Recustomer株式会社 取締役CTO 眞鍋秀悟氏ピッチ(全1記事)
「午前2時、失敗率50%の祈りのデプロイ」から1年で25倍の「1日5回」へ プロダクト志向な会社へと変化させた、CTOの働きかけ [2/2]
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笑いありの堂々としたスピーチ
司会者:眞鍋さま、ありがとうございました。笑いもあって堂々としたスピーチでしたが、いかがだったでしょうか。
眞鍋:笑いが2ヶ所取れてよかったなと(笑)。
司会者:すばらしいですよ。
眞鍋:ちょっと最後に煽ったところはあったんですけど。「コンピューター」って言った時、「あれ? しーんとしちゃった、どうしよう」って(笑)。
司会者:あの返しがすばらしかった。代表取締役のラップはどうだったんですか?
眞鍋:「僕もラップ決めてくるわ」と言って(このピッチをしに)きたんですけど、なかなかいい感じにできて僕も安心しました。
(会場笑)
司会者:良かったです。心なしかパフォーマンスもラップっぽくて、そこで通ずるものがあったのかなと思いましたけど。
眞鍋:いやいや、僕はぜんぜんそういうキャラではないんですけども……。
司会者:(笑)。
眞鍋:もしかしたらこの会社に入社して、そのフィロソフィーが生まれちゃったのかなって思いましたね。
司会者:すばらしいです。
CTOとして一番難しかった判断
司会者:それではこれより質疑応答のお時間とさせていただきます。質問のある審査員の方は、挙手をお願いいたします。では濵さま、よろしくお願いします。
濵真一氏(以下、濱):ありがとうございました。しっかり準備されたんだろうなっていうことが非常に伝わって好感でした。ありがとうございます。
開発生産性を上げた話とか、すごく良かったなと思ったんですけども。こういったチャレンジにあたって、組織として達成した結果はすごくわかったんですが、CTOとして一番チャレンジだったというか、「ここは難しい判断だったな」という話があれば教えてほしいなと思います。
眞鍋:最初にインフラ未経験の状態で決断を行ったということは、かなり経営リスクとしてはあったかなと思っています。自分としても別にAWSには詳しくなくて、入社する3ヶ月前からAWSの資格の勉強を始めたレベルだったんですね。そこからここまで変化を及ぼすことができたということ。
あとは、ドメインを最初に理解しないと、こういう大きい改革は起こせないところだったんですね。なぜ3ヶ月だったかというと、実は大きいお客さんの納期がそこに決まっていたんですよ。なので、そこを越えるともう大きい変化は起こせなかったんです。
会社の将来を考えて、2時まで働いているこの人たちみんなに「これをここまでになんとしてもやり遂げるぞ」ということを信用させられる人間であり、(実際に)やり遂げる。これがやはり一番大きい決断だったかなとは思っています。
濱:ありがとうございます。
司会者:ありがとうございます。
開発の考え方をどのように変化させていったのか
司会者:続きまして山崎さま、お願いします。
山﨑賢氏(以下、山﨑):はい。私も小売なので、ECは大事ですよね。
眞鍋:ありがとうございます。
山﨑:最近俺はYouTubeを見すぎていて、(自分が)『REAL VALUE』のホリエモンの立ち位置に感じてきたんですけど、すげぇ買収したいなと思っちゃって(笑)。
(会場笑)
良いビジネスをやられているなと思いました。いろいろ活躍されているのは今説明いただいたとおりなんですけど、デプロイ回数が1週間に1回だったのが、最終的にはどうでしたっけ。
眞鍋:1日5回です。
山﨑:数でいくとだいぶ増やしているなと思うんですけど、開発の考え方自体も変えていかないと、たぶんそこにはいかないと思うんですよね。例えばスプリント計画とか、Git-flowの考え方とか。そういったところを細かく刻んで出すカルチャーに変えていく時に、CTOとして開発のやり方みたいなものをどのように変えたかを教えてください。
眞鍋:本当にしゃべりたかったことを聞いてくださって、すごくありがたいです。もともとはすごくウォーターフォールな会社で、大きいものを出すようなかたちでした。なぜそうなっているかというと、やはり不安定さもあって、あまりデプロイをしたくない。
でも頻繁にデプロイすることで差分が小さくなるので切り戻しも簡単にできるし、「とても良いことじゃない?」という文化を自分からどんどん作っていき、それによって(1日5回のデプロイを)やれるようになりました。
開発生産性メトリクスというのはメトリクスの1つでしかなくて、何が一番大事かというと、1週間に1回、大きいデプロイを必ず行っても営業が困らない状況にすること。
そして1ヶ月に1回以上、売り方を変えるような大きいものをきちんと出せないと、開発生産性メトリクスが高くても良い会社ではありません。私は全社に向けて、そういうことを何回もずっと言っていたんですね。
なのですごくプロダクト志向な会社になって、それによって「この1週間で絶対やりきるぞ」という文化になって、気がついたらこのようなかたちで回数が増えていた。そんなストーリーになっています。
山﨑:ありがとうございます、すばらしいと思います。
眞鍋:ありがとうございます。
Web系は「仲間」の意識が大事
司会者:では藤本さん、お願いします。
藤本真樹氏(以下、藤本):お話ありがとうございます、藤本と申します。僕のしょうもない感想としては、週1から1日2回で10倍になったっていうのはホワイトだなと思って。週末はやっていなくてホワイトと思ったけど、午前2時って聞いて「大変そうだな」というしょうもない感想を抱きつつ。
眞鍋:(笑)。
藤本:真面目なご質問としては、すげぇいろいろあるんですけど……。とりあえずおもしろいところだと、エンジニアリングと事業のメタファーで「これからエンジアリングチームを核としてやっていくぜ」みたいなところがあったと思うんですけど、眞鍋さんの中でそれがなぜうまくいく、強みになると考えていらっしゃるかおうかがいしたいのが1点。
あとまさに先ほどの話で、デプロイ頻度、あるいは開発生産性、あるいはプロダクティビティが良くなったのと、どうせなので「それでこのぐらい儲かったぜ」っていうのがあると、プレゼンとしてはさらに良かったなと思います。
なので、そのあたりの事業とのリンク具合とかがもしあったら、教えていただけるとうれしいです。
眞鍋:ごめんなさい、1個目は何でしたっけ。
藤本:エンジニアリングチームを核として、あるいはエンジニアリングを事業のメタファーとしてこれからやっていくというのが最後にあって。おもしろいなっていうことはあると思うんですけども、なぜそれが良いと思っているのか。ご自身のビューをあえておうかがいしたいなと思いました。
眞鍋:ありがとうございます。うちの会社はWeb系なんですね。私はWeb系(の会社)は、1人の力じゃなくて、仲間がすごく大事だと思っているんですよ。
フロントエンドだけ、バックエンドだけ。そういうものじゃなくて、みんながつながってようやくできていると思うんですね。この仲間で、組織が同じ感情を持ってやっていくことがすごく大事だと思っているんです。
事業もマネジメントもコンピューター化する
眞鍋:なので、私たちは「コンピューターだ」という見方をすることによって、エンジニアからしても「この事業にこんなおもしろいかたちで貢献できるんだ」と思えることになる。単なるコーディングをするだけじゃなくて、「私は事業というコンピューターを作っているんだ」と、そんな気持ちにもなります。
実は僕はマネジメントもコンピューター化をしていて、これをヘテロジニアス・コンピューターに例えていたりするんです。マネジメントの難しさ自体も、コンピューターだと思うことによってみんなが理解する。
「マネージャーってもっと働いたほうがいいんじゃないの?」と長年けっこう言われることがあったんですけども、「コンピューターに例えると確かにそうですね、大変な職ですね」というようなかたちで相互理解が生まれる。もっと団結した組織になっていったんですよね。
そういったかたちで、「私たちコンピューターを愛する者が、事業というものを変えていっているんだ。そしてECというすごく身近なものを変えていっているんだ」(と思える)というところが、僕はとても効果的なことだと思っています。
利益はすごく伸びている
眞鍋:あとは利益がどうなったのかという話ですが、(adidasさん、3COINSさん、ビームスさんなどの)ああいう大きいところに入っていったので、すごく伸びていっているのは本当に間違いなくて。数字を出せていなかったのは申し訳ないなと思っているんですけども、たくさん潤っています。
今までは返品・交換というSaaSをやってきたんですが、実はこのあとトランザクションビジネス、要するに1個の決済みたいなビジネスに変わっていくようなところが今後のRecustomerなので、次はそういったお話もできるといいなと思っています。ありがとうございます。
藤本:ありがとうございます。
司会者:藤本さん、ありがとうございました。以上で質疑応答は終了となります。眞鍋さま、お疲れさまでした。ありがとうございました。
眞鍋:ありがとうございます。
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