書いてみるとか、いろいろ自分で考えてみる。そのための1つの新しいツールとして、GPTみたいな言語モデルでさらに深掘りしてもらったりリアクションの案を考えてもらったりできるという、より便利なツールが出てきたぞという話だと思っています。

それはそれでいい話なんじゃないのかなと思います。ただ、それで「何らかの(心理的な)依存がいいか?」と言われたら、それは程度問題です。「ずっとそこで1人でぶつくさ考えるようになっちゃう人になりました」とか「ずっと紙に書いていて部屋から出てきません」となったらまずいのと同じかなと思います。

「のび太対ドラえもん」と「人間対LLM」はつながるのか

司会者:ありがとうございます。2つ目の質問なんですけど、たぶんこれが最後の質問になります。一応質問としては「『のび太対ドラえもん』と『今の人間対今のLLM』で、だいぶインタラクションが違うと思うのですが、ここはつながるのでしょうか? あるいは、つなげる必要があるのでしょうか?」というところです。

ちょっとそこの回答とともに、「のび太対ドラえもん」みたいな(ことを考えていく)時に、「自分が未来でこういうふうにつなげていく」とか「こういうことをする」みたいな、未来への宣言とともにここのアンサーをお二人それぞれからいただけたらなと思います。ある種半分ホラーに近くてもいいんですけど。すみません、最後にちょっとむちゃ振りっぽくなっちゃいますけど、お願いします。

「設計スタンス」と「意図スタンス」で見える距離が変わる

大澤:「のび太対ドラえもん」と「人間対今のLLM」が違うと思っている人は、今のLLMを設計スタンスで捉えている人なんです。設計スタンスで捉えている人から意図スタンスで捉えている人の感覚って到底想像できないと思うんですよ。

到底想像できないけれども、確実に今(意図スタンスで捉えている)人が割合としてはけっこう増えています。そういう人たちは「のび太対ドラえもん」のインタラクションと近いと感じているケースがけっこう出ています。

だから、それは技術として遠いか近いかというよりは、認識としてすごく遠くにいる人と近くにいる人がいるという状況だと思います。それを踏まえた上で、みんながLLMをドラえもんみたいに思うような未来が理想と思っているかというと、別に必ずしもそうではない。『ドラえもん』の世界にも「ひみつ道具」があるように、やはり道具として便利な存在というのもしっかりあります。

AIの役割を分けてデザインする

大澤:だから今後は、ひみつ道具としてのAIと、ドラえもん本人としてのAIがうまく役割分担できるといいのかなと思っています。今LLMをドラえもんとひみつ道具の両方だと思っている人って、あまりいません。それは自分の頭の中のAIに対するイメージが1つになっているからです。

それをうまく分けてあげて、心を委ねられるというか、「心を軽くするための仲間として」という存在と「ひみつ道具として」という存在の両方が持てるようにうまくインタラクションデザインをしてあげる。というところが、多くの人のいろんな困り事(を解決する)とかメリットを作っていくために重要なんじゃないかなと思います。

 「自発性」が次のインタラクションをつくる

牛久:私もまずは大澤先生と同じようなことを思ったわけなんです。「LLMを何の目的で使うのか?」「何の目的でドラえもんとやり取りをするのか?」が大きいなと思います。その中で、ちょっと違う角度から未来への抱負を語るとすると、1つ、まだ今のLLMにないところは「自発性」だと思っています。

どういうことを言っているかというと、例えば自分からこういうふうな別のモダリティで様子をうかがう、顔色をうかがうとか、こちらからどんどん問いかけるとかです。

今のLLMだと、何か言われたら返すことはできるんです。けれども、向こうからテキスト以外のコミュニケーションを試みてきたりとか、「ちょっと大丈夫?」と言ってボディタッチして大丈夫かどうかの判断も含めてやったりするなんていうことは、到底今はやっていないわけです。またさらに、能動的に実世界の中で働きかけるとか、自分自身からテキストで問いかけてくるみたいなところはありません。

そういうふうな、マルチモーダルに自発的に振る舞う部分というのが欠けている要素だなとは思います。

ここは、どういう用途で使うかに尽きるんですけども、ただ、インタラクションという観点では、今後のAIロボットなどには必要になる部分かなとは思っています。それはいろんなところで必要になりそうだから、個人的にも興味のある部分ではあります。

AIロボットをどう使うかみんなで考えていこう

司会者:ありがとうございます。そうしたら、一応ここまでをパネルセッションとしたいと思います。いい締めで終われたらなと思っているので、やはりちょっとお二人から一言ずつポジティブなメッセージも聞いて終われたらなと(思います)。何に対してでもいいです。未来に対してでも、AIの研究に対してでも、ドラえもんに対してでもいいんですけど、最後、一言ずついただいて締められたらなと思うんですが、いかがでしょうか?

牛久:先生が締めますか? 不詳、私めが先に……。

大澤:どちらでもいいですよ。

牛久:じゃんけんぽい。じゃあ、勝ったので私からですね。もうAIロボットをどう使うかをぜひみなさんでどんどん考えていきましょうということに尽きます。

最後のご質問にも関連すると思います。そこがどれぐらい、いろいろおもしろく楽しくハッピーになれる使い方を見つけられるかというのが、もう全員にとって重要な課題だと思っているんですね。なので、それを一緒に考えていきましょうということで締めのあいさつとさせていただきます。ありがとうございました。

司会者:ありがとうございます。

「ぜひ、一緒にドラえもんをつくりましょう!」

大澤:僕からは一言で。ぜひ、一緒にドラえもんをつくりましょう! これです。すてきな会に(参加させてもらいまして)ありがとうございました。

司会者:ありがとうございました。ポジティブなメッセージやリアクションもありがとうございます。ということで、パネルセッションはこちらまでとさせていただきます。本当にお忙しい中、日程を調整していただいてお二人に来ていただいたというところで、ちょっと拍手で。オンラインの方もぜひ拍手でリアクションをというところで、現場も拍手で締められたらと思います。本当にどうもありがとうございました。

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